マックス株式会社(6454)
開催日:2025年9月6日(土)
場 所:大和コンファレンスホール(東京都千代田区)
説明者:専務取締役 角 芳尋 氏
1.マックスについて
・ 簡単に、自己紹介をさせていただきます。私は1985年に大学卒業後、新卒としてマックス株式会社に就職し、40年以上在職しております。国内の営業でキャリアをスタートし、マーケティング、経営企画、海外営業部などを経て、現在はコーポレート部門、いわゆる本社部門の責任者を務めております。
・ 当社は1942年創立、連結従業員数は約2,500名です。
・ メジャーな企業ではありませんが、当社の製品で一番皆さまに親しみがあるとすれば、ホッチキスとその針ではないかと思います。ホッチキスは当社の実質的な祖業であり、現在でも国内トップシェアの非常に重要な製品ですが、売上高に占める割合は今では非常に低くなっています。現在、最も注力し、事業成長をけん引している製品は鉄筋結束機事業です。この事業の拡大により、ここのところ収益性が非常に高まっています。
・ マックスは、「人」が尊重され、「人」が成長することにより、会社も成長すると考えております。最近、社員のエンゲージメント向上やウェルビーイングとよく言われますが、そのような言葉がない随分前からこのような考え方を持っております。「人」を基本として、本業である製造業での利益を重視した堅実な成長を目指し、得られた成果をステークホルダーに公正に分配するという志向を持った会社です。
・ 当社は、「世界中の暮らしや仕事をもっと楽に、楽しくする」というコーポレートビジョンを掲げています。鉄筋結束機事業は、まさにこのビジョンが当てはまると考えております。
マックスの特長
・ 一つ目は、多様な事業構成です。おのおのが利益を生み出す事業であることを前提として、一つの産業に依存しない事業構成とすることで、長期にわたって安定した収益が上げられています。複数の事業が補い合い、社内リソースを有効に活用し、安定した事業運営と成長を実現しています。
・ 二つ目は、ユニークなビジネスモデルです。ニッチな市場で競争優位性を築き、トップシェアを獲得するビジネスモデルを得意としております。さらに、現在の主力事業である鉄筋結束機に代表されるように、機械本体だけでなく、機械に使用する消耗品を自社で生産、販売することで、安定した収益を見込めるビジネスモデルを多数有しております。
・ 当社はニッチな市場にユニークな製品を展開し、多くのトップシェア、世界初、国内初の製品を送り出しています。祖業であるホッチキス、2000年にM&Aを行った事業である浴室暖房・換気・乾燥機は、国内のトップシェアを獲得しています。また、圧倒的な世界シェアを有するコピー機内蔵用電動ホッチキスのオートステープラ、さらに、現在の主力事業に成長した鉄筋結束機など、世界初、国内初の製品を自社で開発、生産して市場に送り出し、事業を成長させてまいりました。
・ ホッチキスとその針、国内の大工さんが使用する釘打機と釘、現在の主力事業である鉄筋結束機とその消耗品である「タイワイヤ」と、機械の販売に伴って消耗品が付随する製品が多くあります。したがって、顧客に日常的、継続的に使用していただくことが当社の安定的な売上高と利益、健全な財務体質につながっています。
・ 三つ目は、安定した収益基盤です。上記の特長を生かした安定した収益基盤と確実な事業成長を元に、基本方針と配当政策を具体的に明示して、株主還元を実施していることです。
・ もう一つは、徹底した三現主義です。三現主義とは、当社では現場、現物、現実を意味します。現場での事実を追求することにより、さまざまな製品を生み出し、顧客にその価値を認めていただくことで当社製品の販売、普及活動を推進しております。
2.成長の原動力=“鉄筋結束機事業”
・ 当社の主力収益事業は、祖業であるホッチキスに始まり、木造建築用の釘打機、コピー機内蔵用の電動ホッチキスと変遷し、常に事業ポートフォリオを適正化しながら成長してきました。現在の主力事業であり、成長の原動力となっているのが圧倒的な競争優位性を持つ鉄筋結束機です。
・ 鉄筋結束機についてご説明します。鉄筋は高速道路や橋梁、ビル・マンションなどの骨組みとして使われますが、鉄筋コンクリートの建物、構造物を造成する際、骨組みとなる鉄筋の位置を固定するために鉄筋同士をワイヤで縛る結束作業をしてから、コンクリートを流し込みます。従来この鉄筋結束作業は、ハッカーという工具を使って手作業で行われ、熟練の技術が必要とされるものでした。当社の鉄筋結束機「ツインタイア」は、誰でも均一かつスピーディーな鉄筋結束作業を可能にし、昨今では社会課題でもある現場の人手不足を解消する画期的な製品です。
・ 当社では、もともと1993年に世界初の充電式鉄筋結束機を発売し、それ以来改良を重ね2017年に発売した「ツインタイア」は、それまで手作業が多かった鉄筋結束の現場を大きく変えました。
・ これを鉄筋結束機事業の事業規模の推移でご説明します。鉄筋結束機を中心とするコンクリート構造物向け工具は、2018年3月期の「ツインタイア」の発売を一つの契機として、持続的に売上高が伸長しており、2017年3月期の88億円から4倍近い事業規模に成長してきました。2025年3月期は348億円の実績で、当期2026年3月期は期首に360億円を計画しており、現在この計画に対して順調に、やや超過気味に推移しております。中期経営計画の最終年度である2027年3月期計画である390億円の前倒しの達成を狙って、現在活動を継続、推進しております。
・ この鉄筋結束機事業の伸長により、当社の事業規模と構造は大きく変化しました。当社はオフィス機器部門、鉄筋結束機が主力のインダストリアル機器部門、HCR機器部門と三つのセグメントで構成されていますが、鉄筋結束機事業の伸長により、インダストリアル機器部門の売上高構成比が高まってきております。2018年3月期と直近の2025年3月期の全社売上高に占めるセグメント別の構成比を比較すると、インダストリアル機器部門の割合が増加するとともに、全体の売上高、事業規模が大きくなっています。
・ この事業構成の変化と事業規模の拡大をけん引しているのが鉄筋結束機を中心とするコンクリート構造物向け工具です。具体的には、全社売上高に占める構成比は、16%から38%、売上高は107億円から348億円に成長し、全社売上高の約40%を構成する主要かつ最重要事業に成長してきました。
・ これをセグメント利益におけるインダストリアル機器部門の構成比を見ると、2018年3月期は全セグメント利益84億円中39%でしたが、2025年3月期は189億円中76%に高まり、鉄筋結束機事業の拡大によりインダストリアル機器部門が収益を支える柱になっています。鉄筋結束機事業の伸長がそのままマックスという会社の事業成長と収益力向上に結びついています。
・ 主力事業となった鉄筋結束機事業の成長戦略としては、この事業の競争優位性をさらに強化しつつ、現在の主力市場での継続的な拡販に加え、まだある未導入市場における開拓推進により、さらなる事業拡大を目指します。現在の主力市場は、日・欧・米です。とはいえ、特に欧米ではまだまだ普及率は低いですが、逆に言えば、拡販の可能性が十分あると考えており、欧州における未導入地域での販売チャンネルの拡大や米国でのディーラーの育成などを積極的に進めてまいります。それら現在の主力市場に加え、これまでエントリーしてこなかったASEAN、中東地域などでの新規市場探索を進めます。
・ 翻って、鉄筋結束機の機械本体は全て開発部門と同敷地内にある群馬県の自社工場で、消耗品である「タイワイヤ」は国内向けについては同じく群馬県の自社工場で、欧米向けに関してはタイの自社工場で生産し、供給しています。全て自社で開発・設計し、生産・供給しており、今後も必要に応じて生産体制を増強し、顧客の需要に応えることができます。
・ 新製品開発についてご説明します。当社の鉄筋結束機は自社開発、自社設計であり、今後も製品のモデルチェンジ、製品ラインナップの拡充等を図ってまいります。今期の新製品としては、より太い鉄筋を結束できる「ツインタイア」の特大径モデルを発売しました。また、鉄筋結束関連製品として、鉄筋を切断する機械もつい最近、発売しました。両製品ともに、当社の特長である徹底した三現主義の下、まさに私どものこれまでの現場活動を通じて用途が明確な新製品であり、二つとも順調に拡販をスタートしています。今後も、自社開発、自社設計の強みを生かして、製品ラインナップを拡充してまいります。
・ 鉄筋結束機事業の将来を見据えた研究開発にも取り組んでおります。2025年1月に米国ラスベガス開催の世界最大規模のコンクリート関連の展示会「World of Concrete」にて、鉄筋結束の現場でロボットが自ら最適なルートを生成し、指定されたエリアを自動的に結束する自律移動結束ロボットを研究開発中の製品として、参考出品しました。正直に申し上げて、製品化に向けて乗り越えなければならない課題が多くありますが、非常に大きな反響がありました。今後も、鉄筋結束技術をコア技術として、人手不足や現場作業の効率化などの社会課題を捉えて解決し、ロボット化も含めた新規技術を獲得していきます。
・ 成長の原動力である鉄筋結束機事業に、当社の開発、生産、営業のリソースを重点的に投入していくことにより、今後も持続的な成長を図ってまいります。
3.中期経営計画
・ 2030年度の目指す姿を定め、その指標に向けて2027年3月期までの3カ年の中期経営計画を策定し実行中です。初年度に当たる2025年3月期は、鉄筋結束機事業の堅調な伸びにより、当初計画を上回る実績となったことを踏まえて、2027年3月期の計画を上方修正しました。
・ この中期経営計画は「未来を創る」をテーマとしています。サブテーマは「事業収益力と資本収益性の向上により、企業価値の高いマックスを創る」として、具体的な戦略を立案しています。
・ 事業戦略は、鉄筋結束機を中心とした海外事業のさらなる成長を事業拡大のエンジンとし、国内事業は収益性を高めて事業の基盤となり、さらに将来に向けて、鉄筋結束機に続く新規事業の創出を狙っております。また、持続的な事業成長と収益力の向上を実現するために、経営基盤強化戦略、成長投資戦略の下、必要な投資を行いながら事業戦略を実行していく計画です。
・ 中期経営計画においては、持続的な成長のための投資と株主還元、資本政策を中心とした、キャッシュフローアロケーションを策定して実行中です。具体的には、中期経営計画3期間での営業キャッシュフロー540億円と手元の資金を基に、経営基盤強化投資として120億円、研究開発投資として140億円、M&Aを含めた事業拡大投資として120億円を事業成長に向けて投資していきます。
・ また、中期経営計画に向けて強化した新配当政策に基づく配当として140億円、ならびに株主還元と資本効率の向上のために、機動的な自社株取得を実施する計画です。つまり、持続的な成長のための投資と株主還元、資本効率の向上をともに積極的に行っていく計画です。
4.2025年3月期業績結果と2026年3月期業績見通し
・ 直近2025年3月期の実績として、売上高は918億円、営業利益は144億円となり、3期連続で過去最高の業績を更新しています。この業績をけん引したのが鉄筋結束機事業です。鉄筋結束機を含めたコンクリート構造物向け工具の売上高は、前年比14%増加の348億円になりました。資本収益性を示すROEは10.9%と2期連続で10%以上となり、2桁台の実力が身に付いてきたと感じております。
・ 2期目となる当期の業績見通しは、7月末の第1四半期の決算発表時点で、堅調な業績の推移と今後の見通しを踏まえ、当期の通期の見通しを上方修正しました。これにより、4期連続で売上高、各利益ともに過去最高を更新できる見通しです。上方修正した見通しは、中期経営計画3期目のゴールにかなり近いものです。実際、営業利益と経常利益、ROEに関しては、中期経営計画の最終ゴールを1期前倒しで達成、超過できる見通しです。当期に入っても、海外市場を中心に鉄筋結束機の販売は順調に推移し、この上方修正に結びついています。具体的には、海外売上高比率はここ数年高まり、2025年3月期は48%まで高まっております。地域別の売上高は、日本国内では473億円、アジア他で97億円、北米エリアで186億円、欧州で161億円となっています。
5.株主還元
・ 当社はユニークなビジネスモデルと安定した収益基盤、配当政策により、1970年の上場以来、50期以上にわたり累進配当を継続しており、結果として減配したことはありません。2025年3月期は前期から13円増配となる114円の配当を実施しております。さらに、当期、2026年3月期の配当は、前期から6円増配の120円を予定しています。
・ 現在の中期経営計画策定にあたり、配当政策は純資産配当率を3.5%から引き上げ5.0%として強化し、配当性向50%を目安とすると定めました。純資産配当率は自己資本に対する配当比率であり、安定的な還元を示しています。配当性向は当期純利益に対する配当比率であり、業績に連動した還元を示しています。この二つを組み合わせた配当政策により、安定的かつ業績に連動した株主還元を実行していく考えです。
・ それぞれの具体的な指標について、純資産配当率はROEと配当性向の掛け算で構成され、ROEが10%水準になってきたことを踏まえ、配当性向を50%とすると、純資産配当率は5.0%となることから、この配当政策としました。また、キャッシュフローアロケーションにおいて、中期経営計画期間の配当総額は140億円でしたが、既に実施した配当と今期の配当120円としたときの予定総額を合計すると、計画を上回る150億円を超える配当による株主還元を実現できる見通しです。引き続き、事業を堅調に成長させていくことで、安定的かつ業績に連動した配当を目指してまいります。
・ 株主還元と資本効率の向上を目的とした自己株式の取得による資本政策を進めています。前期から今期の期首にかけて58万9100株、約24億円の自己株式を取得したことに続いて、当期において、100万株、55億円を上限として自己株式取得を現在実行中です。今回の自己株式取得により、今期の配当総額と自己株式取得の総額を合わせた総還元性向は90%程度になる予定であり、株主還元を強化しています。この資本政策は継続的な課題であると認識しており、今後も適時適切な施策を実行してまいりたいと考えております。
・ 過去5期間の株価とPBRの推移を見ても、株価、PBRとも堅調に推移しており、鉄筋結束機を中心とした事業収益力の向上と資本政策、株主還元の実施は、市場からも一定の評価をいただいていると認識しております。引き続き、持続的な事業収益力と資本収益性の向上に取り組み、その姿を投資家の方々に適時適切に開示し、コミュニケーションを取り、理解していただくことで、市場から高い評価をいただける企業を目指します。
6.サステナビリティーの取り組み
・ 非財務情報であるサステナビリティーについて、マックスが基本とする「人」の部分についてご説明します。当社は「人」を基本として堅実な成長を実現させ、その成果を公正に配分することを志向しております。また、当社の統合報告書で開示したマテリアリティ(重要課題)の最上位に「人を活かす企業の実現」と掲げています。
・ 成果配分制度についてご紹介します。当社社員ならびに役員の賞与は、営業利益を基に算出した成果配分利益の28%を総原資として還元しています。私が入社した1985年には既にこの制度の原型があり、私どもの賞与制度として根付いています。この制度により、社員の意欲と一体感を高めております。また、企業活動の運営全体においては、仕入れ先さま、販売先さま、社員そして株主さまなどのステークホルダーに事業成果と企業の利益をきちんと還元していくことを志向しております。
・ 「人を活かす企業の実現」として、もう一つ、当社は社員が働きやすく、かつ働きがいのある会社であることを目指しています。昨今の社会情勢を踏まえて、働きやすさを志向することはもちろん重要ですが、さらに加えて働きがいのある会社であることを目指しています。社員には、重要な課題に取り組むなど、働くべきときには働く、休むときにはしっかり休むというメリハリの利いた働き方を求めています。このように志向していることもあり、平均総労働時間と離職率は平均よりも低く、有給休暇取得率は現在では平均を上回りつつも、事業収益力は確実に向上しています。今後も、もちろんブラックではない、かといってホワイト一辺倒でもない、社員が働きやすく、かつ働きがいのある会社、プラチナ企業であることを目指していきたいと考えております。
・ 当社が目指している事業を通じた社会課題の解決について、ご説明します。最重要事業である鉄筋結束機事業は、この事業を推進することそのものが人手不足などの社会課題の解決と言えるのですが、鉄筋結束機のパイオニア企業として、立ち姿勢のまま作業ができ、身体的負担と作業時間の短縮を同時に実現する「ツインタイア ウォーカーモデル」を販売しております。
・ 国内既存事業においても、大工さんのなり手が不足し、離職率も高いという社会課題を解決すべく、建築工具のサブスクリプション・レンタルサービスを行う株式会社レンツールという子会社を展開しております。これらの事業をはじめとして、今後も当社は事業を通じた社会課題の解決を推進してまいります。
7.質疑応答
Q1.株式分割の目安株価を教えてください。
A1.現在の堅調な事業の様子も含めて株価は堅調に推移しておりますが、資本構成の在り方、適正株価、適正株式数も課題だと認識しています。株式分割の目安株価について、具体的な金額は申し上げられませんが、適切に判断していきたいと思います。
Q2.鉄筋結束機は現在、日本の職人はどのくらいの割合が使用しているのか、また今後どのくらいの普及拡大を見込んでいるのか、教えてください。
A2.鉄筋結束機はいわゆる鉄筋工さんが使用されるものですが、その国内の普及率の正確な数字は分かりませんが、いろいろなデータや営業の肌感覚も含めて50%程度ではないかと認識しております。2017年発売の「ツインタイア」の買い換えサイクルもありますし、国内でもさらなる拡販ができると思います。また、国内に比べて海外の普及率は明らかに低いです。おおむね3割程度と思われるため、海外ではより大きな拡販可能性が十分あると認識しております。
Q3.現在、鉄筋結束機が稼ぎ頭になっているとのことですが、将来的な構想として、第2、第3の柱となる事業はお考えでしょうか。
A3.当社の中期経営計画における事業戦略のひとつが新規事業の事業化、創出です。現在は鉄筋結束機により事業成長を果たしておりますが、常に新規事業の探索をしており、社内にも専門の部門を設けて積極的に取り組んでおります。新規事業の立ち上げは、正直難しい部分もありますが、次の柱となるものにも取り組んでいきたいと考えております。
Q4.鉄筋結束機のライバル社はどこですか。世界シェアはどのぐらいで、利益率は本体と消耗品のどちらが高いのでしょうか。
A4.鉄筋結束機の「ツインタイア」はパテント戦略、知財戦略を強く持ち、パテントで固めております。基本パテントは20年効力を持ちますので、現段階で「ツインタイア」と同じような構造を持つライバルの機械は世の中に出にくく、2017年より前までの当社モデルに近いものが世の中に少しある程度で、直接的なライバルは存在しないと判断しています。
利益率については、当社のビジネスモデルでは機械の販売に伴って、消耗品が付随するというお話をしましたが、機械は全く利益がなく、消耗品で利益を稼ぐというものでは決してありません。特に、鉄筋結束機はパテントでかなり保護していることもあり、具体的な数字は申し上げられませんが、機械、消耗品とも非常に高い利益性があります。ただ比較すると、相対的には消耗品の「タイワイヤ」のほうが利益性が高いです。したがって、機械を売れば売るほど消耗品も売れますので、これらを拡販することがマックス全社の収益性を非常に強くすることになります。
Q5.主力製品の「ツインタイア」に他社は参入してこないのでしょうか。参入障壁があれば教えてください。
A5.パテント戦略を強固にしておりますので、可能性はゼロではありませんが、似た製品が世の中に出てくる可能性は、今のところ少ないと思っております。もちろんパテントも未来永劫続くわけではありませんので、中長期的な事業戦略の中で、鉄筋結束機のパテント戦略をどうしていくかが課題であると認識しております。
Q6.有給休暇消化率も平均以上、かつ離職率も0.8%と低い。これをもたらした御社の施策はどのようなものでしょうか。
A6.経緯としては、平均総労働時間の削減に積極的に取り組んできたことが、高い有給休暇取得率につながった一つの要因になっていると感じています。緩い会社ではありませんが、真面目な社員が多いことが離職率の低さに結びついていると思っております。現在は、その第2段階として、ただ単に平均総労働時間を下げるだけではなく、働くときにはきちんと働き、有給休暇の取得等、休むときにはしっかり休むといった、メリハリの利いた働き方を社員に求めることが次のステップだと考えております。
Q7.特許の有無と特許切れの対策について教えてください。
A7.「ツインタイア」は強固なパテントを築いていますが、パテントは20年で失効するため、2017年発売の「ツインタイア」は、2030年代にはそのパテントの失効が予想されます。そこをターゲットにして、次の鉄筋結束機をどのようにしていくか検討中です。
Q8.中間配当を実施していない理由を教えてください。
A8.当社は年1回の配当ですが、配当回数や株式分割も含めて、今後どのような株主還元を進めていくのがよいか、課題の一つとして認識しております。
Q9.インダストリアル機器部門およびオフィス機器部門のサブセグメントのうち、どれが最も高い売上で、利益成長を見込んでいますか。理由と併せて教えてください。
A9.インダストリアル機器部門は、海外市場での鉄筋結束機が私どもの事業成長のドライバーです。海外での機工品事業は現在も一番大きいですが、今後さらにそこを成長のドライバーにしていきたいと考えております。
オフィス機器部門は、コピー機メーカー各社に供給しているオートステープラ事業がこれまで大きな収益の源となっていました。しかし、世の中はペーパーレス化が進み、コピー機の需要は徐々に低下していくと考えておりますので、オートステープラ事業の今後は少し保守的に見ております。現在は、文字表示機器の表示作成機「ビーポップ」という大きなステッカーを作る機械の拡販に取り組んでおります。オフィス機器部門の中でも事業ミックスを入れ替えることによって、事業構成を変えていきたいと考えております。
以上
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