キュービーネットホールディングス株式会社(6571)
開催日:2025年4月12日(土)
場 所:グラントウキョウノースタワー18階 大和コンファレンスホール(千代田区丸の内)
説明者:代表取締役社長 北野 泰男 氏
1.当社グループの概要
・ 当社は1995年、小西國義という1人の消費者の「このような理容室があったらいいのに」という思いから生まれました。ある日、長年利用している理容室を訪れたときに、小西氏は急な予定が入り、サービスの一部を省いて早めに店を出たいと申し出ました。そこで一部のサービスを省いた分の値引きを相談したところ、断られたという経験をします。小西氏は理容室の長時間拘束に対する疑問と、本当にプロにお願いしたいサービスはヘアカットのみではないかといった考えを持つに至り、当時、バブル崩壊後、皆がお金も時間も余裕がない時代の中で、必要なサービスのみを短時間、かつ、リーズナブルな金額で提供してほしいというニーズは相当数あると見て、1996年11月、東京神田の雑居ビルの1階に1号店をオープンしました。これがQB HOUSEの始まりです。
私は当時、金融機関に勤めており、1人のユーザーとしてQB HOUSEに出合い、その後、経営支援に携わったご縁で創業者からお誘いを受け、2005年に入社しました。2006年に65歳となった創業者の小西氏は引退を決断され、「所有」と「経営」を分離し、「所有」はオリックス社、「経営」は現経営陣が引き継いだ形で現在に至ります。
成長の過程では、駅ナカ中心だった出店戦略を商業施設へと展開し、さらに「フランチャイズモデル」から「直営運営モデル」へ大きく転換を図りました。理美容師が安心して長く働ける環境づくりにも力を注ぎ、2012年には6カ月でプロの技術が身に付けられる「ロジスカットスクール」を設立しました。海外事業についても、2002年のシンガポールを皮切りに事業領域を着実に拡大してきました。2018年には東証1部、現プライム市場に上場し、2024年には創業から28年目で国内累計利用顧客数が3億人を超えました。
・ 当社グループの主な受賞歴として、転機となったのは1999年に受賞した「ニュービジネス大賞最優秀賞」およびウォール・ストリート・ジャーナル社の「ASIAN INNOVATION AWARS」です。われわれの価値観が業界や国境を超えて共感され、国内事業の拡大のみならず、海外挑戦の背中を押してくれる大きな追い風となりました。2024年には、シンガポール政府系団体、Singapore’s National Volunteer and Philanthropy Centerから、「Company of Good Award - 2 Hearts」を受賞しました。社会との調和を目指す企業に贈られる賞であり、理美容業界としては初の受賞です。われわれに誇りを与えてくれるのと同時に、未来に向けてより強い使命感を抱く貴重な機会となりました。
・ 当社グループでは現在四つのブランドを展開しています。「QB HOUSE」は「早い、安い、安心」というコンセプトの下、ヘアカットに特化したシンプルなサービスを効率的な店舗運営によって実現しています。生活インフラとしてのポジションを確立し、多くのお客様にご利用いただいています。QB PREMIUMはカットに加えスタイリングまでを提供するサービスが特徴です。「こだわりのある仕上がり」を求める顧客をターゲットに、アプリ予約や電子カルテを導入し、付加価値の高いサービス体験を追求しています。
FaSSは女性や若い男性をメインターゲットにしたユニセックス型のヘアカットサロンです。「女性でも気軽に入りやすく」、「清潔感もあり安心して利用できる」といったニーズに応える形で生まれたブランドであり、首都圏を中心に展開しています。訪問理美容サービスは、高齢化が進む中で店舗に足を運べない皆さまに対して療養施設で理美容サービスを提供しています。ベッドの上で抱きかかえながらカットするなど、身体への負担を最小限に心掛けた「素早く」「丁寧な」サービスが好評を得ています。
・ 国内では全国で568店舗を展開しています。特に首都圏に集中しており、関東エリアのみで全体の6割と、都市部へのドミナント出店を着実に進めてきました。今後、日本の総人口は30年で約25%減少すると見込まれていますが、関東圏はほぼ横ばいで推移すると予想されています。今後も都市部を中心に効率的で持続可能な出店戦略を進めていきます。海外では、7カ国において全て直営店で132店舗を展開しています。
2.理美容業界の動向と当社の戦略
・ 日本の理美容市場規模は約2兆920億円です。当社の主戦場である「ヘアカットサービス」に注目すると、理容分野では4,200億円、美容分野では3,000億円、合わせて7,200億円のマーケットが存在します。当社サービスの利用者は男性が約9割、女性が約1割です。カット市場のシェアとしては男性で約4.5%、女性で約0.6%を占めています。全体でもシェアは3%に満たない水準であり、今後の成長余地は非常に大きいと捉えています。業界の特性として、上位7社を合わせてもわずか5%の市場シェアにとどまっており、個人経営や小規模サロンが大半を占めるのも特徴と言えます。
・ スライド10ページの上段に示すグラフは日本全国にある理美容室の店舗数推移です。現在、約38万店です。これは、コンビニエンスストアの約7倍の店舗数です。オーバーストアの状態で、かつ、個人店が中心であることから、組織化が進まず、業界全体としては人財育成や働く環境の安定といった面で多くの課題を抱えています。下段のグラフは理美容師資格の取得者数推移です。毎年、美容師は約2万人の資格取得者がおり、理容師はわずか1,000人程度です。個人経営が中心の業界において、キュービーグループとしては組織化を着実に進め、安定した雇用と教育環境を整えることが理美容業界を支える重要な使命の一つである、同時に、当社成長の機会であると捉えています。
・ 理美容室の経営課題として、経営者の高齢化と後継者不足という課題があります。理容室では6割以上、美容室でも半数以上の経営者が60歳を超え、その多くで後継者不在という実情があります。今後さらに高齢化が進み、後継者不在により閉店や廃業の増加が予想されており、QB HOUSEは「利用者」と「働く人」の“受け皿”として機能していけると考えています。
・ スライド12ページの左の図は理美容業界におけるQB HOUSEの立ち位置を示しています。縦軸は「足し算による差別化」、つまり、パーマ、カラー、洗髪、ラグジュアリーな空間演出など、フルラインのサービスを提供し、「癒やし」や「ご褒美」として選ばれるサロン型のブランド領域があります。横軸は、「引き算による差別化」であり、QB HOUSEが目指すのはまさにこちらの領域です。サービスをシンプルに、そして本当に必要なものへ絞り込むことで、手軽さやスピード、コストパフォーマンスの高さを提供しています。「時間を節約し、必要なものをさっと済ませたい」というニーズに応えるQB HOUSE独自の価値提案です。「日経流通新聞」が毎年公表する理美容業界の売り上げランキングでは、現在、業界第2位の売り上げ規模に成長してきました。
・ 国内のヘアカット専門店の競合状況について紹介します。当社は現在、国内外合わせて700店舗を展開し、主力ブランドのQB HOUSEは全国一律税込み1,400円でサービスを提供しています。国内競合としては、九州を地盤とする「サンキューカット」、全国展開する「Cut Factory」、北海道を地盤とする「クイックカットBB」等があります。競合との大きな違いとして、QB HOUSEが10分という時間にこだわっていること以外に、約9割が直営店運営なのに対して、競合はフランチャイズを中心に展開している点が挙げられます。当社も創業当初はフランチャイズや業務委託を軸に展開しましたが、成長過程で困ったのは人財採用や育成でした。現経営陣が引き継いだ後から直営店運営モデルに主軸を切り替えました。人財開発にもしっかりと投資し、「この会社で働き続けたい」と思ってもらえる環境を追求しながら、スタイリストに対して付加価値の向上による持続的な成長実現を目指しています。
・ 出店戦略について説明します。当社の強みの一つは、人の流れをしっかりと捉えた“立地力”にあります。創業当初から「店舗こそ最大の広告塔である」との考え方の下、全国の鉄道会社と関係性を大切に育み、駅のホーム上や構内、外部にある遊休スペースの有効活用を積極的に提案してきました。その結果、現在では全店舗の約4分の1が駅関連の立地です。最近、多く出店している立地は、食品スーパーを核とした地域密着型の商業施設です。デベロッパーとの信頼関係を長年にわたり築いてきたことで、新規開業する施設やリニューアルされる施設への出店について優先的に声を掛けてもらえる機会が増えています。
・ 人財戦略について説明します。理美容業界は国家資格取得にかなりの時間と費用を要します。一方、資格取得者は全国に約200万人いますが、実際に就業している理美容師は4割以下にとどまっています。離職につながる背景には、技術が身に付かないまま卒業するという専門学校の教育制度の不備や、長く過酷な下積み時代、手荒れや腰痛等の身体的負担、さらには、指名制や歩合給制による不安定な収入や働き方があります。当社は業界の課題に真正面から向き合い、「安心して長い間働ける」、「プロとして確かな技術を磨ける」という、この二つの実現を人財戦略の核に定めました。加えて、「何歳になっても最短で手に職がつく環境」をつくることに注力してきました。
具体的には、入社から半年間は日中に集中的な練習ができる環境を整備しました。さらに、洗髪、カラー、パーマを省くことで身体への負担を大幅に軽減しています。指名制や歩合給制を設けず、ライフスタイルに合わせた柔軟な勤務が可能となり、定年制度も撤廃しました。年齢に関係なく長く活躍できる職場環境を整えています。
・ 人財戦略の核となる「ロジスカットスクール」を紹介します。「ロジス」とは、ロジカルシンキングの略語です。意味を考えながらカットすることで、自らの技術を短時間で効率よく高めていけます。2012年にスタートしたこの独自の研修制度は、われわれの未来の成長を支える最重要の“人的資本投資”と位置付けています。一般的な理美容室では、非体系的な指導の下、アシスタント業務を3年から5年行った上でようやくスタイリストとして独り立ちします。長時間労働も当たり前です。その結果、基礎を学ぶ前に大半の新人が業界を去ってしまうことが業界の大きな課題です。その課題解決のために、当社は「ロジスカットスクール」を設けて、一般理美容室の約4分の1の時間でスタイリストデビューを目指せる仕組みをつくりました。「ロジスカットスクール」を卒業し、店舗配属後も、段階的なスキルアップ研修を通じて、入社から3年程度で店長レベルまで成長することを支援し、「手に職を付けて生涯働ける力を育てられる」よう本気でサポートしています。
・ ロジスカットスクールは、現在、国内に6拠点あり、2024年6月時点までの十数年間で育成人財は累計800人を超えました。40代、50代で資格を取得して入社する人は珍しくありません。多様な研修生を育成することは、トレーナー自体の育成力やカリキュラムの内容の進化に大きく貢献しています。また、「ロジスカットスクール」の卒業生が店舗で経験を積んだ後、今度はトレーナーという立場で育成の現場に戻ることを推奨しています。これが人財育成の好循環であると考えており、当社の成長を支える大きな原動力となっています。
アジア各国では日本のような国家資格制度はなく、大半の人が未経験からのスタートになります。香港、台湾では日本と同様の仕組みを導入しており、スクール型の育成モデルはグローバル戦略における大きな強みにもなっています。
・ 海外戦略について説明します。海外展開は二つの異なる大きな軸で進めています。一つ目は、東南アジアを中心とした成長市場での多店舗展開です。経済成長とともに、国民の清潔感への意識が高まるアジアの国々において、日本式のサービスと人財育成カリキュラムをベースに、手頃な価格で多店舗展開し、日常に溶け込む存在を目指しています。二つ目の軸は先進国、北米などの成熟市場への高付加価値展開です。日本の高いカット技術への評価が得られやすい地域では、1店舗ごとの高収益モデルを確立しながら、地域に合わせた丁寧な拡大を図っていきたいと考えています。
3.中期経営計画
・ 2025年6月期を初年度とした5カ年の新たな中期経営計画「NEXUS(ネクサス)」を策定しました。計画の中では、テクノロジーを駆使して、年間約2,000万人を超えるQB HOUSEユーザーの「いつものスタイル」や、来店後の満足度、次回のご要望等をデジタルで蓄積・継承することで、どの店舗、どのスタイリストにおいても、変わらない安心感と高品質な体験が得られる環境の構築を目指すことを最も大きな目的としています。
・ 2029年6月期を最終年度として、連結売上収益355億円、連結営業利益34億円を目指しています。財務面ではROEで10%以上、EPS成長率で年率8%以上という水準の達成を目標に据えています。国内事業では、年間35店舗の純増を可能とする体制を構築しながら、サービスのデジタル化や価格戦略を通じて、既存店のポテンシャルを最大限に引き出していきます。海外事業では、既存国の収益性を着実に改善しつつ、新たな国への出店を積極的に進め、成長の第2の柱として育てていく方針です。
・ スライド22ページでは、創業期からの店舗数と売り上げの推移、そして中期経営計画で掲げている目標を示しています。コロナ禍では一時的に売り上げが落ち込みましたが、価格改定等を通じて収益はコロナ以前の水準を回復しています。直近の人財採用、定着の状況に手応えを感じており、新規出店や新規国への進出を再開し、売り上げ、店舗数共に中長期的な成長を確実に描いていく方針です。
・ スライド23ページでは、過去10年間における当社グループの連結営業利益の推移と今後の見通しを示しています。営業利益率は長年にわたりおおむね8%から10%の水準を維持してきました。売り上げと同様、コロナ禍の影響によって一時的に落ち込んだ利益は、人財採用が順調に進んできたことも伴い、回復に向けて順調に進んでいます。
2023年6月期にはコロナ禍明けの急激な需要の回復に加え、サービス業全体で人財不足が深刻化したことを受け、理美容師の処遇改善が急務と判断し、価格改定を実施しました。このタイミングでは、価格改定の影響を見極めてから給与改善に着手したため、一時的に利益率が上昇しています。中期経営計画初年度である今期は、国内新規出店の加速や、カナダ、ベトナム、マレーシアといった海外拠点の設立によって先行投資が重なる年度であり、一時的に営業利益率は下がる見込みです。ただし、今後、DXによる業務効率化の推進と価格戦略の実行によって、営業利益率10%の回復と定着を一つの目標に据えて、収益力のさらなる向上に取り組んでいきます。
・ 当社では、現在、全国を七つの「重点出店エリア」に区分し、エリアごとの開発戦略を立てています。重点エリアのみでも、具体的に「出店したい」と考えている場所が約500カ所に上ります。重点エリア以外の地域にも有望な立地が300カ所ほど存在していることから、合わせると、国内にはまだ800店舗の出店ポテンシャルがあると考えます。
・ 国内事業の成長戦略について説明します。中期経営計画の最終年度である2029年6月期には、国内の売上高268億円の達成を目指します。達成のためには何よりも人財確保が重要な要素です。採用戦略を一層強化することに加え、全てのスタイリストが働きやすく誇りを持って従事できる職場づくりを目指して、待遇面の見直しは当然のことながら、キャリアの選択肢の幅を広げることや、「ロジスカットスクール」での学ぶ環境の拡充による成長実感を得られる仕組みづくりをすることで、定着率の向上にも取り組んでいきます。
・ 国内の新規出店と人員状況について説明します。コロナ禍の影響により、この3年間は店舗の統廃合を進めてきました。その整理も一段落したことから、今期は新規出店を再開し、2025年上期、もしくは下期に計画している出店については目途が立ちました。来期以降の新規物件の開発にも取り組んでいます。採用についても、上期は少し計画を下回る時期がありましたが、足元では順調に推移しています。退職率も一時期10%を超えていましたが、現在では年率換算で6%台まで改善してきています。待遇改善の効果が確実に表れてきている証しであると捉えています。今後も人財確保と出店のバランスをしっかりと保ちながら、国内事業のさらなる成長を目指していきます。
・ IT・DX戦略を紹介します。これまではQB HOUSEを利便性の高い立地に出店するということが大きな強みでした。これからはそこへデジタルの力を掛け合わせてさらなる進化を目指していきます。具体的に言うと、待ち時間が長いというストレスを可能な限り軽減し、よりスムーズなサービス体験を提供するための新しいモバイルアプリを開発中です。前回の来店履歴や施術内容を見える化することで、よりパーソナライズされた接客が可能となります。また、ユーザーの希望スタイルをデータとして蓄積することで、スタイリストごとの技術差を超えて、サービス品質の均一化を図っていきます。加えて、ユーザーのフィードバックアンケート等を定期的に収集し、ニーズの変化を敏感に感じ取り、顧客体験の向上につなげていきます。新しいアプリは2026年6月期の上期から一部店舗で試験導入し、順次全国に展開していく計画です。
・ 海外事業の成長可能性について説明します。当社は2002年より海外展開を進めてきました。進出から20年以上が経過するシンガポール事業のサービスレベルは、グループでもトップクラスを維持しています。競合が世界一厳しい環境ではありますが、「QB PREMIUM」に業態転換を進めることで、収益力は着実に改善してきています。
2005年に進出した香港は現在60店舗を展開しており、海外の中では最大規模を誇っています。グループの中で最も早くデジタル化を進め、全店舗キャッシュレス化することによって店舗効率化を図り、2025年1月からは5年ぶりに価格改定を実施して、収益性向上に向けた取り組みを進めています。台湾は進出から10年を超え、知名度も高まり、現地鉄道会社との連携も始まって念願の駅立地での出店が加速してきています。来年度からは台南や高雄などにも展開エリアを広げ、さらなる成長を目指します。
アメリカでは、現在、ニューヨークに6店舗を出店しています。サービス価格は35ドル(約5,300円)にまで値上げしましたが、2カ月経過した現在も顧客離れは見られず、日本のカット技術が成熟社会でも高く評価されていることに大きな自信を得ています。今後はニューヨークの店舗数を増やしつつ、他都市への展開にも挑戦していく予定です。国ごとに好まれるスタイルには違いがありますが、共通して「日本の品質」は世界に通用するという手応えを感じており、グローバルにブランドを育てていきたいと考えています。
・ カナダでは2024年8月にトロントで1号店を出店し、2025年6月には世界最大の地下街「PATH」にも2号店を出店予定です。ベトナムでは2025年1月にホーチミンのイオンモールで1号店を開業し、多店舗展開に向けて物件開発を進めています。マレーシアでは、2025年5月にジョホールバルで1号店を出店予定です。
・ 株主還元策について、当社の基本的な考えを紹介します。株主の皆さまへの利益還元を重要な経営課題と位置付け、将来の成長への投資を見据えた内部留保を確保しながら、業績に応じた安定的な配当を継続することを基本方針としています。中期経営計画では配当性向40%を目標に掲げ、安定的かつ継続的な還元の実現を考えています。
・ 株主優待制度の新設をお知らせします。長く応援していただけるファン株主になっていただきたいという思いから優待制度を設けることに決定しました。優待内容は、国内のQB HOUSEで利用可能な無料ヘアカット券の進呈です。2025年6月期初年度については、保有期間に関わらず、1単元以上保有で1枚、3単元以上保有で2枚を進呈します。2026年6月期以降は、保有株式数に加えて、継続保有期間も優待条件としております。
・ 昨今のESG投資に対する関心の高まりと企業の情報開示の流れを受け、当社でも初となる「2024年版サステナビリティレポート」を策定しました。
4.質疑応答
Q1.キュービーグループの借入金に関する考え方を教えてください。
A1.当社グループは過去に数度、株主が大きく変わっています。その株主変更の過程で当社の企業価値を基に資金が調達されたことにより、154億円ののれんと、最大140億円の借入金が発生しました。通常、のれんは事業成長のために他の会社等を買収することによって発生しますが、当社ののれんと借入金については、株主変更時における事業価値から発生しています。
2024年12月末の借入金残高は92億円です。毎期の営業キャッシュフローで事業成長投資を賄いながら、借入金については十分返済できる水準であると考えています。新規出店、リニューアル、DX化など、事業成長投資を優先しながら、中期経営計画の最終年度、2029年6月期末には58億円まで返済を進める予定です。
Q2.2025年6月期の業績予想が昨年度と比較して減益となっている理由を教えてください。
A2.三つの理由があります。一つ目は、価格改定とスタイリストに対する給与改善のタイミングのずれによる影響です。二つ目が最も大きい要素であり、中期経営計画初年度であるため、投資先行になることが利益の押し下げ要因になります。三つ目として、コロナ禍で出店を控えていたことにより、本来、最も成長率が高くなる、伸び盛りである出店3年以内の店舗の数が少ないことも少し影響しています。ただし、今期出店の店舗は翌期以降で成長に寄与していきます。今後利益水準は、今後、十分に改善が見込まれます。
Q3.M&Aについて、同業他社を買収する可能性について教えてください。
A3.当社でも多くの案件を見てきましたが、QB HOUSEが目指す10%の利益率を稼げるような強いビジネスモデルの理美容業はなく、現時点で同業他社を買収する可能性は低いと思います。理美容業では当社が最も生産性が高く効率的かと自負しています。海外で言えば時間の価値を買うという観点で、提携等はあるかもしれません。
Q4.まさかと思いますが、北野社長は他社でカットされていませんか。
A4.17〜18年ほどQB HOUSEを使っており、初めて人の髪を切るという社員にも切ってもらいます。私にとってもスタイリストとの極めて大切な接点となるため、全国のいろいろな店舗で切ってもらっています。
Q5.優待については、当然ながら電子チケットですか。
A5.効率化の面でスタイリストの手間がかからない方法というとやはり電子チケットになると考えています。また、券売機もデジタル化が全て完了したため、そちらで分かりやすくご利用できるようにします。
Q6.経営陣の中に理美容師出身の方はいますか。
A6.経営で最も重要な人財育成領域ではスタイリスト出身の人間がボードメンバーに入っています。私もスタイリストではありませんが、その利点を言うと、常にユーザーの視点でいられます。素朴な質問も遠慮なくぶつけられるため、同業者同士の無駄なあつれきのようなものもなく会話できます。資格を持たない者と混合して事業をしている良さなのではないかと思います。
Q7.業界1位はどこの会社ですか。
A7.「プラージュ」を展開する阪南理美容が総合理美容で業界1位です。ただ、カット専門店としては、当社がナンバーワンだと思います。「プラージュ」は女性用ブランドも展開しており、地方では路面店が中心です。当社は商業施設や駅ナカが中心であり、立地でも競合しない状況です。
Q8.出店戦略について教えてください。
A8.駅からショッピングセンターを出店戦略に追加しており、商業施設で最も出店したいところは、地域の人たちが毎日通う食品スーパーです。非日常型施設ではなく、地元の皆さんが通う施設への出店には今後も力を入れていきます。
Q9.他社でQB HOUSEをまねしているブランドはありますか。
A9.当然ながら存在します。海外ではQC HOUSEを名乗る店舗などがあります。ただ、表面的なところはまねできますが、スタイリストがカット時間10分にこだわってカットするという技術の強み、その人財という資産はまねできるものではありません。
以上
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