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 株式会社サンリオ(8136)

開催日:2024年3月9日(土)

場 所:TKPエルガーラホール 7階 中ホール(福岡県福岡市中央区)

説明者:IR室 シニアマネージャー  槇谷 豪夫 氏

 

1.会社概要と企業理念

  • 現在、業績が好調に推移しています。時価総額は、2月15日の終値時点で、5,749億円となりました。昨日の株価終値が8,482円で、約7,000億弱にまで成長しています。
  • 当社は現在の名誉会長で、創業者である辻信太郎が、1960年に設立しました。その後、60年にわたり社長を続けてきましたが、2020年7月に孫の辻朋邦に交代しました。
  • サンリオの企業理念は「みんななかよく」です。2021年5月には、「One World, Connecting Smiles.」という新たなビジョンを制定しました。そのビジョンを胸に、一人一人の笑顔を作り出し、幸せの輪を広げていくことによって、企業理念「みんななかよく」の達成を目指します。

 

2.主な事業内容

  • 主な事業は、「(1)物販ビジネス」「(2)ライセンスビジネス」「(3)テーマパークビジネス」「(4)新規ビジネス等」の4つになります。これら4つのビジネスは相互に関連性を持って融合することにより、相乗効果が生まれ、大きな成果につながっていくものと考えています。
  • (1)物販ビジネスは、ギフト商品の企画・販売、直営店や百貨店のサンリオショップの展開、量販店・専門店への卸売りを行います。また、海外でもサンリオのキャラクター商品が販売されています。ここから近いところでは、天神地下街やキャナルシティ博多にも大きな店舗があります。お時間あれば、お立ち寄りください。近年は、Eコマースの売り上げ増加に向けても取り組んでいます。
  • (2)ライセンスビジネスについて。商品化ライセンスとは、ライセンス先が競合他社との差別化のために、商品にサンリオキャラクターのデザインを使用するものです。アディダスやコンバース、ナイキ、プーマとコラボレーションを行いました。他にも、身近な食品や、若者に人気のブランドであるポール&ジョーやアナスイ、フランス高級ファッションブランドのクロエと、われわれのキャラクターであるマイメロディがコラボした事例もあります。 広告宣伝/販売促進、プロモーションでは、官民を問わず、イベントや公共活動において、集客や利用促進を目的として、サンリオキャラクターをご活用いただいています。通常は、競合他社が扱ったキャラクターは敬遠されて、他のキャラクターに流れがちです。しかし、サンリオの場合は、ハローキティ以外にも人気のキャラクターが多くあるため、競合他社がほぼ同時期にわれわれのキャラクターを使うこともあります。
  • 空間ビジネスと読んでいる空間や環境の演出について。兵庫県淡路島にある「HELLO KITTY SMILE」は、2018年より株式会社パソナグループが地域活性事業の一環として、レストランやシアターなどのアミューズメント運営を開始されています。ハローキティのドーム型のスペースでは、最新のプロジェクションマッピングなどでハローキティの世界を満喫していただけます。中国の上海近郊にある安吉パークや、韓国の済州島の「Hello Kitty Island」などもあります。これらはライセンスベースで展開しています。
  • (3)テーマパークビジネスでは、東京都の「サンリオピューロランド」と大分県の「ハーモニーランド」の2つを直営で展開しています。顧客との新たな接点の場として、今後ますます進むとされているデジタル化を展望して、バーチャルイベントにも力を入れています。
  • (4)新規ビジネス等には、新たに立ち上げた教育事業、エデュテイメント事業があります。昨年3月に、幼児向け英語教材「Sanrio English Master」の販売をスタートしました。また、教育文脈の体験型のアトラクションを、昨年10月、サンリオピューロランドにオープンしました。 人気アーティストやサンリオのキャラクターなどが出演するバーチャルイベント、「SANRIO Virtual Festival」の第2回目を昨年1月に開催しました。来場者数が238万人を記録するなど、世界最大規模のメタバースイベントにまで育っています。今年はさらにコンテンツを充実させて、期間も1カ月に延長しています。今ちょうど実施中です。2月19日から3月16日まで展開しています。来場者数延べ400万人以上を目指しています。

 

3.サンリオの強みと新たな取り組み

  • サンリオの強みは、クリエイティブ力とプロデュース力です。クリエイティブ力の1つ目はキャラクター開発力です。50年近くにわたって、市場に商品が存在する息の長いキャラクターを開発し、現在までに生まれたキャラクターは450種類以上にのぼります。2つ目は高い柔軟性と汎用性、3つ目はデザイン性です。サンリオキャラクターは正面を向いているので、自己肯定感を上げてくれる存在と受け止められています。次にプロデュース力の1つ目は、他社コンテンツとの協業です。競い合うのではなく、積極的に協力し、活用しています。2つ目は、グローバル基盤です。海外の有力パートナーとも積極的に連携しています。連結売り上げの約4分の1が海外の収益となっています。また、今は新たにIP創造や新規事業開発と組み合わせて、新たな取り組みを実行しています。
  • (1)キャラクター開発力について。子どもの頃にキャラクターと出会い、大人になって、そのキャラクターのファンとして戻ってくる。そしてそのファンが子どもの世代にまで受け継がれていく。そのようなタイプのキャラクターがこれまでサンリオのキャラクター開発の中心でした。今日まで、世代を超えて皆さまにかわいがっていただいているキャラクターが数多くあります。 これまでの従来型キャラクターとは少し異なる、新たなファン層の獲得や市場開拓に向けて作られたキャラクターがあります。主にゲームやテレビ放映を伴う形で、広く皆さまにも知られるようになったキャラクターです。「ぐでたま」や「アグレッシブ烈子」がその代表例です。今後、ネットフリックスのような世界的映像配信プラットフォーマーとの連携にも取り組んでいきます。
  • (2)高い柔軟性と汎用性について。ハローキティは時代とともにいろいろな要素を取り入れながら、デザインを変えてきました。さらにキャラクターのデザインを、取引先のイメージに合わせて柔軟に変化させています。そのため、バリエーションが広がってきました。時には、かわいいおばけや女子高生姿、カメラやスピーカーにもなります。高級なアクセサリーにもなれることから、ハローキティはサンリオ一の変幻自在の働き者とも言えます。
  • (3)デザイン性について。サンリオのキャラクターは、基本的に顔も目線も真正面を向いています。見ていると、絶えずじっと見つめられているような感じになってきませんか。自己肯定感を上げてくれる存在として受け止められており、日常に溶け込みやすいデザイン性を持ち合わせています。彩りも非常にカラフルで、サンリオ以外の他社とのコンテンツともコラボレーションがしやすいキャラクターとなっています。
  • (4)他社コンテンツとの協業について。われわれの企業理念「みんななかよく」のとおり、他社と競合するのではなく、協業しています。「ちいかわ」や、テレビアニメ『ブルーロック』のキャラクター、ホンダのスーパーカブともコラボレーションしています。
  • (5)グローバル基盤を持っていることも強みです。欧米とアジアを合わせて、10カ所で現地法人を展開しています。海外の売り上げは連結売り上げの約4分の1以上を占めており、今後もさらなる拡大が期待されます。特に北米と中国は、さらに拡大できる市場と見ています。
  • (6)キャラクターIPの新たな取り組みとして実施した「NEXT KAWAII PROJECT」があります。キャッチフレーズ「見つけよう、次世代のKAWAII」のもと、共感性の高い世界観や設定を持った新規IPの創出を目的に実施しました。3つのステップを経て、「はなまるおばけ」が新キャラクターとして、昨年デビューしました。「ぺたぺたみにりあん」は、SNS上でストーリーコンテンツを発信する形で、2022年9月にデビューしました。
  • (7)新規事業開発について。エデュテイメント事業は、昨年3月に幼児向け英語教材「Sanrio English Master」の販売をスタートしました。新しく誕生したエデュテイメント事業のガイド役となる新キャラクターが、Eddy(エディ)とPita(ピタ)です。まずは、英語教材を中心とした教育セグメントでの市場形成を進めます。 デジタル戦略では、バーチャルピューロランドを今後、バーチャルの世界で作っていこうと考えています。24時間365日、世界中からさまざまなクリエイターやファンが集まるバーチャルテーマパークを目指しています。オンラインの空間上で、バーチャルのテーマパークを作り、1年間稼働できるように、今考えている段階です。 常に人やコンテンツにあふれるバーチャルテーマパークとなるために、クリエイターとファンをつなぐ、「メタバース事業」、「UGX(※)支援事業」、「ファンコミュニティ事業」の3つのデジタル事業をスタートしました。メタバース事業では、昨年実施した、第2回「SANRIO Virtual Festival」で達成した、来場者数238万人を大きく上回る、来場者数400万人を目標としています。現在、開催中です。 ※UGC(ユーザージェネレイティッドコンテンツ)に加えて、UGIP(intellectual property)、UGP(Product)等を総称する概念をサンリオWeb3.0推進チームが定義

 

4.中期経営計画の進捗と今後

  • 2021年5月に、VMV(ビジョン、ミッション、バリュー)を見直しました。「みんななかよく」の企業理念に対して、VMVを明確に定義付けしました。ビジョンは「One World, Connecting Smiles.」です。1人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていくことを目標に掲げています。
  • 半年ごとに公表しているサンリオ時間も順調に増加しています。サンリオ時間とは、当社のビジョン「One World, Connecting Smiles.」にどれだけ近づいているかを見える化した、非財務情報です。本施策を始めた2021年からスタートし、10年間で累計3,000億時間以上を目指しています。2023年9月時点で、648億時間となり、着実に増えています。
  • 2024年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を、3年前に発表しました。まもなく終了します。現在進行中の中期経営計画は、「組織風土改革」、「構造改革の完遂」、「再成長の種まき」を3本柱としています。また、社長交代も相まって、第2の創業と位置付けています。
  • 本中計2年目の2023年3月期が終わった時点の成果についてご説明します。「組織風土改革」では、取締役会メンバーが2022年6月に10歳以上若返りました。また昨年10月には、コンプライアンス室を新たに設置し、コンプライアンス機能を強化しました。「構造改革の完遂」は、長年、赤字部門であった国内の物販事業と北米事業を、1年前倒しで黒字化することができました。「再成長への種まき」は、「NEXT KAWAII PROJECT」から新規キャラクターの「はなまるおばけ」というキャラクターがデビューしました。エデュテイメント事業は、昨年3月に英語向け教材「Sanrio English Master」がローンチしました。
  • 2014年3月期に過去最高となる210億円の連結営業利益を計上しました。しかし、その後は右肩下がりに減収減益となり、2021年3月期に32億円の営業赤字となりました。過去の反省から、今期は、3カ年の中期経営計画「未来への創造と挑戦」を発表しました。3本柱である「組織風土改革」、「構造改革の完遂」、「再成長の種まき」が順調に推移しています。
  • 今期の3Q時点の決算発表を、2月14日に行いました。3Q時点で、通期の過去最高となる営業利益210億円を超えて、213億円を達成しました。なお、現在、今期の見通しは268億円の営業利益を予想しています。
  • 向こう10年で、時価総額1兆円、営業利益500億円を目指しています。
  • グローバルエンターテイメント企業になることを目標として、「サンリオの向こう10年を見据えた“価値創造ストーリー”」を描きました。何を「価値創造の基盤」と定義して、どのような「投資の方向性」や「事業ドメインの拡張」を経て、どのような「サンリオとしての創出価値」を社会に届けるのかを、取締役会で議論し、中計あるいは向こう10年にわたる長期目標として策定しました。10年後をめどに、目標数値として、時価総額1兆円、営業利益500億円を達成している企業を目指します。これを達成するために、インプット、プロセス、アウトプットを設定しました。
  • アウトプットとして、マテリアリティを定義しました。私たちは、「いつもの笑顔」と「新しい笑顔」の両方を増やす事業を展開していく中で、生み出される「創出価値」により、どのような社会課題に取り組んでいくのかを、非財務目標としてコミットします。サンリオが特定したマテリアリティは、Well-Beingの充足、国境・世代を超えた社会のつながり強化、クリエイティブの民主化、子供の教育水準の向上、社内外のヒトへの投資、ダイバーシティの実現、地球環境への配慮、人権の尊重、顧客のプライバシー&データセキュリティ、ガバナンスの透明性・可視化の10項目です。
  • ESGの観点で解決すべき課題として、特に「地球環境への配慮」と「人権の尊重」のマテリアリティについて、3つの項目に対して目標値を設定しています。
  • 最近は毎日のように耳にするSDGsという表現ですが、ハローキティは2019年から国連とともにSDGsの活動を推進しています。
  • スポーツの支援を通じて、企業イメージの向上を図るコーポレート・ブランディングの取り組みを行っています。卓球の平野美宇選手ともスポンサー契約を結んでいます。
  • ハローキティは2024年で50周年を迎えることができました。昨年11月から今年12月を50周年アニバーサリーイヤーとして、「Friend the Future.未来と友だちになろう。」をテーマに、さまざまな取り組みを行っています。詳細はホームページなどで順次お知らせしますので、ぜひコーポレートサイトもご覧ください。

 

5.株主還元

  • 配当金は、期末配当予想を当初の22.5円から、好調な業績やハローキティ50周年記念を加味して、42.5円にして、年間で65円に予想修正しています。
  • 2024年4月から1対3に株式分割を行うことを、先日、発表しました。
  • 株主優待は、東京のサンリオピューロランドや、大分のハーモニーランドのテーマパーク共通優待券と、店舗や「Sanrio+」スマイルポイントに変換できる買い物優待券を、株数に応じてお送りしています。

最後に

  • われわれは既存事業として物販事業とライセンス事業、テーマパーク事業があり、そこに新規事業として、エデュテイメント事業、ゲーム事業、デジタル分野での成長を目指しています。このようなオーガニック成長と、他社との提携、出資を含めたM&Aなどによるインオーガニック成長で、向こう10年で、時価総額1兆円、営業利益500億円の達成を目指します。
  • サンリオの企業理念や実態、これからの方向性について、少しでもご理解を深めていただけましたら幸いです。

 

6.質疑応答

Q1. 本日の説明会で、個人投資家に一番アピールしたいポイントをお聞かせください。

A1. これからの10年間で、時価総額1兆円と営業利益500億円を目指しています。2021年3月期に、32億円の営業赤字を出してしまいました。ここから社長の交代も相まって、組織の変革にスピード感をもって取り組んでいます。また、赤字事業であった北米事業と国内物販事業も、1年前倒しで黒字化しています。われわれの成長がこれで終わりかというと、全くそうは考えていません。時価総額1兆円、営業利益500億円は通過点だと考えています。われわれは皆さまにキャラクターを愛していただいて、成長している企業です。今日は投資家の皆さんの前ですので、数値を示していますが、キャラクターとともに成長していきたいと考えています。

 

Q2. 経営陣が大切にしているモットーや信念は何でしょうか。

A2. 1960年に創業しました。創業者が今年で96歳になりますが、とても元気です。新しい社長が創業者の孫に当たります。35歳と非常に若いのですが、企業理念「みんななかよく」だけは必ず守っていこうと、強い決意を持っています。また、新社長になり、新しいビジョン「One World, Connecting Smiles.」を打ち立てました。われわれの事業は世界中を笑顔にしていくことで、それが企業理念となっています。そこをこれからもしっかり推し進めたいと考えています。

 

Q3. 御社のキャラクターは、海外のファンも多いと聞きます。国内ファンとの好みの違いや、消費行動の特徴などはありますか。また、今後の対応はどのように考えていますか。

A3. 少し回答の角度が変わるかもしれませんが。われわれは2014年3月期に過去最高の営業利益を出しました。欧米で営業利益の大半を生み出していましたが、その時の収益の柱はハローキティのみで、比率は95%もありました。そこから、ハローキティの人気が下がるとともに、われわれの業績も一気に下がり、2021年3月期に赤字になってしまいました。 ハローキティの人気は下がりましたが、認知度は非常に高かったため、ハローキティフレンズという、ハローキティと一緒に他のキャラクターをSNSや動画で、地道な努力を重ねて、投稿していきました。その投稿の際に分析チームをつくって、どういう話が、どういうタイミングで、どれぐらいの長さのものを投稿すると、より一般のユーザーまで届くのかと、精緻な分析を行い、認知度を上げていきました。今はハローキティも人気ですし、それ以外のキャラクターも人気や認知度を上げています。足元では、ハローキティの収益の割合が3割で、残り7割をハローキティ以外のキャラクターが生み出すという構造になりました。海外と日本ではその比率は少し違いますが、われわれが持っているキャラクターをしっかり世の中に伝えていきたいと考えています。

 

Q4. たくさんのキャラクターがいると思いますが、槇谷さんが個人的に好きなキャラクターは何ですか。

A4. 全部大好きです。宣伝のようで少し恐縮なのですが、皆さまのおかげでハローキティが今年で50周年を迎えることになりました。50年愛されるキャラクターは、本当にすごいことだと思っています。今後も愛していただけるように、ハローキティの50周年を祝いながら、他のキャラクターも皆さまと一緒に育てていきたいと考えています。

 

Q5. 2020年に社長が変わって、企業として変革した部分はありますか。

A5. 企業理念「みんななかよく」は絶対に変えるべきではないと考えています。このベースを持ちながら、新しくなった社長の下で、それまでやっていた事業の良い部分を残しながら、今の時代に合うようにスピード感をもって変えていく。これが今の社長になって、大きく変わったところだと思います。従来は、「ハローキティ1本足打法」と言われることもありましたが、今は多くのキャラクターが育ってきています。そういうことができているのが、大きな変革だと考えています。

 

Q6. 4つの事業内容の売り上げ構成を教えてください。例えば物販販売が何%、ライセンスが何%など。また、今後はどのように注力していく予定ですか。

A6. グローバル連結で見た時に、物販の割合が約6割、ライセンスが約4割となっています。われわれは国内の売り上げ比率が非常に高くなっています。今、国内に152店舗のサンリオショップを持っています。収益力がまるで違います。ライセンスの収益力が非常に高く、ここを今後しっかり国内にとどまらず海外でも事業拡大できると考え、伸ばしていきたいと考えています。物販事業は、ダイレクトにお客さまと触れ合うことができ、商品もわれわれの思いを持って展開できる場所でもあります。テーマパークを含めて、引き続き大事にしたいと考えています。

 

Q7. 1960年に創立して以来、さまざまな試練を乗り越えて、貴社が存続できた一番の理由をどのようにお考えでしょうか。将来的にはどのような会社でありたいと思われますか。

A7. 今年ハローキティが50周年を迎えます。3世代にわたり、長く愛されるキャラクターがいることがわれわれの強みで、ここには確固たるものがあると考えています。今後は、キャラクターの会社から、グローバルなエンターテインメント企業になることを目指しています。そのために、新たな事業ドメインとして、教育や、今後ますます活性化されるデジタルの分野も見据えながら、事業を拡大していきたいと考えています。

 

Q8. 貴社のビジネスモデルの特徴は何でしょうか。もし成長戦略があれば併せて教えてください。

A8. われわれは独自のキャラクターを450種類も持っています。ここが非常に大きいと思います。社内のデザイナーがキャラクターを作っており、デザイナーも100名を超えています。ここはやはり強みだと思っています。 今後の成長戦略について、今走っている3カ年の中期経営計画は、赤字を出してからの足場固めと考えています。今年5月に、次の中期経営計画の発表を予定していますので、そこで成長戦略をしっかり伝えていきたいと思っています。われわれはまだまだ成長できる余地がたくさんあると考えています。5月には、その部分をしっかり皆さまにお伝えしたいと考えています。

 

Q9. 岸田政権の一連の少子化対策について、今後、御社のビジネス機会は見込めそうでしょうか。

A9. 政権の政策について何かを申し上げる立場ではありませんが、われわれは国内に新たな事業を展開することで、まだまだ成長できると考えています。海外では、北米と中国のエンターテイメント市場を二大市場と見ていますが、その市場でのわれわれの収益はごくわずかです。まずは、ここでしっかり成長して、事業拡大していきたいと考えています。グローバルで見た時に、われわれのキャラクターが進出していない国も多くあります。そういうところにもビジネスチャンスがあるのではないかと考えています。

 

Q10. 貴社のキャラクター商品に関する将来の展望や戦略をお聞かせください。ハローキティに次ぐキャラクターはどれでしょうか。第2、第3のハローキティを育てる方策を教えてください。

A10. ハローキティの比率が10年前の7割から、現在は3割になっています。他のキャラクターの比率は、営業上、秘密になっているため言えないのですが。われわれは今、複数キャラクター展開をしています。ハローキティやシナモロールだけではなく、いろいろなキャラクターを取引先に使っていただくように展開しています。例えば一つのデザインの中にいろいろなキャラクターがいる場合と、一つの商品でキャラクターごとに展開する場合、大きくはこの2つを複数キャラクター展開と呼んでいます。 複数キャラクター展開を過去、全くやっていなかったのですが、これができることにより、競合他社がサンリオのキャラクターを使っていくと敬遠されるのですが、いろいろなキャラクターを持っているため、同時期で使っていただけます。また、1年目はハローキティ、2年目はポムポムプリン、3年目はクロミ、4年目は……という形で、複数年の契約が取れるようになりました。いろいろなキャラクターが育ってきたことで、ビジネスの幅が広がっています。 ハローキティの次のキャラクターについて、いろいろな形で展開しています。「NEXT KAWAII PROJECT」など、一般のエンドユーザーの方にも参加していただいて、100個種類ぐらいのキャラクターからスタートして、3段階のステップを経て、最終的に「みんなで一緒に決めましょう」ということで、去年「はなまるおばけ」というキャラクターがデビューしました。デビューの時に、既にSNSのフォロワーが10万人を超えて、かなり確度の高いところからキャラクターがデビューできています。 それ以外にも、われわれは今後デジタルの領域にも進もうと思っています。そうなった時に、こういったかわいいキャラクターも持っているんですけれども、よりデジタル世代に刺さるような人型のキャラクターを開発し、デビューしています。いろいろなことにトライしながら、事業を進めています。

 

以上

 

 

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