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株式会社ユーグレナ(2931)

開催日:2026年8月1日(土)

場 所:大和コンファレンスホール(東京都千代田区)

説明者:代表執行役員Co-CEO 植村 弘子 氏

 

1. 会社概要

・ 当社は、「人と地球を健康にする」というに、グループ会社15社とともに事業を展開しています。

・ 当社の主要事業は、健康関連のヘルスケア事業、バイオ燃料事業、アグリ領域(肥料・飼料)です。

・ 創業メンバーである社長 出雲充のトレードマークは、緑色のネクタイです。18歳の時に訪問したバングラデシュで、栄養失調、栄養飢餓の問題を目の当たりにしました。野菜、肉、魚など、日本人が当たり前に食べているものがなかなか届かない貧困国では、栄養素が不足していることを知りました。そこで、栄養素の代替になるものはないかと考え、帰国後、在学していた東京大学の研究者に相談しました。そして、これを叶えるのはミドリムシなのではないかと考えたことから、挑戦が始まりました。

・ ミドリムシは、約5億年前から地球上に存在する生物です。ミドリムシには大きな可能性があると多くの研究者たちが、ロマンをもって研究を続けてきました。しかし、大量に作ることができませんでした。少量のミドリムシでは多くの人に届きませんが、大量にあればより多くの人に届けられます。当社は、2005(平成17)年12月、世界で初めて石垣島の屋外プールで、ミドリムシの大量培養に成功しました。ここから始まった当社は、2025(令和7)年に創業20周年を迎えました。

・ 会社名がユーグレナ、当社が扱う素材もユーグレナです。実はユーグレナとミドリムシは同じです。和名がミドリムシ、学術名がユーグレナです。

・ ミドリムシは、59種類の栄養素をもつ微細藻類です。わかめや昆布と同じ藻類ですが、顕微鏡で覗かなければわからない、小さい微細藻類です。ミドリムシは豊富な栄養素を体に蓄積し、植物ではないため動くことができます。鞭毛があり泳げますが、光合成もする特殊な生物です。また、パラミロンというミドリムシだけがもつ独自の成分があります。これが食物繊維の一種になり、体に良いと言われています。

・ ミドリムシは1種類ではなくさまざまな種類があります。その中には油をたくさんため込むミドリムシもおり、当社はその油を抽出してバイオ燃料にすることを考えました。ミドリムシを使って、栄養素になるもの、油を取って燃料にするもの、最後に残るものまですべて使い倒してビジネスの展開ができないかと考えました。それが、「バイオマスの5F」で表される、食料(Food)、高機能原料(Fine Chemical)、飼料(Feed)、肥料(Fertilizer)、燃料(Fuel)であり、当社の5つのビジネスです。

 

2. ユーグレナの現在地

・ 私は、2023(令和5)年4月、ユーグレナに入社しました。ただ、ユーグレナとの出会いは古く、まだ20人程度の会社だった15年以上前に、創業者社長の出雲と出会いました。この会社はおもしろい挑戦をしている、応援したいという1ファンの立場で株主として毎年株主総会に行き、会社の挑戦を外から眺めていました。今は、実際、仲間となって自分の手でユーグレナを世の中に出していく責任を負っているところです。

・ 2024〜2026年度までの3年間は改善と改革を行いました。「原点回帰」、「バイオマスの5Fと両利きの経営」、「黒字体質への転換」の3つを掲げました。ミドリムシで、本当に何ができるのかということへの挑戦、まずこの原点に戻ろうと言っています。そして、食品から燃料までの挑戦を、選択と集中をしながら行っています。

・ 当社は7期にわたり赤字でした。しかし、「社会課題を解く」と掲げるだけでは何の証明にもなりません。しっかりと利益を出せる会社にすることを徹底して取り組んだ結果、2024年度、2025年度は「黒字体質への転換」ができました。

・ 現在、売上高は500億円を突破しています。2025年度の売上高は、504億円です。現金創出力と言われる調整後EBITDAは2年間で3倍となり、69億円になりました。営業利益は31億円まで積み上げてきました。当期純利益も今後の黒字化を目指して進捗しています。当社は、2030年度に売上高1,000億円規模の企業になることを目指しています。

 

3. ヘルスケア事業

・ 当社グループには、「まずい、もう一杯」のCMでおなじみの青汁を出したキューサイ株式会社も当社のグループ会社です。ユーグレナの事業だけでなく、さまざまなブランドと商品を展開しています。これからも横に広げて、新しい商品に出会うことができるという自信があります。

・ 新規で購入されたお客様が継続しない形は目指していません。皆様の健康を支えたいと思っています。定期顧客数は微減傾向にありましたが、2025年度に反転しました。

・ ユーグレナは、「からだにユーグレナ」という主力商品があり、伸び続けています。特徴は、継続的・長期間にわたり飲まれる方が多いことです。長期購入者の中心は60〜80代です。年齢を重ねるなかで、食が細くなり栄養を摂りたいけれども、野菜・肉・魚のすべてを用意することはできないという声をよく聞きます。そうした際に栄養の補完をするのが、ユーグレナです。59種類の栄養素が入り、自然由来のもので補完することができます。

・ また、睡眠が少し浅い、眠りづらい、疲れやすい等の悩みは年齢とともに増えてまいります。当社は、健康を支える商品群として機能性表示食品を展開しています。機能性表示食品は、研究結果を積み重ねて、効果の検証ができてからのみ販売することができます。

・ 共働き家庭のニーズにも応えています。働く女性は、子どもたちにおいしいご飯、栄養素のあるご飯を作ってあげたいと思います。しかし、平日働いて帰宅後に手間のかかるもの、栄養を考えたものを作ることは難しいのが現状です。この悩みに対して作ったのがお出汁商品です。お出汁は、味噌汁に混ぜるだけでもDHA、鉄分などの栄養が十分に摂れます。ご飯に混ぜておにぎりにすれば、しっかり栄養も摂れます。時短と栄養を兼ねたこの商品は、現在大ヒットをしています。

・ ヘルスケア事業では、60〜80代までのシニア世代と子育て世代を支えながら進んできました。当社には、過去20年にわたる研究開発で積み重ねた多くの研究結果があります。まだ世に出していない研究の種を、商品化していきたいと考えています。

・ 事業譲渡の形でミドリムシを研究する会社と手を組みました。今後は当社が責任をもってミドリムシを世に出していくことになりました。「免疫機能の維持」という機能性表示ができる商品を目指していきます。

・ 当社は、慢性腎臓病への挑戦をしています。慢性腎臓病の患者数は約2,000万人、透析患者数は約33万人です。成人の5人に1人は慢性腎臓病ではないかと言われています。腎臓は悪化に気づいた時には、改善が難しいと言われる臓器です。糖尿病、高血圧などを原因疾患として、腎臓は悪化しがちです。当社は、研究者が積み重ねてきた研究結果をもとに、食品として皆様にお届けできる準備をしています。しっかり予防し、生涯元気な腎臓の状態、生活を作りたいと思い、当社は今期(2026年度)からこのビジネスを始めました。

・ 海外展開は、マレーシアに拠点がありますので、アジアはもちろんのこと米国も含めてこれから本格的に進出します。ユーグレナのみならず、OEM商品、クロレラなどの部材を中心に海外展開を本格化させていきます。

 

4. バイオ燃料事業

・ バイオ燃料市場のキーワードは、脱炭素規制とエネルギー安保です。温暖化、気候変動に対してはCO2の排出量を削減する必要があります。例えば、飛行機から出るCO2を削減するのがSAF(バイオジェット燃料)です。また、トラック、バス、大型の重機等にはHVO(次世代バイオディーゼル燃料)があります。

・ 各国が環境にやさしいSAFの混合を義務化し規制が始まっています。欧州は2025年より2%の導入、2030年には6%の導入、日本は2030年に10%の導入(2026年8月時点)を掲げています。日本は燃料の95%を中東に依存していますが、ホルムズ海峡危機からエネルギー安保が注目されています。

・ 当社の燃料事業のビジネスモデルは、原料調達/生産、製造、販売の3段階です。原料は、現段階で産業廃棄油です。レストランから出た油等、使える油を使って燃料化します。製造は、マレーシアで商業プラントを建設中です。3社合弁の事業で、当社は15%を出資しています。製造した油に対し15%分を当社は取得できます。販売は国内外を考えています。飛行機、トラック、バス等にSAFやHVOを活用していく予定です。

・ これらは通過点であり、未来に向けて当社に期待されているのは、藻油、ミドリムシを使った燃料を作ることだと考えて取り組んでまいりました。2030年度以降の実現に向けて研究開発を継続しております。今は廃棄油でスタートしていますが、将来、藻油を必ずや実現したいと考えています。

・ バイオ燃料事業の商業プラント建設は、2025年度から始まりました。マレーシア国営のペトロナス社、イタリアの燃料会社エニ社の3社合弁で建設しています。プラントの製造能力は、年間約72.5万キロリットルです。当社の取扱量は、出資比率から約10万キロリットルです。これが実現すると、売上高300億円、税引き前当期純利益60億円以上を達成します。2028年度下期にプラントが稼働し始めます。完全稼働は2030年度になるかもしれませんが、2028年度には当社の燃料事業の1つの形が出来上がることになります。

・ バイオ燃料事業では、SAF、HVOで130件以上の供給実績があります。また、「サステオ51」を販売し路線バスで導入されています。

・ SAFは、商用ジェット機、政府専用機、航空自衛隊のブルーインパルスにも活用され、安全性が証明されています。HVOは、バス、トラック、鉄道、建設重機で使用されています。ジェット機は電化が困難なため、使用する燃料にプラスアルファをする形で、バイオ燃料が求められています。東急バスで導入されている当社の「サステオ51」は、バイオ燃料51%を混合したものです。

 

5. 最後に

・ 当社はミドリムシを中心とした会社ですので、ミドリムシでは絶対に負けたくありません。しかし、どんなにいいものでも実用化できなければ大量に作る意味はなく、何の貢献にもなりません。ミドリムシの可能性は非常に大きいと、私自身が強く感じています。改めて実用化への実現とともに、2030年度の売上高目標の達成し、利益をしっかり出せる会社にしていこうと決意しております。今後の当社にぜひ、ご期待ください。

 

6. 質疑応答

Q1. B to Bに関して、なぜB to Bを強化することになったのでしょうか。成長に向けた戦略はありますか。

A1. B to Bという用語をもう少しわかりやすくして説明したいと思います。B to Cは、ビジネスから顧客への直接販売です。B to Bは、会社から企業への販売です。企業向けの販売を強化する理由、期待値へのご質問と思います。当社の本拠地は石垣島で、ここでミドリムシの大量生産に成功し、現在も工場があります。石垣島の燦々と輝く太陽ときれいな海のもとでミドリムシが育っています。現在、石垣島の給食では、ミドリムシを麺に練り込んだ緑色の麺が出されています。石垣島の給食センターを訪問した際、離島なので物が入りにくい、栄養を考えなければいけないけれども食材が高い、地産地消もできない、子どもたちに栄養素をどう届けるかといったことに、職員の方が悩まれていました。当社は一緒に地産地消を考えました。今、ユーグレナ入りの緑色の麺が給食に使用され、子どもたちに大人気です。これは、栄養素として何か加えたいと考える人たちには、最適だと思いました。企業様の課題やお悩みに対して、ユーグレナを使ってプラスワンの商品展開ができるという声が挙がっています。食品メーカー等企業とさまざまな形で一緒に組んでできることを進めています。もともと、ミドリムシは緑色で海水のにおいが強いため、何かと合わせるとミドリムシが勝ってしまいます。しかし、現在では開発が進み、緑色でユーグレナらしく、おいしくなりました。白く無味無臭、ユーグレナのなかの重要成分パラミロンだけを生成したものもあります。原料も種類がありますので、企業様の要望に合わせながら幅を広げて、販売を強化しています。

 

Q2. 慢性腎臓病には、パラミロンが効果があるとのことですが、どのようなことから効果があると証明されたのでしょうか。

A2. 慢性腎臓病を身近に感じられている方も多いと思います。実は、私の父は慢性腎臓病歴20年、透析を10年間行っています。私は慢性腎臓病の患者家族として20年間向き合ってきました。毎日の食事をコントロールすることの難しさ、数値が変わらない虚しさ、苦しさがあります。そして、透析患者になってからは、外出することが難しくなりました。ユーグレナの研究で、慢性腎臓病の抑制をラット(ネズミ)で研究したエビデンスがありました。それは腎臓の悪化を抑制する内容のものでした。食品で良くなることは、慢性腎臓病では難しいと言われていますが、維持していく、なるべく透析をしないで済むのであれば、うれしい方々も多いはずです。今研究を進めていますので、臨床試験が終わり次第、また皆様に報告したいと思います。

 

Q3. 通販事業の成長余地はどこにありますか。新規顧客獲得をどの程度重視していますか。そのうえで今後も「からだにユーグレナ」の定期顧客数増加は続くと考えていますか。

A3. これまで60〜80代の方に支えられ、一緒に歩んできたところは変わりません。子育て世代の方々が増えてくると、もう少し変化すると思います。まず、通販事業は引き続き伸びていくと実感をしています。ご両親がユーグレナを摂り、それを娘、孫へと世代を超えて飲んでいただくことも増えています。私たちは、誰でも飲んでいただき、摂取していただきたいと思っています。シニア層から若い世代の部分が一緒に伸びていることは、大きな兆しだと思いますので、通販事業は伸びていくと考えています。「からだにユーグレナ」は、当社のメイン商品で、お出汁やふりかけ等の商品とはまた異なっています。皆様の身近になるような商品展開をこれからも考えてまいりますので、このシリーズは引き続き伸びていくと考えています。

 

Q4. バイオ燃料について、お聞きします。マレーシアの商業プラントの稼働スケジュールにおいて、2028年度下期開始予定に遅延リスクはありませんか。また、年間10万キロリットルの取扱いを見込んでいるようですが、実際の販売先は決まっているのでしょうか。

A4. 今のところ遅延はありません。建築現場にも行っていますが、予定通りに進んでいます。一般的に、大型プラント設備の竣工には遅延がつきものだという認識をもたれていますが、現時点でそうした事実はありません。そして、10万キロリットルの販売先としては、国内外での販売を考えています。2年後ですが、今の時点でどこに販売すると申し上げることは控えさせていただきたいと思います。

 

Q5. 株価が低迷していますが、経営者として今の株価をどのように思いますか。お考えを知りたいです。

A5. 株価については正直、本当に心苦しく思っています。皆様は期待して購入されていらっしゃいますので、何とかして伸ばしたいという思いです。今日こうして皆様とお会いして、ユーグレナを思い出したり、知っていただき、気にしていただけるような時間をもち、これからも積極的にお話をしていきたいと思っています。事業につきましては赤字から黒字に転換し、社内もベンチャー魂を今一度もちながら進んでいます。そうした意味では、事業への自信は強くもっています。それが株価にしっかり反映されるように引き続き努力したいと思います。ユーグレナという社名はなんとなく知っているけれども、何の会社かよくわからない、事業内容を理解するのが難しいという声をよく聞きます。これは当社の広報の努力不足ですので、できるだけわかりやすく、皆様に期待していただける状態をつくりたいと考えています。

 

Q6. ユーグレナのポテンシャルで、「バイオマスの5F」で一番力を入れている分野はどちらですか、教えてください。

A6. これは難しいですが、全部です。人と地球の両方とも健康にしなければいけないと思います。でも、課題はまったく違っています。人の部分は、皆様とともに口から入るものを、ユーグレナのポテンシャルを信じてよいと体感していただき、しっかりお届けしたいと考えています。そして、元気で長生きしていただくところの横にユーグレナがある状態を作っていくことが重要です。燃料も大事です。アグリ領域の農業分野、最終的に皆様の口に入る野菜、鳥、豚、牛の肥料、飼料の分野にも力を注いでいます。「5F」と掲げる以上、その5つに対しては全責任をもってやりきりたいと考えています。

 

Q7. 2026年度は当期純利益が黒字転換する予想となっています。その実現に向けた自信のほどをお聞かせ願いますか。

A7. 私から自信があふれていますか。私は達成できると思っています。そして、それに向けて毎日着実に事業を伸ばしていきます。お客様に届けていくことを真摯に重ねていき、実現したいと思っています。ご期待いただければと思います。

以上

 

 

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