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株式会社ワキタ(8125)

開催日:2023年11月19日(日)

場 所:大和コンファレンスホール(東京都千代田区)

説明者:代表取締役社長  脇田 貞二 氏

 

1.会社概要

・ 当社は、本社を大阪に置き、設立は1949(昭和24)年と、戦後間もないころに創業者である脇田冨美男が個人創業し、その後1960(昭和35)年に脇田機械工業株式会社として法人改組しています。現在は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、社員は連結で1,257名、現在は建機事業、商事事業、不動産事業に取り組んでいます。

・ 創業時、当社は機械の修理・ 販売を行うなか、大手メーカー商品を取り扱うようになり、1962(昭和37)年には、業界に先駆けて建設機械のレンタルを始めました。この仕事が当社事業の中核事業となっており、1967(昭和42)年には、小型建設機械の製造を開始しました。一時期、勢いで様々なものを作りましたが、自社ブランド化が難しく、その後仕入販売・ レンタルに力を入れています。現在は、MEIHO(メイホー)というブランドを中国の工場で製造しています。1979(昭和54)年に大阪証券取引所市場第二部に上場し、2013(平成25)年に東京証券取引所市場第一部に指定されています。創業者は新しいことに取り組むのが好きで、既存の仕事と全く関係ないことにも挑戦しております。健康食品や石材事業等にも取り組みました。1984(昭和59)年に映像が出るカラオケが登場し、その後カラオケルームが浸透する時期に当社もカラオケ事業を始めています。2008(平成20)年には不動産事業に進出し、宅地開発・分譲や不動産賃貸を始めています。2019(令和元)年には介護機器レンタル事業にも参入しました。現在はこちらに力を入れています。当社の事業としては、大きく建機事業、カラオケや介護の商事事業、不動産事業の3つのセグメントで展開しています。

・ 2019年からの直近5年の業績は売上を700億円以上、営業利益50億円をキープしています。自己資本比率70%と創業以来一度も赤字は出さずにこれまでやってまいりました。

 

2.事業内容

・ 当社は販売もレンタルも行っていますが、レンタルという形態にこだわりをもっています。業界として先駆けた建機レンタルは、当時としては非常に斬新な取り組みでした。レンタル会社である当社がモノを保有し、お客さまが必要なものを必要なときに必要な期間だけお貸しできるシステムがレンタルです。お客さまで購入すると大きな費用がかかりますが、レンタルだとレンタル料で済みます。お客さまが同じように購入するのは大変ですが、レンタル会社が購入して上手に回すことで、シェアリング・ エコノミーと呼ばれるエコで環境に優しいSDGsを実践しています。特に建設機械の多くは、何年か経つと今度はアジアを中心とする海外でもう一度使用していただいています。

・ レンタル業は月々の費用で使用ができ、メンテナンス・保管(場所)はレンタル会社がすべて行います。定額料金で新しいものに変えられるため、特に季節を限定して使用するスキー板、パソコンのように新機種が次々出てくる商品に対して、最新機種で対応ができます。

  • 建機は非常に高価なため、レンタルが普及しました。そして、200万円から3,000万円の商品と多種多様です。公共工事は年末から3月末に多くなります。工事の増えるタイミングに合わせ、レンタルする需要が増えます。また、工事現場へ直送するサービスのおかげで非常にフィットする商品となっています。その結果、世の中の工事では、レンタルを使う業者が増加しました。一方で、直近3年間は政府の補助金と税制優遇で土木建設業者からの購入も増えています。

・ カラオケレンタルでは、各代理店にカラオケ機器を割賦販売しています。各代理店からカラオケルームや飲食店にレンタルをしている仕組みで、当社が考案したアイデアです。カラオケは機種の変わるスピードが速く、初期投資も抑えることができるため、カラオケルームや飲食店ではレンタルが重宝されています。

・ 当社が一番力を入れているのが、介護用機器レンタルです。在宅利用者へ地域の介護事業者がベッドや車いすをレンタルしています。介護事業者には、ケアマネージャーやヘルパーがいますが、レンタルを行っているため、必要なメンテナンスや清掃が発生します。その業務を負担するため、卸レンタルという業態で当社のグループ会社は介護事業者と契約し、メンテナンスを請け負っています。利用者は介護保険を使用するときは全てレンタルで使用しなくてはいけないと法律で決まっているため、レンタルを活用をしています。

 

3.市場環境

・ 当社創業期の戦後には、日本列島改造計画があり、日本のインフラ整備を行わなければいけませんでした。しかし、公共予算をそれほど使ってよいのかと大きな批判があったため、公共工事は大幅に減少しました。契機になったのは、2011(平成23)年の東日本大震災でした。国土強靭化が掲げられ、工事が増加しました。現在、国土交通省による国内建設投資額としましては、約60兆円と安定的になっています。

・ 経済産業省の「土木建設機械レンタル売上高推移」によると、2011年から右肩上がりで推移しています。東日本大震災から10年以上経ち、復興が一段落したため、東北地方では予算が減り、新たな課題が発生しています。1つ目は地球温暖化の影響で、ゲリラ豪雨等による土砂崩れが起こりやすくなっていることです。2つ目は戦後整備したインフラが約80年経過しているため、トンネル陥落等の被害が出ていますが、地方では再建できない問題があります。3つ目はその担い手不足です。

・ 総務省による「日本の推定人口、年齢構成と高齢化率」では、2005(平成17)年後、10年をピークにして日本の総人口はマイナスで65歳以上の人口が増加しています。2040年には団塊ジュニアが65歳を迎え、この年をもってシニア層は確実に増え続けます。その後、人口は減少しますが、それ以上に現役世代も減少します。2040年には、3人に1人以上が65歳以上になります。この問題はシニア層増加の問題だけでなく、現役世代の問題であると実感しています。当面、当社は介護機器レンタルや介護施設を保有してサポートしていくことを足元で行います。2040年にはシニア層が減りますが、当社の仕事が減るよりも、その担い手が少なくなることが大きな問題です。かつて10人で1人を支えていたものが、1人で1人を支えないといけなくなる可能性もあります。当社はこの問題を事業を通じて解消したいと考えております。

・ 要介護認定者の将来推計はゆるやかではありますが、需要が増えてきています。当社のレンタル事業は確実に増えてきています。なぜならば必ず毎月在宅で、介護機器レンタルを使用する人が出てきています。

・ カラオケ参加人口は、約4,700万人を安定的に推移しています。

 

4.グループ会社とネットワーク

・ 2016(平成28)年から急速にM&Aを進めており、全国拠点数はグループ会社も合わせて119あります。カラオケは4つの支店で展開しています。介護事業には、2019年京都に本社があるサンネットワークリブ株式会社をグループ化し、参入しました。そして、2023(令和5)年3月には、株式会社ニチイケアネットを株式会社ワキタケアネットとしてグループ化しています。介護事業のなかの卸レンタルを切り出すということで、当社がお受けしました。この結果、全国ネットワークを網羅にできるようになり、介護機器の卸レンタルとしては業界で4位か5位につけることになり、ベスト3を目指せる位置におります。

 

5.中期経営計画

・ 2020(令和2)年の創業者脇田冨美男の他界後、幹部一同方策を考え、安定・堅実を旨に取り組んでおりました。しかし、成長を目指さなければ社員も成長せず、お客さまにお応えもできないということで、第二の創業を目指して店舗ネットワークの展開、建設・ 介護事業の強化・ 拡充、人材戦略で成長路線に切り替えました。3つの事業で伸ばすのは、建機事業と介護事業での拠点展開とDXです。すなわち、建設部門でも介護部門でも課題を解決できるのはデジタルの技術しかないと考えており、高い目標を掲げています。

・ 建機については、店舗ネットワークの拡充としてM&Aにより2社をグループ化することができ、4つの営業所があります。一方、ICT技術によって建設の担い手不足を解決することも働き方改革の一つです。たとえば、ドローン技術をフルに使って測量し、全部3Dデータ化にします。それを全て図面に起こして機械に読み込ませ、機械が自動的に動くようにしています。また、新しい自動運転の遠隔操作も行っています。

・ 介護事業においては、2社目グループ化したことにより仕入れは共同で安価になり、様々なノウハウも共有しています。今後、これを拡充していきます。

・ 不動産事業においては、株主の皆さまのための安定的な配当を意識しています。安定的かつ確実な利益を残していく方針です。インバウンドの華やかな大阪に2店舗ホテルの自社ブランドであるCORDIA(コルディア)をつくりました。ラテン語で心という意味です。オフィスビルやマンションも運営しており、リニューアル投資を行っております。LED照明への入替を進め、バリューアップを図っています。建機事業においても商事事業においても新規出店では、当社の不動産事業が非常に大活躍しています。建機レンタル、介護機器レンタルは非常に異なるようで、実は似たものがあり、相乗効果を図っており、現在、成長路線を目指しています。

 

6.今後の見通しと株主還元

・ 株主還元については、これまで安定的事業とともに安定的配当を努めていました。配当金は30円前後、配当性向としては40%です。中期経営計画において、毎年出た利益は全て、配当と自社株買いで株主さまへ還元を約束しています。2023年10月にホテル事業を理解していただこうということで、株主優待制度の新設を決めました。毎年2月末で100株以上保有者に利用券1万円分、300株以上保有者に利用券3万円分を進呈いたします。

・ TOPIXとの比較では、ほぼ同様な株価推移です。2023年10月時点で約1,500円の位置です。

 

7.当社グループの目指すべき姿

・ 創業者の脇田冨美男は、社是を「幸せ」とし、大層なことは言いませんでした。我々はこの社是を会社を取り巻く人々すなわち顧客、仕入先、従業員、金融関係、株主さまと社会に物心共に豊かになっていただくことと言い換えています。それをもって、当社はお客さまと社会の課題解決に応えるソリューション提供カンパニーであると考えて、目指しております。業績伸長を通じて企業価値を向上させ、お客さまと社会にとってなくてはならない存在を目指します。そのために、常に次世代の人材育成を行い、多様性の時代にふさわしい様々な価値観をもつ社員を集めたいと思っております。世代を超えて国籍を超えて共通する価値観があり、それをもって社会貢献やお客さま満足の追求、革新と挑戦を目指し、人間力と社内の人間を尊重していき、感謝の心を大切にし、チームワークを大事にする。また、社会人として、法人としての規律を重要視することをコーポレート・ バリューに定めました。こういったものを共有する社員が集まってもらいたいと考えています。

 

 

8.質疑応答

Q1. ROE改善の考えについて教えてください。

A1. 当社ROEは3.7%で低水準と考えていますが、3つの方法で5%まで上げさせていただきます。1つ目は成長戦略、利益を高める。中期経営計画での戦略を確実に実行いたしました。2つ目は株主還元で、上がりました利益は100%還元しますが、成長投資する資金があるので、様々な手段で取り組んでいくことです。3つ目は株主の皆さまとの対話です。個人投資家の皆さまへの説明会などです。これらの3本柱を主力に行っていく考えです。

 

Q2. 御社の事業で社会貢献となるものを教えてください。

A2. 社会貢献は、本業で取り組むものだと考えています。世の役に立つこと、困りごと、不満事を解決することによってでないと、お金はもらえません。満足してもらえてこそプラスアルファのお金をいただけるということです。建機は、世の中の人が命と幸せを守るためのインフラです。東日本大震災をきっかけに当社の機械が人の命を救ったことも、当社の機械がなくて失ったこともあります。その後の水害による広島の災害復旧工事でも自衛隊に使っていただきました。不動産についてもよい暮らし、よい働き場所、くつろげる場所をお届けしています。カラオケでも命を救っていると感じています。歌は人を救うと正直に思います。新しいテーマとしてSDGsが取り上げられ、各事務所に、太陽光発電等を取り入れています。自社製品での脱炭素型発電気機器も進めています。工業高校の高校生の奨学金も来年から発足予定です。当社の建機事業の整備サービス部門を担っているのも工業高校の生徒たちなので、少しでも役に立てるようにと考え、別途始めた次第です。

 

Q3 配当性向や株主優待の方針についてもう少し詳しく教えてください。

A3. 2022年策定の中期経営計画通り、3年間自社株買いと配当にて100%還元いたします。この配分がどういうふうになるかは都度あると思いますが、安定的に配当してまいります。当該中期経営計画以降の方針は、次の中期経営計画をお待ちいただければと思います。これからの成長戦略も加えて検討し、最終的には株主の皆さまに還元させていただきたいと考えています。

以上

 

 

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