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全国保証株式会社(7164)

開催日:2023年12月5日(火)

説明者:代表取締役社長  青木 裕一 氏

 

1.全国保証とは

  • 当社は1981年2月に設立し、住宅ローン保証を中心とした信用保証事業を行っています。現在保証している残高は16兆3,214億円で、このほとんどが住宅ローン保証です。
  • 北は北海道から南は九州まで12店舗を展開しており、従業員数は324名です。
  • 5社の子会社を保有しております。保証会社としてみのり信用保証株式会社、筑波信用保証株式会社、東日本保証サービス株式会社の3社、そしてサービサー会社のあけぼの債権回収株式会社、事務代行会社の株式会社全国ビジネスパートナーを保有しています。
  • 東京証券取引所プライム市場に上場しており、証券番号は7164です。
  • 設立以来、東京都千代田区大手町の大手町野村ビルに本店を構えて業務を行っています。
  • 当社の強みについて、いくつかお話いたします。1点目は、独立系の保証会社であるということです。なぜこれが強みかというと、当社の競合会社の多くは銀行の子会社保証会社であり、つまり親会社である銀行の住宅ローン保証を行う保証会社です。対して独立系の当社は銀行から信用組合まで、幅広い業態の金融機関との契約ができるためです。当社は全国各地の銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、そしてJAを含め、724の金融機関と提携をしており、特に銀行、信用金庫、信用組合に関しては90%以上の契約率となっています。
  • 2点目の強みは金融機関のニーズに対応できることです。いくつかポイントを挙げて説明します。1つ目のポイントは、リスク分散です。子会社保証会社は、親会社である銀行のローンの保証をしているという関係なので、グループの中でリスクを抱えているということになります。その意味で、実質的なリスクヘッジになる当社のような独立系保証会社を利用するニーズは、非常に大きくなってきています。
  • 2つ目のポイントは、設立以来42年にわたり蓄積してきたデータベースに裏付けされた迅速な審査対応です。お申込みを受けた翌営業日には審査回答を通知することができます。
  • 3つ目のポイントは、借入人のリスクに応じて5段階の保証料体系を設けていることです。ここにも当社が蓄積したノウハウが生かされており、幅広い層の借入人を取り込むことを可能にしています。
  • 4つ目のポイントは、、全国展開により、北は北海道から南は九州まで、広いエリアの住宅ローン申し込みデータを蓄積し、各エリアでのノウハウを持っていることも当社の強みです。最近は地方銀行の他県進出も進んでおり、ノウハウがない県については当社を利用する金融機関もあります。
  • 最後のポイントは財務についてです。金融機関が安心して当社の保証を利用していただけるようしっかりとした財務の基盤構築に努めており、外部格付でA格を保有しています。
  • 3点目の強みは、金融機関へのサポート体制です。当社の現場では、日々金融機関の皆さまからの電話や来社による案件相談が非常に多くあります。こうした現場の生の声を聞きながら、一つ一つの案件を丁寧に取り扱っていくのが本当に重要だと考えております。これは、当社が長年実施してきたことで、金融機関の皆さまからは全国保証は一つの案件にしっかりと向き合ってくれるという声や、こまめに訪問してくれて担当者の顔が見えるので相談しやすいという声をいただいています。非常に地道な活動ではありますが、勉強会や説明会、相談会には力を入れており、コロナ禍が明けた今期は半年間で1,121回開催しました。。また、金融機関向けの住宅ローン保証の手引き書を配布したり、若者や子育て世代を応援するキャンペーンを実施するなど、住宅ローン推進の一助となる取り組みも行っています。
  • 4点目の強みは、精度の高い審査です。設立から42年間、100万件近い保有契約件数を有しており蓄積したデータとノウハウを生かして実現しています。審査は年間約30万件行っており、その成果もあり延滞は直近で0.14%と非常に低い推移をしています。この結果、代位弁済率も低位に推移しています。
  • 住宅ローンの延滞が6ヶ月続くと、金融機関から借入人に代わって全国保証が住宅ローンの返済をして欲しいいう請求がきます。、当社が借入に代わって金融機関に返済をするのですが、これを代位弁済と呼んでいます。また、借入人には住宅を担保に入れていただいているので、代位弁済後は住宅を売却していただいて貸出金の回収を行います。
  • 代位弁済率は、足元で0.07%と、非常に低い状況です。参考までに過去15年間の平均値は0.23%です。ですので近年は低い状況が続いています。参考に、代位弁済率は失業率と相関関係が高く、ここ数年は失業率も低いので、代位弁済率も低位に推移をしているところです。
  • 回収率に関しては、現在不動産価格が上昇していることから、不動産物件を売却することで高い回収率を実現できています。足元では77.4%となっており、こちらも参考に過去15年間の平均値は66%です。77.4%回収できれば、22.6%がロス、毀損率になります。コストの計算をすると、代位弁済率0.07%×毀損率22.6%=0.02%となり、これが与信コストとしてPLに出てくる数字となります。
  • 続いて、金利が与える影響についてです。最近、投資家の皆さまと話をすると、金利上昇局面で全国保証の代位弁済も増えるのではないか、という話が増えてきていますので、どのくらい影響があるのか、この機会に説明したいと思います。
  • 当社は、金利の極端な上昇をあまり見込んでおらず、当社の業績に与える影響は少ないと想定しています。その理由は3つあります。
  • 1つ目は、金利の見通しです。変動金利は短期プライムレート、固定金利は長期プライムレートと連動する傾向にあるのですが、変動金利については、ほとんど動いていない状況です。今後も多少金利上昇局面はあるかと考えておりますが、これがアメリカのように5%も6%も跳ね上がるような極端な金利上昇はない、という見通しを立てています。
  • 2つ目は、毎月返済額の変動です。当社への保証申込み内容は、平均すると金額は3,000万円、期間は35年です。これで毎月の返済額を計算すると約7万7,000円です。仮に、0.5%の金利が0.5%上がって1%になったときのシミュレーションをすると8万4,000千円になり、7,000円増えます。これだけをもって急に代位弁済が増えることはないだろうと見込んでおります。また、審査の段階で一定程度の金利上昇を加味しているので、このぐらいの金利上昇であれば、当社の業績には影響がないと考えています。
  • もう1つ、これは少しテクニカルな話ですが、125%ルールというものがあります。これは、住宅ローンを組むときに、金利上昇による返済負担を軽減させるために、金融機関と返済額の上限を125%超えて上がらないように定めているケースがほとんどです。例えば仮に0.5%だった金利が、2%上がって2.5%になったケースを見ると、ちょうどこの125%ルールにかかり、返済額は9万7000円に抑えられます。ですので、125%ルールがあれば、仮に極端な金利上昇があっても一定程度、返済負担は抑えられる可能性があると考えています。
  • 当社の業績推移について説明します。保証債務残高が積み上がれば上がるほどトップラインである営業収益は伸びていきます。まだまだ当社の残高は伸びておりますので、これからも営業収益は伸びていくという計画です。
  • 営業利益についても、極端な代位弁済発生がなければ、高い利益率を維持できるのではないか、と考えています。
  • 1株あたりの指標の推移は、当社は2012年12月に上場して以来、1株当たりの当期純利益は3.5倍、1株当たりの純資産は5.2倍、1株当たりの配当金は6.9倍と、右肩上がりに計上することができています。

 

2.中期経営計画(2023年度〜2025年度)

  • 今年度からスタートしています中期経営計画であるNext Phaseは、更なる成長と価値創造を実現する住宅ローンのプラットフォーマーを目指していこうという計画を立てています。
  • 住宅イベントは、物件検索から物件選択、金融機関探し、住宅ローン審査、融資、期中管理、債権回収という流れがあり、全国保証が行っているのはその流れのちょうど真ん中にあたる審査です。この流れを川に例え、今後、川上から川下まで事業領域を広げるプラットフォームを構築することによって、ワンストップのサービス提供が可能となると考えています。そうすることにより、住宅ローン市場の拡大、ひいては地域社会の発展や、当社の経営理念であるお客さまの夢と幸せの実現にもつながる。こうしたビジョンを描いています。
  • このプラットフォーマー実現のために取り組んでいる施策があります。まずは川上の戦略ですが、物件の選定について、検索前に借入可能額を知ることができる仕組みを構築していこうと考えています。今の住宅ローン審査の流れは、借入人、つまり住宅購入希望者が不動産会社に行き、不動産会社から金融機関に申込み、金融機関から保証会社に申込み、保証会社が審査したものを金融機関に返して、不動産業者にまた返して、借入人がどれだけ借りられるのかが初めて分かるんですね。非常に手間と時間がかかります。当社が少し川上に上ることで、この流れをスムーズにしていきたいと考えています。
  • 具体的には、不動産検索サイトから当社が審査の申込みを受けて、翌営業日に借入可能額を示せば、その借入可能額の範囲で物件選択を行えます。そして当社が提携している金融機関に紹介する仕組みができれば、住宅購入希望者もスムーズに住宅ローンが組めると考えています。今、リクルート社とそのような仕組みの実証実験を行っています。
  • 続いて川中戦略です。住宅ローンの新規市場のシェア拡大は、現在当社が行っていることであります。新たに商品開発部署を立ち上げ、ニーズに合った新商品を展開することにより当社のシェアを伸ばせると考えています。民間金融機関の新規住宅ローンの中で当社のシェアは8.3%ですが、これを中期経営計画期間中に9.5%まで上げていこうと計画しています。
  • もう一つ、既に貸出されている住宅ローンを当社の保証に移し替えようという取り組みがあります。最近、金融機関からの問い合わせが多いのは、子会社保証会社を利用することは実質リスクヘッジになっていないとの理由で、全国保証で子会社の保証会社を引き受けてくださいという話です。また、住宅ローンを証券化し、受益権を当社が購入することで実質当社が保証しているのと同じ役割を果たすような要望が増えています。
  • これは既に実績が出ており、昨年度は14件、6,600億円の引き受けをしました。今年度に入ってからは4件、2,200億円程度の保証を引き受けています。これを当社はインオーガニック戦略と呼んでいますが、今後力を入れていきたい戦略の一つです。
  • 繰り返しになりますが、新規のシェアを、現在の8.3%から中期経営計画期間中で9.5%までに上げていこうという計画を立てています。あと、貸出残高に占めるシェアは、8%程度なのを10%まで上げていく計画を立てています。
  • 最後に川下の戦略であるサービシングです。当社の回収業務は、グループ会社であるあけぼの債権回収に委託しています。加えて、当社の提携先である金融機関が700以上あるのですが、こちらからの外部委託も今後ニーズが増してくる考えています。
  • 当社が行うべきことは数多くあります。ESG、M&A、また周辺事業の展開も行わないといけません。そのために教育研修や人的資本への投資はしっかりとやっていきたいと考えています。あわせてコーポレートガバナンスや、気候変動への取り組みも積極的に行っていきたいと考えています。

 

3.株主還元

  • 当社は、上場以来、積極的な株主還元を実施しています。昨年度までは資本の蓄積フェーズと位置付けており、段階的に配当を上げてきました。
  • 今年度からの新しい中期経営計画では資本の活用フェーズに変わりました。資本については十分蓄積ができたので、今度は成長投資に積極的に振り向け、配当も積極的に行っていきたいと考えています。この中期経営計画期間中に配当性向を段階的に上げ、最終年度には50%の配当性向を計画しています。
  • 最後に株式の情報です。上場以来、上がるときと下がるときはありますが、トータルで見ると右肩上がりで株価は推移しています。当社は中期経営計画で更なる企業価値向上を図っていきます。株価についても、更なる上昇に向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

 

以上

 

 

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