Daiwa Investor Relations

企業を探す

企業コード / 会社名
業 種

この条件で検索する

矢作建設工業株式会社(1870)

開催日:2026年2月21日(土)

場 所:ミッドランドホール (愛知県名古屋市中村区)

説明者:代表取締役社長  燒 充広 氏

 

1. 会社概要

・ 当社は1949年(昭和24年)設立で、今年で77周年を迎えます。東証プライム・名証プレミアに上場。東海地方に本社を構える総合建設会社で東証プライム上場企業は当社のみです。

筆頭株主は名古屋鉄道株式会社。当社株式の19%を保有しています。名古屋鉄道からは、線路の維持管理や鉄道高架橋、また駅舎など鉄道関連工事を継続的に受注しています。特に線路の保守作業では、名古屋鉄道の路線ほぼすべてを当社が担当しています。

・ 社名の由来について。当社は創業者の山田勝男氏が戦後間もない1949年、現在の愛知県豊田市で設立しました。社名の「矢作」は、愛知県の中央部を流れる一級河川「矢作川」に由来。山田勝男氏のふるさとの豊田を流れる矢作川が三河湾へ注ぎ、そこから太平洋へと繋がっていることから、全国へ飛躍したいという願いが込められています。

また、山田勝男氏は太平洋戦争に従軍。東南アジアで米軍の大型重機による野戦飛行場の急速施工を目の当たりにし、建設の機械化・工業化の必要性を痛感しました。そこで、単に矢作建設ではなく、「矢作建設工業」としています。

・ 当社の特徴は3つのキーワードで表せます。

1つ目は「設計施工」。一般的に建築工事は設計会社が設計し、その図面を基にゼネコンが施工することが多いのですが、当社は東海圏において、専業の設計事務所と比べても、最大規模となる設計部門を保有。企画・設計の初期段階からお客様と共にお客様の課題解決に取り組み、お客様のニーズに的確にかつ柔軟に応える設計施工一貫体制を確立しています。

2つ目は「不動産事業」。建築・土木工事だけでなく、物流倉庫や工場などの産業用地、また宅地開発、都市再開発等の不動産事業を展開しています。特に注力しているのが産業用地の開発です。進出企業はもちろん、行政はじめ地域社会のニーズに沿った開発を得意としています。

3つ目は「東海圏」。創業以来76年にわたって東海圏を基盤に展開。お客様や地域社会との信頼関係を築いてきました。産業用地開発などは、長年培ってきた地域の不動産情報ネットワークや行政、地権者、近隣住民などの地域社会の皆様との信頼関係を基に、事業の円滑な推進、またリスクの低減を図っています。

・ 当社の沿革について。1949年の創業当時から、社名に込めた建設の工業化を目指し、アスファルトプラントの開設や大型ブルドーザーの導入など積極的な投資を行いました。1960年には当時の資本金のほぼ2倍を投入し、国内最大級のアメリカ製モータースクレーパーを2台輸入。トヨタ自動車の元町工場造成工事などに投入しました。モータースクレーパーとは、大量の土砂の掘削、運搬、造成を連続的に行える大型重機です。

また、1967年には名古屋鉄道の子会社の名鉄建設を合併。これ以降、名古屋鉄道が筆頭株主になっています。

同時期から事業の多角化に着手。デベロッパーである矢作地所、ビルマンション管理を行う矢作ビル&ライフ、緑化事業のヤハギ緑化等、建設の周辺分野の子会社を相次いで設立し、事業基盤を拡大しました。

1990年代には、バブル崩壊による建設投資の落ち込みに対応するため、独自の耐震補強工法・ピタコラムによる耐震補強事業に経営資源を注力しました。ピタコラム工法は、1995年の阪神淡路大震災以降の耐震改修促進法の追い風も受け、これまでに全国の小中学校や事務所、住宅など4,400棟以上に採用されました。

しかし、2010年代に入ると、耐震補強の需要も一巡。一般建築・土木事業の再成長を目指し、研究開発施設の地震工学技術研究所をエンジニアリングセンターに改編。さらに、鉄道工事関連技術の研究開発や施工の実技研修等を行う鉄道技術研修センターを設立しました。

現在は、不動産事業の強化、そして、建築・土木・不動産のバランスのとれた事業ポートフォリオの構築による収益構造の安定化を図っています。また、2023年3月に京都の北和建設を子会社化するなど、首都圏や関西圏への事業拡大を進めています。

・ 矢作建設グループは、専門性の高いグループ各社が連携し、建物のライフサイクルのあらゆる場面でお客様のニーズに的確に応えるソリューションを提供しています。

・ 創立から現在に至るまでの業績の推移について。創立から1970年までの約20年間は、大型重機の導入など建設の機械化・工業化を推進。また名鉄建設との合併などにより売上高100億円規模まで成長しました。

その後、バブル経済崩壊までの約20年間は、2度のオイルショックなどがあったものの、分譲マンション事業や緑化事業などの新規事業に進出。経営の多角化を進め、売上高1,000億円に迫る規模まで拡大しています。

しかし、1991年にバブル経済が崩壊。建設需要は急速に冷え込み、売上の伸びが停滞。利益率も大きく落ち込みます。こうした中で、耐震補強事業に経営資源を集中し、2008年には営業利益60億円と、当時の最高水準まで回復することができました。

ところが、その直後のリーマンショックと耐震補強事業のピークアウトが重なり、2012年頃まで、また業績が落ち込みます。その後、2013年からは、いわゆるアベノミクスによる景気拡大を背景に、耐震補強中心の事業から、土木・建築・不動産のバランスのとれた事業ポートフォリオへの転換を図り、業績を回復しています。

現在は、不動産の開発から土木工事や建築工事の受注へと繋げ、事業規模のさらなる拡大を図っています。今年度(2026年3月期)は、現在の中期経営計画の最終年度で、売上高1,680億円、営業利益115億円を予想しています。また、長期的な目標として2030年度に売上高2,000億円の成長を目指しています。

 

【各事業説明】

・ 当社の建築事業は、物流施設、分譲マンション、商業施設、事務所、その他名古屋鉄道の駅舎など、さまざまな施工実績を有しています。

主な発注者は、野村不動産、三井不動産、三菱地所などの大手マンションデベロッパーをはじめ、物流デベロッパーの日本GLP、家具販売のイケア・ジャパン、名古屋鉄道などです。なお、近年は野村不動産、三井不動産、大和ハウス工業などから、マンション工事だけでなく、物流施設も数多く受注。マンションと物流の両分野で高い評価をいただいています。

・ 当社の土木事業は、高速道路をはじめ、上下水道、河川整備などの官庁工事のほか、名古屋鉄道の鉄道関連工事、さらに開発許認可の取得を含めた宅地や産業用地の造成など、民間工事も幅広く手掛けています。

また、当社独自の地山補強土工法にパンウォール工法があります。これは斜面を補強する工法の一つで、道路や護岸の整備、災害復旧などで数多く採用され、国土強靱化の一翼を担っています。

・ 当社の不動産事業は、倉庫や工場向けの産業用地、戸建て住宅宅地用の開発・販売のほか、不動産賃貸仲介などを行っています。その1つが大阪の八尾市で手掛けた土地区画整理事業です。このプロジェクトでは、土地区画整理事業だけでなく、物流デベロッパー大手の日本GLPや鉄鋼商社大手の阪和興業の子会社の廣内スチールなどの企業誘致、その後の建築工事まで当社が一貫して担当。地域の活性化に貢献した事例です。

 

・ 当社が強みとしている産業用地開発の代表的な取り組みに「大府東海開発プロジェクト」があります。このプロジェクトは、建築・土木・不動産の各事業が連携し、シナジー効果を最大限に発揮した当社史上最大規模の開発案件です。

名古屋市に隣接する大府市と東海市の2つの自治体にまたがる約23万平米(7万坪)バンテリンドーム約5個分に相当する工業団地の開発プロジェクトです。

2016年の事業着手以来、約170名の地権者との合意形成、開発許認可の取得、2市に渡る市街化編入手続きなどを経て、2021年に造成工事を開始。2023年9月に造成完了となりました。

完成宅地は大きく1号宅地と2号宅地に区分され、1号宅地は2023年に野村不動産へ、2号宅地は2025年に野村不動産及び伊藤忠グループへ売却しました。1号宅地では昨年10月に野村不動産の大型物流倉庫が竣工。2号宅地でも、野村不動産の2棟目の物流倉庫と、伊藤忠グループによる先端産業サービス工場の工事が進行しています。

このプロジェクトは、地権者が求めるエリア一体での開発と、自治体の都市計画マスタープランに沿った整備という双方のニーズに対して、開発許認可の取得、関係行政機関との協議・調整など、当社がこれまで培ってきたノウハウを提供し、事業化を実現したものです。当社の土木・建築・不動産の総合力を発揮し、雇用の創出や税収増加など地域経済の活性化に貢献できました。

この宅地販売と物流倉庫等の建設で、2024年3月期から2027年3月期の4期に渡り、不動産事業の売上高と完成工事高を合わせ約1,060億円の売上計上を見込んでいます。

このように、当社の産業用地開発の強みは、事業の企画立案から土地の取りまとめ、開発許認可の取得、そして造成工事、建築工事の設計・施工に至るまで、1つのプロジェクトを一気通貫で推進できる点にあります。現在もこのような産業用地開発プロジェクトが複数件、東海圏を中心に首都圏や関西圏でも進行中です。今後も当社の成長ドライバーとして貢献することが期待されています。

・ 当社の特徴を示す様々な数字について。前期の2025年3月期の売上高は1,406億円で、3期連続で過去最高を更新。営業利益は86億円で過去2番目の水準。営業利益率は6.2%で、プライム上場の建設業平均を1.3ポイントほど上回る水準です。予想配当利回りは2月10日現在で3.7%。プライム上場企業の平均2.2%と比べ、1.5ポイント上回ります。また、建築工事受注高に占める自社での設計施工比率は95.6%に達しています。

 

2. 20263月期 通期業績予想

・ 2月9日に業績予想の修正を公開しました。

当期は建築工事の採算性の向上や請負金の増額、不動産販売利益の積み増し等によって、売上総利益が当初予想を上回って進捗しています。

一方、分譲マンション事業の譲渡や従業員への株式付与など、成長投資施策の実施に伴う費用が発生します。しかし、営業利益は期初予想の100億円を15億円上回る115億円、当期純利益も期初予想の66億円を4億円上回る70億円となる見込みです。

・ 通期業績予想について。当期の売上高は前期実績より273億円増の1,680億円で、4期連続過去最高更新となる見込みです。営業利益は前期から28億円増加の115億円、経常利益114億円、当期純利益70億円と、各利益段階で過去最高を更新すると共に、中期経営計画の数値目標「営業利益100億円」を上回る見込みです。

・ 売上高273億円増の内訳について。建設事業は複数の大型建築工事の進捗を中心に、建築と土木合わせて前期実績比312億円の増加となります。一方、不動産事業は、分譲マンションの新規供給物件が減少したため、前期の実績を40億円ほど下回る見込みです。

営業利益は、建設事業は増収効果などにより前期比62億円増となる見込みですが、不動産事業は、減収により前期から14億円ほど下回ります。販管費は人事制度の改定や従業員への株式付与など人的投資の拡充によって19億円ほど増加させています。

この結果、建築事業の増益が不動産事業の減益、販管費の増加を吸収して大幅増益となる見込みです。

 

3. 中期経営計画

・ 建設業界内における当社の立ち位置について。総合建設会社、いわゆるゼネコンは、大まかに、売上高が1兆円以上のスーパーゼネコンと2,000億円以上の純大手ゼネコン、それ未満の中堅ゼネコンに区分されています。

当社の昨年度の売上高は1,406億円で業界24位。中堅ゼネコンに区分されています。

一方、営業利益は86億円と準大手ゼネコンとほぼ同水準です。これを名実ともに準大手ゼネコンのレベルに成長させることを当面の経営目標としています。

・ 現在の中期経営計画の策定にあたり、策定時の2021年度当時から10年後、2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と設定しました。

これは、顧客や地域が抱える課題解決だけにとどまらず、より良い社会を実現するために、建設エンジニアリングによる新たな価値を創造・提供することで、顧客・地域、そして社会の持続的発展に貢献する企業となることです。

そして、東海圏から首都圏や関西圏へのエリア拡大を図り、その中の特定の顧客や分野ではスーパーゼネコンと肩を並べる存在感や実力を備えた企業を目指しています。売上規模では、2030年度に2,000億円。これは策定時のおよそ2倍となる数字です。その上で、2030年度までの10年間を前半5年間と後半5年間に分割。現在の中期経営計画期間となる前半の5年間は、後半5年間での加速度的成長を実現するための基盤構築期間と位置づけています。

・ 中期経営計画の事業方針は、2030年度の目指す姿「課題解決&価値創造型企業への変革」をスローガンに、加速度的成長に向けた「つくる(造る・創る)力の増強」と「持続的成長への基盤構築」を大方針としています。「既存事業の深化・進化」、及び「新規分野・領域の探索・開拓」をテーマに、事業規模拡大に向けた生産体制の強化やエリアの拡大など、9項目の事業方針を建築・土木・不動産の各部門で推進しています。

また、コーポレート部門を含めた全社で、「成長を支える経営基盤の確立」をテーマに、企画提案力の向上、魅力的で働きがいのある職場環境の整備、SDGsへの取り組み推進などに注力しています。

・ 現中計の進捗状況について。数値目標は、最終年度である当期・2026年3月期で、売上高1,300億円、営業利益100億円です。

これに対し現在の進捗状況は、売上高は、不動産開発に関連する建築工事の受注拡大や大型工事への積極的な取り組みが奏功し、目標を大幅に上回る見込みです。

営業利益も、計画策定時には想定していなかったコロナ禍や地政学リスクの長期化、これらによる建設コストの急騰などがあったものの、増収効果により目標の100億円をクリアできる見込みです。

・ 現中期経営計画のセグメント別の収益の推移について。

建築事業は、不動産開発に伴う工事の増加や企業の設備投資の拡大、2023年3月に実施した北和建設のM&A等が奏功し、順調に業績を拡大しています。

土木事業は、官庁工事が堅調に推移。民間工事も不動産開発や土地区画整理事業に伴う造成工事、名古屋鉄道の鉄道関連工事、また当社独自の地山補強土工法であるパンウォール工法の売上も拡大し、着実に成長しています。

不動産事業は、大府東海開発をはじめ、複数の産業用地開発プロジェクトが進捗し、不動産事業の業績に大きく寄与しています。一方、この分野はプロジェクトごとに規模や収益性にバラつきがあります。この平準化が今後の課題の1つです。

当期・2026年3月期の売上総利益は、3つのセグメントがバランスよく利益を生み出す構成となる見込みです。バランスの良い事業ポートフォリオによる収益基盤の安定化と健全性の確保を目指しています。

 

【成長投資に関する最近のトピックス@】

・ 高知県の土木工事会社、株式会社海昌の株式取得です。地山の斜面、いわゆる法面を補強する特殊工法のスタンドドライブ工法を保有する海昌のM&Aを先日公表しました。

当社は法面補強の独自工法・パンウォール工法を保有しています。この工法は、コンクリートパネルと補強材を組み合わせて法面を補強する工法です。垂直に近い高さで安全に補強でき、耐震性にも優れている点が特徴です。高速道路や河川護岸、災害復旧などで幅広く採用されています。

一方、海昌のスタンドドライブ工法は、専用機械をワイヤーで固定し、法面に鉄筋を挿入して補強する工法です。重機や足場の設置が難しい場所でも施工しやすく、急斜面や高所・狭隘地などでも対応が可能。また、短期間で工事着手・完了できるので、災害時の復旧工事にも対応しやすい強みがあります。

コンクリートパネルを使った高品質な永久構造物として補強するパンウォール工法と、様々な場所で迅速に補強ができるスタンドドライブ工法は、営業面での競合はなく、技術面で共通点が多いので高い親和性があり、法面補強市場の競争力の強化になります。

・ パンウォール工法とスタンドドライブ工法の相乗効果について。2つの工法を扱うことで、法面補強市場の競争力の強化に加え、施工体制の共有による供給力の強化が期待されます。さらに、これまで当社が築いてきたパンウォール工法の営業ネットワークでスタンドドライブ工法の営業活動ができ、受注機会の拡大や商圏拡大に繋がると考えています。また、パンウォール工法とスタンドドライブ工法双方の技術的知見を生かした施工改善や品質向上も見込んでいます。

加えて、今回のM&Aでは、事業面での相乗効果に留まらず、建設業界で深刻化している担い手不足への対応という位置づけもあります。

海昌は、施工管理中心の会社ではなく、実際に工事を実施する会社で、社員の大半が技能労働者です。少子高齢化などを背景に、技能労働者不足が非常に深刻化する中、技能労働者をグループ内で確保することは、供給力の安定確保に繋がります。また、現場を支える技能労働者の処遇改善にも取り組みたいと考えました。

以上のように、スタンドドライブ工法とパンウォール工法の相乗効果を通じ、国土強靱化(防災・減災)に寄与すると共に、人手不足への対応、技能労働者の処遇改善など、建設業界のみならず、社会的に意義ある取り組みにチャレンジします。

 

【成長投資に関する最近のトピックスA】

・ 分譲マンション事業の譲渡について。1月23日に分譲マンション事業を名古屋鉄道グループに譲渡することを発表しました。

中部圏の分譲マンション事業は、戸建てとの競合という地域特有の課題に加え、建設費の高止まりや土地価格の上昇、さらに少子高齢化による需要減少など不確実性が高まり、高い専門性に基づく事業判断と迅速な戦略実行が一層求められています。

一方で、矢作建設工業の人材を中心とする当社グループでは、専業のデベロッパーと比較し、マンション事業での将来の成長戦略を見通しづらい状況にありました。

そこで当社は、2030年に目指す姿に向けた中長期成長戦略の一環として、現在の経営資源を法人・官庁分野、いわゆるB to Bビジネスに集中することとしました。具体的には、建築・土木工事・産業用地を開発とした不動産開発に注力することで、事業ポートフォリオの最適化と競争力の強化を図ります。

譲渡内容は、矢作地所で行っている分譲マンション開発・販売事業を名鉄都市開発に、矢作ビル&ライフの分譲マンション管理事業を名鉄コミュニティライフへ、それぞれ吸収分割方式で譲渡するもので、4月1日の実行を予定します。

なお、今回の事業譲渡により、当期は分譲マンション開発・販売事業に関する特別損失として約18億円を計上。また、来期決算では、分譲マンション管理事業に対する譲渡益として約10億円を計上できる予定です。

 

【成長投資に関する最近のトピックスB】

・ 2月9日に、従業員に対して自己株式を付与することを発表しました。本施策の目的は、株式の付与を通じ、従業員の経営参画意識を高め、株主の皆様と価値共有を一層促進することです。

株主をはじめとするステークホルダーの視点をもって判断・行動できる人材の育成の契機とします。また、従業員が働きがいを感じ、高いモチベーションを持って働ける環境を整備し、人材の定着を図り、当社グループの持続的成長に向けた基盤構築とします。

付与対象は、当社の社員持株会に加入するグループ全従業員で、1人当たり一律100株を最大1,496名に付与する予定です。

 

4. 株主還元

・ 昨年5月の決算発表と同時に公表した配当方針の変更について。

当社は、企業価値の向上と共に、株主の皆様への適切な利益還元を経営の最重要課題の1つと位置づけ、継続的かつ安定的な株主還元を実施してきました。そして、継続的かつ安定的な株主還元の姿勢をより一層明確にするために、当期・2026年3月期から、自己資本配当率(DOE)を新たな配当基準とし、その目標値を5%以上と設定。加えて、毎年配当を引き上げる、もしくは維持する累進配当を基本方針として変更しています。

・ 具体的な配当金額について。当期・2026年3月期の中間配当は、予定通り1株当たり45円としました。期末配当も、中間配当と同様、1株当たり45円を予定しています。

これにより、年間配当は前期の80円から10円増配の90円、DOEは5.6%。5期連続増配、13期連続減配なしとなる見込みです。

・ 直近4年間の当社の株価及び出来高の推移について。株価・出来高共に着実に上昇しており、2月9日には上場来高値となる2,534円を更新しました。

当社がこれまで取り組んできた経営改善や株主還元施策の成果が市場から評価され始めている結果であると受け止めています。今後も、中長期的な企業価値の最大化に向けて、引き続き取り組みます。

 

5. 質疑応答

Q1. 人材不足に対する対策を教えてください。

A1. 建設業界全体で人材確保は非常に大きな課題となっています。その中で当社は、新卒採用をこの5年間で約2倍に増やす積極採用を実施。また、将来を見据えた持続的成長に向け、多様な人材を確保。女性技術者や外国籍人材の採用を進めています。

女性の技術者は、直近の5年間で毎年約10名程度、継続的に採用し、新卒採用に対する割合も10%超える状態です。外国籍人材は、2018年度から本格的に採用を開始。今年度も10名を採用しております。このように多様なバックグラウンドを持つ人材の受け入れを進めています。

また、人員の確保だけでなく、生産性自体の向上にも取り組んでいます。デジタル技術の活用、事業体制の見直し、マネジメント改革など、現場負担の軽減と生産性向上に繋がる施策を積極的に進めています。

 

Q2. 名鉄名古屋駅の再開発スケジュールが白紙になりましたが、今後の御社への業績への影響はいかがですか。

A2. 名駅の再開発は、昨年5月に投資額約8,880億円で、2026年度から解体工事、2027年度に新築工事に着手し、2040年代前半の完了を目指すという計画が発表されました。しかし、昨年末に施工業者の人材確保難を理由とし、着工時期未定と変更になりました。

当社は、主体的に受注する対象の案件ではありませんでした。JVの一部から施工協力という協力要請を受けていましたが、現在までに具体的に受注が決定した案件はありません。そのため、来期以降の業績に直接的な影響を生じる状況ではありませんが、地元名古屋を代表するシンボリックな再開発なので、今後の計画や事業進捗の動向について引き続き注視していきます。また、我々でできることがあればぜひ貢献していきたいと考えています。

 

Q3. 労働者不足と高齢化が問題になっていますが、その対策と若者の採用と人材育成について具体的に教えてください。

A3. 労働者不足と高齢化、さらに社員の意欲やモチベーションを高めることを考えています。具体的には、5年連続でベースアップを実施。毎期平均4.7%、賃上げしています。今年はベースアップに加え、3月に正社員全員に自己株式を一律100株付与する予定です。

また、金銭的な処遇だけでなく、人事制度の見直しを進めています。より納得感のある評価による処遇の提供や誰もが安心して働ける職場環境の整備にも取り組んでいます。

今後も、賃上げを含む処遇改善に継続的に取り組むと共に、人材投資を投じて働きがいの向上と組織力の強化を図ります。次期中計は来年度から始まります。このような取り組みも盛り込みたいと考えています。

 

Q4. 株式優待を今後される予定はあるでしょうか。

A4. 当社は個人株主の方だけでなく、機関投資家にも多くの株式を持っていただいています。基本的には株主優待制度ではなく、配当で株主還元を進めたいと考えています。

 

Q5. パンウォール工法と吹付工法の差や優位点など教えてください。

A5. 吹付工法とパンウォール工法の最も大きな違いは、表面の保護に現場で施工するコンクリートでなく、工場で生産したコンクリートパネルを使う点です。品質的に非常に安定していて施工誤差が少ないのが特徴です。

また、専門的な説明になりますが、パンウォール工法は斜面を切り下げながら施工するので、全く何もないところで吹き付けるよりも非常に安全性が高いのも特徴です。

ただ、パンウォール工法が吹付工法に比べて極めて有利ということではありません。現場の条件に応じ、どちらの工法を採用した方がいいのかという違いになると思います。

 

Q6. マンション部門を切り離すニュースを見ましたが、法人や官公庁に集中するということでしょうか。

A6. 官公庁も含めて、民間も事業会社を対象にした、いわゆるB to Bビジネスに経営資源を集中するという判断です。

以上

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

大和インベスター・リレーションズ(以下、「当社」といいます。)はこの資料の正確性、完全性を保証するものではありません。

ここに記載された意見等は当社が開催する個人投資家向け会社説明会の開催時点における当該会社側の判断を示すに過ぎず、今後予告なく変更されることがあります。

当社は、ここに記載された意見等に関して、お客様の銘柄の選択・投資に対して何らの責任を負うものではありません。

この資料は投資勧誘を意図するものではありません。

当社の承諾なくこの資料の複製または転載を行わないようお願いいたします。