ウシオ電機株式会社(6925)
開催日:2026年7月18日(土)
場 所:札幌ビューホテル大通公園 ピアリッジホール(北海道札幌市中央区)
説明者:代表取締役社長 朝日 崇文 氏
経営戦略部門IR室長 松山 亮太郎 氏
《経営戦略部門IR室長 松山 亮太郎 氏》
1. 社会を支えるウシオの光
・ 当社のコーポレートスローガンは、「未来は光でおもしろくなる」です。光とは何かを求め、そして光には未来を変えてしまう力があると信じてきました。その信念をもとに、世の中の進化や発展に貢献してきましたが、光にはまだまだ解明されていないものがあると言われています。当社は、新たな光の解明と用途開拓を通じ、社会課題の解決に挑戦し続けることを目指しています。
・ 光と申しますと、太陽光や照明のあかりなど、目に見える光を思い浮かべる方が多いと思います。この目に見える光は、可視光線という波長領域のものです。可視光線よりも波長が短い光に紫外線、逆に波長が長い光に赤外線があります。光は波長の違いにより様々な特性や機能があり、それを活かすことで多様な課題を解決することが可能です。
・ 当社は、光の特性や機能を理解し、洗う、検査する、並べる、固めるなど、光をエネルギーとして利用することで、光でできることを増やしてきました。
・ ウシオのロゴの色はグリーンです。可視光線の基本色である光の三原色、赤、緑、青の中心、グリーンを使用しています。常に光の中心にあり続けたいという思いを込めています。
・ 光の機能を活用した事例を紹介します。現在、私たちの身の回りにある様々なもの、例えばスマートフォンやパソコン、自動車や家電など、あらゆるものに半導体が使われています。私たちの生活が便利で快適になっていくうえで、半導体の進化は欠かせません。その半導体の製造工程において、当社の光を活用した製品やサービスが多く採用されています。具体的には、半導体の製造工程における基板の回路や配線を描く露光、ウェハーの洗浄、加熱などに使われ、半導体の進化に大きく貢献しています。
・ また、スマートフォンや液晶テレビで使用される液晶パネルの製造工程でも当社の技術や製品、サービスが活躍しています。近年、液晶パネルの進化で、大変きれいな画像や映像をスマートフォンや液晶テレビで楽しむことができるようになりました。そこには、紫外線を使った光配向技術、光で液晶分子をきれいに並べる技術が採用されています。当社は、液晶パネルの高精細化に貢献しています。
・ エンターテインメントの世界でもウシオの光は活躍しています。迫力ある映像を味わう映画館の上映には、業界向けの高性能なプロジェクターが使われますが、プロジェクターと光を出すランプは当社の製品です。高精細かつ迫力のある映像づくりを通じて、感動や驚きの提供に貢献しています。
・ 近年、万博やワールドカップなどの国際イベント、世界的なテーマパークで大空間かつ立体的な映像演出を行うプロジェクションマッピングが増えています。そこでも当社のプロジェクターが使用されています。2025年に開催された大阪・関西万博でも当社のプロジェクターが採用されました。
・ 病院などの施設でもウシオの光は活躍しています。新型コロナウイルス感染症の拡大以降、環境衛生に対する意識がより高まっています。当社は人体に悪影響を及ぼさない紫外線波長の222nmを使用し、有人環境でも使用可能な抗ウイルス除菌技術を製品化し、医療現場・介護施設などで製品採用が進みました。また、皮膚の角層から真皮層まで届く紫外線波長を利用した紫外線皮膚治療器は、白斑や乾癬(かんせん)、アトピー性皮膚炎などの治療に利用されています。
・ 当社の製品は、家電量販店などで見かけることはないと思いますが、皆様の目の届かないところで産業の革命、進化に大きく貢献しています。
《代表取締役社長 朝日 崇文 氏》
2. 当社の紹介
・ 当社の特徴の1つ目として、グローバルに事業を展開していることが挙げられます。海外の売上高比率は79.6%と非常に高い状況で、従業員の約6割が海外で働いています。世界を市場としてグローバルな視点でビジネスを進めています。
・ 特徴の2つ目は、経営の安全性が高いことです。長い歴史に裏づけられた強固な経営基盤を持っています。また、ガバナンス体制の強化にも積極的に取り組んでいます。
・ 株価は大きく上昇傾向にあり、現在は4,000円前後で推移しています。PBR(株価純資産倍率)は1.67倍です。以前は1倍を割っていましたが、現在は1倍を超えている状況です。
・ 当社は安定的・継続的な利益還元を基本としています。新成長戦略「Revive Vision 2030」のフェーズ1の3年間で、1株当たり70円を下限とする配当を設定し、株主還元の強化を図っています。この方針に基づき、2026年度の年間配当は1株当たり70円を予定しています。
・ 当社の強みは、光をあやつり、社会課題を解決し続ける力、そしてグローバルなマーケット接点とパートナーシップの2点にあると考えています。
・ ウシオ電機の創業は1964(昭和39)年で、今年62年目を迎えます。当初、光の用途は、ほぼあかりだけでした。当社の原点は、創業者の牛尾治朗が掲げた光をあかりとしてだけではなく、エネルギーとして利用し、新しい光市場を創造するという着想にあります。創業時の考えを変えずに継承し多彩な光を提供、光の専門メーカーとして社会に貢献してきました。その結果、光の特性や機能を理解し、光をあやつり、社会課題を解決し続ける力を得ることができました。
・ 当社の大きな強みに、グローバルなマーケット接点とパートナーシップがあります。当社は、早くから世界をマーケットと捉え、積極的に海外展開を進めてきました。全世界が当社のマーケットであり、付加価値の高い製品、サービスをワールドワイドに提供することが可能です。グローバルに開発・生産・販売の基盤を持つことが、パートナーとの協業推進やサプライチェーンの分断リスク軽減、生産効率の向上につながっています。
・ 当社は、光のプロフェッショナルとして、多くの技術革新のボトルネックを解決してきました。モノクロからカラーへ、アナログからデジタルへ、ノートパソコンやスマートフォン、液晶テレビの普及、そしてIoTや生成AIの進展においても光の特性や機能を理解し、光をあやつることで、これからも技術革新の進展に貢献していきたいと考えています。
・ 当社のイノベーション事例として、1993(平成5)年にウシオが世界で初めて製品化したエキシマランプがあります。エキシマランプは、172nmなどの短波長の紫外線を発し、高いエネルギーを持つ光源です。そのため、表面改質や殺菌、加工などに適しており、半導体や液晶パネルの製造工程において洗浄用途で利用されています。特に近年では、半導体分野での採用が拡大しています。
・ 光洗浄は、光の機能で不要な有機物に化学反応を起こし、非接触できれいにする仕組みです。製造過程において基板やフィルムに付着した有機物に対し、エキシマの光を照射することで結合が切断されます。また、空気中の酸素分子もエキシマランプの光で切断され、酸化力の強い酸素原子が生成されます。その酸素原子と結合することで有機物が分解され揮発し、基板やフィルムが洗浄されます。この技術は、半導体やフラットパネルディスプレイのナノレベルの微細加工工程で活用されています。
・ 創業以来、光の特性を活かし特徴ある製品を多く生み出しており、光のニッチトップ企業としての地位を確立してきました。その結果、ライフサイクルが長くかつ高いシェアを誇る製品を数多く保有しています。それが当社の持続的な成長を支える事業基盤となっています。
・ 売上高は、主にインダストリアルプロセス事業とビジュアルイメージング事業の2つで構成されています。インダストリアルプロセス事業は、半導体やフラットパネルディスプレイ向けの露光装置や光学装置、その装置に組み込まれる光源を扱っています。ビジュアルイメージング事業は、映画館やイベントなど、演出用途向けの高性能なプロジェクターと、その光源を扱っています。両事業共通で、光源という消耗品の交換による安定収益と装置販売の成長ポテンシャルを組み合わせたビジネスモデルを展開しています。
・ 育成事業としてメディカル・環境衛生分野向けのライフサイエンス事業や、LEDやレーザーなどの光源を扱うフォトニクスソリューション事業があります。
・ 新成長戦略「Revive Vision 2030」の方針として、現在は成長が期待できる半導体分野を中心にインダストリアルプロセス事業に注力しています。
・ インダストリアルプロセス事業は、特に半導体分野で今後高い市場成長が見込まれています。そのため現在、投資やリソースをこの事業に集中させています。半導体には、IoTや5G、生成AIの進展に伴い、ビッグデータ時代という大きなメガトレンドがあります。当社は半導体の進化に貢献する多くの製品を生み出してきました。現在、このメガトレンドに対応し、半導体の後工程、いわゆるアドバンスドパッケージ市場に貢献する露光装置の販売拡大と開発に注力しています。また、将来の成長が期待される半導体サーマルプロセスや検査分析用途でも、当社の光が大きく貢献できると考えて注力しています。
・ ビジュアルイメージング事業は、インダストリアルプロセス事業に次ぐ主力事業です。体験や感動の共有は人々の生活に欠かせない重要な要素であり、映画館をはじめ人々が集まる大空間でのプロジェクションマッピングなど、高度な映像演出ニーズが高まっています。当社は高性能なプロジェクターなどの映像機器の提供を通じ、価値創造に貢献しています。
・ 映画館自体は大きな成長分野ではありませんが、プロジェクターの製品寿命に伴う置き換え需要は、今後も安定的に推移する見込みです。収益構造の改善に取り組み、今後の安定した収益源としてまいります。
・ ライフサイエンス事業は、2つの主力事業に比べてまだ規模は小さいですが、将来の業績貢献に向けた取り組みを行っています。既に紫外線を利用した治療機、除菌装置を製品化しています。現在、光技術を応用した社会課題の解決に貢献する新規事業の育成に取り組んでいます。気候変動対策や人々を取り巻く環境の改善・保全などの社会課題に対し、ウシオの光が貢献することで将来の持続的な成長を支える事業へ育成していきます。
・ ビジュアルイメージング事業は、昨年の大阪・関西万博に協賛し、プロジェクションマッピングシステムを提供しました。EXPOホール「シャインハット」に360度全方向のプロジェクションマッピングが体験できるシステムを設置しました。
3. 新成長戦略:Revive Vision 2030
・ 2024年5月に公表し現在遂行中の新成長戦略「Revive Vision 2030」では、経営効率の重視を基本方針としています。2026年度を最終年度とするフェーズ1と、2030年度を最終年度とするフェーズ2の2段階に分けて取り組みを進めています。
・ フェーズ1では事業ポートフォリオ変革を進め、収益構造の改善による収益基盤の強化に注力しています。また、2027年度以降のフェーズ2ではさらなる成長に向けて、将来を見据えた先行投資も進めています。これにより事業の利益率向上を図るとともに、資本効率を改善させていきます。具体的には、早期のROE(自己資本利益率)8%以上の達成、2030年度にはROE12%以上とすることを経営目標に取り組んでいます。
・ 経営目標を達成させるために、実効性の高い事業戦略と財務戦略の両輪で進めています。事業戦略の具体的な取り組みの1つ目は、事業ポートフォリオの変革です。インダストリアルプロセス事業を注力事業に位置づけて開発や成長投資、リソースの集中による継続的な成長拡大を目指しています。ビジュアルイメージング事業は、今後の安定事業と位置づけ、事業規模を追わず収益率を改善させることで、安定的にキャッシュを生み出すことを目指しています。ライフサイエンス事業は、育成事業と位置づけて、将来有望な案件の創出に取り組んでいます。
・ 取り組みの2つ目は、半導体の後工程に関わる半導体アドバンスドパッケージ事業の成長拡大です。当社は、半導体市場において競争力が高い露光装置を備えています。また、生成AI半導体需要の拡大に伴い、より高度な配線技術ニーズが高まっています。当社はアプライド マテリアルズ社との業務提携を通じて、上位機種のデジタルリソグラフィ装置を新たなラインナップに追加し、半導体の後工程向け露光装置のフルラインナップ体制を実現しています。お客様の幅広いニーズに応え、提供できるラインナップを持つのは当社だけです。露光装置は年15%という高い成長率を見込み、2030年における新成長戦略「Revive Vision 2030」達成に向けた、最大の成長ドライバーと位置づけています。
・ 取り組みの3つ目は、半導体アドバンスドパッケージ事業を中心にインダストリアルプロセス事業の成長を拡大させていくことです。当社は、露光装置以外にも非常に高い成長率が見込める半導体関連の光源を複数保有し、インダストリアルプロセス事業全体で大きな成長を見込んでいます。また、光源ビジネスで最大の競合先であったOSRAM(オスラム)グループのランプ事業を昨年、買収しました。今後のシナジー効果を含め、さらに強固な収益基盤を築き上げていきます。
・ 財務戦略は、新成長戦略の実行による営業利益率の向上とともに、株主還元の拡大による資本の最適化を進め、ROEを改善させることでPBR(株価純資産倍率)向上を実現していきます。
・ 新成長戦略「Revive Vision 2030」は、公表から2年が経過しました。2年目までの成果は、半導体アドバンスドパッケージ事業の業績貢献が当初の計画より遅延はしていますが、それ以外の各施策は着実に進み、その成果が出始めています。当社は、2030年以降の持続的な成長を視野に新規事業の創出にも取り組んでいます。現時点で3つの領域が有望と位置づけ、注力しています。
・ 経営目標の達成に向け、事業戦略として基盤事業の強化と成長事業の拡大を進めるとともに、財務戦略として資本効率の改善を推進しています。事業戦略では収益基盤となる事業をより強固にし、キャッシュ創出力を高めることで成長事業への投資サイクルを確立、確実な成長を目指します。これにより着実に企業価値向上を実現していきたいと考えています。
4. ウシオの生成AI半導体への関わり
・ 現在、生成AIに関する需要が急速に拡大しています。生成AIの台頭により膨大な計算やデータ処理にニーズが急増しています。これに伴う様々な課題を半導体の後工程、具体的には半導体パッケージ基板の進化で解決する考えが加速しています。当社は、半導体パッケージ基板の進化を支える競争力のある露光装置を展開しています。
・ これまで半導体の進化の中心は、前工程での微細化技術でした。しかし、その技術も技術面・経済面で限界に直面しています。そこで注目されているのが、後工程の技術革新です。複数のICチップを搭載し機能させるための高密度パッケージ技術が進化の鍵です。現在、この領域に各企業が多額の投資計画を発表しています。当社は、高密度パッケージ技術に必要な微細配線を実現する露光装置を提供しています。
・ 当社は複数の基板からなる生成AI半導体パッケージに対し、求められる様々なニーズに適した3つの露光装置を提供しています。それぞれの特徴を持つ露光装置をラインナップしているのは当社だけであり、進化の速い技術トレンドに適した提案が可能になっています。現在、生成AI半導体の需要増加に伴い、関連する露光装置の引き合いが増加中です。また、最新機種のデジタルリソグラフィ装置も主要顧客で順調に評価されています。露光装置の採用拡大により、2030年に向け年率15%以上の成長を実現できると考えています。
・ 先端半導体分野での飛躍を目指すRapidus株式会社へ出資を行いました。今回の出資を通じて、先端半導体の国内量産基盤の構築に貢献するとともに、高度な技術と市場動向に関する知見を深め、今後の製品開発に活かしていく考えです。
5. ESGへの取組み
・ 当社は、ESGへの取り組みも積極的に行っています。持続的な成長と企業価値向上を目指し、ガバナンスの強化を積極的に進めています。当社は早くからガバナンスの強化に努めており、取締役会による実効性向上の取り組みを推進しています。
・ 新成長戦略「Revive Vision 2030」の目標達成に向け、人財戦略を重点課題と位置づけ、取り組みを強化しています。成長分野の半導体関連事業では、競争力のある人財育成を目指したリスキリングを推進しています。最適な配置や人件費のコントロールを行うことで、メリハリのある仕組みを構築し、人財の質の向上を図っています。
・ 従業員エンゲージメントの向上を重要な課題と認識して取り組んでいます。詳細は、統合報告書「Ushio Report」に掲載しております。
・ このように、ESG経営の強化を進めています。当社は、世界最大の年金運用機関GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用する国内株式を対象とした6つのESG指数すべてに選定されています。
・ 事業の成長もさることながら、ESG経営を実践し、社会に求められ、認められる会社であり続けたいと考えています。
・ 当社は60年以上にわたり、光をあやつり、カタチにすることで、様々な社会課題の解決に貢献してきました。光にはまだまだ可能性があります。創業以来培った強みを活かし、これからも光のニッチトップポジションを堅持していきます。そして、成長分野であるインダストリアルプロセス事業を中心に、社会課題を解決する光のイノベーションカンパニーとして、10年後、30年後という長期における持続的成長を目指します。
・ 当社ホームページの投資家情報サイトには、個人投資家向けにウシオの成長性や取り組みを発信するコンテンツを用意しています。また、IRニュースの開示後、メールで情報をお届けするIRメール配信サービスを行っています。
・ 全社員が一丸となり、ESG経営とミッションビジョンの実現に取り組んでまいります。
6. 質疑応答
Q1. 半導体関連の露光装置が今後かなり高い成長率で拡大していくとのことですが、なぜそのような成長となるのでしょうか。御社の露光装置の優位性も踏まえ、改めて教えていただけますか。
A1. 半導体市場全体が伸びていることは、皆様もご承知と思いますが、特に生成AIが台頭し、半導体により高度な機能が求められる状況が高まっています。それに対応するために、半導体各社が開発にしのぎを削っているところです。半導体の前工程は、今まで非常に速いペースで集積が進んできましたが、物理的な限界を迎えつつあります。それらをカバーする意味で、後工程をより高精細、多層化、高速化することで、半導体としての性能をさらに向上させることが必要になってきています。当社は、後工程において最適な露光装置をラインアップとして揃えています。後工程のパッケージは、生成AI等では大型化、多層化、さらには微細化しています。それに対する露光のラインアップが豊富であることが、当社の高い成長を実現できるもっとも大きな理由です。市場が成長するところ、特に後工程が成長するなかで、当社は最適なソリューションを持っています。
Q2. 事業ポートフォリオ変革に取り組んでいるようですが、具体的な方向性や考えを教えてください。また、現時点でどのような取り組みと成果が出ているのかも教えてください。
A2. 当社の財務体質、バランスシートはよいのですが、それに見合うだけの利益の伸びが出ていない状況が、過去十数年ありました。効率化重視で様々な取り組みを行うなかで、資本コストを意識した事業ポートフォリオ変革は、成長を実現するうえでは非常に重要です。そのなかでも、強い技術とアドバンテージを持ち、高収益で高い成長率が見込めるインダストリアルプロセス事業により集中していきます。収益性の悪い事業は改善する、もしくは撤退する、どちらかの選択を将来的にしっかり行ってまいります。これが事業ポートフォリオ変革の基本的な考え方で、徹底的に進めています。2つ目に大きいビジュアルイメージング事業は、低収益だった領域からより収益性が高いハイエンド領域に集中していきます。当社の得意とする領域に集中し、構造改革を実施して利益の最大化を行いながら、事業ごとに将来の成長性と経営効率、利益性の改善を見極めたうえで、選択・集中するものと撤退するものを徹底的にマネージしております。
Q3. 非常にシェアの高い製品が多く存在するなか、なぜ利益率は1桁台にとどまっているのでしょうか。もっと高い利益率が稼ぎ出せるのではないでしょうか。
A3. 当社は高いシェアを持つ製品がたくさんありますが、そのなかには市場自体が成熟し、徐々に利益率が悪くなっているものがあります。シェアが高いからといって継続して利益を高くとれる状況ではないため、ポートフォリオ変革、事業の入れ替えが非常に重要になります。また、過去には特にランプの可視光線については、競合も多く価格競争も激しいため、将来的に市場の縮小が見通されていました。その際に、新規事業を立ち上げる必要があるということで、様々なチャレンジを行いました。ただ、そのチャレンジの仕方として将来的な事業化を見据えられていなかったため、あまり成功せず、結果としてコストが上がり利益率が下がったことがありました。特にこの2年間、徹底的にそうしたものをストリームライン化し、選択と集中を徹底してコスト削減、将来に向けた投資を加速させている状況です。
Q4. 円安が御社に与える影響を教えてください。
A4. 当社は海外で多くの事業を展開しておりますので、例えば円が安くなりますと、1円当たりで売上高は約10億円程度、利益は1億円強、一時的な改善に向かう傾向になります。ただ、円安が進むと日本側の材料は安くなりますが、材料自体の競争力が失われ、結果として海外のものが多く出てしまいます。つまり、結局は高いものを買わざるを得なくなります。サプライチェーンが有利に働かなくなるということ、不利な方向に向かってしまうこともありますので、長期的には安定するほうが当社にはよいと思います。
Q5. PFASについて何かと話題になっていますが、その光分解について教えてください。
A5. PFASは有機フッ素化合物です。これは実に分解しにくい、鎖が強い性質を持っています。一方で、エキシマランプを中心とした紫外線は、光のエネルギーが強い領域で、それをその分子に当てることができれば、鎖を断ち切ることができるため、PFASに対しては、光で分解するという能力が大変、有効な手段になります。課題は、いかに効率よく光を当てていくかです。これが実現できないと、なかなか鎖を断ち切ることができませんので、複合的な技術でできるだけ光がしっかり届くようなソリューションを考えて、開発しながら進めていく必要があります。当社もランプそのものは非常に強いですが、それらの総合的なソリューションとして様々なパートナーと組みながら進めている状況です。
以上
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