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株式会社ハイデイ日高(7611)

開催日:2024年1月23日(火)

説明者:代表取締役社長  青野 敬成 氏

 

1. ハイデイ日高について

・ 令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方、また、今も被災されている方に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興をお祈りいたします。

当社は埼玉県に本社があり、社員数は935名。フレンド社員(パート・アルバイト社員)11,217名で運営しています。売上高は、第3四半期累計で過去最高を達成。2023年9月4日の株価3,095円は、年初来の高値を更新しています。業績は2023年8月21日に上方修正し、2024年2月期の売上目標は470億円です。

・ 経営理念は「使命・挑戦・感謝」。営業方針は、「ハイデイ日高は、働く社員の幸せを第一の目的とし、『食』を通じてお客様に満足して頂き、地域社会に必要とされる店づくりを目指します」。当社は「食のインフラ」を目指して取り組んでいます。

・ 昨年、当社は創業50周年を迎えました。今年は51周年となり、さらなる飛躍を目指しています。

主力の「日高屋」は業態20周年。最初は「来々軒」と「ラーメン館」という業態があり、その間を取ったのが今の「日高屋」です。ラーメンと定食をメインに、販売を強化。さらに、焼鳥屋の「焼鳥日高」も運営。全業態で首都圏で400店舗以上を展開し、リーズナブルで美味しい料理を提供しています。

・ 当社の強みは、まずドミナント戦略であること。

セントラルキッチンは行田市にあり、首都圏の駅前や繁華街に出店。最近はロードサイド出店も強化しています。

また、食事から「ちょい飲み」にも対応。幅広い層のお客様に向けて、ランチ、ディナー、深夜のちょい飲みと、多くのニーズにお応えしています。

さらに品質保持とブランド力向上を積極的に展開。直営店がメインで445店舗。FC主体の企業が多い中で、直営がメインのメリットを生かし、数多くのニーズにスピーディに取り組んでいます。

・ 行田市にある工場がセントラルキッチンです。2013年11月に600店舗体制に向けて増床。現在は当工場から各店舗に向けて、毎日、食材を配送しています。

・ 日高屋の人気メニューは、740円のニラレバ炒め定食や、一日に必要な野菜が350g入った570円の野菜たっぷりタンメンなど。いずれも税込価格です。

ぎょうざが270円、中華そばが390円、生ビールが340円。この3点を合計するとちょうど1,000円です。ただし、ぎょうざと中華そばを一緒に頼むとセット割引が効くので、それも踏まえると、3点で990円。1,000円札で10円おつりがきます。

このような形で当社は本当にリーズナブルに提供しています。

・ メニュー別の売上構成比をみると、主力は麺類とセットメニュー。アルコール類が約15%を占めており、居酒屋以外の業態でもアルコール比率が高いのが、他社との相違点です。また、定食やおつまみのメニューも豊富で、幅広い層のお客様のニーズにお応えしています。

 

2. 直近の業績

・ 前期の売上高は380億円、営業利益が6億1,500万円でした。

今期の通期予想は、売上高は上方修正して470億円。営業利益は41億5,000万円。前期に比べ大幅に回復するものと見込んでいます。

・ コロナ禍での既存店売上高の推移について。2020〜2021年は緊急事態宣言等もあり、なかなか売上が上がりませんでしたが、2021年8月以降、既存店前年比が徐々に上昇に転じ、今期は右肩上がりで回復しています。

・ 過去3年間の全店の売上高動向を、コロナ禍の影響がない2020年2月期を100として毎月の売上を比較すると、今期はどの月も2020年2月期を上回っており、過去最高の売上を達成できるのではないかと思っています。

・ 四半期ごとの業績推移も、2024年2月期は右肩上がりで、過去最高ペースで数字を更新しています。

・ 2014年2月期からの売上高と営業利益の推移では、コロナ禍までは順調に売上が上がっていました。しかしコロナ禍では一気に落ち込み、2021年2月期は28億円の営業赤字を計上。2022年2月期も35億円の赤字となりました。しかし昨年から回復し、昨年は6億1,000万円の営業利益、今期は41億5,000万円を予想。V字回復できていると考えています。コロナ禍は本当に大変でしたが、現在は営業時間などを伸ばし、売上も順調に回復しています。

 

3. 今期の取り組み・中期的な取り組み

・ 今期は創業から50年、日高屋業態20周年の節目の年。当社はさまざまな販促活動を行いました。例えば、記念パーティーの開催や復刻メニューの提供など。キーワードの50に掛けて、50円引きサービスも展開しました。いずれも多くのお客様から好評で、特に人気メニューの復刻版は、来客数回復にかなり貢献しました。

採用・IRサイトもリニューアル。外国人の採用も強化しています。1万1,000人のフレンド社員のうち、2,500人以上が外国人です。さまざまな方に働いていただくことで、人手不足の解消を図っています。

コロナ禍により短縮していた営業時間も延長・拡大。人員配置の適正化やタッチパネルメニューの導入やキャッシュレス決済などでDX化を図り、生産性を向上。少ない人員でも効率よく運営できる体制に切り替えています。

中期経営計画「Hiday500」を作成。1年ごとに見直しながら進めていますが、順調に進展しています。

 

【重点施策@:店舗開発戦略】

・ コロナ禍以前は駅前繁華街出店が中心でした。この戦略は変わりません。

店舗プランニングについてはロボットを活用したり、DXによりレイアウトを見直し、効率化の図れる店舗作りを目指しています。

また、比較的乗降客の少ない駅前でも、一定の条件をクリアすれば出店可能であることが判明。これまでは5万人/日を目安にしていましたが、3万人/日程度でも対応可能で、新たな出店場所として、計画を進めています。

さらに、ロードサイド出店も強化しています。これまでは1都3県を主体としていましたが、栃木や群馬、茨城などの北関東や、セントラルキッチンのある行田から足を伸ばせる近隣地域へ出店。幅広いお客様に向けて店舗展開していきます。

・ 今期の出店について、ロードサイド(RS)出店が増えています。神奈川県秦野市や茨城県古河市は初出店のエリアですが、かなりの売上が取れています。ロードサイドでの新たな出店は、今後も引き続き増やしていきます。

・ 新商圏として、セントラルキッチンのある行田を中心に、首都圏プラス隣接地域にまだまだ出店が可能だと考えています。現状では、東京都が203店舗、埼玉県が109店舗、神奈川県が73店舗、千葉県が54店舗ですが、茨城、栃木、群馬にも出店できる地域があります。さらに静岡や長野、新潟、福島も視野に入れ、出店場所があれば徐々に広げていきます。

 

【重点施策A:採用強化・人財育成】

・ 人なくして、営業はできません。社員採用の強化について、今期はベースアップを実施。新卒だけでなく中途入社も実施し、多くの社員が入社しています。

パート・アルバイトのフレンド社員の採用も強化。外国人の採用や店舗に合わせた時給設定などを実施。職務改善も図り、フレンド社員も増えています。

・ 人財育成では、ハイデイユニバーシティでSMDP研修を実施。SMDPはストアマネージャー・ディベロップメント・プログラムの略で、未経験から一歩一歩レベルアップできる階段式の研修内容です。一段階クリアすれば、人事の等級が上がり、給与もアップする。自分の成長がわかりやすく、店長になるまでどのように進めばいいのか、将来設計も立てやすい。このような研修を定期的に行っています。

福利厚生では、従業員持ち株会も実施。業務へのモチベーションの向上に繋がっています。多くの従業員が自社株を持つことで、当社の株価上昇にも寄与しています。

ダイバーシティの推進について、女性管理職の育成・登用を積極的に展開しています。外国人の採用も強化しています。

 

【重点施策B:DX推進戦略】

・ 店舗オペレーションについては、タッチパネル式オーダーシステムを導入。約半分の店舗で導入済で、スタッフの初期研修期間の短縮などの効果が出ています。加えて、追加オーダーも増加。客単価の向上に繋がっています。

ロードサイドの大型店など一部の店舗では、配膳ロボットも導入。土日などの来客数が多い時にはロボットの力も借りて、生産性を向上させています。

・ 集客については、ポイントサービスや各種キャンペーンを実施。これにより新たなお客様の獲得に繋げています。

 

【重点施策C:事業拡大・新商品開発・販路戦略】

・ 当社はラーメン屋ではなく、中華食堂という新たな業態を生み出してきました。全国のラーメン店の約60%は個人経営で、チェーン店のラーメン屋で500億円近い売上があるところはありません。当社はラーメンのある食堂として、定食なども充実。幅広い層のお客様から支持をいただいています。

・ 新商品も各種開発。今期は、日高ちゃんぽんや復刻メニューの担担麵や温玉旨辛ラーメンなどが人気でした。

・ 今年は辰年ということもあり、5年ぶりの新たなドリンクメニューとして、「ドラゴンハイボール®」も発売。紹興酒のソーダで、これまで紹興酒を知らなかったお客様にもハイボールの形で親しんでいただけるもので、新たなお客様の獲得に繋げています。

また、女性のお客様への訴求を高めるために、ドラゴンハイボール®に合わせて、ドラゴンチキンやロマネスコサラダなどの新たなおつまみメニューも投入しています。

 

【重点施策D:ブランディング強化】

・ 私が社長に就任してから強化しているのは、ブランディングの強化です。日高屋というブランドをどのように育てていくか、注力しています。

現状ではさまざまなネットニュースで日高屋を取り上げていただいており、日高屋のファンを増やしています。X(旧Twitter)やインスタグラムでの発信も充実させ、お客様との繋がりを大切にし、さまざまなご意見も参考にしています。

・ 日高屋が出店していない地域の皆様にも日高屋を知っていただくために、企業とのコラボでカップ麺を販売。知名度向上に努めています。

 

【重点施策E:サステナビリティの取り組み推進】

・ ESG経営を推進。店舗や工場、本社でできることにさまざまに取り組み、環境に優しく、社会やガバナンスの意識を持った経営を展開しています。

 

 

・ 2024年2月期の中間配当は、創立50周年ということで5円の記念配当を実施。1株当たり17円の配当を実施しました。期末配当も6円増配し、コロナ禍前の水準である1株当たり18円に戻しています。今後はさらにプラスアルファできるように取り組みたいと思います。

・ 株主優待制度について、100株以上保有の株主様に対し優待制度を実施しています。

 

4. 質疑応答

Q1. 今期大幅増益予想ですが、その理由は何ですか。

A1. さまざまな理由がありますが、DXの推進が大きいのではないかと思います。タッチパネル式オーダーシステムの導入により、お客様がオーダーしやすくなりました。追加オーダーも取りやすくなり、女性のお客様も一人で来店しやすい雰囲気になりました。

もう一つの理由は、営業時間の拡大です。コロナ禍による制限で営業時間が伸ばせなかったところが、従業員の皆さんの頑張りにより、営業時間を徐々に拡大。深夜営業などもできるようになりました。

新しいお客様の獲得も一つのポイントだと思います。今は特にロードサイドを攻めていますが、家族連れのお客様も増えています。全店禁煙なので、お子様も来店しやすい。リーズナブルな価格も当社の大きな特徴になっていると思います。

 

Q2. 駅前出店は限界でしょうか。ロードサイドに出店を決めた理由やメリットは何ですか。

A2. 駅前が限界ということはありません。山手線沿線でも東京、品川、原宿、代々木など、未出店の駅はあります。こちらも今、店舗開発担当者が必死になって物件を探しており、今後も駅前出店にも取り組んでいきます。

一方、ロードサイド出店については、2019年がターニングポイントとなりました。この年は世界的なスポーツイベントが翌年に控えており、また施設内の禁煙ルールが施行されています。これらにより新たなお客様獲得のチャンスが広がりました。

ロードサイド店のメリットは、お子様からご年配の方まで、幅広い年代のお客様に来店していただけることです。

以前から多かった駅前出店では、家族連れのお客様が来店しにくい雰囲気がありましたが、ロードサイド店を開発したところ、多くのお客様が来店されるようになりました。今後もまだまだ出店の余地があります。東京でのロードサイド出店は限られていますが、その他の地域については、積極的に出店していきます。

 

Q3. 食材や光熱費が上がっているので、低価格での経営は大変だと思います。今後、値上げは検討しているのでしょうか。

A3. 価格についてはずっと検討しています。当社は低価格を旨としており、経営は本当に大変です。しかし消費者の皆様はもっと大変だと思います。世の中的には今後、賃金が上昇すると言われていますが、その状況に合わせて当社も少し値上げができれば、と考えています。現状すぐに値上げをする、ということは考えていません。消費者の皆様に寄り添う形で、当社は運営していきますので、値上げをしてもお客様が離れないよう、何とかうまくやっていきたいと考えています。

 

Q4. サービス・飲食業界では人手不足が問題になっていますが、人材確保や社員の給与アップについて、御社の方針を教えてください。

A4. 人手不足は当社も大きな課題です。現状では中途採用を強化。以前は中途採用はごく少数でしたが、今期は約80名を採用。来期の新卒者も90名近く内定しています。このような形で年間150名くらいの採用を行いたいと考えています。

ベースアップは昨年実施。今年も実施する予定です。金額については検討段階です。

アルバイトについても、時給を上げることで、外国人を含め、多くの方々に訴求しています。調理のパート社員については、家庭の主婦など自宅で食事作りをしている方が即戦力となります。そのような方々に今後も注目していただけるよう、地域一番の時給を提示し、採用を進めています。

 

Q5. 出店を続けるのなら、工場は手狭になりませんか。増設は検討していますか。

A5. 現在の工場を建てた時は、600店舗体制を想定していました。そのため、現状ではまだフル稼働していません。稼働時間を増やすことで、店舗数の拡大に対応可能です。

問題は調理した食品の保管場所です。保管場所が手狭になっているので、現在、対策を検討中。第二工場を作り分散させるのか、新たな保管場所を設置し、そこから配送するのか、議論を重ねています。

 

Q6. インバウンド利用はどのくらいですか。

A6. 店によって大きく異なります。浅草などの観光地の店には外国人の方が多く来店されています。一方、駅前繁華街の店では、近くにホテルがあると若干の来店はありますが、おおむねインバウンドの影響はありません。日高屋を目指して来店するインバウンドのお客様はそれほど多くはなく、インバウンドのお客様は当社よりも高額のラーメン店に集中されているのではないかと思います。

以上

 

 

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