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株式会社日本ケアサプライ(2393)

開催日:2023年12月23日(土)

場 所:グラントウキョウノースタワー 18階 『大和コンファレンスホール』(東京都千代田区)

説明者:代表取締役社長  高普@俊哉 氏

 

1.会社概要

  • 当社は1998年に設立し、今年で創業26年目となります。2000年の介護保険制度の始まりと同時に、福祉用具レンタル卸事業を開始しました。
  • 現在は「健康長寿社会への貢献」という社是の下、コアビジネスであるレンタル卸事業とともに、第2の柱とすべく取り組んでいる食事サービス等の高齢者生活支援サービス事業を展開しています。
  • 設立当初から全国展開を行っており、営業拠点は現在94カ所を設置しています。
  • 高齢者向け市場は成長産業でもありますが、当社はB to B to Cの業態であり、直接一般の個人の方と接する機会が少ないため、本日の説明会で当社への理解を深めていただきたいと思っています。
  • 沿革として、当初は1998年に三菱商事株式会社などを株主として設立し、福祉用具レンタル卸という事業モデルを生み出して以来、当社の強みであるITの先駆的な活用をはじめとして、時代の変化に合わせて事業基盤を強化し、着実に発展してきました。
  • 主なものとして、2001年6月に電子受発注システム「e-KaigoNet」のサービスを開始しました。また、同年には当社オリジナルの車いすのレンタルを開始しています。2004年に東証マザーズに上場し、2009年にはオリジナルベッドを開発しました。2016年には第2の柱とすべく食事サービス事業を開始し、2020年6月にはケアマネジャーや福祉用具貸与事業者などに向けたオンラインセミナー「グリーンケア・フォーラム」を開始しました。
  • そして2020年12月には、三菱商事、綜合警備保障株式会社(ALSOK)、当社の3社による資本業務提携契約を締結しています。このように、取引事業者や地域社会といったさまざまなステークホルダーと協働して取り組んできました。
  • 事業内容について、当社が手がける事業は大きく二つに分けることができます。1つ目は福祉用具サービス事業であり、介護保険制度の対象となる福祉用具を福祉用具貸与事業者にレンタル、販売しています。2つ目は高齢者生活支援サービス事業であり、高齢者や家族への生活支援に貢献するサービスとして、食事サービスや、フィッティング付きおむつ配送サービスなどを行っています。この他、デイサービスなどの国内の関連会社3社への出資も行っています。
  • 当社の社是である「健康長寿社会への貢献」は、超高齢社会である日本がこれから作り上げていく社会像であり、当社は一企業としてその一翼を担うことを使命と捉え、社是に位置付けています。
  • そして、社是の実現に向けた考え方として「品質第一」と「誠実第一」を当社の企業理念に掲げています。また、ロゴマークには、メーカー、事業者、利用者の三者の幸福と、健康長寿社会の環境づくりに当社が貢献したいという思いが込められています。
  • 当社の業績について、連結売上高は8年連続で過去最高を更新しています。営業利益についても右肩上がりの傾向となっています。また、減価償却費と支払利息を除いた収益力を表すEBITDAも着実に向上しています。
  • 売上高が堅調に推移する中、業容拡大に応じて人員の採用強化やレンタル資産の積極的な投入などにより、安定した利益を確保しています。

 

2.事業環境および事業内容

  • まず、事業環境についてです。当社が事業展開する上で前提となる、65歳以上の高齢者人口については、この先2043年の3,900万人まで増え続けることが見込まれています。
  • さらに、主力事業である福祉用具サービス事業は、レンタル卸という立場から間接的に介護保険制度に関わっています。介護保険制度は2000年に創設されて以降、介護を必要とする方に定着が進み、現在なくてはならない社会保障制度となりました。行政と40歳以上の国民が半分ずつ拠出した財源から、介護を必要とする利用者が1〜3割の間で負担し、各種サービスを受ける仕組みになっています。
  • 介護保険制度を利用する認定者数と介護度別の推移を見ると、制度開始以来、認定者数は確実に増加傾向を示しています。
  • 介護保険制度には、自宅で利用するサービスや、施設で利用するサービスなど、さまざまな種類があります。介護保険制度の各サービスにおける介護費と利用件数を2022年度実績で見ると、当社が手掛ける福祉用具貸与は、ケアマネジャーの居宅介護支援に次いで多く利用されています。一方で、費用面は相対的に安価に抑えられており、福祉用具貸与サービスは、自宅で介護を必要とする方の生活を支える効率的で不可欠なサービスとして定着していると言えます。
  • 介護保険制度における福祉用具貸与の分野では、介護費と、当社の取引先である福祉用具貸与事業所の数が共に増加傾向にあり、今後もこの傾向が続くと予測しています。介護保険費用の推移も、2000年の制度開始以来、利用者の増加とともに増え続けており、今後も増加が予測されています。
  • 次に、当社の主力事業である福祉用具レンタル卸事業のビジネスモデルについてです。介護保険の対象となるベッドや車いすなどの福祉用具を、福祉用具貸与事業者にレンタルし、事業者がさらに利用者に貸し出すという事業モデルになっています。
  • 当社は2000年の介護保険制度開始と同時に福祉用具レンタル事業を開始した業界のパイオニアです。利用者はレンタル料の1〜3割を負担するだけで、介護保険対象の福祉用具を借りられる仕組みになります。必要なときに必要な福祉用具を借りることができ、体の状況の変化に応じて交換が可能で、不要になれば返却もできます。
  • また、使用後に返却された福祉用具を洗浄、消毒、修理、検品し、再び事業者に貸し出すリサイクルの仕組みを構築しています。昨今、環境や社会に配慮した経営を行う持続可能な事業展開への意識付けが非常に注目されていますが、当社のビジネスモデルは、高齢社会を支える福祉用具レンタル事業そのものが、リサイクルの仕組みを通じて限られた資源を有効活用するという、環境負荷に配慮したビジネスモデルになっています。
  • また、取引先である事業者にとっては、必要なときに福祉用具をレンタル卸の当社から調達できるため、設備投資等の資金が不要です。メンテナンスや保管にかかる手間も不要となります。当社を活用いただくことで、事業者が利用者に接する時間を増やし、本来の事業者の仕事に集中することができます。
  • 介護保険対象の福祉用具には、レンタルと購入の2種類があります。当社はレンタルにおいて、車いすやベッドをはじめとする介護保険制度対象の福祉用具を幅広く取り扱っています。メーカーから商品を購入して、全国94カ所の営業所に保管しており、貸与事業者へ供給しています。また、介護保険で購入できる福祉用具として、入浴補助用具や腰掛便座なども取り扱っています。
  • 次に、第2の柱とすべく取り組んでいる高齢者生活支援サービス事業についてです。昨今の介護施設給食の現場は慢性的な人手不足が続いているとともに、介護施設では食の安全安心な提供が課題となっています。当社の食事サービスで扱うバランス弁当は、調理済み、盛り付け済みの冷凍弁当です。栄養バランスに優れており、介護施設給食の現場の課題を解決するだけでなく、高齢者の低栄養状態の改善に貢献できる商品となっています。
  • メニューは「普通食」や「やわらか食」の他に、飲み込む力が弱くなった方向けの「ムース食」も含めて、合計150種類以上を提供しています。また、供給体制として、今後の売り上げ拡大を見据えて新たな物流センターを設置しており、配送コストの削減に取り組んでいます。
  • 高齢者生活支援サービスの一環である事業者向けのECサイトでは、高齢者と家族を支えるために厳選した福祉用具と生活関連商品を取り揃えており、ヘルプデスクも設置して専門スタッフが対応しています。
  • また、生活支援物販の取り組みとして、フィッティング付きおむつ配送サービス「おむピタ」を展開しています。在宅で抱える排せつの問題に対して、これまで利用者本位ではなかった紙おむつのフィッティングに着目し、おむつメーカーの株式会社リブドゥコーポレーション、および三菱商事と当社の3社共同で、在宅高齢者の排せつケアの課題を改善する新しいサービスとなります。このサービスは、介護事業者における保険外サービスの新たな付加価値として位置付けることができます。
  • 高齢者生活支援サービスでは、資本業務提携先であるALSOKと互いの販売拠点や顧客基盤を活用し、介護施設向けの商品サービスの拡販を進めています。従来から当社が取り扱っているベッドや車いす等の福祉用具のみならず、介護施設等で必要となる家具、特殊浴槽、家電、その他さまざまな備品をトータルで提案することで、高齢者施設の受発注を一元化でき、高齢者施設の業務負担の軽減に貢献することができます。
  • さらに、当社は介護事業者向けのセミナーも実施しています。当社が主催するオンラインセミナーであり、「グリーンケア・フォーラム」と呼んでいます。具体的な内容としては、ケアマネジャー向けの実地指導への対応、制度改正の動向、ITを活用した将来のケアマネジメントなどの情報提供、有識者の講演を中心に運営しており、好評を頂いています。

 

3.資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

  • 現在、PBRは1.5倍前後、ROEは8%を超える水準で推移しています。今後も資本コストや株価を意識した経営を進めていきます。
  • 中期経営計画の目標値であるROE 13%の達成と、IR活動を通じた情報発信の充実を図っていきたいと考えています。

 

4.中期経営計画

  • 今中期経営計画は、2023年3月期から2025年3月期の3年間の計画として作成したものです。今期は中計の2年目に当たります。
  • 当社は「健康長寿社会への貢献」という社是の下で、コアビジネスである福祉用具レンタル卸とともに、第2の柱とすべく取り組んでいる高齢者生活支援サービスの2つの事業を展開しています。
  • 中計の実行を通じて、団塊世代が後期高齢者となることに伴う介護需要の拡大や、在宅高齢者が安心して豊かな生活を送るための生活支援サービスの充実、介護現場のデジタル化による業務効率化など、今後予測されるさまざまな社会の課題に対応することで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
  • 中計の基本戦略として、福祉用具レンタル卸では市場を上回る売り上げ拡大を図ること、高齢者支援サービスでは第2の柱に向けた基盤構築を行うことに取り組んでいます。
  • それらの基本戦略を基に、当社では5つの重点施策を定めています。1つ目はコアビジネスである福祉用具のレンタル卸について、2つ目は高齢者生活支援サービスについて、3つ目は経営基盤の強化について、4つ目はDXの推進について、5つ目はサステナビリティへの貢献についてです。目標達成に向け、全社一丸となって取り組んでいます。
  • 中計における経営指標として、2025年3月期の連結業績目標は、売上高300億円、純利益20億円、ROE 13%を目指しています。
  • 中計においては、当社の売り上げの基盤となる販売ネットワークの強化に取り組んでいます。これまで事業者のニーズや需要の拡大に応えるために、全国の主要地域で営業拠点の新設移転を行ってきました。今期は10月までに新設2拠点、移転3拠点、合計5拠点の開発を実施しています。引き続き都市部への新設および既存拠点の移転による大型化に取り組み、営業拠点の拡充を継続していきます。
  • 次に、デジタル活用についてです。社内業務の効率化や資産管理の高度化のため、当社独自のシステムを開発しています。全国にタブレットPCを配布し、レンタル資産のメンテナンス業務において、作業工程を簡単な動画でガイドする仕組みです。業務効率化や資産管理の高度化を図る他、繰り返し確認できることから、入社間もないスタッフへの人材育成にも有効なツールとして活用しています。
  • 次に、「e-KaigoNet」についてです。この仕組みは、介護業界のデジタル化の推進のために当社が独自に開発したシステムであり、開業間もない段階でスタートしたものです。福祉用具貸与事業者の業務の流れ全体をカバーし、各種手続きや書類作成を支援する業務システムとなっています。
  • 昨今では、介護保険制度の改正などに応じて、福祉用具の提案、発注、利用計画の作成業務など、事業者の負担が段階的に増えています。「e-KaigoNet」には、それらの業務を一元的に行える機能を追加しており、事業者の生産性向上に寄与しています。
  • 次に、当社のサステナビリティ推進についてです。当社は設立当初から、本業を通じて高齢者を支えるため、循環型社会への貢献にも通じた福祉用具レンタル分野で「品質第一」「誠実第一」に徹し、商品やサービスを提供してきました。
  • 中期経営計画では、サステナビリティへの対応を重点施策の一つとして定めており、基本方針を新たに策定しました。また、サステナビリティ推進室を設置し、推進体制を強化しています。
  • 今後も取引事業者、地域社会、従業員等のさまざまなステークホルダーと協働して、持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。

 

5.決算ハイライト

  • 当社の中核事業である福祉用具レンタルに関して、国の介護保険における福祉用具レンタル費用の推移を見ると、前年同月でおおむねプラス4〜6%の伸びを維持しており、レンタル市場全体の動向として、高齢者数の増加とともに福祉用具レンタルの需要が継続しています。さらに、当社のレンタル売上高は介護保険全体の伸びを上回っており、高い成長率を継続しています。
  • ライバル企業に対する当社の優位性や強みは、全国展開の規模、特定メーカーに偏らない幅広い商品の品揃え、上場会社としての信用力、資金力であると考えています。
  • この他、取引先事業者に対する施策として、「より便利に」「より効率的に」を可能にしてきた情報システムによる支援、オンラインセミナーや地域ごとの勉強会等によるさまざまな情報提供、福祉用具レンタル以外の高齢者支援事業の提供など、多岐にわたる後方支援を実施しています。今後も時代の変化に柔軟に対応して、新しい価値の創造に取り組んでいきます。
  • 足元の業績について、連結売上高は安定した増収ベースで推移しています。グループ全体の第2四半期決算では、前年同期比で増収増益となりました。売上高は前期比8.7%増となり、堅調に推移しています。利益面も、各利益において前期比で増益となっています。
  • 連結貸借対照表の状況としては、資産が6.9億円増加していますが、これはレンタル資産への投資と営業拠点への設備投資の結果によるものです。一方、負債が11億円増加していますが、主な要因は短期借入金の増加によるものとなります。
  • レンタル資産の保有状況の推移については、売り上げの増加に応じて貸し出す資産が必要となるため、増加が続いています。
  • 保有しているレンタル資産において、償却累計率が高くなれば減価償却費の負担が減る一方で、償却累計率が下がれば減価償却費の負担が増加します。売り上げアップには、新たなレンタル資産の購入に加え、既存のレンタル資産の活用が重要となるため、当社ではレンタル資産の全商品にバーコードを貼付し、在庫中、メンテナンス中、出荷中などのステータスを記録しています。履歴を個体単位で管理し、膨大なデータを蓄積して活用することで、レンタル資産の効率的な保有や、陳腐化による入れ替え、在庫補充のタイミングの判断など、資産の最適化を図って事業戦略に生かしています。
  • 2024年3月期の通期連結業績予想に対する第2四半期決算の進捗については、売上高が47.5%、各利益が40%前半の進捗率となっています。通期業績予想の達成に向けて、引き続き取り組んでいきます。

 

6.株主還元

  • 当社の株主還元方針として、中期経営計画の配当については、利益水準に関わらず1株70円の年間配当額の維持を目標にしています。また、配当性向も安定した水準を維持しています。
  • 株価はおおむね右肩上がりの基調で推移しています。直近の主要指標に関しては、資料を準備する都合上12月8日時点の数字となりますが、株価が終値1,810円に対し、配当利回りは3.87%となっています。
  • 中期経営計画の発表後、個人の株主さまが増加の傾向を示しています。個人投資家の皆さまに今後も長く注目していただけるよう、投資対象として当社の魅力を高めていきたいと思っています。本日の説明会を機に当社に興味を持っていただき、投資を検討いただければ非常に幸いです。

 

以上

 

 

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