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日本紙パルプ商事株式会社(8032)

開催日:2026年2月28日(土)

場 所:大和コンファレンスホール (東京都千代田区)

説明者:代表取締役社長 社長執行役員  渡辺 昭彦 氏

 

1. 当社グループについて

・ 当社は1845年の創業以来、180年にわたり、紙の卸売事業を展開してきました。長い年月とともに事業領域や活動地域を拡大。2025年3月31日時点でグループ会社は133、連結売上収益5,543億円、連結経常利益158億円、連結従業員数4,831名という規模です。

1972年に東京証券取引所に、現在では同プライム市場に上場。過去最高の連結経常利益212億円を達成した2022年度を含め、上場以来、53事業年度連続で、連結経常黒字を記録しています。また、2010年以降、本格的なグローバル化により、現在、海外拠点の従業員数は連結範囲全体の54.4%を占めています。

 

・ 当社の歴史について。当社は1845年に和紙商として創業し、その後、日本で初めて国産の洋紙販売を手掛けました。1972年に東証2部、1973年に東証1部に上場。我が国の高度経済成長とともに、右肩上がりの紙需要を背景とし、着実に業容を拡大しました。

その後、リーマンショックを契機として紙需要は一転し、減少傾向に転換。現在に至るまで、主に人口減少やデジタル化の進展、そして景気低迷の中で、企業や個人のコストダウン意識により、紙の需要は減少傾向が続いています。

そうした厳しい事業環境の中、当社は、2000年代より古紙を主原料とする製紙事業に参入。さらに2010年以降は、再生家庭紙製造販売にも参入しました。

また、従来の本邦からの輸出や三国間貿易のための海外事業拠点の設立・拡大に加え、海外主要市場で生まれ育った、現地に根差した紙卸売事業を積極的に買収。現在に至るまでグローカルな紙卸売ネットワークを構築してきました。

同時に、環境側面を意識した再生可能エネルギーによる発電事業や総合リサイクル事業を強化。祖業である紙の卸売を中心に据えながらも、関連領域での多角化を進め、さまざまな事業環境変化にも耐えうる強靭な事業基盤を確立してきました。

その結果、新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みも最小限に食い止めることができ、2022年度の過去最高益を含め、飛躍的な収益拡大を実現してきました。

 

・ 当社グループの企業理念とグループブランドについて。私どもは、「誠実」「公正」「調和」を当社グループが大切にすべき価値観としています。そして、グループ役職員が積極的に実践すべきこととして、「Change・チェンジ」「Challenge・チャレンジ」「Create・クリエイト」を掲げています。

 

国内外で業態や国境を超えて拡大するグループ企業や増加するグループ従業員に一体感や親近感、そしてグループの誇りを持って業務を遂行してもらうために、2017年にグループブランド「OVOL(オヴォール)」を導入しました。導入からすでに9年が経過し、業界内では一定の認知度を得られるようになっています。一方、当社グループでは事業の大半がB to Bなので、なかなか一般の方々に知っていただく機会がありません。今日を機にぜひとも皆様方にもご愛顧いただけると幸いです。

 

・ 当社グループの特徴について。第一は、1845年の創業以来、取扱量、取扱品種の幅、販売先分野など、あらゆる面において、常に国内紙流通のリーディングカンパニーとして紙類の安定供給をけん引してきたことです。当社は全国に散らばる紙の卸商の全国的なネットワークを結成。きめ細かい販売網・配送網を駆使し、仕入先メーカーや出版社、印刷加工会社、ブランドオーナーなどのお客様からのご要望にお応えしてきました。これまでも、そしてこれからも、規模でも信頼でも国内ナンバーワンの紙流通企業として安定供給の責任を果たします。

 

特徴の二番目は、長期ビジョン2030で世界最強の紙流通企業グループの実現を目指しているグローカル企業であることです。当社の海外進出の歴史は太平洋戦争以前まで遡ります。長年にわたり、主に日本の紙や板紙を輸出するための海外拠点整備が中心でした。本邦輸出数量の増加に応じて駐在員事務所を開設、さらなる拡大に向けて現地法人化してきました。基本的には、当社の駐在員がローカルスタッフを雇用。当社の文化や考え方を現地に持ち込み日本品を販売する手法でした。

しかし、2000年代に入り、日本国内の紙需要がピークアウトし、同時に日本品の品質優位性や価格競争力が世界の中で相対的に低下します。そこで、日本品輸出に頼らない世界主要市場の現地に根差した紙卸売事業を取り込むべく、現地で生まれ育った各国の主要なペーパーマーチャントの買収に乗り出しました。

現在では、貿易取引のための海外拠点以外に、米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、マレーシア、香港に各マーケットを代表するペーパーマーチャントをグループ内に保有。主要アイテムのグラフィック用紙の周辺素材の拡大のための補完的なM&Aも通じ、業容の拡大を進めています。

 

特徴の三つ目は、紙は再生可能な森林資源の循環を担う素材なので、資源循環への貢献の重要性を認識し、紙の販売に留まらないことです。古紙の回収、リサイクル事業、再生家庭紙の製造・販売、再生段ボール原紙製造や段ボールそのものの製造、さらに廃プラスチックの再資源化事業や再生可能エネルギーによる発電事業まで拡大し、環境負荷の低減と資源の有効活用に多面的に貢献する企業グループとなっています。

 

・ 国内紙卸売事業、海外紙卸売事業、製紙加工事業、環境原材料事業、5つ目の事業として、保有する優良不動産の賃貸事業を加え、さまざまな社会・事業環境の変化にも柔軟に対応。収益の下支えが可能なリスク耐性のある企業グループだと自負しています。

 

2. 当社グループの事業紹介

【国内卸売セグメント】

・ 国内最大手の紙販売代理店として、2次卸会社、印刷・加工会社、段ボール・紙器加工会社、出版社、官公庁、各業界企業などに対し、主に国内製紙メーカーの紙や板紙、関連商品を販売しています。同時に、自社グループ内に物流子会社を所有。協力会社も利用しながら、全国できめ細かい在庫・配送網を実現しています。

また、自社用途に留まらず、紙業界向けに特化した業務システムの開発・運用・販売も行っています。紙卸売業システムや紙物流システムの導入社数では、業界内で圧倒的なシェアを誇ります。

 

・ 我が国の紙・板紙の需要量は、現時点で約2,000万トン。大型トラック200万台分に相当し、このトラックを繋げると、地球1周の約6割、2万4,000kmになります。この量は、全世界の総需要量の4億1,000万トンの約5%に相当します。

 

・ 国内では、人口減少やデジタル化の進展、そして景気低迷から、近年では紙需要は減少傾向にあります。そうした中で当社は、行き過ぎたデジタル化の進展から、紙本来の機能や価値・役割をしっかりと認識していただき、紙需要の底上げを図る取り組みや、脱プラ・減プラの社会要請を受け、紙の特性や機能を活用した環境配慮型の製品の開発、そして新たな価値の創出に積極的に取り組んでいます。

 

【海外卸売セグメント】

・ 世界に幅広いネットワークを持ち、グローバルなサプライソースを活用。ローカルな在庫・配送機能を有し、グローカルな知見に基づく提案を行いながら、世界の主要市場で安定供給を担っています。

近年、主要市場の多くは日本と同様、デジタル化の進展や景気低迷などの影響により、紙、特にグラフィック用紙の需要は減少傾向にあります。当社グループでは、ペーパーマーチャントとして有している営業力、在庫・配送機能やeコマースのプラットフォームをそのまま活用できる紙の周辺素材として、サイン&ディスプレイ分野、軟包装材分野、インダストリアルパッケージ分野などの商材を、主に補完的M&Aを通じて取得・拡大。グラフィック用紙の落ち込みをカバーしながら、各主要市場での存在感をさらに高めています。

・ このセグメントの規模感及び地域分類からは、セグメント間でのリスク耐性に加え、地理的にもリスク分散、リスク耐性が図られていることがわかります。

 

【製紙加工セグメント】

・ このセグメントは、段ボール事業と家庭紙事業に大きく分かれます。

段ボール事業では、古紙100%原料から段ボール原紙を製造する製紙事業、そして原紙から段ボール製品を製造する段ボール加工事業を展開し、総合パッケージサプライヤーとしての体制を構築しています。原料を100%古紙とする他、製造工程では木質バイオマス発電などの再生可能エネルギーを積極的に導入。環境に配慮した事業運営を展開しています。

 

再生家庭紙事業も、100%古紙を原料とした再生トイレットペーパーや再生ティッシュペーパーなどを製造。古紙由来トイレットペーパーではNo.1シェアを有しています。

その背景には、当社グループが持つ高度な古紙再生技術により、他社では原料化が難しいとされる難再生古紙の利用が可能であること。そして製品の高品質化を実現しています。これ以上リサイクルに回せないトイレットペーパーだからこそ、100%古紙にこだわり、難再生古紙も含め、限りある資源を最大限に有効活用しています。

 

・ 製紙加工セグメントのグループ企業が行う事業の一つに、当社が国内でほぼ独占的に販売する移動式トイレトレーラーがあります。基本的にはトレーラー内に4つの個室トイレを設置。暖房設備や洗浄装置を備え、年齢・ジェンダーを超えて快適にご利用いただける仕様となっています。

自治体を中心に、全国でこれまで約60台を販売。災害時の他、地域のイベントにも大いに活用され、高く評価されています。特に自然災害発生時には、自治体保有のトレーラーが被災地に集結し、被災された皆様方の大きな力となっていると聞いています。

 

・ 当社グループ内で再生家庭紙事業を展開するコアレックスグループの高い古紙再生技術を生かした紙資源循環機能は、昨年の大阪・関西万博で力を発揮しました。

従来焼却されていた使用済みの紙皿や感熱紙、窓付き封筒などの難再生古紙を回収。高品質なトイレットペーパーへと再生し、万博会場内一部エリアで使用され、資源循環の「見える化」を来場者に体験していただきました。

また、並行して開催された大阪グルメエキスポでも、使用済みの紙製容器やパンフレットなどを会場で回収。トイレットペーパーに再生し、会場内で再利用することで、来場者が手軽に資源循環に参加できる仕組みを提供しました。

これら国際イベントの取り組みは、資源循環社会の実現に向けた当社グループの姿勢を示すものです。今後も生活の中に循環を取り込むモデルケースとして、具体的な取り組みを発信していきます。

 

【環境原材料セグメント】

・ このセグメントは大きく3つの事業に分類されます。

1つは、古紙再資源化事業です。日本を代表する古紙商社の福田三商という子会社を中心に、日本全国をカバーする古紙事業ネットワークを構築。特に福田三商は厳格な選別作業により、他社に比べ高品質の古紙を国内製紙メーカーに対し安定供給しています。当社グループの製紙加工セグメントの段ボール原紙製造会社にも一部供給しています。

 

2つ目は、古紙にプラスチック系廃棄物や木質系廃棄物を加えた総合リサイクル事業です。再生ペレットや固形燃料などにリサイクルしています。

 

3つ目は、再生可能エネルギー事業です。太陽光発電事業、木質バイオマス発電事業を国内で計6ヵ所展開。さらにマレーシアでは、PKS(アブラヤシの実の種殻)の集荷・輸出事業を行い、主に日本国内のバイオマス発電所向けに輸入・販売しています。岩手県にある当社グループのバイオマス発電所でも一部利用しています。

・ 環境および原材料事業を通じて、サーキュラーエコノミーの推進、資源の再生と循環に取り組んでいます。

 

【不動産賃貸セグメント】

・ これまでは資本効率を高めるべく、保有不動産の売却を進めてきました。現在では、高立地に所有する不動産に絞り有効活用することで、安定したグループの収益基盤の構築に寄与しています。

 

3. 当社グループの成長戦略

・ 当社グループは、2030年にありたい姿として「OVOL長期ビジョン2030」を掲げています。そこでは、連結経常利益250億円を定量イメージとした上で、3つの定性的なビジョンを描いています。2030年以降のサステナブルな企業集団になるには、むしろこの3つの定性ビジョンの実現こそが重要だと考えています。

 

1つ目は、「世界最強の紙流通企業グループ」になること。それを自信を持って自認できる状態になることです。

ここで言う世界最強とは、売上規模などで世界最大を目指すのではなく、グローバルで最も機能が豊富で、信頼される紙流通企業グループになることを目指しています。この意味での世界最強に足る基本的なグローバルプラットフォームは既に構築できたと考えています。あとは、国内卸売での圧倒的No.1の地位の継続を大前提とし、2024年末に買収したドイツ・フランス事業の回復、各国での補完的M&Aの継続推進、東南アジア拠点によるグローカル戦略の具現化、インド事業の強靱化、海外グループ会社の全社黒字化が整えば、私としては胸を張って世界最強を自認できるものと考えています。

 

2つ目は、「持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループ」であること。コアビジネスである紙・板紙の卸売事業に加え、古紙等のリサイクル事業と製紙事業、さらに再生可能エネルギー事業等を通じ、持続可能な社会と地球環境に一層貢献する企業グループになります。

 

そして3つ目は、「紙業界の枠を超えて高く広く評価されるエクセレントカンパニー」になることです。180年の歴史の中で信頼と共に高い評価をいただいてきた紙業界のみならず、業界の枠を超え、あらゆるステークホルダーの皆様からご評価いただけるようになりたいと考えています。

 

その中で最重要なのは、従業員・役職員自らがエクセレントカンパニーを自認できること。その中でワークエンゲージメントが大きく高まることを目指しています。

極めて差別化の難しい紙という商品の卸売が祖業であり、ビジネスの中心である当社グループでは、優秀な人材の獲得と各自の知恵と能力を100%引き出すことが何よりも肝要です。そのためにワークエンゲージメントの向上は不可欠であり、スピード感を持ったDXの推進も絡ませ、現在精力的に取り組んでいます。また、世界最強という称号や社会環境貢献なども、究極的にはこのエクセレントカンパニーの1つの重要な構成要素や必要条件であると位置づけています。

 

【事業環境について】

・ 紙・板紙における当社を取り巻く環境について。世界の紙・板紙の総需要量は年間約4億トン。その中で、現地に根差した在庫・配送機能を備えたペーパーマーチャントとして当社グループが事業を営む国と地域の市場規模は、日本が2,000万トン、米国6,000万トン、インド2,000万トン、ドイツ1,500万トン、フランス740万トン、英国650万トン、オセアニア350万トン、シンガポールとマレーシア合わせて320万トンです。

 

・ 日本を含む多くの先進国では、デジタル化の進展や人口減少などの構造的要因により、グラフィック用紙の需要は減少傾向が続いています。しかし、ネット通販や脱プラ、減プラの動きを背景に、パッケージ系の用紙や板紙は堅調な動きとなっています。また、インドやアフリカ、中南米などを世界ベースで見ると、紙・板紙需要は今後も伸びが期待できると予想されています。

当社グループは、大規模ながら成熟市場となっている地域では、戦略的M&Aや補完的M&Aを積極的に推進。さらに、DXと役職員のワークエンゲージメントの好循環を通じ、生産性向上や競争力の向上、差別化を実現し、各市場で最後まで勝ち残り、残存者利益を獲得することを大方針としています。

 

OVOL中期経営計画2026

・ 中計2026の定量目標は連結経常利益220億円です。また、中計2026は、長期ビジョン2030実現のための経済価値と社会価値を創造する「具体的な仕組みづくりや仕掛けづくりの3年間」と位置づけています。

 

・ 仕組みづくりや仕掛けづくりのための指針として、3つの基本方針とそれをサポートする財務戦略並びにサステナブル経営方針を策定しました。すでに実行している具体的施策については、当社統合報告書やwebサイトに詳細を紹介しています。

・ 成長投資と株主還元から見た中計のキャッシュアロケーションについて。中計3年間累計のキャッシュアロケーションでは、成長投資に最大800億円を割り当てました。

 

・ 海外卸売セグメントでは、補完的M&Aを積極的に推進。2024年度及び2025年度は、軟包装材事業とサイン&ディスプレイ事業で計8社を買収し、既存のオセアニア、シンガポールのペーパーマーチャントの事業領域を拡大しました。

一方、グループとしての役割を終えた欧米の古紙事業の一部と、米国で保有していた農業機械製造事業を停止または売却しました。

・ 軟包装材事業やサイン&ディスプレイ事業、インダストリアルパッケージ事業などの補完的M&Aは、各地域のペーパーマーチャント事業の事業基盤強化と事業領域拡大に着実に寄与しています。

補完的M&Aによりグループに加わった分野の月間平均売上規模の推移では、先進各国で苦戦しているグラフィック用紙需要を補完し、なお持続的な成長を実現しています。

 

・ また、大規模な戦略的M&Aも実行しています。2024年末には、ポルトガルのホールディング会社の下で破綻したドイツの大手ペーパーマーチャントとその兄弟会社、同じくフランスの大手ペーパーマーチャントと兄弟会社、そして2025年頭にはそれらのシェアードサービスを行うポルトガルの会社を買収しました。

その後、市場の悪化が著しいドイツでの業績回復が当初の見込みより遅れ、現在第2弾のリストラを進めています。これら事業のグループ化により、欧州市場で存在感が大きい欧州メーカーやアジアメーカーとの関係強化やグループ全体でのサプライソースの拡充が実現。欧州域外も含め、グループ全体の仕入れや調達力の向上に直結し、当社グループの安定供給体制の強化に繋がっています。

また、世界に広がる既存のグループ会社とのシナジーも生まれ、長期ビジョン2030の実現に向けた必要不可欠な戦略投資だったと位置づけています。

 

・ 株主還元について。現中計2026期間中の株主還元方針は、連結配当性向30%以上かつDOE 3%以上とする累進配当です。なお、DOE指標は2026年3月期期末配当より導入。併せて機動的かつ柔軟な自己株式取得も行います。

このような方針のもと、現中計直前の2023年度の1株当たり配当金額は年間13円、配当性向16.5%でしたが、当中計期間では、2024年度は年間25円、配当性向40.7%、2025年度は34円、配当性向200%程度へと急上昇するものと予想しています。

なお、株主優待では、当社グループのコアレックスが製造する再生トイレットペーパーを進呈しています。

 

・ 一方、2025年11月、大規模な自己株式の取得及び償却を実施。取得株式総数は約840万株、取得価格は約64億円です。償却株式数は3,000万株で、償却前の発行済株式総数の19.97%に相当します。

さらに、自己株式を除く発行済株式総数の4.3%に相当する500万株、55億円を上限とする自己株式取得に係る事項の決定を、2月9日に東京証券取引所に開示しました。

政策保有株式も継続的に縮減しており、今後もその方針に変わりありません。

・ こうした背景のもと、株価も時価総額も堅調に推移。ここに昨今の政治・経済、国際情勢も加わり、直近の昨日の終値は1,155円、時価総額1,388億円、PBRは1.02倍です。

 

・ 個人投資家の皆様に向けた説明会は、昨年3月に続き2回目です。併せて個人投資家の皆様向けのwebサイトも開設していますので、ぜひともお時間のあるときにご訪問いただければ幸いです。

 

4. 質疑応答

Q1. 競合他社と比較した御社の強みを教えてください。また、競合他社にはどのような会社がありますか。

A1. 具体的なイメージをお持ちいただくために、競合他社を実名でご紹介します。

1社目はKPPグループホールディングス傘下の国際紙パルプ商事株式会社。2つ目が新生紙パルプ商事株式会社です。後者は非上場です。これら2社と私どもを加えた3社が日本の製紙メーカーにとってニュートラルな立場の総合代理店になります。

その他、製紙メーカーが持つ製紙メーカー系列の代理店もあります。さらに3つめの塊として、丸紅をはじめとする総合商社系の紙代理店もあります。

製紙メーカー系列の代理店は、系列の製紙メーカーの商品を中心に扱うので、お客様の選択肢が限られていると言えます。それに対し私どもは、どの製紙メーカーからも商品を販売できる強みがあります。

また、総合商社系の販売代理店は、我々に比べ歴史も浅く、紙に関する専門的な知識では、私どもに一日の長があろうかと思います。

私の個人的な感想として、丸紅以外の総合商社系の紙代理店は、紙からはほぼ撤退気味ではないかという印象を受けています。

一方、当社と国際紙パルプ商事、新生紙パルプ商事を比べると、当社は扱い数量やグループの連結ベースでの利益、歴史に加え、この業界の中で勝ち得てきた信頼は間違いなくNo.1だと自負しています。

具体的には、当社には不動産賃貸も入れて5つの事業セグメントがあります。その中の製紙加工事業と環境原材料事業は、紙の延長線上にはありますが、紙の卸売とはちょっと離れた事業をそれぞれ独立したセグメントとして収益を獲得しています。

紙業界の中で、事業を多角化しバランスを取り、リスクに備え、収益の下支えをしていることは、同業他社2社にはない点です。こちらも大きな強みだと認識しています。

 

Q2. 国内の紙需要が構造的に減少する中、パッケージ関連や環境資材といった成長領域の利益構成費を今後どの程度まで引き上げる計画でしょうか。また、他社対する独自の差別化戦略を教えてください。

A2. 日本の場合、人口減少あるいはデジタル化の進展で、需要減に直面しています。グラフィック用紙は、今しばらくは減少傾向が続くだろう思いますが、デジタル化が行き過ぎたところもあると感じます。未来永劫、減少が続き、紙がゼロになってしまうとは誰も思っていません。我々は、独自の活動を通じ、社会の皆様に本来、紙が持つ機能や役割を再認識していただく活動を地道に展開しています。そして、できるだけ早く、グラフィック用紙の需要減少傾向を下げ止まらせたいと願っています。

そして、紙の需要が多少下がったとしても、我々の日本国内の紙卸売セグメントの大方針は、「我々は勝ち残る」「最後まで勝ち残り、残存者利益をしっかりと獲得するんだ」ということを大前提としています。

パッケージ系も、脱プラや減プラの動きがあり、eコマースのさらなる需要喚起もあります。その中で、環境配慮型の製品の開発も含め、我々は事業を最大限伸ばすことを目指しています。

したがって、グラフィック用紙の需要低下をパッケージング系で埋めるということよりも、紙は紙で全力で勝ち残る。何年後かにグラフィック用紙とパッケージング系の収益比率を何対何にしたいというような数値目標は設けていません。

 

Q3. 180年を超える老舗企業として、御社の企業価値向上への取り組み、今後の成長戦略について教えてください。

A3. 人口減少が続く日本、あるいは他の主要先進国も似たり寄ったりという状況の中で、やはりどうしても人口が伸びないと、紙の需要面では苦しく厳しい状況が続いていくものと思っています。

その経営環境に対応し、我々は、従業員・役職員のワークエンゲージメント向上と、いち早い攻めと守り両面でのDXの推進を通じて差別化を図り、「最後まで勝ち残り、残存者利益を獲得していく」。これが大きな方針です。

それから、まだまだ無限大に広がっている海外市場からは、実は色々な面白い案件が持ち込まれています。その一つが比較的大型の戦略的なM&A。これは面をさらに拡大するための戦略的なM&Aで、各市場の中での勝ち残りを目的の一つとしています。

それと同時に、グラフィック用紙の需要が落ちることを補って余りある規模にするため、グラフィック用紙の周辺素材のインダストリアルパッケージングやサイン&ディスプレイの素材、軟包装材などの補完的なM&Aを行っています。これらの周辺素材をターゲットするのは、国内外問わず、紙のペーパーマーチャントとして、すでに持っている在庫や倉庫の機能、翌日・即日の物流機能が有効に活用できるためです。

戦略の3つ目として、製紙加工セグメントや環境原材料セグメントがあります。例えば製紙加工事業で私どもは、段ボール原紙の製造事業、再生家庭紙の製造事業を展開。しかし、製紙大手の王子グループや日本製紙、大王製紙に比べると非常に小さい規模です。

それでも当社が取り組むのは、地域性や再生家庭紙では原料に難再生古紙を使える独自の技術など、我々が小さいながらも持つ独自性や技術を突き詰め、ニッチな世界で収益を拡大することを目指しているからです。同業の小規模な企業も多くあるので、それらとのアライアンスやM&Aで、この先、ブランド力もつけていきたいと思います。

今後の方針について、おおむねこの3つが大方針となります。

以上

 

 

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