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株式会社日本ケアサプライ(2393)

開催日:2025年12月16日(火)

場 所:シティプラザ大阪 2F『旬の間』(大阪府大阪市)

説明者:代表取締役社長 平松 雅之 氏

 

1.会社概要

・   当社は、2000年に開始された介護保険制度に先立ち、1998年に三菱商事株式会社を中心に設立された新しい会社です。創業当初から全国に30拠点の営業所を構え、順調に業容を拡大してきました。業界ではいち早くシステム化に取り組み、2001年に電子受発注システム「e-KaigoNet」サービスを開始しました。当時、福祉用具は病院に少しある程度で、在宅に合うものがなかったので、メーカーと協力し、自宅で使いやすいオリジナルの商品を開発してきました。その結果、事業開始から4年後の2004年に東京証券取引所マザーズへ上場できました。その後、高齢者生活支援サービスという事業を新たに加えて、業容を拡大しながら今日まで来ています。

・   事業内容は大きく二つです。一つは福祉用具サービスで、介護保険制度の対象となる福祉用具を地域の福祉用具貸与事業者にレンタル、または販売するサービスです。こちらは売上の約8割を占めています。もう一つは高齢者支援サービスで、高齢者やそのご家族への生活支援につながるサービスです。一番割合が大きいのは食事サービスです。その他、フィッティング付きおむつ配送サービス「おむピタ」や、介護福祉関連用品を販売する「グリーンケアオンラインショップ」を展開しています。

・   社是は「健康長寿社会への貢献」、企業理念は「私たちは『品質第一』に徹し、安心で清潔な商品を提供します。私たちは『誠実第一』に徹し、丁寧でまごころを込めたサービスを提供します」です。

・   連結売上高は、10年連続で過去最高を更新しています。2025年3月期からは300億円を超える規模になりました。連結営業利益は、2021年3月期のみ新型コロナの蔓延により営業活動を控えていたため利益が多めに出ていますが、2014年3月期以降、安定した利益を確保しています。

・   コストの多くを占めるのは福祉用具の購入です。設備投資の一種となるので、償却前の利益であるEBITDAを経営のKPIとし、拡大を目指しています。2026年3月期には100億を超えると考えています。

 

2.事業環境および事業内容

・   1950年から2070年までの日本の高齢化の推移と将来設計を見ると、2025年時点で人口はピークアウトし、65歳以上の層は全体の3分の1を占めています。この層が2040年ごろまで増加していく予測となっています。

・   介護保険制度の概要をご説明します。費用の半分は税金から出ていますが、もう半分は介護保険の財源を使っており、利用者の大半は1割負担となっています。似たような制度は他国も採用していますが、日本ほど上手く機能している国はないと聞いています。今後、東南アジアを含め、アジア諸国も高齢化社会に突入します。日本の保険制度を勉強している最中とのことで、近い将来同じようなモデルで海外での事業展開も可能ではないかと考えています。

話しは、国内に戻り、介護保険を利用するには、介護度の認定を受ける必要があります。現在700万人の方が要介護と認定されており、この700万人が、われわれがサービスを提供する対象となります。認定者は今後も増加傾向にあります。

介護保険サービスにはいろいろな種類があります。ヘルパーさんが自宅にやってくる訪問介護、専門の施設へ日中通い、食事や入浴などの支援を受ける通所介護(デイサービス)はよく知られていると思います。その中で、福祉用具貸与は日常生活で介護に役立つ福祉用具をレンタルできるというもので、唯一人の手を介さないサービスです。このサービスを利用している方が280万人。介護保険を使っている方の約半数です。介護費用は月380億円、年間約4,000億円で、これが当社の市場規模となります。この規模が毎年約4%伸びています。

・   福祉用具を直接利用者に貸し出しているのは、認可を受けた福祉用具貸与事業所で、全国に約8,000社あります。2名いれば開業できるので、大手企業が少なく、小規模な所が多いです。しかし、小規模な事業者がベッドや車いす、歩行器等を買うにはかなりの初期投資が必要です。レンタルなので、返却後のメンテナンスも必要です。そのため、資金力があるわれわれが集中購買を担い、メンテナンスを行った上で事業者にレンタル卸をしています。

当社のお取引事業所数は、その8,000社のうち約4,000社です。まだ伸びる余地がありますが、競合他社や当社のようなレンタル卸を利用せずに自ら資産を買う事業者もあります。しかし、レンタル卸を使う割合は、5年前は4割ほどでしたが、今は6割ほどとなっていますので、ここが当社の成長ドライバーになっております。

・   市場と当社売上げ成長の伸びを比較すると、2021年3月期から2026年3月期までの5年において、国の介護保険におけるレンタル費用総額の対前年同月増減率はおおむね4%強増えていますが、当社のレンタル売上高の対前年同月増減率は10%前後で、介護保険の増加率を上回る成長をしています。

・   介護費は、税金と介護保険財源の総額で足元約16兆円使われています。今のままで行くと、高齢者人口がピークを迎える2040年には27兆円まで増えるという予想です。国も仕組みを変えるなどの対策によってここまで増えることはないと思いますが、高齢者の人口は増えるので、かなりの伸びが予想できると言えます。

・   福祉用具サービスのビジネスモデルについてご説明します。レンタルできる福祉用具は13種目あります。電動ベッド、車いすはよくご覧になると思います。最近多いのは手すりで、トイレやお風呂で立ったり座ったりするときに使う柱タイプのものや、廊下を歩くときに端で手を付ける床置き型のタイプや玄関周辺に設置するケースも多いです。工事をする場合もありますが、固定的にあると暮らしにくいのでレンタルで使いたいという方もいらっしゃいます。

この13種目を当社が全国の福祉用具貸与事業者にレンタルし、事業者が利用者のご自宅へ納品し、適切な位置に設置します。継続して使用するため、きちんと使われているか、壊れていないか定期的にチェックを行い、入院等で不要になる場合はいつでも返却いただけます。使用後返却された福祉用具は、当社が洗浄・消毒、検品・修理して、再び事業者に貸し出します。多くのレンタル商品を長持ちさせることが収益性に大きな影響を与えます。

・   高齢者生活支援サービスについてご説明します。食事サービスでは、「バランス弁当」というブランドで、調理済み・盛付済みの冷凍総菜・冷凍弁当を病院や介護事業者向けに販売しています。従来、食事は介護施設内で作ったり、外で総菜を買うなどして提供されていましたが、コロナ禍以降、食事を作る人材の不足が顕著になりました。冷凍であれば長期的に保存が利き、フードロスも少ない。また昨今、食材の価格に乱高下がありますが、冷凍食材は、相場が低いときに作り置きをしておくことで値段が安定する。そういったメリットから、施設向けに冷凍弁当をお届けするビジネスは急速に伸びています。

今年から、「バランス弁当」のアンバサダーにタレントの由美かおるさんに就任していただきました。由美さんは現在も非常にお美しく、健康に留意されて生活されていますが、当社のお弁当をお召し上がりいただき、これは非常に健康に良いということでご協力いただいています。

大株主であるALSOK株式会社(旧・綜合警備保障株式会社)と提携した取り組みもございます。同社は既に介護事業ではトップ10に入る大規模な企業ですが、相互の拠点網や顧客基盤を活用し、拡販を推進しています。大きな介護施設の新設、あるいは建て替えの際、ALSOKは本業のセキュリティ分野で入っていますので、施設に関する情報を持っています。その情報を基に商材を販売するという協業関係が始まっています。

「おむピタ」は在宅の高齢者向けのサービスです。大人用紙おむつはドラッグストアに売ってはいますが、通常S・M・Lの3サイズしかありません。高齢者の体格は多様ですので、尿漏れの心配があります。ご家族の負担は非常に大きいので、メーカーの専門家がおむつの選定を行い、フィッティングによりご利用者に合ったおむつを提供します。メーカーからご利用者宅へ直送されることにより買い物の手間が削減でき、また、サイズが合わないことによるおむつの無駄を省くことが出来ます。

介護事業支援として、取引先やケアマネージャーに対して「グリーンケア フォーラム プレミアム」というサービスを提供しています。介護サービスの質の向上・効率化を目的に、法定研修やオンデマンドのスキルアップセミナー、業務効率化支援ツールを有償で提供しています。インターネットで気軽に介護用品を買える「グリーンケアオンラインショップ」もございます。

・   2025年からプロスポーツ選手の応援をしており、プロゴルファーの木戸愛選手と所属契約を締結しました。お父さまである元プロレスラーの木戸修さんのほうが有名かもしれません。今年ご活躍いただき、来年のシード権を獲得されました。彼女のバッグやバイザーには当社のロゴマークを入れて、プレーしています。

 

3.長期ビジョン(2025年2月3日公表)

・   当社は業界では「けあさぷ」の愛称で呼ばれていますので、「けあさぷVISION2040」で15年後を目指した姿を描きました。2040年というのは高齢者人口がピークを迎える年です。それに対して、われわれはどのように貢献できるか。キーワードは「自分らしく」。生まれ育った地域で生活できるのが理想的だと思います。そのためにはどんなインフラを作ればいいのか考え、2040年度に向けた長期ビジョンとして、「〜自分らしく生きる。明るい未来の共創〜」と掲げました。

今の80代、90代の方はあまりご自分の好みを主張されないのですが、その次の世代のご自分で介護保険料を払い続けてきた方々にとっては、国が画一的に提供するサービスだけではなく、自分らしく生活したいという思いを持つ方が多いと思います。とは言え、どこにそのようなサービスがあるのか。インターネットで情報を探す方も多いと思いますが、自分の地域で見つけるのは大変です。当社は全国に4,000社の取引先がありますので、地域で活動する取引先を通じて、介護保険における福祉用具をお届けし、物販や新たなサービスも提供していきたい。それが長期ビジョンのイメージです。

・   2040年の外部環境の認識では、高齢者人口がピークを迎える一方、労働者人口は減少します。自分らしく様々なサービスを受けたいと考える方が増え、ニーズが多様化します。生成AIはもちろん、バーチャルリアリティーの技術により、家にいながらにして旅行を体験や、車の自動運転が可能になるなど、デジタルを使ったサービスが増え、新しい技術を積極的に取入れることも大切な要素となります。

・   このような環境で当社は、地域社会、取引先・顧客、株主・投資家、従業員の四つステークホルダーを大切にしていきたいと考えています。特に重要なのは、地域社会と従業員です。われわれの営業所は全国に現在97拠点あり、各都道府県に一つはあります。儲かる、儲からないという問題ではなく、地域で高齢者が健康で安全に暮らすために必要な福祉用具を提供していくと宣言しているので、過疎になって人がいなくなったからサービスが滞るという事態をわれわれが防ぎ、地域社会を守っていきます。そして、人手不足が続いている中で長年わが社に勤めてくれている従業員を大切にし、ノウハウを後世に伝えていきたいと考えています。

・   サステナビリティへの取り組みについては、環境・社会・企業統治の分野でそれぞれ目標を掲げ、消費電気使用量等をコントロールしていきます。

・   事業拡大のイメージとキャッシュ・アロケーションについてご説明します。昨年度のEBITDAは83億円、足元で100億円ほどのキャッシュインがあります。将来については、場合によっては外部の資金調達を行いながら、どうキャッシュアウトしていくか。株主還元や成長投資(既存事業、レンタル資産、拠点開発等)を行い、時間を買うという意味ではM&Aにも取り組んでいきます。一番重要なのは人的投資で、人材育成、制度拡充、健康増進等を行います。

・   財務基盤も強化していきます。15年先の2040年は、目標設定が難しいため、2030年に向けた財務戦略を立てました。福祉用具レンタル市場の伸びは4%ほどなので、それを上回り、売上高のオーガニック成長6%以上を目指します。次に、M&Aに積極的にも取り組みます。業界での水平統合に加えて、高齢者支援サービス事業の基盤整備に取り組み、バリューチェーンを強化します。冷凍弁当を作る設備やおむつの製造・販売への投資も考えています。しかし、やみくもに投資するというわけではなく、資本コストを上回るエクイティスプレッド5%以上の確保、当期純利益成長CAGR5%を目指します。また、2025年度から累進配当制を導入し、DOE(株主資本配当率)6%以上を維持します。

2022年度から2024年度までは、積極的な株主還元をするため70円配当をコミットしていましたので、配当金は横ばいとなっていますが、当時の配当性向は60〜70%でした。今後は新たな成長投資をする上で、2025年度は72円とさせていただいておりました。累進配当ですので、今後も減らすことなく増やしていきます。

 

4.決算ハイライト

・   2026年3月期第2四半期は、売上高170億円、当期純利益は初めて10億を超えました。2025年3月期第2四半期と比べると、利益水準は約35%の成長となります。利益成長が大きく見えるのは、過去3年で行った福祉用具や拠点への先行投資の影響です。これが一巡し、売上に貢献し始めました。今後は成長の原資になるだろうと考えています。

・   連結貸借対照表では、前年と比べて大きな変化はありません。固定資産の内訳はレンタル資産が大半ですが、現在、購入と償却の金額がほぼ一致しているので、レンタル資産は横ばいに移りつつあります。

・   当社の利益を見ていただく上で一番重要なのは、福祉用具製品をどれぐらい買って、どれくらいで償却が終わるのかという点です。償却期間は今、平均4〜5年ですが、長く使えば償却費の負担がなくなり、利益率は高くなります。現在、福祉用具の取得価額は約560億円ですが、そのうち73%は既に償却が終わっており、償却残は150億円しかありません。減価償却累計額÷取得価額で算出した償却累計率は、2022年3月末から2024年3月末までのここ3年間は右肩下がりで、先行投資が効いていました。現在は、利益が出やすい局面にあります。

・   2026年3月期の連結業績予想に対する進捗は、第2四半期の時点で売上高は約5割、利益は6割ほどを達成しています。下期については、営業拠点の出店準備や教育研修など精査をしているところではありますが、今のペースで行けば、純利益19億という目標は達成できると思います。

 

5.株主還元

・   2017年度から2020年度までは、安定配当ということで46円を継続し、当時の配当性向は約50%でした。2021年度からは配当を順次増やしています。今年度の初めに長期ビジョンを発表し、累進配当制度の導入とDOE6%をコミットしましたので、2025年度については72円、配当性向は59%となります。できるだけ安定的に配当していきたいと考えています。

・   当社の株価は、およそ10年前の2016年4月以降、TOPIXを上回る水準で順調に推移しております。現在、当社の株主は3万人ほどで、そのほとんどが単元未満株の小額投資の方が多いのも特徴です。配当利回りは、株価が上がった影響で2025年11月28日時点では3.02%となっていますが、数年前までは4%台の時期もありました。高齢者向けのビジネスを行っていることにも将来性を感じて、若い方が興味を持ってくださっているのではないかと考えています。 

以上

 

 

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