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三菱商事株式会社(8058)

開催日:2021年3月14日(日)

説明者:IR部長  寺田 達彦 氏

 

1.会社概要

・ 1954年三菱商事が発足しました。株式上場から今年で67年目を迎えます。

・ 当社の個人株主は約34万人(2020年9月末時点)おり、株主全体の約20%を占めています。

・ 世界約90ヵ国・地域に広がる拠点と、約1,700社(2020年6月末時点)の連結対象会社と共にビジネスを展開しています。このグローバルなネットワークと多岐にわたる事業領域を担う10の営業グループ、そして社員が当社の大事な資産です。

・ 1969年にブルネイでのLNG開発事業へ初の大型投資を行い、その後オーストラリアの原料炭事業に代表される開発投資型ビジネスをグローバルに展開してきました。

 

2.事業内容

・ 10の営業グループがあります。

・ 鉄を作るのに必要な原料炭を扱う金属資源グループは、原料炭や銅を中核として世界最高水準のコスト競争力と品質を兼ね備えた優良資源を保有しています。世界経済の成長に伴い堅調な需要が見込まれる原料炭や銅、鉄鉱石、アルミといった金属資源への投資開発に関わっています。

・ 天然ガス事業グループは、1969年に初めて天然ガスを輸入して以来、天然ガスの生産、輸送、トレーディングに全世界で事業を展開しています。天然ガスは人々の生活に必要な電気やガスの燃料で、環境負荷が低く世界的に需要が拡大しています。

・ 自動車・モビリティグループは、乗用車、商用車の販売や販売企業を中心とし、今後成長が期待されるASEANでますます拡大が見込まれます。

・ 総合素材グループは、自動車、インフラといった対面業界においてニードルコークスや鉄鋼製品、セメントと多岐にわたる素材の販売事業開発を行っています。

・ 産業インフラグループでは、プラントエンジニアリング、産業機械、船舶、宇宙航空機などの分野において社会の発展に寄与しています。

・ 石油・化学グループは、ガソリンスタンド向け燃料やプラスチック原料を扱っています。

・ 食品産業グループ及びコンシューマー産業グループでは、安心、安全な食料をお届けするためのさまざまな事業に取り組んでいます。身近なところでは、ローソン株式会社は子会社です。

・ 電力ソリューショングループでは、発電からエネルギーサービス事業を中心に電力ニーズに応える取り組みを行っています。電動化に欠かすことができないリチウムイオン電池や蓄電に関する事業も行っており、再生可能エネルギーなど環境負荷の低いエネルギーにも取り組んでいます。

・ 複合都市開発グループでは、注力分野であるASEANの都市開発だけでなく、宇宙や情報化社会を支えるデータセンターなども手掛けており、また都市の基盤となる鉄道、道路、水道事業等のインフラ開発も行っています。

 

3.成長戦略

・ 今後予想される環境の変化において、デジタル技術の発展による社会の変化また気候変動リスクに備える取り組みを行います。デジタルトランスフォーメーション(DX)による産業構造の変化への取り組みや、環境負荷が低くサスティナブルなエネルギーの提供に今後注力します。

・ 環境問題に対する取り組みであるエネルギートランスフォーメーション(EX)を推進していきます。エネルギー拡大への対応と、大気・空気汚染の低減や低・脱炭素化社会の実現に向けて、エネルギーの安定供給を目指します。

・ 次世代エネルギーとして期待されているアンモニア・水素事業に取り組んでいきます。

・ 約20年ぶりに人事制度の更新を行いました。従来のメンバーシップ型の制度を維持しつつジョブ型の概念を取り入れたハイブリッド型で、実力に応じた早期登用を実現する制度を取り入れます。経営マインドをもった人材を継続的に生み出し続けることができるよう目指します。

・ 人事部内に女性活躍・ダイバーシティ室を設置しました。多様な人材が活躍できる制度整備し、会社の風土醸成にも注力します。女性活躍の観点では行動計画を策定し、各種目標を立てて取り組みを推進しています。

 

4.業績関連および株主還元方針

・ 事業環境は引き続き不透明感があるものの、四半期ごとの連結純利益は着実な回復基調にあります。

・ 本年度(2020年度)連結純利益の通期業績見通しは、2,000億円です。

・ 2016年度より累進配当制を採用しており、本年度は前年度比2円増配の1株当たり134円を予定しています。

・ 株主様お1人につき、半期に1本当社がマレーシアなどで植樹を行い、社会に貢献します。

 

5.質疑応答

Q1. 株式配当をもとに株を購入、長期保有を基本に株式投資を続けています。貴社の配当継続の考え方を教えてください。

A1. 配当の基本方針として、現在累進配当制を維持しております。これは2016年度から実施しており、2020年度は前年度から2円増配の1株当たり134円の配当としております。2021年度も累進配当制は継続いたします。その先の次期中期経営戦略での配当方針に関しては現状では確定した内容を申しあげられませんが、コロナ禍からの回復基調も見えてきている業績も踏まえて、現状の水準を基に議論されていくとの認識です。

 

Q2. 大手総合商社は事業内容が似ているため、違いがよく分かりません。他にはない貴社固有の長所としてどのようなことがありますか。

A2. 当社固有の観点から申し上げますと、今、当社には10のビジネスグループがあります。なかでも資源系が歴史的にみても強いことが特徴です。当社は1669年にブルネイのLNG事業を始めましたが、50年以上の歴史のなかで、エネルギーに対するエクスポージャーは、大きく当社の事業利益に貢献してきました。ただし現在は、何をエネルギーにするかという大きな時代変革の波がきていると捉えています。まだまだLNGの重要性は変わらないものの、これまでの化石燃料と違うエネルギー源として風力等がこれから主力になるだろうと考え、オランダの風力発電の会社に投資を行いました。時代より少し先に進んでいく形で、将来の収益基盤を作るための動きをしています。そのほか、食料、自動車も当社は長い歴史を持ちビジネスを行っていますので、より固有の色が強いと思っています。そして、人材です。第一希望で応募してきてくださる方が大勢いらっしゃいますので、人材を有効活用し当社固有の強みを更に強めていきたいと考え、人事制度を変更し、より若手の成長を加速させるような取り組みも始めています。

 

Q3. 最近の株価上昇の要因は何ですか。

A3. 2020年3月、4月は世の中のすべてがいったんクラッシュした状況になり、当社事業もマクロ状況の悪化に伴い収益が大きく落ち込みました。今年度明けの決算時には、先行きの不透明感が強く、年度予想が出せませんでした。そこから、第3四半期にあたる2020年10〜12月の数字を見ますと、第1四半期、第2四半期時点からはマクロ環境、即ちコロナ禍の影響がだいぶ和らいできました。ただ、市場がよくなったから業績、株価が戻ったということではなく、当社としても不採算取引の見直し、経費の削減や見直し等、従来のビジネススタイルに大きくメスを入れて、より筋肉質に、力強い収益体制に変えていく取り組みを平行的に実行してきたことと合わさって、数字が出たと認識しております。苦しい環境のなかでの取り組みによって、それなりに効果がでたと考えております。私たち自身も一安心をしているところですので、株価をみて株主の皆様も少し安心していただけるのではないでしょうか。

 

Q4. 脱炭素が世界の目標になっています。御社は石炭等炭素を発生させるものを扱っておられますが、脱炭素とSDGsへの御社の基本的な考え方をお聞かせください。

A4. 新しい時代の潮流として、外部環境の変化とともに私たちのビジネスも合わせて大きく変えていくという形で、さまざまな議論を社内で進めています。先ほど当社固有の強みに関するご質問の中でエネルギーに関して申し上げましたが、この領域はいわゆるESG、それからEXのなかで最たる地殻変動が起こっている場所でございます。化石燃料から非化石燃料に移るなかで、今メインのビジネスのうちの一つは化石に関連したものです。LNGの排出する二酸化炭素量は原油、石炭に比べると圧倒的に少ないものの、大きく分けるとどうしてもそこに分類されます。これからもコアビジネスとして展開していくために、社内でエネルギー委員会を作り、グループを超えてさまざまに議論しています。そのなかで、ご質問の石炭について少し細かく説明いたしますと、いわゆる発電用の一般炭は2年前にすべて撤退しています。ESG、エネルギーのレスカーボン化、低炭素、脱炭素といった時代の動きが見えてきていため、いち早く動きだしたということです。一方で、発電関係で石炭はまだ少し残っていますが、こちらはもう新規には行わない基本方針です。時代の変化よりも1歩、2歩先に進んでビジネスポートフォリオを変えていこうという動きを進めております。先ほどLNGの話をいたしましたが、当社は目先の話だけではなく、その少し先を見据えています。日本政府は2050年までの脱炭素についての指標を出しています。これを踏まえ、来年度にはビジネスの見通し、試みのアプローチの仕方、カーボンとのかかわり方などを一元的に、当社のEXの最適解として発表する予定です。Now & Futureとなりますが、どういう取り組みをしていくかをお示しできると思っております。今しばし、お待ちいただければと思います。

 

Q5. コロナウイルスの影響で物流が滞る状況にあるようですが、御社には影響がありますか。

A5. 2020年の3〜5月ごろはコロナ禍の影響が発生していました。例えば、物流システムで動かす人が出社しにくいなどの支障がありましたが、基本的にはトラック輸送などはパーソナルな空間なので、比較的事業としては大きな影響なくスムーズに流れたと思っています。むしろ、テレワーク移行に伴う巣ごもり需要の拡大により、スーパーマーケットなどでの物流が拡大しはじめ、その対応に追われた部分もありました。しかし、日本の物流というのは古いシステムがずっと残っているところもあります。DXに関連しますが、AIを用いるなど物流システムの最適化を鋭意検討中です。こちらも来年度のEX最適解よりももっと早い段階で具体的な事例をいくつかお見せできるかと思っております。例えば、小売りでは販売量がはっきり見えないことから多めに在庫を積むことで、過剰在庫による食品ロスが生まれています。試算しますと、1年間で1兆円以上の食品ロスがあるとも言われております。先ほどのESGと関係しますが、食品ロスを減らせば、社会的にも非常にプラスになるという視点をもって今取り組んでいます。

 

Q6. 世界的投資家のウォーレン・バフェット氏による貴社への投資をどのようにとらえていらっしゃいますか。

A6. 日本の商社業界は各社共にソフトからハードまでさまざまなビジネスポートフォリオを持っています。エクスポージャーを分散して、日本産業をうまくひとまとめに拾っている、“面”として持っていることが挙げられます。海外の方が日本に投資を考えたときに、商社は取っ掛かりとして分かり易いのだと思います。また、日本がデフレの後に少し株価が戻り始め、そのなかでもしっかり成長してきたことは、出遅れ感はあるものの、バークシャー・ハサウェイ社が今後の成長を見初めてくれたということかと思います。これは日本株に対して基本的にはポジティブに見てくれていることの裏返しだと思っています。バークシャー・ハサウェイ社の特徴は、割安なものを買って長期で保有し、そこから利益を上げていくというバリュー投資が原点であると思います。その意味でPBR(株価純資産倍率)が割安の状況にあり、投資されたと思っています。割安なところからしっかり成長をみせ、収益の改善をしていくことは非常に重要なポイントであり、商社業界だけではなく日本経済にも非常に喜ばしい話だと思います。大事なポイントはいかに継続的に回復、上昇をみせていくかですので、しっかり意識してまいりたいと思っております。

 

Q7. 原油価格が上昇していますが、業績予想にどのぐらい影響がありますか。

A7. LNGも原油価格に完全に連動するわけではないですが、もともと長期プロジェクトが概して8割以上を占めています。長期契約によって、日本、その他の国に向けてのディストリビューションの部分を決め、収益を挙げていく形です。短期的に原油が大きく上がったから、非常に大きなプラスの影響があるわけではありません。ただ、半年前、8ヵ月前と比較して、マクロの環境と経済の回復がありました。これを踏まえて中国需要等、底堅い原油需要の見通しに戻ってきています。その後は上昇気流におりますから、来年度に向けてこの原油が急落しないかぎりは、当社収益にポジティブな影響が出ることは間違いないとみています。

 

Q8. 来年より出鉱が予定されているチリ銅山(註:正しくは「ペルー銅山」)の貴社の売上、利益の貢献度はどの程度と予測されていますか。可能な範囲で結構ですので教えてください。

A8. 銅は将来より有望の商品と思っています。現在でも携帯や電線など、インフラ需要がありますが、将来のニーズとして大きいのは電気自動車です。電気自動車のモーターの中はほとんど銅のコイルです。この銅のコイルのニーズを考えますと、今でも十分コアではありますが、大きな将来性を持っています。実は開発中の銅の鉱山も南米であり、2年余りで生産が始まると予定しています。

 

Q9. 事業ポートフォリオの構成方針について教えてください。非資源分野の比率を高めて業績の安定化を図る方針でしたが、資源価格の上昇やウォーレン・バフェット氏の株式取得によって方針に変更はありますか。

A9. 基本方針に変化はございません。収益の基盤としては、資源と自動車、天然ガスです。収益は非常に大きな分野ですが、一方でマクロの波にさらされやすいです。収益基盤においてより高みを目指す意味で、底上げを図っていきます。今年度はコロナ禍の影響で収益が落ち込みましたが、影響がなければ過去2〜3年の足並みは良いアップトレンドを維持できていたはずだと思います。足元過去の状態に戻ろうとしているので、当初の方針は変えず、資源分野に加えて安定収益を高めるために非資源分野にも力を入れてまいります。一例としては、電力ソリューションとしてオランダのEneco社に昨年大きな投資行っております。今後電力は、リニューアブルのエネルギーのニーズも着実に広がるという見通しであり、非資源分野の比率も徐々に高まり、より安定した収益を目指せると考えています。

 

Q10. ローソン株式会社を完全子会社化(註:正しくは「子会社化」)しましたが、その理由と価値の最大化をどのように実施していく予定でしょうか?

A10. ローソン株式会社は現在、50%強の株主比率です。長年ともにビジネスをしてきたため、人の交流のみならず深い議論をお互い重ねており、会社の方向性はぶれなく同じ方向で進めています。このように現状の体制はしっかり維持できております。最近はコロナ禍の影響を考えますと、コンビニエンス業界はビジネスエリア、観光地などで影響が大きいこともあり、アフターコロナ時代も余波が残るとみています。一方で海外展開に力を入れており、現在中国では3,000超の店舗を展開しています。国内が1万2,000〜3,000店舗ですので、店舗展開がかなり広がってきました。中国はGDPで世界のなかでも圧倒的な成長をし続けている地域ですので、3,000店舗台になってきますと、当然ながら大きな利益が見込め、明るい話題の一つにもなっています。 

 

以上

  

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