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GMOメディア株式会社(6180)

開催日:2023年12月2日(土)

説明者:代表取締役社長  森 輝幸 氏

 

1.会社概要

  • 当社の企業理念は「For your Smile, with Internet」です。インターネットを通じて、取引先さま、社員、株主の皆さま、ユーザーなど、関わる全ての方々を笑顔にしていくために事業を継続しています。
  • 当社は2000年10月に設立し、従業員数は現在199名となっています。当社は仕入れて売る会社でも小売り業でもなく、当社自身がインターネットサービスを作るメーカーです。デザイナーやエンジニアの比率は社員の過半数以上であり、サービスを作って自分たちで運営する会社となります。
  • 事業はメディア事業とソリューション事業があります。多ブランド展開を特徴としており、消費者に向けたさまざまなブランドでサービスを提供しています。また、グループ会社にはGMOビューティー株式会社があります。
  • 人的資本経営という言葉が最近言われていますが、AIを含めて時代の変化が激しい中で、当社も人材強化に注力しています。当社グループでは社員を「パートナー」と呼び、「AI for everyone」というAIに関する基礎講座を全員必修で取り組んでいます。また、ITパスポートやG検定の取得もパートナーに奨励しており、ITパスポートの合格率100%、G検定の合格率50%を目指しています。
  • 当社はGMOインターネットグループとして、グループの中でメディア事業を展開しています。GMOインターネットグループでは、ドメインやサーバー等のインターネットインフラ事業、銀行や証券といった金融事業を展開していますが、当社はメディアを作る会社としてインターネット広告・メディア事業を行っています。
  • 当社の基本事業は、無料のインターネット上のメディアに多くのユーザーを集客し、企業に送客していきます。その送客によって、企業から広告費もしくは成果報酬を頂戴することが基本的なビジネスモデルです。
  • 当社の主要ブランドを整理すると、まずは古くから展開しているポイントやクーポンのサービスをベースに事業を展開しています。ポイントシステムは元々アメリカの航空会社がマイレージとして開発したものですが、実際にアメリカやヨーロッではあまり見かけず、基本的には商品を安くする手法が用いられます。一方で、日本ではヨドバシカメラがポイント制度を展開して以降、ポイントが非常に進化して浸透し、その普及とともに当社も各種事業を成長させています。
  • 当社ではポイント事業をベースに、成長業界に特化したメディア事業およびソリューション事業を展開しています。一つは教育に関する事業、もう一つは美容医療市場に対する事業です。
  • 創業以来の売上高を見ると、計上基準を変更した2021年は売り上げが下がっていますが、基本的には右肩上がりであり、3期連続で成長しています。当社は一度沈んだ時期もありましたが、現在は再成長を実現しているところです。
  • 営業利益については、2015年に上場した後、2016年に5億600万円の過去最高益を実現しています。
  • 2010年以降、スマートフォンが世界中に急速に普及し、その波と共に当社は成長してきましたが、その頃展開していたブログや掲示板といったコミュニティ事業は、TwitterやInstagram、Facebook等に代替され、さまざまなサービスが縮小していきました。
  • そこで、当社は思い切って2020年に赤字を出し、投資による再成長として5カ年プランを作成しました。コミュニティ事業が衰退していく中、2020年以降は教育や美容医療の事業を成長させたことで、現在、第3四半期を締めた段階では、上方修正して過去最高益を達成する見通しとなっています。

 

2.事業内容

  • 当社では大きく2つの事業区分を展開しています。まず、メディア事業では、広告主にお客さまを送る送客事業を行っています。そして、ソリューション事業では、当社が事業の中で培ったシステムやノウハウを他社に提供することで収益を得ています。
  • 例えば、Amazonは自社でECサイトを運営しており、その強靭なサーバーを他社にも提供することで、現在はAWS事業が非常に大きくなっています。当社においても、自社で培ったシステムスキルを他社にも提供する形で、メディア事業とソリューション事業を展開しています。
  • メディア事業には4つの強みがあります。1つ目は、プログラミング教育、美容医療、カジュアルゲーム、チャット型小説など、さまざまな事業における国内ナンバーワンのサービスの集合体であることです。2つ目は自社開発による技術力です。3つ目は自社開発・運営および事業間シナジーであり、自社で開発して運営しているものを新規事業にも共有できるため、スピードもコストも小さく展開でき、失敗事例も他の事業でチューニングして改善することが可能です。そして、4つ目の強みは事業開発力です。広告事業に閉じることなく、集客力をベースにSaaS事業などを展開しています。
  • 特に投資育成事業として展開しているのが、教育関事業の「コエテコ」と、美容医療事業の「キレイパス」です。「コエテコ」は「超えていこう」という意味であり、人が成長していくことを応援していきたいと考えています。
  • 美容に関しては、昨今メスを使う美容整形ではなく、美容医療と言われる市場が非常に大きく成長しています。技術力が大きく伸びているとともに、業界全体が非常に明朗会計であることから、中国や韓国だけでなく、日本においても美容医療市場が成長している状況です。
  • 収益事業としては、ポイント事業や、ポイントを使用したゲームプラットフォームとして課金ベースと広告ベースの事業を展開しています。また、クーポンサイトの「くまポン」も展開しています。
  • ソリューション事業については、自社のポイントサイト「Point Town」で培ったシステムを他社に提供しています。NTTドコモのdポイントが貯まる「ポイント広場」や、読売新聞の「よみぽランド」、イオンクレジットの「POINT MALL」などに、当社の「GMOリピータス」という仕組みを提供しています。また、「affi town」として、アフィリエイトのASPサービスも提供しています。

 

3.業績動向

  • 直近の決算状況について、2023年度第3四半期の実績では、売上高が45億円、営業利益が4億9,100万円となっています。今年開示していた目標を大きく上回り、上方修正を行っています。売上高および営業利益ともに前年同期比で増加し、非常に順調に推移しています。
  • 11月に上方修正した業績予想に対する進捗としては、売上高が61億円に対して約75%の45億円となっており、順調な進捗です。営業利益の進捗率は96.2%となっています。
  • 第4四半期で2,000万円しか利益が出ない形になっていますが、日本の広告宣伝市場では第1四半期の3月がシーズンとなることを踏まえており、当社では毎年、上期で非常に上振れた場合、下期は来期の成長のために積極的に投資を行っていく形で経営しています。そのため、第4四半期においては、来期の成長に向けたコンテンツやシステムの開発に投資していきます。
  • また、給与は毎年2月に年次評価によって4〜5%上げていますが、それに加えて決算賞与を持ち、パートナー向けの報酬還元を行うことで平均収入を上げていきたいと考えています。
  • 連結貸借対照表を見ても、当社は借入金なしで経営を行っているため、事業利益の成長に伴って順調に健全性を持ちながらBSを大きくできていると考えています。

 

4.今後の成長戦略

  • 当社は2020年に思い切って赤字を出し、再成長していくために5カ年計画を策定しました。これは、5年後に大きく成長するために一度赤字を出した形です。
  • 状況としては、2024年度で過去最高益5億600万円を超える5億1,000万円の目標を開示していましたが、それを1年前倒しして本年度に達成する見通しとなっています。
  • 5カ年計画の最終5年目となる来年度の通期目標については、2月の本決算発表にて改めて説明したいと思います。
  • 成長戦略としては、「既存+新規」および「垂直+水平」という2つの戦略を設定しています。「既存+新規」は、収益事業と投資育成事業の2階建てで会社全体を大きく成長させていく戦略です。古くから展開しているポイントやクーポン系のサービスである収益事業は現在110%前後の成長で推移しており、そこにプラスして、教育や美容医療の投資育成事業が130%前後で成長しています。そして、「垂直+水平」は、自社メディア事業で開発したシステムを他社に展開していくことによって、さらに収益の拡大を加速する戦略となります。
  • 当社は投資育成事業として教育と美容医療を伸ばしていくため、既存事業のナレッジを投資育成事業にどんどん展開しています。また、手元のキャッシュも厚いため、これを活用したM&Aも行い、オーガニックグロースとM&Aグロースの形で成長を遂げたいと考えています。
  • 教育事業「コエテコ」、美容医療事業「キレイパス」の展開ストーリーとして、まず当社が強みを持っているウェブサイトのサービスを作り、そこに一般消費者を集客して、プログラミングスクールや美容クリニックに送客していく事業を行っています。そして、送客先のプログラミングスクールや美容クリニックに対して、SaaS事業として業務の効率化やデータベースの仕組みを提供しています。また、当社サービスに集まる消費者に対しては、当社自身がダイレクトコマース(D to C)として直接の小売り事業を展開していきます。このように、一つの事業において、広告、SaaS、D to Cという3つの事業で切り込んでいきたいと考えています。

@ 教育関連事業

  • 日本においては、少子高齢化および人口減少をどのように乗り切っていくかが国家の課題となっています。その中で、成長産業に人材を振り向けていかねばならず、デジタルやIT分野の人材を多く輩出していく必要がありますが、現状はまだ足りていないという課題があります。
  • この社会課題に対して、今の子どもたちはITやDXを理解した上で社会に出ていく必要があります。それによって10年後、20年後の日本を大きく変えることができ、人口が減少しても戦える国になるのではないかとして、2020年からは小学校、2021年からは中学校、2022年からは高校で情報プログラミングの授業が必修化されています。また、2025年1月からは大学入学共通テストにもプログラミング情報の科目が追加されます。当社としても、この流れを応援すべく、学生・子ども向けに事業を展開しています。
  • また、社会人向けに関しても、即戦力として各種プログラミングスクールが立ち上がっています。新型コロナウイルス感染症によって、オンラインでコミュニケーションできるビデオ会議システムが非常に発達し、普及しました。従来は、仕事が休みの土曜日や日曜日、もしくは平日の夜など、社会人が社学ぶのは難しい状況でした。しかし、現在はオンラインスクールが活況となり、リスキリングが非常に取り組まれています。当社としても、それをより活性化させるためのメディアを展開しています。
  • 経済産業省によると、2030年には最大79万人のIT人材が不足するとされています。当社は事業を通じて、この日本の社会課題を解決していきたいと考えています。
  • リカレント教育は「生涯教育」という意味であり、学び続けることが非常に重要です。そこに対する市場規模もどんどん大きくなっています。Googleの検索トレンドの指数を見ても、「オンラインスクール」の検索が2020年ごろから増加しており、コロナ禍に入ってから急速にオンラインスクールが立ち上がっています。また、今ないスキルを身に付けてステップアップしていく「リスキリング」という単語の検索も非常に拡大しています。当社においても、これらの社会ニーズをサポートしていく事業を展開しています。
  • 岸田首相は昨年、個人のリスキリング支援に5年で1兆円を投じることを表明しました。経済産業省では約750億円の基金を持ち、リスキングを通じて転職した方を対象に費用の約半分を補填します。また、厚生労働省では、従前から雇用主に対して従業員の研修費用を補助していますが、通常1,500億円の要求をさらに2,000億円に拡大しています。このように、国策としてITを中心としたリスキリングをさらに強化していく流れになっています。
  • 情報教育市場において、当社は特に子ども領域で圧倒的なシェアを持ち、ナンバーワンとなっています。子どものプログラミング教育市場は現在約300億円の規模ですが、2030年には1,000億円になり、英語教育市場と同等の規模になるのではないかと言われています。
  • プログラミング教育市場の急拡大には、2つのキーファクターがあります。一つは、2025年1月に大学入学共通テストの科目に入ることです。これに向けて、河合塾などの多くの予備校や学習塾でプログラミング科目への対応が現在始まっています。また、それを受けて、高校や中学校、あるいは小学校の段階から取り組もうと、保護者の注目が集まっています。
  • もう一つは、ジェンダーレスの問題です。現在、当社は全国約1万3000のプログラミングスクールに小学生を送客していますが、約8割は男性であり、まだ女性の比率が少ない状況です。
  • エンジニアリングは重い物を持つわけでもなく、特に男性が優位になる職種ではありません。逆に女性が向いている可能性のある職種であり、当社にも女性のエンジニアがいます。産休についても、エンジニアであれば出産直前まで家で仕事することが可能です。エンジニアの年収は高く、社会的にも評価されていることから、当社は女性のプログラマーをどんどん作っていきたいと考えています。
  • 欧米では既に大学の理系における女性比率が約半分となっています。当社としても、日本での理系やプログラミング領域における女性比率が半分になるように、さまざまな取り組みや運動を行っており、これによって市場が大きく伸びていくのではないかと考えています。
  • 「コエテコ」事業は、まず子ども向けのプログラミング事業として開始しました。現在は、子ども向けで培った集客のノウハウを社会人向けにも拡張し、集客と送客のメディアを展開しています。さらに、プログラミング教室に対してもDXサービスの「コエテコPlus」を展開しています。
  • 加えて、社会人の学びが伸びていることから、さまざまな先生がオンラインでウェビナーなどに取り組んでいます。そのため、当社は会員管理や決済などが付帯したシステムを一つのパッケージにし、「コエテコカレッジ」として、誰でもオンラインスクールを構築できるシステムを提供しています。
  • 「コエテコ」に関する事例を幾つか紹介します。1つ目は、子ども向けサービスの「コエテコKids」です。大手スクールや地元のスクールも含めた、全国約1万3,000〜1万4,000のプログラミングスクールが掲載されています。当社は、タウンページや食べログのように、これらのスクールを紹介して皆さまの選択をサポートしており、口コミ数も当社サービスがナンバーワンとなっています。
  • 2つ目は「コエテコCampus」です。社会人向けのオンラインプログラミングスクールのメディアですが、現在はプログラミングのみならず、Webデザイン、マーケティング、金融なども展開しています。およそ30〜40万円かかるコースが多いため、スクール選びに失敗するのが非常に怖くなることから、当社は口コミや細かい情報提供によって、自身に合ったスクールを選ぶためのサービスを展開しています。
  • 3つ目は「コエテコカレッジ」です。これは誰でもオンラインスクールを始められる、ある種のショッピングカートを提供していると理解いただければと思います。利用事例として、東京都国立市にある学校法人NHK学園では、これまで俳句や短歌のスクールをリアルで行っていましたが、近所の方しか行けず、入選者も首都圏の方がほとんどでした。当社の仕組みを使用することで、現在は全国の方々にオンラインスクールを提供しており、先日のコンテストでも、オンラインで学ぶ愛知県の方が初めて入選されました。このような事例がたくさん出てきています。
  • 当社の強みは、広告宣伝費を用いた集客ではなく、検索を通じた無料の集客です。全国の主要都市、東京都であれば自由が丘や、大阪であれば梅田のプログラミングスクールを検索すると、大体は当社が1位で表示されるため、検索からの送客が強みとなっています。
  • また、新型コロナウイルス感染症の終息に伴い、リアルのイベントも展開しています。その他、当社は国家試験のITパスポートをサポートしており、過去問題集を提供しています。特に高校生への取得を促すため、全国の100を超える高校には無料で提供しており、ITパスポートの取得を通じたITの理解の促進をサポートしています。

A 美容医療関連事業

  • 美容医療関連事業においても、自社で培ったメディア事業に加えて、SaaS事業や、クリニックのDXをサポートする事業を展開しています。また、最近は男性の美容市場も大きくなっているため、そちらも展開しています。
  • 「キレイパス」のアプリも非常に高評価を得ています。会員数も伸びており、購入件数も成長を続けています。
  • 現在、当社はDX事業の「キレイパスコネクト」に注力しています。月額約5万円のプランとなるため、まだ業績は赤字ですが、2024年12月には単月で黒字を超え、再来年度から非常に大きな利益ドライバーになると考えています。これからの事業となりますが、解約が1%弱であるため、しっかりとストック収入を積み上げて事業を強化していきます。

B ソリューション事業

  • ソリューション事業は成長戦略の2つ目として、自社の事業領域で培った知見やシステムを横展開していく事業となります。
  • 自社ドメインで展開している事業「Point Town」での集客をベースに、「ゲソてん」や「ゲームボックス」といったゲームプラットフォームに送客して、クーポンの販売を行っています。
  • なお、当社はゲーム自体を開発していません。ゲームは非常に難易度が高く、投資が大きいため、当社はゲームを作らずにゲームのプラットフォームを提供しています。例えると、映画は製作せずに映画館を運営しているイメージです。
  • 当社は、この自社プラットフォームのノウハウを外部ネットワークに横展開していくことでも成長しています。特にゲーム事業においては、自社の仕組みを外部の大きなサービスに出展しています。
  • 利点として、インターネットサービスには多くの広告宣伝費が前倒しでかかりますが、既にお客さまが多く存在するところに出店するため、初期の広告宣伝費が必要ありません。固定で広告宣伝費を持ち出すのではなく、ランニングで利益に応じて家賃をシェアするモデルによって事業を順調に伸ばしています。

C Web3について

  • 2008年のビットコインでブロックチェーンが始まって以降、世界でブロックチェーンゲームが大きく成長しています。当社も現在開発しており、この年末にかけて、ブロックチェーンゲームのプラットフォームを国内で最初に開始する予定で準備しています。
  • プラットフォームのみならず、当社はブロックチェーンゲームに関する情報メディア「Blockchain Game Info」を2023年9月に譲り受けました。メニューを拡充しながら、ブロックチェーンゲームの情報でユーザーを集客してプラットフォームに送客する形で、メディアと課金ポイントを近づけていく展開を進めたいと考えています。
  • その他、ゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」に連携した独自レイヤーチェーンの開発も現在進めています。

 

5.株主還元

  • 2020年から2021年にかけて利益が出ていないため一時無配となりましたが、当社は上場以来、配当性向50%を約束しています。再投資によって拡大生産で成長していくことは当然ですが、それを応援していただく株主の皆さまとも一緒に成長していきたいと考えており、50%の還元を継続しています。
  • 配当は最終の営業利益から動的に算出しており、今期は96円を見込んでいます。
  • 当社は、会社として利益を出すこと、およびその利益を伸ばしていくことを追求し、その結果として50%の配当性向を維持していきたいと考えています。
  • 社会課題も含めて貢献していきたいと考えているため、ぜひ皆さまからのご支援およびご指導をよろしくお願いします。

 

6.質疑応答

Q1. 2023年12月期第3四半期の業績は利益が大きく伸びていますが、大幅増益の要因を教えてください。

A1. まず、非常にベーシックな部分として、当社は月間約360万人が利用するカジュアルゲームを広告付きで展開していますが、これが今年は非常に大きく成長しました。また、広告の単価が非常に良くなり、前年比150%と大きく成長しています。それに加えて、教育事業「コエテコ」における社会人向けサービスが前年比で2倍近くに成長しました。クーポン事業など幾つか不調な事業もあり、「キレイパスコネクト」のSaaS事業には今年度で6,000万円ほど投資していますが、それをこなしながら成長できたと考えています。

 

Q2. 将来的にはどのような会社でありたいと思われますか。社長が抱いている夢や会社の理想像などを含めて教えてください。

A2. まず、当社は消費者向けの事業を展開していますが、まだ認知が足りていないと思っています。そのため、街の皆さまが知っているようなメディアを多く提供できる会社にしていきたいと思っています。 もう一つは、上場後に市場で皆さまからお預かりした資金を何に投資していくべきかという中で、やはり事業活動を通じて社会課題に貢献しながら成長できればと考えており、現在は教育事業に取り組んでいます。会社である以上、利益を出すことは当然ですが、それに加えて、当社の約200人の従業員が汗を流したことが国や社会に役立つような会社にしたいと思っています。

 

Q3. 社員のモチベーションを上げるために、どのような施策を行っていますか。

A3. 大前提として、モチベーションは人に上げてもらうものではないと個人的に考えています。しかし、従業員にやりがいを持ってもらうことは私の大事な仕事です。当社には社内ブログのような幾つかの社内ネットワークがあり、そこで各事業の価値や素晴らしさ、および外部からの評価について関係者にフィードバックしています。会社の中にいると、カスタマーサポートでお叱りを受けるなど、自身が携わる仕事の素晴らしさが見えなくなってきますが、私は客観的な目でその素晴らしさをできる限り伝えるようにしています。

 

Q4. GMOグループにおける御社の位置付けを教えてください。

A4. GMOのGはグローバル、Mはメディア、Oはオンラインを表しており、元々は「グローバルメディアオンライン」という会社名でした。GMOはインターネットプロバイダからスタートし、ドメイン、サーバーへと展開していきます。そして、2000年ごろから広告メディア事業に参入し、その際にできた会社の一つが当社です。その後2005年ごろからは、証券や銀行といった金融事業にも参入しています。 当社の役割については、グループのシナジーとして、当社の集客をグループに還元しています。また、多ブランド展開を行いながらも、さまざまなところに「by GMO」を露出しています。当社だけでも約1,000万人強のリーチがありますが、その多くの消費者に対して、インターネットを通じてGMOの認知や信頼性を啓蒙していく役割もあると考えています。

 

Q5. プログラミング教育の将来性について教えてください。

A5. ChatGPTが1年で世界中を席巻しているように、最近は「プログラムを書かなくともAIが書いてくれる」という意見もありますが、私はこれを間違いだと思っており、AIを使いこなせる人材、プログラミングを書くことができる人材のニーズはさらに拡大していくと考えています。 どんなに良い翻訳機ができても、英語を話せなくてよいわけではありません。同様に、プログラミングは一つの言語であるため、それを使えることで日本のみならず海外でも活躍できるチャンスがあり、今後さらに雇用ニーズが高まっていきます。 また、現在インターネットがないシーンは考えられないのと同じく、今後はあらゆるところでAIが全てを司り、IT中心の社会がさらに加速していきます。そのため、それがどのような仕組みでできているのか、どのような構成なのかを全く知らないよりも、概要を掴んでおくことは非常に重要です。その意味で、プログラムが書けなくても、プログラムの構造や概論を理解していることは、今後どの仕事をしていく上でも国民の素養として非常に重要になると考えています。

 

Q6. AI人材の不足は日本の成長に重要な課題ですが、生成AIは有効な手段になり得ますか。

A6. 私自身も驚いていますが、今回のOpenAIによるChatGPTは非常に素晴らしいです。AI自体は何度もブームを迎えており、最初は1960年代からスタートしています。以後、「AIが人に勝ってしまう」といった議論や、「すごいものが登場した」という話題が出ていましたが、2018年ごろに大規模言語モデル(LLM)が登場したことによって、状況が2次曲線のような形で大きく変わりました。 さらに、現在はマルチモーダルとして、テキストのみならず画像の分析も可能になり、多様な見解を出すことができます。その意味で、AIはさまざまな場で人間に成り代わって助けてくれます。マイクロソフトにおいても、副操縦士を意味する「Copilot」という生成AIをプロダクトしています。 メインの判断は人間が行いますが、最終的なジャッジに向けた準備、あるいは素案を作る部分において、AIは非常に素晴らしい貢献をしてくれます。私自身も、ChatGPTに相談して良いアイディアを得ています。従来はロボットが工場や製造のシーンで人間を助けてきましたが、今後はホワイトカラーの職種においても生成AIが大きな助けとなり、これは一種の産業革命になると思っています。

 

以上

 

 

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