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株式会社みずほフィナンシャルグループ(8411)

開催日:2026年1月11日(日)

場 所:東京国際フォーラム ホールB7(千代田区丸の内)

説明者:取締役 兼 執行役社長 グループCEO  木原 正裕 氏

 

1.はじめに

・   当社は東京藝術大学とさまざまなコラボレーションをしています。若い芸術家の方々への機会提供として、「ともに挑む。ともに実る。」という当社のパーパスを毎年、絵で表現していただいています。新作は決算ごとにIR資料に掲載しておりますので、こちらについてもお楽しみください。

 

2.みずほについて

・   みずほフィナンシャルグループは、みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、アセットマネジメントOne、みずほリサーチ&テクノロジーズを傘下に持つ持株会社で、主にこの五つが連携してお客さまにソリューションを提供しています。

・   日本の殖産興業および近代化を支えてきた、第一国立銀行(創設:渋沢栄一)、安田銀行、(創設:安田善次郎)、そして日本興業銀行の三つが一緒になったのが〈みずほ〉です。そういった歴史踏まえ、日本の勝ち筋、競争領域をしっかり支えていくことがわれわれの使命であり、それがさらに〈みずほ〉の成長を支えていくことになります。

・   2006年ごろは時価総額が2兆円でしたが、その後、マイナス金利等もあり低迷しました。2022年2月に社長に就任し、カルチャー改革を掲げるのと同時に、注力すべきビジネステーマを定め、戦略を立てました。その結果、徐々に株価は回復し、成長領域となる買収や資本業務提携も行いました。足元では時価総額は15兆円まで上がってきました。

・   かつては3バンク体制(みずほ銀行・みずほコーポレート銀行・みずほ信託銀行)で、三つの証券会社(みずほ証券・みずほインベスターズ証券・新光証券)が存在していましたが、これらを全て統合し、2013年度からは、銀行・信託・証券がOne MIZUHOという形で協働しながらお客さまにサービスを提供しています。また収益構成も変化しています。2006年度時点では、国内の収益が9割、海外の収益が1割でしたが、2024年度には、海外の収益が4割に拡大しました。また、グローバルな投資銀行ビジネスのランキングも、2014年度当時は28位でしたが、現在は11位まで上がっています。

・   2023年、東京証券取引所は、PBRが1倍割れの企業に対し、株価水準を引き上げるための改善策を開示・実行するよう要請しました。われわれも1倍以上を目指し、2025年度上期の段階で18倍まで行きました。この後、株価が上昇し、1.4倍程度となり、PBRも上昇傾向です。PBRはROEとPERの掛け算なので、引き続き両方をしっかり上げていきます。グローバルトップの欧米金融機関の平均は1.5〜2倍なので、この辺りを狙っていきたいと思います。そのためには、〈みずほ〉固有の競争優位性を確立しなければいけません。「健全性・安定性あるポートフォリオの堅持」、「規律ある財務運営の徹底」、「注力ビジネスの優位性向上と課題対応」の三つを強化していこうと考えています。

・   当社は、企業取引の中でも大企業との取引が全体の7割を占めています。投資適格相当の企業が国内・国外ともに約7割を占め、貸出先の中心となっています。

・   マイナス金利により、金利収支がかなり落ちた厳しい環境下の中、収益構造の多様性を図ってきました。国内・国外ともに、非金利収益および市場関連の収益を拡大していきました。貸出残高を増やしていく中で、貸出の利ざやも改善するなどの努力を積み重ねてきた結果、2016年当時で8兆円だった業務粗利益は現在2.7〜2.9兆円まで上がってきています。日銀が金利を引き上げた影響はポジティブに働いています。25bp引き上げるたびに、1,200億円ほど粗利でプラスになります。

・   注力するビジネステーマ(フォーカス領域)は4象限で成り立っています。まずは「お客さまの利便性の徹底追求」を行い、マスリテールにおける最も便利で安心なパートナーになることを目指し、預金基盤を維持・拡大していきます。次に「『資産所得倍増』に向けた挑戦」として、資産の形成と運用における最も頼りになるパートナーを目指します。そして三つ目、「日本企業の競争力強化」として、事業の創造&成長に伴走するプロフェッショナルを目指します。大企業との取引にとどまらず、中堅企業、中小企業の成長支援を行っていきます。四つ目は「グローバルCIBビジネス」で、グローバルCIBのリーグテーブルでのトップ10を目指します。CIBというのは、預金や貸出等の商業銀行業務と、資金調達等の投資銀行業務を一体的に展開していくビジネスモデルのことです。

この四つの軸は、未来に向かって、われわれがどういう金融機関になりたいかという「ありたき姿」と、どこで強みを発揮できるかという2軸により決めました。

・   業務粗利益は、2023年度の6兆円から、2024年度は2.9兆円まで上がってきました。この増加はもちろん利上影響もありますが、利上げ影響以外の要因が0.16兆円を占めています。「『資産所得倍増』に向けた挑戦」(お客さまの資産形成、資産運用に寄り添っていく)、「日本企業の競争力強化」(貸出や決済、債券や株式の発行、M&Aのお手伝いをする)、「グローバルCIBビジネス」、これらは金利動向に影響されないビジネスであり、われわれが収益構造多様化の中で磨いてきたビジネスです。これらの分野が収益に大きく貢献しています。一方で日銀の金利引き上げによる影響も+0.11兆円受けています。今後どのようなペースで利上げが行われるかは誰にも分かりませんが、上昇する方向であれば、私どもの金利収支は改善していくことになり、収益のポテンシャルはあると考えています。

 

3.注力ビジネステーマ

・    国内の業務粗利益は約1.7兆円で、そのうち約8割が法人ビジネスです。われわれは、伝統的には大企業取引が強みです。長年、産業調査で強みを培ってきました。業界の方々と将来の産業構造について議論する中で、個社の構造改革、成長戦略、資本政策などを提案してきました。ここ2、3年は中堅企業にも拡大しています。

       2025年7月、AIで与信判断を行う株式会社UPSIDERという会社を買収しました。彼らは非常に強力な武器を持っています。UPSIDERのAI与信モデルと、われわれが持っている審査を組み合わせて、今後オンラインレンディングのビジネスを立ち上げます。中小企業の成長についても、今後しっかり支援させていただきます。

・   法人ビジネスの収益構造は、金利が約4割、非金利が約5割で、ほぼ半分ずつバランスよく構成されています。非金利収益も分散されており、決済関連手数料、与信関連手数料等、投資銀行業務・不動産等がそれぞれ3分の1ずつ占めています。法人ビジネスの収益はマイナス金利環境下でも着実に成長しています。今後、金利がある世界に戻っていく中で、ますます成長していくと考えています。日本もいろいろな形の成長支援が出てくると思いますので、われわれの貸出残高も伸ばせるのではないかと思っています。

・   2025年度の投資ランキングにおいて、国内では、債券引受額は7年連続1位です。シンジケートローン等の組成額も17年連続1位です。株式発行等の取扱額は、初めて1位となりました。M&A取引額は7位でした。そのうち、日本の企業がアメリカの企業を買う、あるいはその逆で、アメリカの企業が日本の企業を買うなどの日系クロスボーダーの取引では、4位まで上がってきています。

グローバルでは、長い年月をかけて海外、特にアメリカにおける投資銀行ビジネスを展開し、債券や株式の発行、デリバティブなどを行うことで機能を強化してきました。2023年5月、Greenhill社というM&Aのブティック会社を買収したことにより、投資銀行として必要な機能はほぼ完全に備えられました。この買収により、グローバル全体での「CIBビジネス」の順位は、2022年度で17位だったものが11位にまで上がりました。アメリカでの投資適格先へのシンジケートローン等の組成、債券引受においては、7位でした。6位以上はアメリカの銀行しかありません。行けるところまで来たので、引き続きこの状況を維持していきます。クロスボーダーのM&Aも増やし、グローバルで10位以内を狙っていきます。

・   アメリカでのCIBビジネスは、2019年度当時の業務粗利益は2ビリオン(約22億ドル)でしたが、足元では5.2ビリオン(約52億ドル)まで拡大しています。今後も成長のポテンシャルはございます。

・   ありたき姿の一つ目、「マスリテールにおける最も便利で安心できるパートナー」を実現するためのキーワードは、利便性・利得性・安心感です。この三つを提供することで、お客さまに選ばれる金融機関を目指します。

「利便性」では、シンプルで便利なバンキングアプリの開発・改良をここ数年続けてきました。アプリストアの評価では、5点中4.6点まで上がり、高評価を獲得しています。お客さまからは、簡単で分かりやすいという評価を頂いています。また、楽天証券との導線を確保し、残高の一体表示も行っています。

「利得性」では、利用するほどお得な体験を提供します。2024年11月に楽天グループと資本業務提携を行い、同年12月に「みずほ楽天カード」を発行しました。楽天経済圏とつながりますので、楽天ポイントが貯まる。それに加えて、みずほポイントも貯まるというWポイントプランの取り扱いは、2025年6月から開始しました。以前から取り扱っていた分離型のクレジットカードと比較すると、8倍程度の発行枚数になっています。

「安心感」では、生活圏に根差した店舗・ATMを維持していきます。これまで店舗は削減してきましたが、残した店舗は当面しっかり維持します。ATMは、イオン銀行と業務提携をしております。みずほ銀行のATMとイオン銀行のATMを足すと、メガバンク最大の台数となります。

・   みずほ銀行を使って、給与や年金などの受け取り、カード決済を行えば、みずほポイントが貯まります。みずほ楽天カードを使っていただければ、Wポイントになります。貯まったポイントは、3大ポイント経済圏(楽天ポイント・PayPayポイント・dポイント)で等価交換できます。入出金の利便性・利得性を向上させることで、預金量も確保します。

 

4.資本政策

・   当社は長年、資本の蓄積が弱く、投資家の皆さまへの還元というよりは、資本を充実させる方向で運営してきましたが、近年、資本レベルが向上し、充実化が図れましたので、2024年11月、16年ぶりに自社株買いを行いました。同時に、2025年度から資本政策を少し変更しました。これまでは資本の充実化と配当性向40%をめどに行ってきましたが、株主還元を強化し、毎期5円を目安に増配を実施します。自社株買いを含めた総還元性向は50%以上を目安とします。2025年度の配当は5円増の145円、自己株式は現時点で3,000億円の取得、総還元性向は58%となっています。

・   1株当たりの利益は、2005年度の551円が過去最高でした。2025年度の予想は456円です。利益水準を上げるとともに、自己株式の取得により株式を減らし、何とか最高水準まで持っていきたい。それにより、今4倍のPBRをもう少し上げていきたいと考えています。

・   2025年度の業績見通しです。事業会社の営業利益に当たる業務純益は、当初の目標は1兆2,800億円でしたが、業績が好調なので、1兆3,500億円まで引き上げました。株主純利益も、9,400億円という目標でしたが、1兆1,300億円に上方修正しました。そうなればROEも10%を超えてくると思います。

 

5.投資家の皆さまにお伝えしたいこと

・   みずほは次の三つを行いますので、ぜひ投資をご検討ください。

@競争優位性を磨き、課題に手を打ち、ROE・PERを引き上げる

AEPSの早期回復に向け、自己株式取得を継続

B予兆管理を徹底し、ポートフォリオの健全性・安定性を堅持

・   ブランド価値を上げていくことも重要だと考えています。

国内では、ブレイキンワークショップツアーを実施したり、サッカー日本代表のメジャーパートナーをさせていただいたりしております。CM広告では、俳優の吉沢亮さん、出口夏希さんを起用しています。

海外では、2025年10月に英国ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにおいて大相撲ロンドン公演があり、そのスポンサーを務めました。大変好評でした。アメリカでも、みずほアメリカズ・オープン(LPGAツアー)というゴルフの大会のスポンサーをさせていただきました。国内外でブランド価値を向上させることにより、時価総額を上げていくという活動を継続したいと思っています。

 

6.質疑応答

Q1.日銀が利上げを実施した場合の影響を教えてください。

A1.タイミングによって、年間に与える影響額は変わってきますが、利上げ局面での収益ポテンシャルを最大化していくということで、25bps当たりで約1,200億円の粗利が上がります。

 

Q2.今後の企業価値向上のポテンシャルをどのように考えていますか。PBRはどこまで高まると期待していますか。昨年来、他のメガバンクと比べて、株価がアウトパフォームしている要因は何ですか。

A2.2025年9月末の段階では、PBRは1.18倍でした。私自身はとにかく1.5倍を超えていこうと号令をかけ続けていました。直近では日銀の植田総裁のご発言もあり、株価が急上昇し、1.4倍まで来ましたので、次の目標をどこに置くか、今考えているところです。米系の多くは1.5倍以上です。2倍以上は難しいかもしれませんが、1.7〜1.8倍辺りが次の目標になってくるのではないかと思います。そのためにROEとPERの両方を上げていくことが重要です。

       われわれは、4象限のビジネステーマに注力し、買収等も含めそれぞれの領域を強化する取り組みを行っています。戦略が分かりやすいというのが〈みずほ〉に頂いている評価だと思いますが、今後はこの四つの領域の間でシナジーを生み出していきます。「日本企業の競争力強化」と「グローバルCIBビジネス」について言えば、日本やアジア、欧州、米州それぞれの拠点のネットワークを生かし、地域間で連携していくことによって成長を加速させていく。中堅企業、中小企業の事業成長を支えるのと同時に、資産を増加させるお手伝いもさせていただく。事業承継、資産承継のお手伝いもさせていただくということになれば、「『資産所得倍増』に向けた挑戦」にもつながっていくといったことを想定しています。

 

Q3.楽天証券、楽天カードとの連携を強化したことで、具体的にどのようなサービスを受けられるようになりましたか。

A3.2022年11月に楽天証券へ出資して以降、お互いの商品を提供し合うなどしております。まず、みずほ銀行の預金から楽天証券の口座へ入金できる「らくらく入金」があります。みずほ証券と楽天証券の共同出資で、MiRaIウェルス・パートナーズ株式会社という金融商品の仲介会社を設立しました。こちらでは、お客さまの悩みに寄り添って、資産のコンサルティングができます。

       2024年11月に楽天カードに14.99%の出資をし、同年12月にみずほ楽天カードを発行しました。楽天ポイントとみずほポイントが同時に貯まります。「外貨ダイレクト」は、外株に投資されたい場合、みずほ銀行に外貨預金があるときは、その外貨預金からスイープして楽天証券に持っていけるというサービスです。

 

Q4.日米関税合意に基づく5,500億ドルの投資、高市政権が掲げた重点投資対象17分野などがありますが、金融機関としてどのようなビジネスチャンスが期待できますか。

A4.高市政権になり、日本が競争力を回復していく好機になっています。スイスのビジネススクールの国際経営開発研究所(IMD)が世界競争力の比較を行っていますが、1980年当時は1位だった日本は、いまや35位です。未来に向けて、これを上げていかなければいけない。それが17の戦略分野の危機管理投資・成長投資だと思いますので、日本が勝ち筋になっていく領域に金融で支援していくことが重要だと思っていますし、われわれの使命だと思っています。貸出や債券・株を発行しながら、われわれも成長していきたいと考えています。

 

Q5.政策保有株式の現状と削減スケジュールについて、教えてください。

A5.株式についてはかなり削減してきました。簿価で見ると、2015年3月末時点で約2兆円あったものが、2025年9月末で0.81兆円まで削減されました。削減は引き続き行い、2025年3月末から2028年3月末にかけて、簿価ベースで3,500億円以上減らす計画です。25年度については、応諾も含めて3分の1をやり切る見通しです。モメンタムもだいぶ変わっていますので、しっかりやっていきたいと思います。株価が上がっているので難しいところもあるかもしれませんが、対純資産比率で20%未満になる見通しです。

       政策株を議論するときには、保有意義検証も行っています。われわれのROEのハードルを8%から10%に引き上げました。とにかく削減していくというモードを作って対応していきます。

以上

 

 

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