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静岡ガス株式会社(9543)

開催日:2026年5月24日(日)

場 所:大和コンファレンスホール (東京都千代田区)

説明者:代表取締役 社長執行役員  松本 尚武 氏

 

  1. 静岡ガスグループの概要

・ 設立は1910年、おおむね創業115年になります。従業員数は1,586名ですが、これに役員や臨時職員、今年になって新たにグループインした企業の社員を含めると、おおむね2,000名です。

企業理念は「エネルギーを中心としたグループ総合力で、豊かで持続可能な未来を追い求めます」。この理念のもと、大きく分けて2つの事業に取り組んでいます。1つは都市ガスやLPG、電力事業のエネルギー事業、もう1つはくらしサービスやエンジニアリングサービスのソリューション事業に取り組んでいます。

・ グループ企業数は、連結子会社が37社、持分法適用会社などが7社。これらで静岡ガスグループという企業集団を形成しています。

 

【都市ガス事業】

・ 関東では東京ガスが非常に有名ですが、同じような都市ガス事業を静岡県で営んでいます。現在の都市ガス使用中戸数は32万6,000戸、販売量はおおむね16億m³です。

・ 都市ガスがお客さまに届くまでのバリューチェーンは、原料の調達→製造→供給→販売という流れです。

・ 原料調達は、私たちは主にマレーシアやオーストラリア、パプアニューギニアなどのアジア・オセアニア地域から輸入しており、現在、問題になっているホルムズ海峡を通る中東方面からは調達していません。スライドに中東のオマーンからの調達を記載しておりますが、最近は行っていません。

・ 私たちは静岡県静岡市にLNG基地を持っています。これは静岡県内で唯一のLNGターミナルです。港にLNG(液化天然ガス)の地下タンクがあり、マレーシアなどからのLNGの受け入れを、月に2カーゴ程度行っています。

このLNG基地では、ガスの受け入れ、貯蔵、都市ガスの製造を行っています。

・ 静岡ガスの供給エリアは、静岡県の中・東部を中心に小売を行っています。また、他の地域では卸売を行っています。例えば、西部地域のサーラエナジー、私たちのグループ会社である袋井ガス、中遠ガス、島田ガスに卸売しています。

・ なお、卸売は県内だけではなく県外へも行っています。具体的には、東京ガスやINPEXと当社でパイプラインネットワークを接続し、通常時は私たちの清水のLNG基地からガスを送り込み、卸売をしています。季節により異なりますが、私たちが清水から送出したガスが、おおむね軽井沢あたりまで届いています。緊急時は、東京ガスやINPEXから静岡ガスへ、ガスが流れる仕組みとなっています。

・ 都市ガス業界内でのポジションについては、静岡ガスはお客さま件数では国内11位に対し、ガスの販売量では4位と非常に高くなっています。

お客さま件数と販売量の業界ポジションに乖離があるのは、静岡県の特に東部の富士・沼津・三島はエネルギーを大量に消費する産業が非常に多く集積しているためです。例えば製紙、化学、食品の工場が非常に多く、このような工場の大半で都市ガスをご使用いただいているため、使用中戸数の割に販売量が多くなっています。

 

《安定供給に向けた取り組み》

・ 静岡は以前より南海トラフ地震の可能性が指摘されています。そのため、特に災害対策に力を入れています。

LNG基地では、側方流動対策、いわゆる地震による横揺れに対し、基地がずれないようにする対策に昨年まで取り組んできました。

・ 市中に敷設しているガス導管は、非常に可撓性(かとうせい)が高いポリエチレン管を使っています。可撓性とは、しなやかにたわんだり、曲がったりすることを言います。可撓性が高いポリエチレン管により、災害時でもガスが漏洩しない・ガス管が破断しない仕組みとなっています。

 

【LPG事業】

・ 都市ガス事業の課題を1つ挙げるとすれば、パイプラインのネットワーク内でないと事業が営めないことです。そこで私たちは、パイプラインネットワークが届いていない地域では、以前よりLPG事業を営んでいます。

東京ではLPGボンベを見ることは少ないかもしれませんが、日本全体でみると、都市ガスを使うお客さまとLPGを使うお客さまはおおむね半々程度です。静岡を含む首都圏以外の地域では、LPGは比較的よく使われています。現在は、8万4,000戸のお客さまに対し5万6,000トンのLPGを提供しています。

 

【電力事業】

・ 2016年4月から、「電力の地産地消」をコンセプトに、電力の小売事業を営んでいます。現在のお客さまは、使用中戸数で10万4,000戸、販売量はおおむね5億kWh(キロワットアワー)です。電力については引き続き、需要の伸びが期待されます。私たちも、需要開拓に努めると同時に、供給サイドの取り組みとして自社電源の開発、再生可能エネルギーの開発、系統蓄電池の開発を進めています。

 

【再生可能エネルギー事業】

・ 再生可能エネルギー事業として、太陽光発電とバイオマス発電に取り組んでいます。

太陽光発電は、昨今、環境問題が指摘されているメガソーラーの開発ではなく、お客さまの宅内や屋根に太陽光設備を設置する、いわゆる屋根置きの太陽光発電を進めています。また、耕作放棄地の解消となるソーラーシェアリングにも取り組んでいます。これは耕作を放棄した土地を活用し、農地の上に太陽光パネルを置き、その下で農作物を栽培するもので、そば栽培などに取り組んでいます。一度耕作放棄された土地はやせてしまうため、そのような土地でも栽培可能な作物を選びました。

バイオマス発電では、大きく3つの形で取り組んでいます。1つ目は輸入材を使った大規模プロジェクト、2つ目は県内の間伐材を使った中規模プロジェクト、3つ目は牛糞や食品残渣を使った小規模プロジェクトです。

 

【くらしサービス事業】

・ 「くらしサービス」とは、生活周りのサービスを指し、私たちのエネルギー事業と親和性の高い領域です。特にハウジング領域では、土地の開発、家の新築、リフォーム、空き家の維持管理、空き家の買取、再販といった不動産の一連のサイクルに関わる面的な取り組みを進めています。

 

【エンジニアリングサービス事業】

・ ボイラーやコージェネレーションシステム、工業炉などの各種のプラントの建設や保守をしています。また、業務用ビルの空調工事にも取り組んでいます。

 

【海外事業】

・ 海外は非常に経済成長が著しく、多くの投資機会があります。その中で私たちは、大きく2つの事業に取り組んでいます。1つはグローバルな天然ガスのバリューチェーンの構築に資する事業、もう1つは、静岡の地で培ったノウハウや知見を生かせる事業です。

現在は、インド・ベトナム・インドネシア・タイ・イギリス・アメリカで事業を営んでいます。このうちアメリカのヒューストンとシンガポール、インドのデリーに現地法人を置き、社員を駐在させています。

 

  1. 中長期ビジョン

・ まずは、過去と今後の静岡ガスグループの成長ストーリーについて説明いたします。

静岡ガスグループの祖業は都市ガス事業とLPG事業です。

1990年代にLNG基地を作り、小規模なガス会社でありながらLNGを自ら購入し、産業の大口のお客さまや卸売を進めることで販売量を拡大してきました。その過程で、エンジニアリングサービスやくらしサービスのノウハウを身につけ、事業化しています。さらに2010年代の半ばからは電力小売事業や海外事業を進めています。

このように都市ガス事業からスタートし、事業領域を拡大してきました。それができたのは私たちの強みがあるからです。私たちの強みは大きく2つあります。

1つは天然ガス・LPG・電力のバリューチェーンを持っていること、もう1つはお客さまの基盤とステークホルダーからの信頼があることです。

これらの強みを生かし、今後の成長に向けて、まず1つは、バリューチェーンの上流・下流を国内外含め拡大すると共に、その価値を最大化・最適化していきます。そしてもう1つは、顧客基盤と信頼を活かし、くらしサービスとエンジニアリングサービスを拡大していきます。

・ 私たちは2021年に「グループ2030年ビジョン」を公表しました。2030年代に地域共創を実現するために3つのステップを作りました。2026年は3つのステップのうち第2段階の「事業領域の拡大」というステップです。そのために現在、様々な事業領域を拡大しています。

・ 「グループ2030年ビジョン」に掲げた財務目標については、連結経常利益は当時(2018〜2020年の平均水準)の70億円から130億円まで倍増、かつ、利益の伸びについては、従来の都市ガス事業ではなく、周辺事業や新規事業といった成長分野で伸ばすことを掲げています。さらに2030年にはROE 8%を達成することを目指しています。

 

  1. 202612月期の取り組み状況

・ 中期経営計画を今年2月の計画説明会で公表しました。「グループ2030年ビジョン」の財務目標として、2030年に連結経常利益130億円、ROE 8%の達成を掲げていましたが、今回の中期経営計画ではそれを2年前倒しの2028年に達成することを目標として公表しました。

中期経営計画を公表したのは2月で、3月頃から中東情勢に変化が生じています。これは私たちの経営にとって、一部良い面もありますが、全体的に見ると決して前向きな状況ではないため、現在、収支影響などの精査を進めています。

 

【くらしサービス・エンジニアリングサービス事業】

・ くらしサービス・エンジニアリングサービス事業におけるトピックスについてです。

2月と3月にハウジング分野において、静岡県内の不動産会社である、共同開発と共和不動産の2社が静岡ガスにグループインしました。

共同開発は静岡県東部の長泉町にある会社で、共和不動産は静岡県西部の浜松にある会社であり、それぞれ各地域で有力な不動産会社です。

子会社化に際しては、事業承継に課題を抱える中、「静岡ガスグループであれば会社・社員を大事にしてくれるだろう」と期待をいただき、グループインのお話をいただきました。私たちから見ても、彼らが持つ強みは私たちのハウジング事業の強化に非常に活かせると考え、グループインをお願いしました。

また、今年4月、スマートブルーもグループインしました。この会社は、太陽光発電の開発、特に屋根置きやソーラーシェアリングに力を入れてきた会社です。昨年、私たちが一部出資して持分法適用会社としていましたが、その後、さらに話し合った結果、「これからお互いを強化するには、静岡ガスグループの連結子会社になるのがベスト」ということで、今年4月に連結子会社化しました。

 

【海外事業】

・ 海外事業では、今年3月に、天然ガスの上流開発や液化プロジェクトへの参画、シッピング(輸送)にグローバルで取り組む、イギリスのMidOcean Energy(MOE)に出資し、事業に参画することを意思決定しました。

海外事業のこれからの成長の方向性として、天然ガスのバリューチェーンの強化、特に上流側での強化を考えていますが、なかなか私たち単独では難しいと捉えています。今回、MidOcean Energyとの提携により、将来的に私たちが北米で営むシェールガス事業で製造した天然ガスを日本やインドへ輸送することが可能になると見込んでいます。これがバリューチェーンの強化であり、天然ガスのトレーディング事業にも非常に大きく貢献すると考えています。今後MidOcean Energyとは、さらに連携を深めていきます。

 

【人的資本経営と組織開発】

・ 私は2024年1月に社長を拝命し、今年が3年目です。社長就任時に社員に話したのは、「会社を成長させるのは社員」ということです。「社員の成長なくして会社の成長はない」「お金が事業をしているのではなく、事業は人がやっている」という話もしました。人材開発や人材育成などの人的資本経営と組織開発に非常に力を入れています。

例えば、人的資本経営では、「採用」「配置転換」「教育・研修」「働き方・処遇」の人事システムにバランスよく取り組んでいます。

特に「女性活躍に向けた環境整備」については、今年1月からグループの連結子会社37社のうち2社で女性社員を社長に登用しました。社長業を通して経営を学び、数年後には静岡ガスの本体の部長職もしくは執行役員として活躍できるよう、成長を期待しています。今後も特にグループ会社の社長もしくは静岡ガスの部長に女性を登用し、2030年ごろには女性を執行役員に登用したいと考えています。

・ 組織開発については「多様性を持つボトムアップ型組織」を構築したいと考えています。私が社長になった時から、「トップダウンの会社ではなくボトムアップの会社にしよう」「自ら考えて自ら動く組織にしよう」と組織開発に力を入れています。

具体的には、1 on 1やタウンホールミーティング、ジョブローテーションなどの施策を行っています。社内では、私も含め役職では呼ばず、全員「さん」付けで呼び合うこととし、フラットな組織づくりを進めています。

こういった取り組みもあり、会社に対する帰属意識を示すエンゲージメント調査(会社が好きかという調査)では良い結果が表れています。「会社が好き」というレベルは、他社の平均値以上です。これからもエンゲージメントを強化するための取り組みに注力したいと考えています。

・ 制度・環境面の整備も進めています。女性管理職比率や男性育休取得率の向上のための取り組みや、健康経営を推進しています。今年、静岡ガス本体が「健康経営優良法人2026ホワイト500」に選定されました。「ホワイト500」とは、全国の健康経営優良法人のうち上位500社に入ったことを示しています。また、グループ会社37社のうち17社が「健康経営優良法人2026」として認定をいただきました。

 

【地域貢献活動】

・ 私たち静岡ガスグループは、地域貢献活動として3つの領域に取り組んでいます。1つ目は地域づくり。2つ目は環境・安全安心。3つ目は文化・スポーツです。

会社としての地域貢献活動に加え、個人での地域貢献活動も積極的に取り組んでいます。昨年の調査では、私たちの社員おおよそ2,000名のうち、約8割の社員が年に2回以上個人としての地域貢献活動に取り組んでいます。例えば、町内会の自治会、民生委員、消防団、地元のスポーツ少年団の監督などです。

このような地域貢献活動に、8割の社員が自主的に取り組んでいます。8割という数字について、私たちはあまり意識していませんでしたが、静岡の地元企業や自治体と話をすると、驚異的に高い数値とのことで、周りの会社からは「どうしてそこまで高い数値なのか」と問い合わせを受けることがよくあります。

私自身も個人的な地域貢献活動・ボランティア活動として、保護司を務めています。過去に罪を犯したり、非行を起こしたりした人の立ち直りの支援活動を8年ほど続けています。

 

  1. 株主還元

・ 私たちは配当方針として大きく3つ掲げています。1つ目は累進的配当、2つ目は株主資本配当率(DOE)や株主資本利益率(ROE)を見て総合的に判断すること、3つ目が配当性向3割です。

2024年から大きく増配し、そこから毎年、事業の進捗に合わせて増配してきました。事業の進捗とは、例えば投資状況や利益成長です。これらの進捗を見ながら、配当を決めていますが、基本的には累進配当にコミットしていきたいと考えています。

2026年については、現時点で44円の年間配当を予定しています。これは2025年に比べ1円の増配です。2026年の株主資本配当率(DOE)は2.6%程度、配当性向は36%程度と見ています。

・ 個人投資家の皆様は、株主優待も大事なポイントだと考えておられるでしょう。私たちも2021年より株主優待制度を開始しました。毎年12月末時点で当社株式を300株以上保有する株主様へ保有株数に応じた優待を贈呈しております。4,000種類ほどの商品と交換ができるほか、私たちの自社ポイント「エネリアmottoポイント」との交換も可能です。株を保有いただいた際には、ぜひお楽しみください。

 

  1. 質疑応答

Q1. 最近のイラン情勢に関して、御社の原料調達にどのような影響があるのか。また、イラン情勢が御社の業績に及ぼす影響についてどのように考えているのか、短期と中長期の視点で教えてください。

A1. 原料調達への影響について。私たちはマレーシアやオーストラリア、パプアニューギニアを中心に調達しています。そのため、LNGの調達自体が途絶するといったリスクは、現時点では低いと考えています。

一方、LNGは基本的に原油価格にリンクして価格が変化します。原油価格は今年1月ぐらいには1バーレル当たり70ドルであったのに対し、足元では120ドル/バーレル程度になっています。そのため、調達価格は大きく上昇することが考えられます。

調達価格の上昇については、お客さまへ転嫁をお願いしなければなりません。しかし、全てを転嫁するのは難しく、業績的に一定の影響が出ると考えています。

2つ目のご質問の業績に対する影響について。業績は実力ベースで見るか、もしくは会計ベースで見るかで見方が変わります。個人投資家の皆様にとっては後者でお話しするのがわかりやすいと思うため、会計ベースを前提に説明します。

中東情勢がこの先ずっと収束しないこと、今の非常に厳しい状況が続くことを前提とすると、需要や資機材の調達など様々な影響が出ます。その中でも原料価格について説明します。

当社では、原料費調整制度というスライド制度を導入しています。これは東京電力や東京ガスなど、多くのユーティリティセクターが導入している制度です。この制度に基づき、短期的には原価が先に上昇し、販売価格が後から遅れて上昇するため、どうしても業績が厳しくなると見ています。おおよそ、この影響が及ぶのが2026〜2027年頃と見ています。

一方、2028年になると、スライドタイムラグの影響が小さくなります。また、海外事業の取り組みで説明したアメリカでのシェールガス開発や、MidOcean Energyへの出資などの上流事業への投資効果が期待できるようになります。具体的には、MidOcean Energyへの出資は、原油価格が上がると大きな利益を生む事業であり、利益貢献が大きくなることで、会社全体の業績は中期経営計画の2028年計画の水準まで回復するのではないかと考えています。

 

Q2. 他の地域のガス会社と比較した際の違いと強みを教えてください。また、それを踏まえた御社への投資の意義について教えてください。

A2. ユーティリティセクターにおける非常に大きな企業として、同じガス会社では東京ガス、大阪ガス、東邦ガスがあります。一方で、大手3社以外の会社には、千葉でガス事業を営む京葉ガスや埼玉の武州ガスがあります。私たちはどちらの規模の会社と比較するのかで性質が異なりますが、私たちと他社との違いであり、強みであるのは、LNGのターミナルから実需までのバリューチェーンを持っていることです。このバリューチェーンを持っているのは、全国でも東京ガス、大阪ガス、東邦ガスなどの大手企業か、中堅でも北海道ガスや西部ガスに限られています。京葉ガスや武州ガスは小売を営んでいますが、LNGのターミナルまではお持ちではありません。

LNGのターミナルを持ち、自らLNGを調達し、お客さまにお届けするバリューチェーンを持つことで、利益率が非常に高くなります。さらに、上流に投資をすると、海外でのトレーディングなど新たな事業展開ができるようになることが私たちの強みだと考えています。

 

Q3. 営業エリアについて、御社は静岡県外でも事業展開されていますか。

A3. 都市ガスの小売事業は静岡県内の中・東部で営んでいます。一方、卸売は、県内西部や広域のパイプラインネットワークを経由して北関東までガスをお届けしています。

また、LPG事業は静岡県内中心ですが、パイプラインネットワークが及ばない周辺地域でも展開しています。

電力事業は、小売は基本的には私たちの都市ガスやLPGを提供しているエリアでの展開ですが、電源開発のバイオマス発電は、北は東北から南は愛知県の知多まで広域に展開しており、太陽光発電では、北関東から中京地域まで広く開発しています。

さらに、私たちは海外事業も営んでおり、東南アジア、インド、アメリカの3つのエリアを中心に展開しています。

エネルギー事業と親和性の高いハウジング関連では、静岡県内だけでなく、神奈川県、山梨県、愛知県、岐阜県、三重県など、静岡を中心とした東海中京エリアで事業を営んでいます。

このように事業によってエリアが異なることをご理解いただければと思います。

 

Q4. 今後の成長戦略について、業務範囲の拡大や今後の事業展開について教えてください。現在の静岡県が人口、産業共に縮小する中、御社はどのように成長していくのか、戦略や見通しを教えてください。

A4. これまでの私たちの成長の牽引役だった都市ガス事業は、静岡の人口減少を受け、今後は成熟化が進み、さらに20〜30年の長いスパンで見れば、徐々に縮小すると捉えています。

一方で、ガス事業は非常に安定的な収益を創出できる事業と考えています。ここから得られるキャッシュを、株主還元とのバランスを取りながら、今後の成長事業に投下することを考えています。

成長事業としては、私たちの強みを活かすことができ、かつ、成長できる領域と考えています。具体的には、「バリューチェーンの上流・下流を国内外含め拡大するとともに、その価値を最適化する」ことと、「顧客基盤とステークホルダーからの信頼を生かして、くらしサービス・エンジニアリングサービスを拡大する」ことです。この2つの方向性で進めたいと考えています。

 

Q5. 御社の成長戦略に関連して、今後の投資優先度が高いのはどのような事業領域なのか教えてください。

A5. 成長事業領域の中で特に投資優先度が高い分野は3つあります。

1つ目は、電力・再エネ分野です。国内でも電力・再エネ分野はまだまだ需要が伸びると考えています。電線のネットワークで繋がっているので、どこでも電気は提供できる特性があります。この分野は引き続き積極的に投資をしたいと考えています。

2つ目は、くらしサービス事業のハウジング分野です。ハウジング分野には、地場の工務店や不動産会社が十分に取り組めていない領域があると捉えています。また、ハウジング分野は非常にエネルギー事業との親和性も高いと考えています。当社グループに加わり、不動産の一連のサイクルに対して面的に事業展開することで、当社グループ内でのシナジー効果を創出できると考えています。さらに、ハウジング事業であれば、静岡県内や都市ガスの供給区域に捉われることなく、滲み出し的に広く展開できると考えています。

3つ目は、海外事業です。海外の上流分野としては、天然ガスの開発や液化の領域です。

天然ガスの液化は、上流ガス田の開発→天然ガスから液化天然ガス(LNG)への加工→生産地から日本やインドなどの需要地までの輸送の3つのプロセスがあります。グローバルな天然ガス(LNG)の伸び代は非常に大きいため、海外事業も積極的に進めたいと考えています。

 

Q6. 海外事業について、北米のシェールガス事業や、2026年3月にプレスリリースがあったLNG事業会社MidOcean Energyへの出資など、天然ガスバリューチェーンに投資する意義や狙いを教えてください。

A6. 都市ガス事業として国内で行っているのは、原料調達し、LNG基地に揚げるところから、お客さまにガスとして使っていただくまでです。一方、北米のシェールガス事業やMidOcean Energyへの出資は、都市ガス事業の上流に該当します。

上流分野への投資目的は、1つ目は天然ガスバリューチェーンの価値の最大化です。

2つ目は、上流事業を持つことによるナチュラルヘッジです。天然ガスバリューチェーンの下流事業である、国内のガス事業はエネルギー価格が上がると業績が悪化する傾向があります。一方で、上流事業は、エネルギー価格が上がると業績が良くなるという逆の動きをする事業です。したがって、バリューチェーンの上流と下流を繋ぐことで、エネルギー価格が上下しても、また、為替が円安でも円高でも、常に安定して業績を得ることができると考えています。

3つ目は、トレーディング機能の強化です。バリューチェーンを繋ぐことで、北米で生産したガスを、北米でガスとして売るのか、LNGに加工してインドや東南アジアで売るのか、日本に輸入して国内のガス事業の原料として使うのか、常に最も経済性の高い手段を勘案しながら、収益をあげることができます。この仕組みは、「アセットトレーディング」や「アセットオプティマイゼーション」と呼ばれており、私たちはこのようなトレーディングを、過去10年程度にわたって継続して取り組んできました。今後、上流分野への投資によって、このトレーディング機能がさらに強化できると考えています。

以上

 

 

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