ミネベアミツミ株式会社(6479)
開催日:2026年1月11日(日)
場 所:東京国際フォーラム ホールB7(千代田区丸の内)
説明者:取締役 社長執行役員 COO&CFO 吉田 勝彦 氏
1.ミネベアミツミの紹介
・ 当社を一言で表すと、陰に隠れた「世界を動かす、なくてはならない会社」です。世界をこっそり、ごっそり変えていく。部品がなければ“できない”ことばかりです。あらゆる製品に使われている部品を製造しています。車であれば、5万点、あるいは10万点ともいわれる部品があり、一つでも欠けると車はできません。そういう部品を世界のお客さまに供給しています。現在、AIやソフトウエア等が発達していますが、それらがどんなに発達しても、エッジデバイスといわれるデバイスが必要になります。そのデバイスに強みを生かして事業をしています。
・ 2025年3月期の売上高は約1兆5,000億円でした。正社員は8万3,000人、パートタイマーも含めると10万人です。世界23カ国、129拠点で活動しています。部品製造にほぼ特化しており、1個当たり何十円というものが製品の中心ですが、そういったいろいろな部品を集めると、このような規模になります。
・ 経営理念は、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」です。また、「常識を超えた『違い』による新しい価値の創造」をコーポレートスローガンとしています。
・ 当社の特徴は、さまざまなマーケットの中でニッチなマーケットにフォーカスし、そこで高いシェアを確保していることです。売上高1兆5,000億円のうち、世界シェア製品の割合は約半分です。具体的には、ボールベアリングの中でも外径22mm以下のミニチュア・ボールベアリングに特化しており、そこで60%のマーケットシェアを持っています。HDDモーターのピボットアッセンブリーといわれる部品も世界シェアの90%、半導体の一つであるリチウムイオン用の保護ICのマーケットでも世界シェアの80%を持っています。
・ 四つのセグメントで事業展開しています。まず、プレシジョンテクノロジーズ(PT)という部門です。売上高の構成比率は8%で、主な製品はボールベアリングや、航空機用の部品など、主に機械加工をベースとした部品で、祖業でもあります。利益率は20〜25%で、当社の中心の事業です。
二つ目はモーター・ライティング&センシング(MLS)です。小型のモーターとライティングデバイス(表示装置に使われるデバイス)やセンサー製品の部門です。小型のモーターに特化しており、この領域ではニデック株式会社(旧・日本電産株式会社)さんが最大手で、弊社が唯一の競合メーカーに当たると思います。
三つ目はセミコンダクタ&エレクトロニクス(SE)という部門で、売上構成比は34.7%です。2017年にミネベアがミツミ電機と経営統合し、ミネベアミツミとなりましたが、ミツミ電機を母体とした事業にM&A等を通じてポートフォリオを強化している領域です。アナログ半導体、パワー半導体、スマートフォンやゲームのような仕事をしております。
四つ目はアクセスソリューションズ(AS)という部門で、売上構成比率は21.6%です。車のTear 1の仕事をしており、自動車のドアハンドル、ドアミラー、ドアラッチといった開閉機構や可動部分などを作っています。
2.ミネベアミツミの製品
・ 当社の製品がどのようなアプリケーションに使われているか簡単に紹介します。売上の約35%が車載領域です。Tear 1からTear 3までありますが、日系メーカーだけでなく、欧米メーカーにも納入しています。走る、曲がる、止まるといった車の基本機能の部分にはあまり入れていません。少しだけ静かに走る、少しだけ快適な車内空間をつくる、少し安全性を高めるとった補助機能の部品にフォーカスしています。これから車の平均単価が上がっていく中で、いろいろな機能が新しく盛り込まれてくるので、そこを事業機会にしていきたい。補助機能の部品のほうが収益は確保しやすいだろうと考え、さまざまな部品を製造しています。
・ 航空機の中でも、機械加工系のさまざまな部品が使われています。部品によってはグローバルシェア5割以上のものもあります。ボーイング、エアバス等々のお客さまに納入しています。
・ ロボティクスや医療分野、超音波診断装置にもいろいろな部品を入れています。歯科系医療機器にも携わっています。高回転のハンドピースに使われる精密なベアリングも作っており、70%のグローバルシェアを持っています。ATMやオフィスオートメーションにもさまざまな部品を入れています。
・ スマートフォンで写真を撮るときの手ぶれ防止装置も作っており、北米のスマートフォンの半分ぐらいのマーケットシェアを持っています。リチウム電池の発火事故がニュースになっていますが、過電流や過電圧を抑えてこれを防止する当社の半導体が使われています。これも8〜9割のマーケットシェアを持っています。スマートシティソリューションにおいては、エッジデバイスを使ってスマートシティとして貢献できないかという取り組みをしています。
・ エアコンの中にもいろいろな部品が使われています。それから、掃除機です。ダイソンに代表されるように、吸引力を上げるためには、モーターを高回転で回らなければなりません。そこに必要なモーターやベアリングなどを納入しています。高効率のドライヤーの中にも使われています。「精密」「高機能」といったものが要求されるときに当社の製品が使われます。
・ スマホを携帯してドアに近づくと、自動的に開閉するというスマートロックも作っています。これは車のアクセスソリューション事業において、M&Aで獲得した会社が持っていた技術ですが、家庭領域に応用して、当社の技術を「相合(そうごう)」させた製品です。
・ ユニクロさんは、高品質でリーズナブルな価格でさまざまな物が全て手に入るSPAというビジネスモデルでは業容を伸ばされていますが、これは当社のビジネスモデルに非常に近いです。ベアリング、半導体、モーター、アクセス製品等々を多様なお客さまにご提案し、複合的にお買い上げいただくということをやっています。当社では、部品のトータルコーディネートが可能です。
3.私たちの成長戦略
・ 成長戦略は、「自然的成長」、「M&A」、「社会的課題解決製品の開発と部品供給」の三つです。それらに「相合(相合わせる)」を掛け合わせます。いろいろな部品を合わせて付加価値製品を開発し、お客さまに提供したいと考えています。ここは少しユニークな取り組みをしていると思っておりまして、当社が今後大きく成長していくときに「相合」をどれだけ達成できるかが成長の重要なキーワードになると考えています。
・ 当社の外径22mm以下の小径ベアリングの生産量をGDPとの対比で見ると、GDPは年率6%ぐらいの成長ですが、弊社のベアリングは2%の成長です。世界のGDPの成長に伴って、1人当たりの可処分所得が上がると高級製品が売れますが、その中に精密、高機能であることを特徴としている当社の多種多様な部品が入っています。このような過去の実績でも当社の成長をお示しできるかと思います。
・ 2009年4月1日に貝沼が社長に就任して以降、当社の成長は伸びております。2010年3月期の売上高は約2,300億円でしたが、25年3月期は5兆円です。営業利益は121億円ほどであったところ、945億円まで成長しました。2029年3月期には、売上2.5兆円、営業利益2,500億円(営業利益率10%)を達成するという中期目標を掲げて進んでいます。今までは、購入品のバイイング・パワーを上げるとか、人材獲得競争の中で知名度がなければならない等の理由で企業規模を追いかけてきた部分もありますが、今後は利益率を上げることにフォーカスしていきます。
・ 1951年の創業以来、60件のM&Aを行ってきました。2025年10月にはツバキ・ナカシマさんからボールねじ、リニアガイドの事業買収をしています。一つ一つの対象企業のサイズはそれほど大きくありませんが、昔からずっとやっている会社で、現在、年平均2〜3件行っています。ここ16年間で29件行いました。M&Aをドライバーの一つとして急速に売上を伸ばしています。
・ 事業はコア事業、サブコア事業、ノンコア事業の三つに分け、コア事業に特化しています。コア事業は8本槍として定めています。200億円以上の営業利益が現実として見込める事業を「槍」と定義しており、@ベアリング、Aアナログ半導体、Bモーター、Cアクセス製品の四つは槍として成立しています。例えばベアリングは営業利益600億円以上を、アナログ半導体は300億円以上を目指せる事業になりました。Dセンサー、Eコネクタ/スイッチ、F電源、G無線/通信/ソフトウエアは、これからM&Aまたはオーガニックで強化をしていきたいというものです。
@ベアリングは、小径のミニチュアベアリングを中心としており、8本槍のうち1番です。世界シェア60%、利益率は20〜25%で、当社の中核事業です。
Aアナログ半導体は、今期の売上が1,200〜1,300億円ほどになりそうな事業規模で、利益率は20〜30%です。29年3月期までに売上高2,000億円、営業利益率30%を目指したいと思っています。半導体の中でのニッチにフォーカスし、カタログ部品などはやらないことで、高収益を実現しています。アナログの領域で擦り合わせ技術に基づいて作られるものが多く、参入障壁が高い、あるいはマージンが確保しやすいという特徴を持っています。そこで伸ばしていきたいと考えている事業です。
Bモーターは、小型精密モーターというもので、ニデックさんと同じような製品を作っています。現在、モーターが含まれる約4,000億円の事業規模の中でやっています。モーターの種類によっては、ニデックさんより競争力のあるものもあり、今後、成長が期待できる領域です。
Cアクセス製品は、車の開閉装置です。マツダさんのTear 1とホンダさんの100%子会社のホンダロックを譲り受けて、二つの事業を足した会社です。
・ コア事業とコア技術を掛け合わせて、当社にしかできない「相合」部品メーカーとして進んでいきたいと考えております。「相合」による高付加価値製品開発の成果物として、ウィングハンドルがあります。これはドイツのBMWが今年新しくローンチする車種で展開されます。従来のドアハンドルには、メカ的な機構が付いていました。ドアの中にはその機構が付くのですが、車の外観からは消えて、金属部分をタッチすることでドアが開閉されます。ドアロック、モーター、センサーを相合して作ったもので、数年後にはBMWの四十数パーセントの車に当社のソリューションが採用いただけることになっています。
・ 同様に、万博にはベッドセンサーを出しました。ベッドの中に当社のセンサーを入れて、心拍、呼吸、体重、体動等を測るものです。パソナ館の中で展示して、皆さまから非常にご評価いただきました。
・ 当社が注力する5本柱として、AIサーバー、商用ドローン、相合製品、完全自動運転、ヒューマノイドロボットがあります。これから非常に伸びていくこれらの領域にもさまざまな製品があります。CES(Consumer Electronics Show)2026に出展したヒューマノイド用のハンドは非常に好評を得ました。完全自動運転については主にLiDARの部分で、いろいろな部品を持っています。
4.株主の皆さまへの還元
・ EPSの成長率は、5倍になりました。東証プライムの平均は2.2%ですので、当社はパフォーマンスが発揮できているのではないかと思います。また、当社は生産拠点を海外に多く持っておりますので、為替換算調整がB/S上、非常に大きなポーションを占めています。これを調整すると、ROEは10.0%、調整しないと8.2%となります。2029年3月期に向けて15%以上を目指します。
・ 株主還元については、従前は成長投資に事業の方針を定めていたので、配当性向20%としていましたが、昨年から30%にしました。
・ 貝沼が社長に就任した2009年4月1日から先月まで、電子部品等の競合他社との株価パフォーマンスを比較すると、長期的にパフォーマンスが発揮できています。今後、株価をさらに伸ばしていけるように努力してまいります。
5.質疑応答
Q1.主力製品のベアリング、モーター、電子部品の需要動向をどのように見ていますか。
A1.当社の製品は「精密」「高機能」が求められるときに使われます。例えば、われわれのボールベアリングは精密で、メカ的な抵抗が少ないので省エネです。LiDARなどもルームミラーに設置されるようなニーズが出ており、静音化の要求がありますが、当社の部品は音が出なくて精密に回ります。グローバルなトレンドを捉えた製品を多く持っておりますので、中国の国内景気が厳しいなどの外部要因はありますが、それを乗り越えて成長していけるのではないかと思っています。
Q2.現行の中期事業計画はちょうど折り返し地点に当たりますが、これまでうまくいった点、課題点を教えてください。
A2.これからAIサーバーやヒューマノイドロボット、商用ドローン、完全自動運転といったものが市場の中で大きな伸びを示していく中で、当社は特徴ある製品を準備することができています。中計の進捗としては必ずしも十分ではありませんが、今後のポートフォリオの中身や技術、あるいは産業のトレンド等を考えますと、非常に楽しみな製品が多くあると思っています。製造基盤をしっかり整えて、お客さまに供給していくことにフォーカスできれば、計画は遂行できると考えています。
以上
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