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ミネベアミツミ株式会社(6479)

開催日:2026年7月4日(土)

場 所:ミネベアミツミ 東京クロステックガーデン(東京都港区)

説明者:代表取締役 会長 CEO  貝沼 由久 氏

 

《第一部》

1. ミネベアミツミとその強さの秘密

・ 当社は1951(昭和26)年に創業しました。2026年3月期の売上高は1兆6,644億円です。ニッチマーケットで高いシェアを持つ製品を有することが、当社の特徴です。例えば、ミニチュア・小径ボールベアリングは世界で約6割のシェアを占めています。ハードディスクドライブ用ピボットアッセンブリーは世界の約9割、1直リチウムイオン電池用保護ICは約8割のシェアがあります。

・ 私が社長に就任した2009年3月期の売上高は約2,500億円でした。中期業績予想のプランAは2029年3月期に売上高2.5兆円、営業利益2,500億円を目標にしていますが、現在なかなか大きなM&Aの機会に恵まれていません。2029年3月期までに大規模なM&Aがない場合、プランBとして売上高1.9兆円、営業利益1,680億円を目標としています。

・ 当社は、17期連続の増収を達成し売上高は約11%、営業利益は約12%の伸長率です。私が社長に就任後、配当は約8倍、株価は約13倍、時価総額は約14倍となりました。

・ 当社が17年間成長を続けてきた強さには、理由があります。例えば、ボールベアリングですが、通常ベアリング内部にはグリースを入れ、グリースが外に飛び出さないように蓋をします。ボールベアリングの構成部品は、シールド、ボールの保持器(リテーナ)、ボール、内輪、外輪です。当社は、0.01ミクロンの精度のベアリングを月に約4億個生産しています。これが、当社の強さの源泉です。

・ また、内製化つまり垂直統合により、自社で部品を作っています。ベアリングメーカーでボールまで作る会社はなかなかありません。シールド、リテーナを全部自社生産し、機械も設計し作っています。当社のベアリングの機械は外部で販売していません。ベアリング用の機械を自分たちで設計して作り、使用していることが一つの特徴です。そして、そこに超精密の様々なノウハウが隠されています。

・ 当社のベアリングは、超精密な回転を担保するために作られており、小さいものが得意です。潤滑油、ボール、生産設備、治具、砥石もすべて自社製です。こうした部分にノウハウが隠されており、当社が大きく成長を遂げた秘密があると思っています。「8本槍」の製品すべてに内製化と超精密にこだわる哲学があります。当社はニッチマーケットで、超精密を狙っています。

 

2. 経営方針・成長戦略

・ 「世界を動かす、なくてはならない会社へ」なりたいと考えています。例えば、ベアリングの供給がストップした瞬間に、世界のすべての生産が止まります。当社は、ミニチュア・小径ボールベアリングで世界の約6割のシェアを持っています。当社は縁の下の目立たない存在ですが、確実に世界を動かしていると思います。さらにそれを高めていくことが、当社の目指す世界です。

・ コーポレートスローガンは、「常識を超えた『違い』による新しい価値の創造」です。ミネベアミツミのロゴの下に、英語で“Passion to Create Value through Difference”と記してあります。情熱を持って世界を動かす会社になりたいと考えています。

・ 2009(平成21)年に社長就任後、これからは「エレクトロ メカニクス ソリューションズ®」であろうと考えました。「機電一体」とも言われますが、エレクトロニクスとメカニクス、それにソリューション(ソフトウェア)が一緒になる未来に向けた準備をすべきだということを、17年前に社内で提唱し、商標登録しました。これを当社のコンセプトとして進めていくことを、2009年5月に発表しました。

・ 当社が大きな利益を目指す理由は、先代の故・高橋高見会長に「会社は大きくないと損をする」と言われていたからです。小さい会社と大きな会社の違いは、大きな会社ほど資金調達も容易で、政府の補助金も取りやすく、小さいと損をすると言われました。2,000億円の会社を大きくする最も基本的な戦略が、常識を超えた違いによる価値の訴求と、具体化した「エレクトロ メカニクス ソリューションズ®」です。

・ どのような部品を製造するかにつきましてですが、当社は「8本槍戦略」を取っています。「8本槍戦略」の定義は、大きな市場のなかのニッチ市場であること、その製品は簡単な技術革新ではなくならない、そして当社の強みが活かせる製品であること、つまり超精密であること、さらには製品を相互に相合わせる(「相合」)があることです。8本槍戦略の8つの製品を大きく成長させることを考えています。現在、ベアリング、アナログ半導体、モーター、アクセス製品は、すでに槍として成長しています。センサー、コネクタ/スイッチ、電源、無線/通信/ソフトウェアはまだ途上ですので、これを成長させていきます。

・ 例えば、一つのモーターを作るとき、素晴らしいモーターを作ろうと思うと、ベアリングも、モーターを回すためのドライバーも素晴らしくなくてはなりません。モーターにはアクセスの制御やセンサー、コネクタが付きますので、8本槍のシナジー(「相合」)によって他社には真似のできないモーターを作ることができます。これが当社の強みです。

・ 相合製品の最近の事例に、BMWに正式搭載されたウィングハンドルがあります。当社のドアロック、モーター、センサーが新車種「BMW X5」に入ることが、2026年6月30日にアメリカで発表されました。

・ 現在、市場受けがよいのはファンモーターです。AIサーバー向けのファンモーターを、社内では「ニコイチ」と呼んでいます。2つのファンモーターを付けて風力を最大限にしています。AIサーバーの中で発生する熱を冷やします。超高性能なベアリング、モータードライバーICにも使われ、技術を「相合」した製品です。

・ 産業用の電源モジュールは、電源に特別なコネクタ、ファンモーター、それからICを組み合わせています。

・ 株式会社ニトリ様で発売中の「コンセプトベッド」にも当社のテクノロジーが使われています。「未来の眠り」は、当社が大阪・関西万博に出展した技術です。このベッドは、心拍呼吸数・体重を測り、就寝中に息苦しさを感じたときは背もたれが自動的に上がり、息苦しさを減らすことができます。当社の技術を相合わせた製品です。

・ 当社は、「4高」技術(高電圧・高電流・高周波・高速)をキーワードにしています。社会的課題を解決する製品には、4つのテクノロジーが関わっています。このテクノロジーには、当社の8本槍製品が使われています。超精密でしかも高電圧・高電流・高周波・高速に対応できる部品を作っています。

・ 当社の部品は、家電や車などを支えています。皆様が朝起きてから夜寝るまで、当社の部品に接しています。例えば、銀行端末機には1台に800個のベアリングが入っています。自動改札にもベアリングが使用されています。こうした様々な部分に使われていますが、さらに当社が安定的に成長するためには、「成長の5分野+1」があると考えています。

・ 「世界を動かす、なくてはならない会社」であるには相応の理由があります。昔は大体がメカニクスの時代で、様々なものを動かすことで豊かな生活を実現していました。それがエレクトロニクスの時代になり、徐々にメカニカルなものがなくなりました。例えば、PCも昔はハードディスクが入っていましたが、今は全部SSDという半導体メモリを使用したものに置き換わっています。携帯電話では、手ぶれ防止のアクチュエーターなど一部のメカニクスを除き、その中はほとんどが電子部品に置き換わっています。5つの成長分野に見られるように、現在はメカニクスと電子の融合である「エレクトロ メカニクス ソリューションズ®」の時代がやってきました。例えば、ロボットやドローンも電子技術とメカニカル技術が合わさっています。ヒューマノイドロボットの場合は、搭載されるAIやソフトウェアによって動きます。一度メカニカルなものはなくなりかけていましたが、今はメカニカルかつエレクトリカルであるものが必要とされています。

・ 当社の強みは、アナログ技術です。これまでに培った様々なノウハウは簡単に外部から買うことができない当社だけが持つもので、特に超精密分野がその代表格です。また、他者にはない「相合」できる力で圧倒的優位に立つことも当社の特長です。

 

3. 成長の5分野+1

・ 成長の5分野のうちAIサーバーは、今後3年間で成長の余地があると考えています。AIサーバーの中の1つのラックには、多くの部品が入っています。当社の超精密加工技術は、ハードディスク、クローズドループ水冷システム、コネクタ、半導体、冷却ラックにも入っています。

・ ヒューマノイドロボットも2035年までに成長の余地があると思います。ロボットにも多くの部品が入っており、あるロボットメーカーから1体につき138個のベアリング、17個のセンサーの受注がありました。これからはロボットも信頼性が必要になります。高いお金を払って買ったけれども2年で壊れるようでは困ります。高級な製品には高級な部品が入っています。当社は車のワイパーのベアリングで世界シェアの約7割を占めます。まったく音がせず、15年走ってもワイパーだけは動いています。やはり、ベアリングがしっかりしているからです。これからロボットでも同じような現象が必ず出てまいります。

・ ロボットハンドについては、2026年1月ラスベガスで開催されたテクノロジー展示会「CES  2026」に出展しました。片方のハンドで104個、2つのハンドでは200個以上のボールベアリングが使用されています。市場規模が勢いよく伸びている商用ドローンにも、多くの当社製品が使用されています。

・ 完全自動運転も2035年までに年約40%の成長が見込まれています。私もアメリカ・サンフランシスコで自動運転車に乗りましたが、まったく問題はなく人間が運転するよりスムーズです。完全自動運転をする場合には、カメラだけでは難しいので「ライダー(LiDAR)」という装置が付きます。ここに当社のベアリングが搭載されています

・ ニューモビリティは、2029年3月期には300億円の売上高を見込んでいます。車は移動手段ではなく、いかに快適なオフィス、リビングルームになるかが課題です。完全自動運転ですから、車内環境を整えるために当社の多くの部品が使われます。

・ 航空宇宙は、成長の5分野に対して「プラスワン」の分野です。航空機には多くの部品が入り、当社はロッドエンドとスフェリカルベアリングで航空機の約5割に供給しています。これからも燃費改善、騒音改善のために新しい航空機が出てきます。ロケットも、イーロン・マスク氏が宇宙企業スペースXを上場し、今後は1時間に1回の間隔でロケットを打ち上げると発表していますが、資材を運び、衛星を作る部分には当社のベアリングが使用されます。ドイツにはマイオニック(myonic Holding GmbH社)というベアリングの子会社があります。また、同じくドイツのセロベア(CEROBEAR GmbH社)では、セラミックを主体としたベアリングを生産しています。

 

4. 今後の売上を牽引するグローバル生産拠点

・ 当社には、134か所のグローバル生産拠点があります。重点エリアとしてカンボジアのプルサットに第2工場を建設しました。約50万平米の土地を購入して工場を建て、生産を開始しています。

・ タイのロッブリ工場は、航空機用の新しいベアリング工場です。フィリピンのセブ工場では、アナログ半導体やその他製品を生産しています。インドのMach Aero工場は、航空機用の工場です。チェンナイの工場は、本年末には竣工予定です。ミネベアアクセスソリューションズには、インド工場があります。ドイツのセロベア(新棟)は、航空宇宙向けのベアリング工場です。

 

5. カーボンニュートラル

・ 当社は、カーボンニュートラルに取り組んでいます。カンボジア工場、フィリピン工場は100%再生エネルギーで動いています。そして、タイ工場は大きな投資を行い、約50%が再生エネルギーに変わっていきます。

・ 従業員が誇りを持てる会社でなければならない、そして地域に貢献しなければならない、地域から歓迎されなければならないなどの心得があります。当社はカーボンニュートラルにも真摯に向き合っています。

 

6. 株主の皆様への還元

・ 2027年3月期は1株当たり年間60円の配当を予定しています。

・ 株価のチャートも私が社長に就任した17年前に比べて上昇率が非常に高くなっています。

 

《第二部》 

7. トップ対談 質疑応答

《ミネベアミツミ 貝沼会長 × 大和IR 成瀬順也(前代表取締役社長)》

Q1. M&Aについて、中期業績予想プランA、プランBとありますが、今後3年のうちに大きなM&Aが起きる可能性はどの程度ありますか。

A1. 正直申し上げますと、その可能性はあまり高くないと思います。当社は10%の営業利益率を目指すことを公表していますが、M&Aを行う際に10%以上の営業利益率を出している会社を買収しますと、のれん代もあり高値になります。私は社長就任から17年間で約30件のM&Aを行ってきました。のれん代はネットで申しますと、約1兆円だったと思います。負ののれんもありますから、それをプラスマイナスしますと約400億円です。安く買って、そして大きく育てるということですが、大きな会社は営業利益率が低いため営業利益も一旦下がってしまいます。私としましては、プランBのほうが可能性は高いと思っています。

 

Q2. 関連した質問ですが、海外におけるM&Aについては、どのようなスタンスを取っていらっしゃいますか。

A2. 海外にも本当に良い会社はたくさんありますが、現在は円安のため日本円にしますと高い買い物になります。そして、海外はM&Aマーケットの会社の価格が日本の平均よりも非常に高く、よほどのことがないかぎり手出しできません。むしろ、それよりもすでに様々なチャンスがありますので、このチャンスをきちんとした形にすることのほうが大切だと思っています。

 

Q3. 貴社の技術の海外への流出について、安全保障の面からカントリーリスクをどのように把握されていますか。

A3. 当社は様々な製品を作っていますが、非常にセキュリティ性が高くなければならない製品と、そうではない製品を区別しています。セキュリティが非常に重要な製品、つまり競争力の根源を担保している製品に関しましては、最新の技術を管理できる工場にしか適用していません。ここが一番大きな戦略ではないかと思います。

 

Q4. 現在、少子化に伴って人手不足が課題となっている企業が多いと思いますが、御社では人材採用は順調に行うことができていますか。

A4. 現在、知名度を高めることに注力しており、コマーシャルをはじめ来週には女子ゴルフのトーナメントも開催します。様々なアクティビティ、あるいは宣伝を展開しており、その結果、今年も約400名を超える新入社員を採用することができました。また、同程度の中途採用も順調に採用できております。日本人の少子高齢化の問題は、今のところ当社にとっては実際上の大きな問題になっていません。これからも当社が強くマーケットに存在することで、様々な人材を集めていきたいと思います。

 

Q5. 本日のご説明の後半で、例えばAI、ロボット、ドローンの成長性についてお話をいただきました。その際に御社の8本の槍のどれに最も成長がくるのか、一番御社の製品として成長率が高いもの、それから利益への貢献額、最も利益が増えそうなものは、どの槍になると思えばよろしいでしょうか。

A5. 明らかなのは、ボールベアリングです。今の生産キャパシティが4億個/月で、2027年末までに4億4,000万個/月の供給量となります。しかし、これでも不足すると見込んで、新工場の建設を検討しています。ボールベアリングは非常に利益率も高く、そして競争環境が非常に良いため、ここが一丁目一番地になるだろうと考えています。2番目はモーターです。例えば、ハードディスクに入るスピンドルモーターです。AIデータセンターが今後データの蓄積をするなかで、やはりハードディスクの数量も徐々に上がっていくと見込んでいます。そして、熱に対する手当ても大切です。水冷・液冷・空冷と様々ありますが、自動車のラジエーターファンは消えることはありません。安くて効率的なのは従来のように風を送ることですから、ここがなくなることはなく、むしろ増えていくと思いますので、次はモーターになります。しかし、当社が手がけている8本槍製品は、なかなかどれが絶対に成長しますとは申し上げられません。当社はだからこそリスクを分散して様々なことを行っています。そういう意味では、チャンスがどれだけありそうなのかをご覧になっていただくのが一番よいと思います。

 

Q6. ボールベアリングでは世界トップシェアですが、競合他社が追随しにくい最大の強みはどこにあるとお考えでしょうか。

A6. 先ほどご説明しました垂直統合に尽きると思います。ボールからグリース、研磨する砥石まで、すべて自社に一番合ったものを自分たちの手で作っています。これは長い歴史のなかで培ってきたノウハウと規模があるからこそです。小さいボールベアリング工場で砥石まで作れと言ってもこれは割に合いません。ですから、圧倒的な投資をすでに終えているところが強い部分だと思います。これからの会社は全部新規投資になりますから償却負担も必要です。当社は昔からこのミニチュア・小径ボールベアリングを生産していますので、そこには一日の長があると思います。

 

Q7. ボールベアリング等のプライス面で、購入先等から強いプレッシャーがきていたりしませんか、それに対応できてますか。

A7. 忙しいときは、なかなか価格を下げてほしいというプレッシャーはありません。一方、マーケットが冷えたときは、価格を下げてほしいというプレッシャーがあります。そしてもう一つ、当社はよく価格を上げないのかと聞かれますが、適切な価格で販売していますから参入障壁が高いと思っています。つまり、他社が入ってこられないわけです。当社の儲けが大きいと、コバンザメ商法が出てきてしまいます。このあたりはよく見極めながらプライシングを行っています。

 

Q8. AIについても多数のご質問いただいております。そのなかから一つ、高市政権の戦略17分野のなかにフィジカルAIが出ていますが、これがどのような形で追い風となっておりますでしょうか。

A8. これは、日本も遅ればせながらヒューマノイドロボットに取り組まなければいけないということでしょう。ロボットの中は当社の製品の塊と言ってもよいです。動かすためにはアクチュエーターというモーターと減速器等がセットになって、数多く入っています。そして、センサーもあります。どこを触って痛い、どのくらい痛いなど、そもそも人間の体中がセンシングしているわけです。ロボットもヒューマノイドと言うからには、人間と同じぐらいのセンシングになる必要があります。そのためにはセンサーをこれからたくさん付けていかなければなりません。ですから、そういう意味では日本の現政権がこのフィジカルAIに力を入れることは、当社にとっても強い追い風になるだろうと思っています。

 

Q9. AIを御社で活用されている事例、もしくは方針はございますか。

A9. これはもう今、様々なところでAI活動を行っています。私がAIを普及する座長として、自ら先頭に立って毎月、会議を行っています。これは製造、営業、様々な分野でAIを駆使していくことです。例えば、生産工程で何か不具合があったときにAIで分析を行います。将来はAIで回答をお出しして、その不具合に対する対処を行うことも視野に入れ、始めています。また、営業マンは、お客様の所に行く前にAIと対話しながらロールプレイを行っています。製品説明においてAIが返答することを繰り返しながら、営業マンのスキルアップを図っています。

 

Q10. 国内・海外の点から2つの質問があります。今後の重点エリアとしてインド、タイ、フィリピン、カンボジアなどを挙げられていますが、これらの地域を選ばれる理由は何でしょうか。一方で国内での生産増強などについてのお考えをお聞かせください。

A10. 国内でもチャレンジしたいことはありますが、まず人が集まりません。これはもう現実の話です。過疎化がものすごい勢いで進んでいるため、現実問題として日本の工場で何かものづくりを行おうとするときには、かならず工場従業員の数が問題になります。これが一番大きなボトルネックだと思っています。一方、東南アジアは、まだまだ人材に恵まれています。さらに進出先の国の政府が投資に積極的で、様々なインセンティブ、例えば税金を下げるとか、補助金を出すといったこともありますので、どうしても東南アジアになってしまいます。欧米のほうは本質的な筋道としてあり得ますが、日本流の工場運営を容認してもらうのは、これまた制約があります。そのため、どうしても東南アジアが主体になると思います。

 

Q11. 地域のお話をお聞かせいただきましたが、今度は内容面で設備投資のアロケーションについては、どのような分野を中心に考えていらっしゃいますか。

A11. 全体のキャッシュの半分を投資に向けております。そして、この投資も当然のことながら、成長できるという確信があるものにプライオリティを高くすることにしておりまして、その方針はこれからも変わらないと思います。

 

Q12. 御社は「相合」ということをおっしゃっています。特にM&Aの際に企業文化の異なる様々な会社ともこれまでうまくやってこられた、難度が高いことを行ってきたと思いますけれども、苦労された点や今後の課題があれば教えていただけますか。

A12. 先ほど申し上げましたように、社長就任以降約30件のM&Aを行ってまいりましたが、いつも方針は一つです。当社が何に向かっていくのかを、相手企業の従業員に必ずしっかりと説明します。ですから、例えばどんなM&Aも基本的には第1日目に私が従業員の皆さんを集めて約1時間半、お話をします。なぜM&Aをしたのか、当社は何を行っていくのか、ここが一番重要で、私は相手の会社の文化は気にしないと言っています。当社が利益を上げることで従業員の皆さんの生活が向上します。また、定年が延び、退職金も増えます。これは悪いことは何もありません。どうやって利益を増やすかは、王道があります。売上を上げてコストを下げることを、どれだけ徹底して行うかをしっかりと説明すれば、だいたい皆さんおわかりになります。また、これに対しての反論は、今のところ聞いたことがありません。それで事実、会社が良くなって、それが皆さんのパワーになって、より良くなっていく循環が生まれるのではないかと思っています。

 

Q13. 最後に一言、皆様にコメントいただけたらと思います。

A13. 私が2009年に社長に就任してから2024年までの16年間は、機関投資家を中心に説明会を行っていました。これまで、個人投資家の皆様へ向けた説明会はあまり積極的ではなかったのは、皆様の大切な資産を預かる責任の重大さを強く感じるからでもありました。しかし、2025年に「成長の5分野+1」を発表して、お客様のご意見や営業報告から感じられる手応えと、2009年から提唱してきた「エレクトロ メカニクス ソリューションズ®」の現在を改めて考えまして、今は自信をもって皆様に当社をご説明差し上げられると思っています。もちろん、株は市況に影響を受けるものですが、この17年間、当社のCAGR(年平均成長率)は売上高で11.6%、営業利益で12.8%と着実に成長してまいりました。5つの成長分野にしっかり取り組むことで、少なくとも今後4〜5年は着実に成長できるものと考えています。本日は、長い時間ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

 

以上

 

 

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