Daiwa Investor Relations

企業を探す

企業コード / 会社名
業 種

この条件で検索する

あすか製薬ホールディングス株式会社(4886)

開催日:2025年8月9日(土)

説明者:グループ経営企画部長  市川 学 氏

 

  • あすか製薬ホールディングスとは

 

・ 「あすも、みらいも、すこやかに」をコーポレートメッセージとして、人と動物が幸せに暮らす社会を作るために、当社グループはさまざまな取り組みを行っています。

・ 当社は、前身のあすか製薬株式会社の親会社として2021年に設立されました。また、今年6月の株主総会で山口惣大が代表取締役社長に就任しています。

事業別の売上比率について。医療用医薬品事業が約90%、アニマルヘルス事業が約10%、検査事業が0.4%の構成となっています。

・ あすか製薬ホールディングスには4つの事業会社があります。医療用医薬品事業を行うあすか製薬株式会社、アニマルヘルス事業を行うあすかアニマルヘルス株式会社、検査事業を行う株式会社あすか製薬メディカル、そして今年2月にベトナムの製薬会社であるHa Tay Pharmaceutical(ハータイファーマシューティカル)が新たに当社グループに加わりました。同社については、ハタファー社と呼ばせていただきます。

医療用医薬品事業が当社グループの中核事業です。

・ 設立は2021年ですが、当社の起源は1893年まで遡ります。1893年、創業者の山口八十八が食料品輸入商を始めました。その後、当時の輸入一辺倒の状況に疑問を抱き、国益に資するべく食品の国産化を目指し、食品製造業に進出。1908年、国内初の人造バター、いわゆるマーガリンの製造・販売を開始。以後、次々に加工食品の国産化に成功しました。

一方で、大量に廃棄されていた動物の臓器に着目。医薬品も輸入頼みのため、医薬品の国産化を目指し開発を始めました。1920年、帝国社臓器薬研究所を創設し、医薬品製造業に進出。その時に製造したのが「スペルマチン」という男性ホルモン製剤です。

・ 1920年より製薬企業としての第一歩を踏み出しました。この頃、世界でも研究が始まったばかりのホルモン分野に着目し、国内初の男性ホルモン・女性ホルモン製剤をはじめ、甲状腺ホルモン製剤や陣痛促進剤など様々な製品を開発、発売しました。

1955年に株式上場し、さらなる成長を遂げます。ホルモン研究で培ったノウハウを生かし、医療用医薬品の製品多角化を進め、唾液腺ホルモン製剤、排卵誘発剤、経口避妊剤など様々な製品を発売してきました。また、動物用医薬品事業への参入や検査事業の展開など、事業を多角化。2005年に帝国臓器製薬とグレラン製薬が合併し、あすか製薬が誕生しました。緊急避妊剤、月経困難症治療剤、子宮筋腫治療剤などを発売。顕在化する女性の健康課題解決に向けた研究開発を推進し、成長を続けています。

2021年にはホールディングス体制となり、直近の連結売上高は641億円。私たちは、創立以来100年にわたって、内分泌ホルモンの研究開発を通して、時代のニーズに合致した製品を提供することで発展し、社会に貢献してきました。

 

  1. 事業会社の紹介

・ 中核となる医薬品事業のあすか製薬株式会社について。産婦人科、消化器・甲状腺を中心とした内科、泌尿器科の3つの重点領域で医療用医薬品事業を展開しています。

医療用医薬品とは、医師の判断の上処方し、薬剤師が調剤して使用される薬のことです。

医療用医薬品は、新薬(先発医薬品)とジェネリック(後発医薬品)に分類されます。中でも新薬は、創薬段階の基礎研究から製造販売承認を取得後の上市まで、およそ10年以上の長い時間と、数百から数千億円規模の開発費用がかかります。ジェネリックよりも研究開発コストはかかりますが、収益力は新薬の方が高いという特徴があります。

・ あすかアニマルヘルス株式会社について。売上構成比は、飼料添加物など畜水産動物の餌に関する部分が約60%、畜水産動物の医薬品が約30%、残り7%程度がコンパニオンアニマル、いわゆるペットに関連する部分です。コンパニオンアニマルの売上構成比はまだ少ないですが、拡大市場であるペット分野での取り組みを強化しています。

具体的には、2021年にあすか製薬の医療用医薬品の「メルカゾール」を動物用に転用した「チロブロック錠」を発売。チロブロック錠は、ネコの甲状腺機能亢進症の治療薬で国内で初めて承認されました。

また2022年には、新剤形ジェネリックとして「トリロスタン錠」を発売。トリロスタン錠は、犬のクッシング症候群に伴う諸症状の改善を適応症としています。

あすかアニマルヘルスでは、グループのシナジーも活用しながら事業展開しています。

・ あすか製薬メディカルは、内因性ホルモン微量分析技術が強み。独自の検査技術を応用し、非侵襲性、つまり体を傷つけず痛みの少ない検査キットを開発しています。

AGA(男性型脱毛症)の要因となるホルモンや、男性ホルモンの代表格のテストステロン、ストレスレベルを測れるホルモンを毛髪や爪から測定することができます。

直近では、更年期を対象として、毛髪から女性ホルモン量を測定するキット「Proges(プロゲス)」を発売。また、あすかアニマルヘルスとのシナジーを生かし、猫の体毛から甲状腺ホルモンやコルチゾールを測定するキットを2025年3月に発売しました。

・ 新たに当社グループに加わったベトナムのハタファー社について。同社はベトナムの大手製薬メーカーであり、ハノイ証券取引所に上場。今年創業60周年を迎える会社です。

ハノイ市に本社と自社製造工場を有し、2024年の売上高は約128億円。後発医薬品が中心で、流通・販売網はベトナム全土をカバーしています。

2021年1月に当社の初回出資が完了し、当社グループの持分法適用会社となりました。2025年2月にハタファー社の株式・議決権を40%取得し、当社グループの連結子会社となりました。2025年度の連結決算からハタファー社の損益を取り込んでいます。

現在、新工場を建設しています。先進国レベルの品質基準となるPIC/S GMPの承認申請中で、高品質の医薬品を製造すると共に、収益性を高めます。当社グループは、新工場の建設から支援しており、現在はPIC/S GMPの承認をサポートしています。これまで国内事業が中心の当社グループにとって海外展開のきっかけとなる取り組みであり、今後はアジアを中心に事業拡大を図ります。

・ 4つの事業会社からなるあすか製薬ホールディングスの強みについて。

創立以来、内分泌ホルモンの研究に特化し、100年を経過しています。その過程で、時代のニーズに合わせてさまざまな製品を開発してきました。

あすか製薬は、産婦人科領域の売上No.1企業で、リーディングカンパニーとしての取り組みを加速させています。また、甲状腺領域では圧倒的なシェアを有し、橋本病やバセドウ病などの疾患啓発と安定供給の責務を果たしています。

あすかアニマルヘルスは、ホルモン研究に関連して多彩な繁殖用医薬品をラインナップしており、畜産ホルモン剤市場で高いシェアを獲得しています。

あすか製薬メディカルは、内因性ホルモンの微量分析の技術を持ち、非侵襲性検査キットの開発を順次進めています。

あすか製薬ホールディングスは、事業会社同士が各分野で連携・協業し、シナジーを生み出す体制を取っています。以上があすか製薬ホールディングスグループの強みです。

 

  1. あすか製薬ホールディングスの成長戦略

・ あすか製薬ホールディングスでは、成長戦略として、2021年に「中期経営計画2025」を策定し、事業活動を展開しています。目指す姿は、「スペシャリティファーマを基盤とするトータルヘルスケアカンパニーを目指す」で、具体的な数値目標は、売上高700億円、営業利益率8%、ROE8%です。

・ 過去15年の業績の振り返ると、2015年まではジェネリック医薬品拡大路線に乗った成長戦略を取っていました。2016年以降、戦略的なジェネリック医薬品も発売しながら、新薬によるスペシャリティ領域への展開を進めています。

2016年には肝性脳症治療剤「リフキシマ」、不妊治療剤「ルテウム」、2019年には子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「レルミナ」を発売しました。

ジェネリック医薬品では、2022年に月経困難症治療剤ドロエチ「あすか」を発売。また、1922年に発売した「チラーヂン」は、甲状腺機能低下症など多くの患者様の治療に貢献してきました。

これら製品群が伸長したことにより、昨年度・2024年度は641億円と過去最高の売上高を更新しました。現在のホールディングス体制への移行後に始まった中期経営計画2025は、本年が最終年度で、目標値達成に向けて社員一丸となって取り組んでいます。

・ 中期経営計画2025は、4つのビジョンとそれに対する7つの戦略を立て、活動しています。本日は、7つの戦略のうち3つについて説明します。

 

【スペシャリティ領域の取り組み強化による企業価値向上】

・ 私たちは産婦人科領域に最も注力し、この分野での女性の健康課題解決に取り組むことで持続的な成長を目指しています。

当社では産婦人科領域でニーズの高い製品を率先して発売。本年6月には新しいタイプの経口避妊薬「スリンダ」を発売するなど、継続的な新製品の投入により、2023年度に産婦人科領域で国内売上No.1を達成。女性ヘルスケアのリーディングカンパニーとしての立ち位置を強化しています。

スリンダはプロゲスチンのみの経口避妊薬で、海外では62ヵ国で承認されていますが、日本では今回が初めて承認された経口避妊薬です。世界保健機構WHOのガイドラインでは、プロゲスチンのみの経口避妊薬は、混合型よりも血栓症のリスクが低く、例えば喫煙者や肥満・高血圧などの患者への推奨度が高いとされています。また、国連から日本国に対して、プロゲステロンのみのミニピルなど、ほかの形態の現代的な避妊手法へのアクセスが締約国で承認されていないといった報告があり、今回の発売は社会課題の解決に貢献できたものと当社では考えています。

・ 産婦人科の市場規模は年々伸びています。2020年に797億円規模だった市場が、2023年には1,006億円と1,000億円を超える規模となり、今後さらなる拡大が予想されます。

それには、女性を取り巻く様々な環境の変化が要因として考えられます。

まず、政治的環境の変化として、女性版骨太の方針では、働く女性の健康課題と仕事の両立支援をはじめ、女性活躍推進に関する記載が充実しました。2022年から始まった不妊治療の保険適応化も大きな変化となっています。

これらの政治的環境に通ずるものですが、メディアや一般の方々からの女性活躍推進や女性特有の健康課題への注目度アップという社会的環境の変化もあります。

また、技術的環境の変化として、オンライン診療の普及も大きな要因です。

このような背景から、産婦人科市場は今後も持続的な成長が予測されます。

・ 女性特有の疾患である子宮筋腫や子宮内膜症、月経困難症の患者様は年々増加しています。実際に医療機関を受診した人数をベースとしたデータがありますが、受診していない潜在的な患者様はさらに多いことが予測されます。

・ 現代の女性の多くは、昔の女性に比べ初経が早く、晩婚化の傾向にあり、出産回数が減少しています。そのため、生涯に経験する月経回数が増えたことが月経困難症などの月経トラブルが増えた要因として考えられます。現代女性の月経回数は昔に比べて約9倍と言われています。

・ 成長する産婦人科市場の中で、当社は、思春期、性成熟期、更年期、老年期に至るまで幅広い製品ラインナップを保有しています。現在、コプロ品を含め22製品を揃えており、AKP-022、LPRI-CF113、AKP-SMD106、AKP-009といった産婦人科領域製品を開発中です。今後もラインナップを拡充し女性医療に貢献していきます。

・ 当社は甲状腺領域でもリーディングカンパニーです。甲状腺製剤の国内シェアの95%以上を当社が占めております。

代表的な甲状腺の病気である橋本病やバセドウ病は、ともに圧倒的に女性比率が高い疾患です。売上推移を見ても、2019年度から継続して毎年実績が伸長しています。

甲状腺疾患はまだ認知度が高くなく、ほかの疾患と間違えられやすい症状が多いのが特徴です。当社では、甲状腺専門部署を中心に医療スタッフ向けのweb講演会を実施したり、検査会社と連携して企業の健康診断項目に甲状腺検査値を組み込んだり、疾患啓発活動を行っています。

・ 必要な患者様にしっかり届けられるよう、安定供給の確保も重要な責務と認識しています。また、緊急避妊薬の「ノルレボ」は、厚生労働省にて一般の薬局で購入可能とするか議論がなされています。

スイッチOTCについて。当社グループとしては、今後の政府方針等様々な要望に対応できる体制を整えるため、2024年6月に製造販売承認申請を行いました。

・ 当社グループは、女性の健康への貢献活動として、一般の方向けの情報発信にも取り組んでいます。当社グループ創立100周年を機に設立した「女性のための健康ラボMing+」では、「知ることは自分を守ること。」をキーメッセージとして、毎日が前向きで、健康で豊かな人生を送るためのヒントを発信しています。

また、CSRとして女性の健康課題に向き合うプロジェクトに参画し、製薬会社として正しい知識や情報の共有を行っています。

女性に寄り添った情報発信から、女性の健康を応援する活動を展開しています。

 

【先端創薬による新薬の継続的創出】

・ 製薬企業として継続的に新薬を発売することは、成長のために必須です。

もともと、自前の研究所を神奈川県川崎市に構えていましたが、2020年4月に川崎研究所を閉鎖し、湘南ヘルスイノベーションパークへ移転しました。湘南ヘルスイノベーションパークは、製薬企業のみならず、次世代医療、AI、ベンチャーキャピタル、行政など、幅広い業種や規模の産官学が結集している施設で、テナント・メンバーシップは150社を超えています。湘南ヘルスイノベーションパークで他社や他業種との協業を推進することでオープンイノベーションを加速し、新薬の創出を目指しています。

また、2021年4月にはロンドンにオフィスを設立。既存の海外パートナーとの連携を強化すると共に、海外の製薬企業、バイオテック、学術機関との新規提携を加速することで、新薬の導入や導出を進めます。

・ 現在の当社の開発パイプラインの状況について。LF111は、今年6月に経口避妊剤スリンダとして発売しました。AKP-022は子宮筋腫・子宮内膜症の治療剤で、フェーズ3が進行中。2026年12月に終了予定です。LPRI-CF113は、月経困難症を対象にフェーズ1/2を実施しています。AKP-009は自社創成の開発品で、多嚢胞性卵巣症候群と泌尿器科領域の前立腺肥大症の治療薬として開発を進めています。その他、開発準備中も含め順調に進捗しています。

 

【海外事業の展開】

・ 人口減少や薬価改定などにより、国内医薬品市場は将来的に縮小していくことが想定されます。私たちは、「成長を続けるアジア市場を中心とした事業を確立する」をミッションとして、事業展開を模索。現在、2ヵ国で展開しています。

ベトナムでは、大手製薬会社のハタファー社を連結子会社化しました。

フィリピンでは、Medチョイス社を持分法適用会社化して連携を強化しています。

これらの取り組みにより、海外事業を拡大し、さらなる成長を目指します。

 

・ 当社グループは、医療用医薬品を中心とした事業に注力すると共に、医薬品だけでなく、最近話題のフェムテックやフェムケア、アプリ治療などの事業展開を開始。予防から検査、診断、治療、予後を見据えたトータルヘルスケアカンパニーを目指しています。

 

  1. サステナビリティの取り組み

・ 当社のマテリアリティとして、6項目に集約しています。6項目の中でも特に「女性の健康とアニマルヘルスに貢献する」は、当社の特徴的な最重要課題と捉えています。

・ 当社グループは、人材も重要な財産の1つと考え、人的資本戦略を展開しています。

女性活躍推進の一例として、女性管理職比率は年々上昇し、昨年度は13.5%となりました。2030年に女性比率20%を目標に掲げています。

ワークサポート応援金という、ライフイベントにより一時的に職場を離れるメンバーの業務をサポートした従業員に対して支援金を支給する制度を導入しています。

次世代育成支援では、当社の取り組みが高く評価され、「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」に初選定されました。

ワークエンゲージメントスコアでは偏差値54.7となり、全383社中15位という高い水準となっています。

・ ESGの取り組みと外部評価について。2022年には国連グローバルコンパクトに参加しています。私たちのESGへの取り組みは高く評価されており、FTSE Blossom Japan Indexなどの構成銘柄に選定されています。

そのほかの外部評価として、経産省の健康経営優良法人、日経のスマートワーク3つ星、IR協議会の優良企業、日興証券グループによるホームページ最優秀賞など、多数の賞や認定をいただき、当社の活動は評価されています。

 

  • 経営成績・株主還元方針

 

・ 2024年度の連結業績は、売上高は641億円と、過去最高の売上高を計上しました。産婦人科領域では「レルミナ」や「ドロエチ」、内科領域では「リフキシマ」や「チラーヂン」が伸長したことが主な要因です。

売上原価は328億円で、売上原価率は51.1%となり、前年度から0.1%改善しました。当社グループの製造工場のいわき工場では、脱炭素などESGを重視しながら、コスト削減による収益性向上を図っています。

営業利益は53億円と、前年度に比べ11億円減少しました。これは、研究開発の進捗などにより販管費が増加した影響となります。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度に33億円計上した特別利益投資有価証券売却益が2024年度は1億2,000万円となったことにより、51億円と前年度に比べ24億円減少しました。収益面では前年度に比べマイナスですが、製薬企業として重要な研究開発の進展による影響であるため、事業として順調に進捗していると評価しています。

・ 今期2025年度の業績予想について。中期経営計画2025の最終年度である2025年度は、売上高750億円、営業利益68億円、経常利益68億円、親会社株主に帰属する当期純利益52億円を予想しており、増収増益の見込みです。中期経営計画の達成に向けて、社員一丸となって取り組んでいます。

・ 今年度第1四半期の状況では、今年度からベトナム・ハタファー社の損益を取り込んでいます。第1四半期決算の売上高は、ハタファー社の寄与もあり、193億円を計上しました。一方、利益面は、研究開発費等の増加もあり、前年同期に比べ減少しています。営業利益は、2億7,000万円、前年同期に比べ減少。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に比べ約3,000万円の減少となりました。研究開発費等の経費はおおむね計画通りに進捗しており、国内売上も順調に推移。今年度の目標達成に向け、しっかりと取り組みます。

・ 株主還元について。業績連動利益配分として、連結配当性向30%を目安としています。また、1株当たりの配当金の下限は年間30円とし、業績に連動した利益還元を行いつつ、安定的な配当を維持する方針としています。

2026年3月期は、年間55円を予定しています。

・ ご紹介した資料等については、当社ホームページのIRサイトに掲載されています。女性の健康への取り組みの1つとしてご紹介した健康ラボ「Mint+」や各種SNSでも情報発信していますので、ぜひご覧ください。

・ これからも成長と挑戦を続けていきますので、ぜひ温かく見守っていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

6. 質疑応答

Q1. 製薬業界での御社の強みを教えてください。

A1. 私どもは100年間にわたってホルモンと関わってきた会社です。

特に産婦人科においては医療関係者からの認知もあり、業界の中では「あすか製薬=産婦人科」という認識をいただいていると自負しています。決して大きな会社ではありませんが、ホルモンを中心として産婦人科領域でプレゼンスを発揮している点が私どもの強みと考えています。

自社集計ですが、現在、産婦人科の売上は業界トップ。また、女性に多い疾患でもある甲状腺分野で、圧倒的なシェアを有している点も強みだと考えています。

 

Q2. 武田薬品工業との関連性について、もう少し詳しく教えてください。

A2. 私どもは創業者の山口八十八の頃から武田薬品工業様とはご縁があります。私どもは製薬企業として製剤していますが、独自の販売網を具備していませんでした。そこで、私どもが作った薬を武田薬品工業様の流通に乗せて販売するということを、かつてから行っています。ちなみに、この関係は現在でも続き、私どもの薬を武田薬品工業様の流通で販売するという構造に変わりはありません。

またそれ以外にも、営業現場では武田薬品工業様のMRと色々コラボレーションもしています。子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「レルミナ」を元々開発していたのは武田薬品工業様で、武田薬品工業様から私どもがライセンスを取得し、産婦人科領域で販売するという経緯もあります。

武田薬品工業様とは、このように流通だけではなく、営業や開発の面でも色々とコラボレーションしています。

 

Q3. 海外展開の考え方を教えてください

A3. 近年、急速に経済成長を遂げている東南アジア地域に注力しています。東南アジア地域では、国際基準の医薬品生産技術や高度な品質管理ノウハウなどがまだ追いついていない状況です。これらの点を私どもが補完しながら、日本品質をアピールしつつ、協業して現地の製薬会社の製品ラインナップを拡充することを考えています。

ベトナムのハタファー社は連結子会社化し、私どもの連結決算に取り込んでいます。

フィリピンのMedチョイス社には20%の出資をしています。持分法適用会社で一部の経営成績を取り込む形ですが、すでに色々なシナジーや協業を進めています。

ハタファー社やMedチョイス社とは、今後、私どもの甲状腺領域の薬、例えばチラージンをこの2社に持っていったり、協業する可能性もある。そういったところでシナジーを生み出そうと私どもは考えています。

 

Q4. 産婦人科領域における御社製品の強みを教えてください。

A4. 私どもは思春期、性成熟期、更年期、老年期といった女性のライフステージ別に製品を持ち、様々なところで私どもの薬を使っていただけるのが、強みの一つです。

また、100年に及びホルモン製剤の分野で高品質な薬を届けることも私どもの強みの一つと考えています。

今年6月に経口避妊剤スリンダとして発売したLF111のように、日本初の薬も私どもではいくつかあります。産婦人科のリーディングカンパニーとして、まず日本の中で先駆けて取り組む自負もあります。このようなところが私どもの強みと考えています。

 

Q5. 株主配当金以外に株主優待品は検討されておりますか。

A5. 私どもがメインとしているのは医療用医薬品で、食品メーカーのように自社製品を優待品として提供することが正直難しいところがあります。ただ、あすか製薬メディカルのラインナップの検査キットなどは、優待品として考えられるかもしれません。こちらは引き続き検討させていただきたいと思います。

 

Q6. ここ数年は売上、利益とも高水準で横ばいですが、次の成長戦略を教えてください。

A6. 次の成長戦略として、まず1つは、新薬を作り、導出したり上市することが、我々の社会的使命であり、業績を支えることになります。この辺りは今、パイプラインが拡充。この中から1つでも、また少しでも早く上市させることが私たちの役目であり、株主様はじめとするステークホルダー様に対する我々の使命だと思っています。

また、もう1つの主軸として、海外展開があります。ベトナムのハタファー社やフィリピンのMedチョイス社のシナジーを早急に発揮し、私どもの売上や利益を向上させたいと考えています。

 

Q7. トランプ関税の影響について聞きたいです。

A7. 幸か不幸かと申しますか、私どもは今、アメリカ市場へのアクセスはほぼありません。そのため、トランプ関税に関しては大きな影響はないと社内で考えています。

アメリカ市場へのアクセスは、私どもの将来の経営課題として認識しています。

 

Q8. 御社の女性幹部社員及び女性役員登用の割合を教えてください。

A8. 私どもの女性管理職は足元では13.5%。将来的な拡大を課題として取り組んでいます。

また、現在9名の役員の中で3名の女性役員が就任。それぞれ自分の専門性を生かし、取締役会で存在感を示しています。女性役員の登用も増やしていく所存です。

 

Q9. 女性のライフイベントの変化による月経回数の増加について、昔の女性の生涯の月経回数が約50回という数値は正しいのでしょうか。

A9. 出典先として「Short RV:Proc. R. Soc. LondB. Biol. Sci. 1976; 195, 3-24.」から取らせていただいています。出典先の確認は確かに難しいところはありますが、現在考えられているのは、昔の女性の出産回数は平均約5回。今と比べるとお子様が多い時代だったことから、月経回数も約50回が平均値であっただろうということで、私たちはこの数値を取らせていただいています。

以上

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

大和インベスター・リレーションズ(以下、「当社」といいます。)はこの資料の正確性、完全性を保証するものではありません。

ここに記載された意見等は当社が開催する個人投資家向け会社説明会の開催時点における当該会社側の判断を示すに過ぎず、今後予告なく変更されることがあります。

当社は、ここに記載された意見等に関して、お客様の銘柄の選択・投資に対して何らの責任を負うものではありません。

この資料は投資勧誘を意図するものではありません。

当社の承諾なくこの資料の複製または転載を行わないようお願いいたします。