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株式会社大和証券グループ本社(8601)
開催日:2025年3月4日(火)
説明者:経営企画部 IR室長  中村 加奈 氏

1.大和証券グループの特長
・ 当社グループは、日本全国182店舗による強固な営業基盤と、世界23カ国の地域を拠点としたグローバルネットワークを有しています。また、連結ベースの従業員数は現在1万5,165人、大和証券がお客さまからお預かりしている資産の合計は約93.9兆円となっています。連結経常利益は、2024年度第1四半期から第3四半期までの累計を年換算した試算値となりますが、およそ2,315億円となっています。
経常利益のうち33%を占めるのがウェルスマネジメント部門で、こちらは店舗やコールセンター、インターネットなどを通じて、主に個人のお客さまや未上場会社のお客さまと取引を行う部門です。38%を占めるアセットマネジメント部門は、投資信託の運用や投資や顧問業などを担う証券アセットマネジメントと、不動産投資信託の運用管理などを担う不動産アセットマネジメント、グループの自己資金で投資を行うオルタナティブアセットマネジメントの3つで構成されています。17%を占めるのがグローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門です。市場部門のグローバル・マーケッツと、投資銀行部門のグローバル・インベストメントバンキングによって構成されます。グローバル・マーケッツは機関投資家と株式や債券の売買取引を、グローバル・インベストメントバンキングは、株式や債券の発行による資金調達、企業の新規上場、M&Aのサポート業務などを行っています。その他には、シンクタンクやシステム業務を担う大和総研などが含まれています。
・ 大和証券グループは今年で創業123年目を迎えます。1902年の創業以来、当社グループの社員たちが培ってきた文化や風土を文字に起こしたものが、1998年に策定された当社グループの企業理念です。「信頼の構築」「人材の重視」「社会への貢献」「健全な利益の確保」の4つからなる企業理念には、社員が心に刻むべき精神やグループ経営の根幹が示されています。この企業理念の中の1つに掲げている「人材の重視」では、当社グループの競争力の源泉は人材であると明文化しています。
・ 当社グループでは、人事戦略を経営戦略の一環と位置付け、競争力の強化に向けて、社員一人一人が多様性や専門性を発揮し、成長や働きがいを感じられる組織を目指しています。採用や育成、人財ポートフォリオ、評価・処遇の各分野を進化させることによって、社員のエンゲージメント向上を目指します。人的資本が生み出す付加価値を最大限に引き出すことで、お客さまの満足度の向上、ひいては中長期的な企業価値、株主価値の向上につながると考えています。
この実効性を確認する手段として、企業業績と相関性の高いサーベイスコア、持続可能なエンゲージメントをグループKPIに定めています。これで強みや課題を把握しながら、改善するアクションを実行するPDCAサイクルを回しています。2026年度末の現中計のスコア目標を80%以上と定めており、2024年度の実績は81%と目標を超過する結果となっています。また、人的資本経営の基盤となるウェルビーイングやダイバーシティ&インクルージョンの観点から、女性活躍推進やワーク・ライフ・バランスの推進をはじめ、性別・年齢にかかわらず社員の持っている力を100%発揮して、活き活きと働き続けられる職場環境の整備に取り組んでいます。
女性管理職比率は、約20年前の2005年度末にはわずか2.8%でしたが、昨年9月末時点の実績では約23%まで増え、およそ4人に1人が女性となりました。また、男女の性別役割分担意識の解消に向け、男性の積極的な育児参画を推進しています。男性の育児休暇取得率は100%に近い数字となっています。

2.グループのビジョンと中期経営計画
・ SDGsの達成期限でもある2030年に向けて、当社が目指すべき姿として「2030Vision」を策定しました。昨年には、事業環境を踏まえて、当社グループのあるべき姿を再考し、コアコンセプトを「金融・資本市場を通じ、豊かな未来を創造する」に改定しました。
また当社グループにとって中長期的に重要な社会課題を把握、整理し、ステークホルダーとの対話などを通じ、「ダイバーシティ&インクルージョン」「人生100年時代」「イノベーション」「グリーン&ソーシャル」「サステナブル経営の基盤」の5のマテリアリティを策定しました。
さらに、2030Visionの実現に向けて、優先的に実施する戦略と政策をバックキャスティングで取りまとめ、2024年度を初年度とした3カ年のグループ中期経営計画“Passion for the Best” 2026を策定しました。この中期経営計画の柱として「お客様の資産価値最大化」を掲げています。お客さまについて深く理解し、経済環境やお客さまの状況に応じた最善・最適で最高品質のソリューションを提供していくこと、そしてお客さまの資産価値、企業価値の最大化に貢献することを目指しています。
・ 中期経営計画の最終年度である2026年度の数値目標として、グループの連結経常利益2,400億円以上、ROE 10%程度を掲げています。これに加えて、安定的で予見可能性の高い利益として、ベース利益1,500億円以上をKPIとしています。ベース利益とは、ウェルスマネジメント部門、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメントの経常利益の合計です。
第3四半期までの累計を年換算した試算値になりますが、経常利益は2,315億円、ROEは10.5%、ベース利益は1,335億円と、2026年度の目標達成に向けて足元順調に進捗しています。
・ 2026年度に向けた中期経営計画の策定に合わせ、新たにサスティナビリティKPIを設定しました。このKPIは2030Visionの5つのマテリアリティに基づき、全てで15項目を策定しています。スライド10ページには、その中から9項目を抜粋して掲載しています。これらのKPIの達成は、社会の持続可能性への貢献のみならず、当社グループの収益の拡大やガバナンスの強化などを通じて、企業価値向上に貢献するものと考えています。
これらのKPIのモニタリングは、各本部およびグループ会社で継続的に行い、認識した課題や今後取り組むべき施策は、社内のサスティナビリティ推進委員会や取締役会へ報告しています。このようなKPIを中心としたPDCAサイクルを回すことで、2030Visionの実現を目指しています。

3.“お客様の資産価値最大化”の実現
・ 日本は個人金融資産のうち半分以上の1,100兆円以上が現金・預金として保有されており、株式等の割合はわずか14%にとどまっています。国・地域別の家計の金融資産構成のグラフで欧州や米国と比較すると、日本の金融資産がいかに現金や預金に大きく偏っているかが分かります。
・ 外部環境の変化について、日々の生活の中で物価上昇を肌で感じる機会が多いと思います。インフレ率は2年8カ月連続で2%を超える水準で推移しており、日銀総裁も今年2月、日本は「現在デフレではなくインフレの状態にある」と言及しました。こうした状況の中、日銀は昨年3月にマイナス金利を解除、その後7月と今年の1月に政策金利をそれぞれ0.25%引き上げ、17年ぶりの水準となる0.5%に達しました。さらに、今後追加利上げの可能性も高まっています。このような30年にわたるデフレの終焉、マイナス金利から金利のある世界への転換、人生100年時代の到来など、日本社会は大きな転換点を迎えています。これからは資産運用をしなければ、現金の資産価値が目減りする「何もしないリスク」があると思います。
昨年1月に始まった新NISA制度は、家計における「貯蓄から投資へ」の流れを加速させる上で、重要な一歩だと捉えています。新NISA導入以降、NISA口座での買い付けに限らず、当社がお取り扱いさせていただく個人のお客さまのご注文が全般的に増加しています。これは資産運用を通じて、自助努力によって資産の目減りを防ごうとするお客さまの意識が一層高まっていることの表れではないかと思います。
・ このような外部環境を踏まえて、お客さまに提供する当社ならではの強みと取り組みを紹介します。
当社には資産運用の専門知識を持ったプロフェッショナルがいます。例えば、フィナンシャル・プランナーの最高峰といわれるCFP資格の保有者が1,617名在籍しています。この数字は国内金融業界で圧倒的トップの数字となっています。当社では、業務外の時間を有効活用してもらうため、19時前退社を推奨していることに加え、若手からベテランまで全ての社員にさまざまな研修や、充実した資格取得支援制度を提供していることが、このような結果につながっていると考えています。また、CFP保有者の中でも特に相続や贈与の実務経験が豊富な相続コンサルタントは全国191名おり、全国の本支店に配置しています。こうした知識を持った資産コンサルタントが、お客さまのニーズに真摯に寄り添い、対面でサービスやソリューションを提供できることは、ネット証券にはない当社ならではの強みと言えます。
・ 人生100年時代の到来を受け、資産運用におけるお客さまのニーズも多様化しています。積極的に投資を行いたい方もいれば、老後の備えとして安定した収益の獲得を目指す方、お子さま世代へ安全に資産を承継されたい方など、目的はさまざまです。当社では、お客さまの金融資産だけでなく、不動産などの非金融資産も含めた資産全体にソリューションを提供する、総資産コンサルティングを推進しています。
最適なポートフォリオを提供するため、当社では資産運用プランニングツールや財産承継プランニングツールなどを活用しています。資産運用プランニングツールは、世界の機関投資家も利用する高度な分析エンジンを搭載しています。このツールを活用し、資産運用のプロである当社の営業員がお客さま一人一人のゴールの実現に向けて、金融資産を分析し、リスクや課題を見える化することで、最適なソリューションを提供することができます。他社に預けている資産を含めたトータルの金融資産の運用効率の見える化は、大変納得性が高く、お客さまから他社にないサービスとして高い評価を獲得しています。
・ 年々高度化・多様化するお客さまのニーズに応えるため、当社ではソリューション力の高さもお客さま満足度向上のために欠かせないと考えています。株式や債券、投資信託など伝統的な商品に加え、不動産売買や相続などのコンサルティングサービス、不動産小口化商品やオペレーティングリースなどのオルタナティブ商品も当社ならではの金融商品として提供しています。
航空機・オペレーティングリースについては、超富裕層や事業会社などのお客さまへのソリューション強化を目的として、昨年11月にアイルランドのエアボーン社と資本業務提携を行い、大和エアボーン株式会社を設立しました。これにより、お客さまのニーズに合わせたオーダーメードのソリューションを提供することが可能となり、さらにお客さまとの長期的なリレーションシップの構築や強化にもつながると考えています。
・ 当社には豊富な運用商品のラインナップがあります。投資を検討し始めたばかりのお客さまは、比較的守りに近い運用商品を望まれる傾向があります。そのようなお客さまに支持されているのが、ダイワファンドラップです。ファンドラップとは、投資一任運用サービスのことです。資産運用のプロである大和証券に資産をお預けいただき、当社独自のテクノロジーとコンサルティングを通じて、最も効率的な資産の組み合わせによる運用スタイルを提案します。さらに重要なこととして、ファンドラップご契約後も、四半期ごとの運用報告書やマンスリーレポートなど、運用状況をお客さまに報告し、お客さまの資産全体の運用の最適化のために、定期的にポートフォリオの見直しを行い、お客さまの満足度向上に努めます。
2007年にダイワファンドラップの取り扱いを開始して以降、当社のラップ口座残高は4兆円を突破しました。長期にわたる安定的な契約金額と純増額の拡大は、お客さまから高い支持をいただいているからだと思います。例えば金融機関が公表するファンドラップの共通KPIにおいて、当社でファンドラップをご契約のお客さまの99%が含み益となっています。また、各社の運用損益別顧客比率のグラフから、運用損益が30%以上プラスとなっているお客さまの割合が、他社と比較しても高いことがお分かりいただけるかと思います。
また、当社のファンドラップはお客さまのニーズに応じた多彩な付帯サービスも充実しています。例えば相続発生時にご家族にファンドラップの資産を現金で速やかに渡す相続時受取人指定サービスや、契約資産の一部を換金して、定期的に指定いただいたご家族に振り込む贈与サポートサービスなどがあります。さらに日本郵政グループとの協業により、2022年5月からゆうちょ銀行でファンドラップの提供を開始しました。その結果、2024年12月末時点で、残高は1,800億円を超えるまで増加しています。このように当社のファンドラップは、多くのお客さまから選ばれる商品として成長を続けています。
・ 当社には業界トップレベルのアナリストが多数在籍しており、高い情報提供力を持っています。若手のうちから社内で人を育てる文化が根付いており、この層の厚さが人気アナリスト調査の高い評価獲得につながっていると自負しています。また、このようなアナリストが所属するグローバル・マーケッツでは、個人投資家のお客さま向けに投資情報レポートの発行、YouTubeでのマーケット情報の配信、アナリストによる大規模セミナーの開催など情報提供も行っています。
このようにお客さまの資産価値最大化を目指した取り組みを進めてきましたが、これは短期間で成し得るものではなく、時間をかけた取り組みが必要不可欠です。そして、何よりお客さまの最善の利益を追求する営業員のスピリットがなければ、この資産管理型ビジネスは実現できません。
・ 大和証券では2017年4月より、NPS(ネット・プロモーター・スコア)というお客さま満足度を軸とした営業戦略へと転換しています。社内で実施しているNPS調査では、スコアはマーケット変動による運用損益の変化と強い相関があることは確認されていますが、その影響を差し引いたとしても、スコアの水準は上昇傾向にあり、取り組みの成果が表れていると認識しています。NPS向上に向けた取り組みは、既存のお客さまとの取引拡大だけではなく、当社がメインターゲットとしている富裕層の新規口座開設にも大いに貢献しています。ダイワ・コンサルティングコースにおける新規口座開設に占める既存のお客さまからの紹介割合は、足元で半数近くとなっており、一定の成果が確認できています。今後は、2024年度中期経営計画で掲げた「お客さまの資産価値最大化」を目指して、よりお客さまのポートフォリオを意識した営業へとシフトし、NPS向上に向けた取り組みをより一層強化していきます。

4.株主還元
・ 2018年度に目標とする半期ごとの配当性向のめどを、40%程度から50%以上に引き上げました。また、2024年度から2026年度の現中期経営計画期間中は、1株当たりの配当額は年間44円を下限と設定し、さらなる株主還元の拡充を行いました。2024年度中間期の配当は28円と、中間配当として過去最高額の還元となりました。資産管理型ビジネスモデルへの移行や、事業ポートフォリオの多様化が進捗した結果、ウェルスマネジメント部門、証券アセットマネジメント、不動産アセットマネジメントのような比較的安定した利益をベースとして、当社グループの連結業績の底堅さが着実に高まってきている自信があるからこそ導入できたものになっています。
・ 当社の株主優待制度は、毎年3月末と9月末に1,000株以上を保有の株主さまを対象に、カタログからお好きな優待品を選べる形で実施しています。例えば3,000株を保有の株主さまは、2,000円相当の優待品を2点、計4,000円相当の株主優待を年2回受け取ることができます。さらに、1万株以上保有の株主さまは、5,000円相当の優待品を2点、合計1万円相当の株主優待を年2回お受け取りいただけ、大変好評をいただいています。
・ 今後のスケジュールについて。次回の配当や株主優待を受け取りいただくための権利付き最終日は2025年3月27日木曜日となります。当社株式を取引いただく際の目安としていただければと思います。投資家の皆さまには、当社ホームページや動画配信サイトを通じて、決算や経営戦略などの情報発信を行っています。今後とも積極的なIRを続けたいと考えています。

5.質疑応答
Q1. オンライン証券に比べて売買手数料が高いと思いますが、手数料は下げないのでしょうか。
A1. 現時点で手数料を変更する予定はありません。手数料に見合った質の高いサービスを提供することが重要であると考えています。
現在、日本では「貯蓄から投資へ」の動きが本格化しており、ネット証券・対面証券を問わず、証券ビジネスにとって大きなフォローの風が吹いていると見ています。その中で当社はどのような付加価値を提供できるか、どこで競争優位性を確立するのかがポイントになってくると思います。お客さまの金融資産が増えると、運用に関してより複雑なニーズを持つ傾向があります。これまでのような株や債券、投資信託など単品商品の売買だけでは、そのようなニーズを満たせなくなってくると考えています。
そのような中で、当社ではお客さまの資産形成を支援するライフプランニングを通じて、お客さまの総資産に対するコンサルティングの強化に取り組んでいます。具体的には、相続や事業承継、税務アドバイス、不動産売買などで、幅広い相談に対応できる体制を整えています。また、お客さまの多様なニーズを満たすために、大和エアボーンなどオルタナティブを含めた商品ラインナップの拡充を進めています。
加えて、営業員のマインドセットを含めた営業体制や評価体制の変革を、時間をかけて丁寧に行ってきました。業界の中でも、ウェルスマネジメントビジネスにおけるサービスの提供には、一日の長があるのではないかと考えています。このように、今後も質の高いサービスを提供し、お客さまに満足いただけるように努め、それにより得た利益を株主の皆さまにきちんと還元させていただく。このようなことを目指したいと考えています。

Q2. 少子化が進む日本で顧客シェアを拡大することは難しいと思いますが、どのような戦略を考えていらっしゃいますか。
A2. 少子化により日本の総人口は減っていくと思います。そうすると、当社のシェアを維持・拡大するのは難しいのではないかと懸念され、この質問をいただいたのだと思います。人口は減少しますが、日本の個人金融資産は増加すると考えています。それは高齢化もありますが、自分で資産を増やすための資産形成ニーズの高まりや、時価の上昇、賃金の緩やかな上昇などが要因となり、日本の個人金融資産は増加をたどると考えています。
特にシニア世代に資産が偏在していますが、当社で推測・予測しているデータに基づくと、足元の個人金融資産に占める60歳以上の割合は63%です。これが20年後には69%に上昇すると予想しています。シニア世代の資産運用ニーズは、相続や税務ソリューションなど複雑なニーズを持っている方が多いため、そういう場合に当社のような対面によるコンサルティングサービスが必要だと考えるお客さまが増えていくと思っています。こうした資産管理型ビジネスを中心に、当社は業績を伸ばしていきたいと考えています。
ただし、シニア世代の方に限らず、比較的若く、投資経験が浅いデジタルネイティブ世代の方へもアプローチを強化しています。例えば2020年にスマホ専業証券の大和コネクト証券を開業しました。こちらではスマートフォンを使った利便性の高いサービスを提供しています。そのようなことを通じて、将来的なお客さま基盤の拡大も同時に図っています。
さらに加えて、当社だけではアプローチすることが難しいお客さまに対して、外部の金融機関との連携を通じたお客さま基盤の拡充にも取り組んでいます。外部連携先として、日本郵政グループや信金中央金庫、四国銀行、あおぞら銀行、岩手銀行など外部の金融機関との提携によって、当社の商品やファンドラップを販売していただいたり、相互送客をしたりする取り組みも行っています。

Q3. 女性活躍推進について、どのような取り組みをしていますか。
A3. 当社グループの企業理念の一つは、「人材の重視」であり、競争力の源泉は「人材」です。人材戦略を経営戦略の一環と位置付け、多様な個性を認め合い、誰もが活躍できる社会、会社の実現を目指しています。当社ではこれまでも時代や他社を先取りする形で、さまざまな取り組みを行ってきました。例えば、2007年に19時前退社を、2010年には短時間勤務制度を導入しました。また、2020年にはコロナの影響もありましたが、もともとあったテレワーク制度を拡充しました。このような働き方改革に真剣に取り組んできました。
女性だけではなく、男性の育児サポートを支援する制度も拡充しました。男性の育児休職取得率が100%近い水準で実現できており、あらゆる社員にとって働きやすい会社に近づいているのではないかと考えています。そのような仕組みを十分に活用して全ての社員が最高のパフォーマンスを発揮できるように環境を整備しています。

Q4. 同業他社やネット証券など、他社との違いは何でしょうか。大和ならではと言えることはありますか。
A4.ネット証券・対面証券を問わず、「貯蓄から投資へ」が本格化する日本で、証券会社の果たすべき役割が高まっていると思っています。ポイントは、どのような付加価値をお客さまに提供し、競争優位性を確保するかです。資産運用で悩んでいるお客さまに対して、投資のプロが的確なアドバイスをすることができるのが当社の強みであると考えています。そのためのライフプランニングや、相続、事業承継、不動産売買など、お客さまの総資産に対するコンサルティング力を磨くことで、ツールの活用も含めて、営業員がフルに活用してお客さまにサービスを提供することが、当社ならではの強みになります。また、そのようなサービスを通じて得た利益をしっかり株主の方に還元させていただく、ということを目指していきます。
このような形で、真の意味で資産管理型ビジネスモデルが確立できれば、証券ビジネスのプラットフォーマーとして、当社のノウハウ、商品やサービス、システムなどを外部の提携先の金融機関にも提供することができます。また、さらなる成長に向けて業界全体を盛り上げることができるのではないかと考えています。

Q5. 今後、賃上げの予定はありますか。
A5. 当社では2025年度は5%以上の賃上げを実施する予定です。実現すると、4年連続での賃上げとなり、過去4年で累計20%以上の賃金アップ率となります。人材は非常に重要な財産です。社員への還元という意味でも、会社として真剣に取り組んでいます。また、既存の従業員のみならず、新卒採用でも優秀な人材を獲得することが重要です。来年度は、新入社員の初任給を、現行の29万円から1万円アップして30万円に引き上げる予定になっています。

Q6. 株主の方からの質問です。御社の株主で、毎回株主優待の申し込みを楽しみにしています。ぜひ今後も続けてもらいたいと思いますが、株主優待制度の変更や廃止は検討されていますか。
A6. 株主優待は多くの株主さまからご好評いただいており、現時点で廃止は検討していません。どうぞご安心ください。当社の株主優待は、年2回、3月末と9月末の1,000株以上保有の株主さまに対して実施しています。カタログから好きな優待品を選べる形です。名産品や日用品、会社四季報もありますし、ラインナップに寄付なども加え、全30種類からお選びいただけます。また、商品は株主の皆さまのフィードバックやご意見などを踏まえて、適宜入れ替えしています。株主優待は、今後も株主の皆さまの期待に応えるべく、継続して取り組む考えです。

Q7. 2024年度第3四半期決算の内容について教えてください。増益の要因についてもご説明ください。
A7. 決算の内容は、スライド27ページに記載のとおり、第3四半期累計の純営業収益は4,717億円、経常利益は1,736億円となっています。現行の連結会計制度が開始された2000年度以降で過去最高となりました。また、第3四半期累計の年換算ROEは10.5%となりました。
好業績の要因は大きく2つあると思っています。1つ目がウェルスマネジメント部門の好調さです。特にBCRED(Blackstone Private Credit Fund)などプライベートアセットを対象とした投資信託や、ファンドラップの販売が大きく伸びました。2つ目として、アセットマネジメント部門の好調もあると思います。アセットマネジメント部門では、運用資産残高の着実な増加や、ポートフォリオの入れ替えによる売却益などもあり、大きな増益となりました。
追加でご紹介したいのが業績KPIです。中期経営計画の業績KPIとして、ベース利益を掲げていますが、第3四半期累計で1,001億円と前年同期比で約3割の増加となりました。ベース利益はウェルスマネジメント部門の預かり資産や、アセットマネジメント部門の運用資産を主な利益の源泉としており、安定的で業績の底堅さを示す指標となっています。このようなベース利益を積み上げることで、当社の業績の安定性を高め、利益水準の底上げを目指したいと考えています。

以上

 

 

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