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株式会社カナデン(8081)

開催日:2023年12月10日(日)

場 所:大和コンファレンスホール (東京都千代田区)

説明者:代表取締役社長  本橋 伸幸 氏

 

1. カナデンについて

・ 1907年に創立。今年で116年を迎えています。多くの優良なお客様に支えられ、特に三菱電機の総合代理店として、幅広い商品を取り扱っています。エレクトロニクスソリューションズカンパニーとして、あらゆる場面でソリューション事業を展開。三菱電機を含む三菱電機グループからの仕入れ割合は、全体の約7割。顧客数は約2,800社、仕入れ先数は約1,500社です。お客様やパートナー会社、ひいては社会全体のために、常に新しい価値を創造し続ける集団となることを目指しています。

・ 当社の沿革は、神奈川県で電灯用電力の供給事業を行っていた神奈川電灯の商事部門の一部が独立。1907年、神奈川電気合資会社として誕生しました。その後、三菱電機と代理店契約を締結し、三菱電機の総合代理店として、1963年に東証二部上場。1990年に現在のカナデンに商号変更し、2007年に創業100周年を迎えています。戦前・戦後、バブル景気など、それぞれの時代に即応しながら、さまざまなステークホルダーに支えられ、信頼を得ることで現在に至っています。

・ 事業環境の変化と企業の成長に対応し、国内拠点の新設や子会社の設立、海外展開と、グループ体制を拡充しています。

・ 本年5月に新たな企業理念を策定しました。これまでの企業理念の根幹となる精神を受け継ぎつつ、社会や企業を取り巻く環境が劇的に変化し続けている時代の中で、カナデングループの存在意義とありたい姿を再定義しました。社員一人ひとりが企業理念を心に刻み、その上で自らがどう行動すべきか。一人ひとりが主体的に考え、行動を起こしてほしいという思いを企業理念に込めています。

当社はお客様やパートナー会社、ひいては社会全体のために常に新しい価値を創造し続ける集団となることを目指しています。

・ 当社が目指すエレクトロニクスソリューションズカンパニーとは、エレクトロニクスを通じ、お客様の企業価値向上と社会課題の解決に繋がる提案ができる存在です。お客様の課題やニーズを引き出し、仕入先やエンジニアリング会社などのパートナー企業と当社の技術を連携。新たな価値を提供することで、単なる商社機能だけではない、課題解決型のビジネスモデルを確立し、持続的な成長を実現します。

・ 当社の事業領域について。一番ボリュームがあるのはFAシステム事業です。当社グループが最も得意とする分野で、工場の自動化やAI、IoT技術を活用した生産設備の監視・制御等のソリューションを提供。お客様のモノ作りの進化に貢献しています。

次にビル設備事業です。電源設備や空調、冷熱機器などを主体としつつ、ビルの設備管理による省エネや創エネなど、運用効率化を図るシステム作りも手掛けています。

3つ目がインフラ事業です。交通安全システムや太陽光発電システム、地域防災システムなどの安心・安全で便利な暮らしを支える社会システムの構築に取り組んでいます。

最後に情通・デバイス事業です。お客様のモノ作りに対する新たな技術を採り入れた商材の提案や画像・映像を活用したシステム構築に取り組んでいます。

 

2. 当期の業績について

・ 当期の年間業績見通しについて。個人消費や企業の設備投資は内需を中心に回復基調を持続するものと予想されます。しかし中国をはじめ世界経済の減速や半導体分野を中心とした在庫調整の影響など、依然として先行き不透明な状況で推移するものと予想しています。その中で当期の売上高は、前年比8.1%増の1,150億円。営業利益、経常利益、当期純利益は、2ケタ伸長を予想しています。

・ バランスシートの状況としては、自己資本比率は50%超を確保し、無借金経営を継続しています。流動比率は208%であり、安全性については充分な水準を維持しています。健全な財務体質を維持しながら、成長に向けた積極的な投資を実施し、さらなる企業価値向上に努めます。

 

【事業紹介 FAシステム】

・ 主な商材は、モノ作りの現場を支えるPLCやサーボモーターなどのFA機器、微細な加工を行うレーザー加工機などのメカトロニクス製品、工場のプラント設備に必要な電機設備や計装機器などを取り扱っています。

私たちはB to Bのビジネスを行っています。FA機器とは、工場の生産ラインの制御系で使われているコントローラーであるPLCやラインをモーターで制御するインバータ、サーボモーターなどを総称しています。三菱電機製品は国内でトップシェア。中国や東南アジアでもかなり高いシェアがあります。

・ FAシステムの業績推移について。コロナ禍の設備投資需要の落ち込みや部材不足による長納期化の影響は改善傾向にあります。当期も主力のコントローラ―システムや駆動制御機器を中心に、順調に推移しています。まだ一部で部材不足による長納期化の影響は残っていますが、製造業の自動化や脱炭素化をはじめとする投資需要は継続しており、当期も増収増益を見込んでいます。

【事業紹介 ビル設備】

・ 主な商材は発電機や無停電電源装置などの電源設備、エレベータなどの昇降機、空調機器や冷熱機器、住宅設備機器など。他にも省エネを図るためのエネルギーマネジメントシステムや、LED照明、太陽光発電システムなどの環境関連のソリューション提案も行っています。

・ 情報通信事業者によるデータセンター等への設備投資や再開発案件、並びに空調機器やビル設備の老朽化に伴う機器更新需要、さらには省エネを目的とした需要があります。その一方で、コロナ禍の設備投資時期の見直しや部材不足による長納期化の影響があり、ここ数年は利益面で大変苦戦していました。しかし今年度は回復傾向にあります。

当期は電源設備案件の端境期ですが、空調冷熱機器の受注回復もあり、増収増益を見込んでいます。

【事業紹介 インフラ】

・ 鉄道事業者や官公庁向けのビジネスで、同業他社にあまり例のない当社の特徴的なセグメントです。鉄道事業者向けには、安定運行を支える受変電設備や車両用機器、無線機器などを主体に取引させていただいています。官公庁向けには、地域防災システムや航空管制システム、画像・映像システムなど、さまざまな事業を展開しています。

・ 業績では、九州や北陸などの整備新幹線関係の大型案件の終息やコロナ禍の設備投資の延期、計画の見直し等により、ここ数年は減少傾向で推移してきました。しかし、設備更新需要や官公庁案件も回復基調に転じ、今期は増収増益を見込んでいます。

鉄道事業者は本業の鉄道事業だけでなく、地域開発を含め、事業領域は多岐に渡ります。当社事業の総合力を発揮し、主力製品以外にも再生エネルギー関連や省エネソリューションなど、さまざまな提案を実施することで、今後も多様なビジネスチャンスがあると考えています。

【事業紹介 情通・デバイス】

・ 情報通信分野は、画像・映像を活用したシステム構築を得意としており、金融や流通、ビルなど、さまざまなシーンで防犯カメラを主体としたセキュリティビジネスを展開しています。近年では画像認識機能を活用したソリューションの用途が進化。新たな用途での需要が増加しています。また、医療介護分野として、電子医療装置を主体としたビジネスも拡大しており、今後も成長分野に対する取り組みを強化していきます。

  • 半導体・デバイス分野においては、産業機器、ハードディスク、OA機器、家庭用機器などに向け、半導体や電子デバイス品を販売しております。また、海外メーカーの商材開拓や、部品単体のみではなく、モジュールビジネスも強化しております。

・ 業績はコロナ禍の需要回復により、ここ2年程は半導体デバイス分野で好調に推移しています。ただ当期は、一部で在庫調整の影響が出ています。上期は産業機器向け半導体ビジネスが堅調を維持したことに加え、電子医療装置の案件が集中したこともあり、順調に推移しました。下期は半導体デバイス分野で在庫調整の影響が出てくることを踏まえ、売上高は前年並みながらも利益は減益を見込んでいます。

 

・ 当社の業績の特徴としては、売上・利益の計上が第2四半期と第4四半期に偏重しています。これはビル設備やインフラなどの事業のお客様の検収が、第2四半期と第4四半期に集中することが主な要因です。

当社は半導体デバイスやFA機器などの量販系ビジネスだけでなく、ビル設備やインフラ事業などの構成比もある程度あるため、このような傾向があります。

 

3. 中期経営計画「ESC2025

・ 現在取り組んでいる中期経営計画は、2025年度を最終年度とする5ヵ年計画で、今期は中間年度となります。基本方針は、「SDGsへの取り組みを通じて、社会課題の解決に貢献し、持続的な成長を実現する『エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー』となる」です。基本戦略は、持続的な成長の実現に向けた収益構造の強化を図るため、6項目を掲げ、取り組んでいます。

基本戦略の1つ目は「深化・進化による競争力の強化」です。グループ内はもちろん、パートナー企業との連携を強化し、システム構築力やエンジニアリング力を強化することで、お客様の企業価値向上に寄与するオリジナルソリューションを企画・提供します。お客様との繋がりの幅を広げる”深い深化”と、新たな価値を創造する”進む進化”を追求するために、積極的な投資を実施。競争力を強化します。

・ 基本戦略の2つ目は「社会課題の解決を図るため、今後も成長性が高い分野への取り組みの強化」です。環境問題や労働力不足など社会課題の解決を図り、持続的な社会の発展に寄与する取り組みを強化します。環境エネルギー分野やロボット、自動化分野をはじめ、今後成長が見込まれるIoT、AI対応分野への積極的な取り組みと、それぞれに対応する技術力を強化します。

基本戦略の3つ目は「カナデンDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」です。業務標準化・効率化に留まらず、インサイドセールスの充実など、ビジネスモデルの変革を実現し、提案内容の高度化や品質向上に繋げます。また、当社が蓄積してきた情報資産を最大限に活用し、企業間コミュニティの活性化を図ることで、新たな技術や事業分野への事業領域の拡大を図ります。

インサイドセールスについて、当社は商社なので営業が第一ですが、ここ数年はコロナ禍のため、お客様を訪問することが非常に困難でした。また、今後ビジネスモデルが大きく変わる可能性があり、対面営業だけでなく、DXを使った営業を模索しています。インサイドセールスは、当社のHPなどにアクセスしていただいたお客様に個別にアプローチし、新たなお客様を発掘するものです。そして、従来の営業と新たなインサイドセールスを組み合わせたハイブリッド営業を目指しています。

・ 基本戦略の4つ目は「多様な人材が能力を十分に発揮できる風土・仕組みづくり」です。当社の競争力の源泉は、新たな価値を創造する「人材」です。当社の人事ポリシーとして、求める人材像を「自ら考え行動する自立した個人」と定めています。この人事ポリシーに沿って、人事制度を改革し、多様な個人の価値観に合わせ、自ら選択できる制度に変革。また、教育体系を見直し、ビジネススキルはもちろん、新たな価値を創造する実践的な教育を実施することで人材確保と育成に努めます。

基本戦略の5つ目は「戦略的投資政策の実行」です。技術力強化に向けたパートナー企業との連携や新分野への事業領域の拡大を図るため、M&Aの実践や人的資本の増強に投資しています。当社の持続的な成長に向け、戦略的な投資を積極的に実行します。

基本戦略の6つ目は「公明正大な経営」です。外部規律や社会的要請にかなうガバナンス体制を構築し、より健全で透明性の高い経営を実践すると共に、全員が高い倫理観を持ち、健全で誠実な事業活動を実践します。本年度はサステナビリティ委員会を設立するなど、常に必要に応じたガバナンス体制を構築します。

・ 基本戦略に基づくセグメント別施策について。各セグメントの成長性が期待できる分野に対するソリューション提供力を強化します。

・ 中期経営計画の数値目標と進捗状況について。最終年度の数値目標は、営業利益57億円、営業利益率4.5%以上、ROE 8%以上を目指しています。コロナ禍の需要減少など低迷していましたが、部材不足による長納期化の影響が改善傾向にあり、ROEの改善も図れています。引き続き目標達成に向け、各種施策を確実に実行します。

 

【基本戦略取組事例】

・ さまざまな業界で課題になっている人手不足を背景に拡大している自動化需要に対し、パートナー企業と共同開発した可搬型産業ロボット「KaRy」を提案しています。

このロボットは標準システムパッケージ技術を用いて、従来に比べ大幅な低価格化を実現しました。オプションを用いることで安全柵のないロボットシステムの構築が可能。人協働型システムを簡単に実現できる商品です。

従来は費用対効果や設置場所の制約など、実現が難しかった中小企業の自動化需要を掘り起こし、お客様の生産性向上に貢献します。

・ 2つ目の事例は、お客様が生産する食肉加工機への組み込み事例です。従来、鶏肉加工は、ナイフを使い人の手で鶏肉の骨を切り落としていました。しかし近年では、機械で自動的に処理できます。当社のお客様はこの作業を行う加工機械を生産し、製品として販売しています。

従来、食肉関係市場は国内が中心でしたが、近年は東南アジアでも人手不足が顕在化しており、加工現場での自動化ニーズが高まっています。当社は加工機に組み込まれるFA機器を納入。工場設備製品だけでなく、お客様が製造する自動化装置ビジネスも順調に拡大しています。

3つ目の事例は、SDGsを意識したサーキュラーエコノミーソリューションです。当社では新分野のビジネスです。通常なら廃棄される食品残渣を炭化させ、カーボンを生成し、炭化燃料や土壌改良剤として再利用する仕組みを提案しています。

当社はパートナー企業と連携し、炭化装置を開発。生成されたカーボンの販売も行うことで、サーキュラーエコノミービジネスの拡大も図っています。

 

4. 株主還元

・ 当社の配当方針は、配当性向35%を基準指標に安定した配当の維持継続に努めることです。当期の年間配当は、前期から9円増配の48円を予想しています。

・ 株主価値向上を図るため2015年から自社株買いを実施。前期までの累計実績は約1,100万株、116億円ほどの自社株買いと、当社の発行済み株式数に対する約32%の自己株式消却です。今後も将来の事業展開と企業体質の強化に必要な内部留保を確保しつつ、株主の皆様に対し適切な利益還元に努めます。

・ 当社の株価とPBR、ROEについて。当社のPBRは1倍を下回る状況で推移。直近では0.75倍程度です。当社の株価はROEと一定の相関関係にあると考えており、収益力の強化と資本効率の向上を図ることがPBRの改善に繋がると認識しています。PBRを1倍以上とするためには、業績の拡大により、資本コストを上回るROEを達成することが必要です。それには現在取り組んでいる中期経営計画の目標を達成することが重要だと考えています。中期経営計画の基本戦略を着実に実行し、収益力の向上を図ると共に、資本コストを意識した戦略的な投資と事業ポートフォリオの見直しを行います。また、当社の企業価値向上に向けた取り組みをご理解いただくために、投資家の皆様への開示の充実も図ります。

・ 株主優待制度について。当社は3月末と9月末を規準日とし、年2回の株主優待を実施。100株以上で500円分、1年以上保有していただいている方には1,000円分のクオカードを年2回進呈。1,000株以上保有の株主様には、1年未満で1,000円分、1年以上で3,000円分のクオカードを同じく年2回進呈しています。

・ 現状の配当回り3.26%に株主優待を合わせて利回りをシミュレーションすると3.9%となります。ぜひとも投資検討のご参考にしてください。

 

5. 質疑応答

Q1. 広範囲の事業展開をされていますが、その中でも今後特に注力したい分野とその理由を教えてください。

A1. 今後の日本は少子高齢化が進みます。労働人口も減少する中で、自動化のニーズがさらに高まるものと思います。また、日本はモノ作りの国です。我々はモノ作りのお客様にいかにソリューションを提供できるかを第一に考えています。自動化のニーズや脱炭素化などを総合的に考えると、FAシステム事業を一番の強みとしているので、この分野に注力したいと考えます。

もう一つは、鉄道事業者とのお付き合いがあります。これは同業他社にはない分野です。鉄道事業者はコロナ禍で業績が悪化し、設備投資も抑えています。新幹線の乗客数はコロナ禍以前に戻っていますが、全体的に見るとピーク時水準には回復していません。そういった背景の中で鉄道事業者は、オンレールからオフレールへ。エキナカや鉄道事業者によるホテル・レストラン、食品販売等、多角化を図っています。この動きに対し、我々が今まで参入していなかった部分にさまざまなソリューションを提供できるのではないかと期待しています。鉄道事業者向けのビジネスも今後注力していきたいと考えています。

 

Q2. 同業他社と比べた御社の強み、あるいは劣後している点があればお聞かせください。

A2. 同業他社と比べた強みでは、当社は古くからの歴史により、2,800社ほどのお客様があります。大小さまざまですし、業種も多岐に渡ります。このような多くのお客様があることが一つの強みだと考えています。

それから当社には4つのビジネスユニットがあります。そのため4足歩行の安定したビジネスを続けています。その中でインフラ事業の中の鉄道事業は他社にはないものです。これは当社の大きな強みだと思います。

劣後している点について、ここ数年は半導体デバイス分野が非常に好調だったので、同業他社はかなりいい業績を挙げています。一方、当社の半導体ビジネスは情通・デバイス事業にあたり、売上高全体の28%を占めています。情通デバイス事業の中で半導体デバイスだけに絞ると17%しかありません。売上高全体に対するウエイトが小さいので、売上が好調な同業他社よりもやや劣っているかと思います。半面、4つのビジネスがあるので安定しているということもいえます。

 

Q3. 現・中期経営計画について、これまでの成果と今後の課題をお聞かせください。

A3. 現中計ではインサイドセールスを始めました。その中で製品サイトを展開しています。三菱電機グループの商品が7割を占めており、残り3割は三菱電機以外の商材です。当社としては、そこをどんどん拡げたいという戦略があります。

掲載当初は200社が協賛し、商材を掲載していましたが、今年になり300社まで協賛会社が増えました。掲載点数も900点ほどあります。その製品群とインサイドセールスを噛み合わせて、新しいビジネスモデルができつつあるのが、一つの成果です。

もう一つは、ソリューション営業部を発足。これまでの4つのビジネスユニットでは各事業部が自分のお客様しか相手をしていませんでしたが、そこに横串を入れ、横断的にどこでも行ける、ある意味、特殊部隊のような営業部です。多くのお客様に様々な商材をアプローチでき、徐々に成果になりつつあります。

課題はM&Aができていないことです。M&Aは相手があることなので、そう簡単にはいかないと思いますが、116年の歴史の中でこれまでM&Aを手掛けたことがないため、この中計の中でぜひ実現したいと考えています。

中計の成果では、海外展開もあります。海外も特に東南アジアでは日本と同じように少子高齢化が顕在化、自動化ニーズが非常に高まっています。当社はタイに拠点があり、タイのサイアムモータースグループの関連会社であるサイアムスマートソリューションズというエンジニアリング会社と今年の初めにパートナーシップを築きました。中計では海外を伸ばすことも掲げていますが、その一環です。東南アジアでの自動化ニーズに対応するための施策として、現地企業と組み、東南アジアでの自動化ビジネスを拡大していきます。

 

Q4. 御社の状況をみると、株価も買い時だと思いますが、事業拡大の施策はありますか。

A4. 当社には非常に優良なお客様があります。その中でこれまでは鉄道事業者とは鉄道関連の商材など、単一商品でしかやり取りしていませんでした。しかし当社には2,800社のお客様があり、1,500社の仕入先があります。組み合わせを変えれば、様々なモノが売れる可能性があります。複合的・総合的にお客様に面でぶつかることで、まだまだ拡大の余地があると考えています。

それからM&Aは、事業拡大のために確実にやらなければならないと考えています。M&Aの考え方として、規模の拡大も当然ですが、技術商社の当社として持っている技術はたくさんありますが、ない技術もまだまだあります。それを補完してシナジーを生み出す。そのためのM&Aを考えています。もう一つは、当社は全国展開していますが、まだ弱いエリアや進出していないエリアもあります。そこを補完する形でのM&Aで拡大していくことも考えています。

 

Q5. 専門商社としての強みを教えてください。

A5. 4つのビジネスユニットで、それぞれ担当する社員が高いスキルを持っていることです。そのスキルを使い、お客様からの要望があれば、多くの仕入先やパートナー企業をアレンジしながら、お客様に課題解決の提案ができます。それが専門商社としての強み、総合商社にはない強みだと思います。ニッチなところの要望をうまく拾い上げられるのが専門商社の強みではないかと思います。

 

Q6. 御社固有の技術やノウハウがあると思います。次の世代への技術伝承に工夫していることはありますか。

A6. ソリューション技術本部を4年前に発足しました。そこで技術的なサポートを行っています。その中で技術本部のメンバーがソリューション塾を始めました。技術の伝承のために社内で定期的に説明会や研修を開いています。それ以外にもお客様に提案する技術資料の作成を若手のメンバーに任せ、その中でベテラン社員の技術力を伝えることもしています。

 

Q7. グループネットワークで北海道エリアと九州エリアにサテライトオフィスがあるのは、それぞれラピダスやTSMCを意識したものと受け取ってよいのでしょうか。

A7. 北海道にサテライトオフィスを出したのはラピダスが出る前です。鉄鋼関係のお客様のサポートのために開設しました。

九州の熊本は間違いなくTSMCを意識した開設です。ただ、TSMCと直接取引するということではなく、いろいろな企業と徐々に面談しています。今はマーケティングの段階でサテライトオフィスですが、熊本はこれから半導体ビジネスが活況になることが予想され、期待しています。

 

Q8. 働き方改革はどうですか。

A8. いろいろな改革をここ数年行っています。以前の本社は新橋と浜松町の2つのオフィスに分かれていましたが、社員から一つの場所で仕事をしたいという意見があったので、4年前の8月に今の晴海のトリトンスクエアに移転しました。

働き方改革では、コロナ禍となり、テレワークの必要性が高まりました。幸いなことに移転時期と重なったので、テレワークに充分耐えられる環境整備も行えました。以前は考えられなかったフリーアドレスやペーパーレス、机の上にはモノを置かないこと、社員全員へのスマホ支給などを導入。社員からも好評です。

また、働き方改革では、会社に対するエンゲージメントが重要だと考えます。しかし最近の若者の意識等もあり、なかなか難しい。働いたからには、それなりの報酬や見返りをもっと明確にしたい。そのため来年4月から人事制度を大幅に変えます。その中で働き方改革や女性活動等、いろいろな事柄を徐々に変えていくことに取り組んでいます。

 

Q9. 御社はFAシステムなどの4つの事業分野で構成されていますが、それ以外にビジネスを拡げる可能性はありますか。

A9. 当然のことながら、4つの事業だけに留まることは考えていません。がん治療などで使われる電子医療装置も当社は扱っており、それらは情通・デバイス事業の中に含まれていますが、新たな分野として取り組んでいます。セグメントを取り換えれば、新しいビジネスを独立させることもできますが、現状では4つの事業の中で、コア分野を発展させつつ、新しいものも取り込んでいく。例えばFAシステム事業でも、AIやIoTは以前はなかった分野です。まったく新たな分野として生まれましたが、今はFAシステム事業の中で取り組み、事業として拡大しています。今後もそのようなやり方で進めていくことになると思います。その中で新たな分野を皆様の目に見える形でお披露目するようになるのは、もう少し時間がかかると思います。

以上

 

 

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