サンフロンティア不動産株式会社(8934)
開催日:2025年3月15日(土)
説明者:代表取締役社長 齋藤 清一 氏
1. サンフロンティア不動産グループについて
・ 当社は1999年4月に現会長の堀口智顕によって設立。今期で26期目です。会社設立6年目にジャスダック市場に上場し、その2年後の2007年に東証1部、そして現在は東証プライム市場に上場しています。
社員数は、現在正社員が900名、パート・アルバイトを含めると1,750名強の会社です。
・ サンフロンティアという社名は、太陽のサン(SUN)とから開拓者のフロンティア(FRONTIER)を繋げた言葉です。地球上のすべての人を明るく照らす太陽のように、人類社会の幸せのために力強く輝く存在でありたい。そして、社員自ら夢を追い求め、未開の地を開拓するがごとく、次々と新しいことに挑戦し続ける会社でありたい。そのような思いを社名に込めています。
・ 当社は、経営における本質的な考え方のフィロソフィに基づく理念経営を行っています。Credo(クレド)、Mission(ミッション)、Vision(ビジョン)、Value(バリュー)を明確に定め、全従業員が共有する価値観と行動指針として日々の仕事に臨んでいます。
フィロソフィの中で最も重要な価値観は「利他」の心。一生かけてどれだけ多くの人のお役に立たせていただくことができるか。これを生きる目的と仕事の意義と捉え、社会に役立ち、世の中に良いことを成す。そんな社員の集団でありたいと思い、「利他」を社是、クレドにしています。
・ 当社グループ全体の事業構成は、「都心オフィスビル事業」「ホテル・観光事業」「その他事業」です。中核となる都心オフィスビル事業では、不動産再生事業と不動産サービス事業を連携させ、ビルの活用価値を高めています。
・ 各事業セグメントの売上構成比は、全体の63%が不動産再生事業、21%がホテル・観光事業、13%が不動産サービス事業です。
・ 当社設立以来の売上高と経常利益並びに従業員数の推移について。当社は設立後、順調に事業を拡大しましたが、2008年のリーマンショックとそれに続く世界金融危機の中で2期連続の赤字を経験しています。非常に厳しい時期でしたが、社員一丸となり懸命に働いて危機を乗り越え、以降2020年3月期まで9期連続の増収増益となりました。
その後の2021年3月期にはコロナ禍で一旦、減収減益になりましたが、ここでも全社一丸となって奮闘し、しっかりと業績を回復軌道に戻しています。
・ 当社の株価推移について。2009〜2012年の株価は、リーマンショックと東日本大震災の影響により大きく低迷しました。また、コロナショックの際も一旦株価は急落しましたが、急変した事業環境に懸命に対応し、大規模な金融緩和の追い風もあり、株価はV字回復しています。
・ 当期第3四半期の業績について。通期業績は、期初予想通り、売上高1,000億円、経常利益200億円、純利益140億円となる見込みです。
・ 配当は、今期の期末配当金33円を予定しています。中間配当と合わせた年間配当は、前期比8円増の1株当たり66円となる見込みです。
また、株主還元に関する基本方針は、「長期的かつ安定的な利益還元に努める」「将来の成長に向けて積極果敢に挑戦するための投資資金を確保する」「財務基盤の安定性を維持・継続する」。この3つの方針で取り組んでいます。
2. 事業の特徴と強み
・ 当社の事業の中心は、東京都心部にある中小規模のオフィスビル市場です。東京23区にあるオフィスビルの規模別築年数別棟数をみると、市場の特徴の1つとして、バブル期に大量に建築されたビルが築30年ほど経過し、老朽化が進んでいます。これらのビルは、老朽化に伴う設備面やデザイン性の古さなど多くの課題があります。そして、一度空室になると次のテナント入居がなかなか決まらないのも問題です。そのため、ビルの躯体そのものには問題がなくても、建て替えになるケースが多くあります。
当社ではまだまだ使えるビルを簡単に壊すのではなく、時代性に合わせたリノベーションを施し、少しでも長く活用できるビルに変えることが大事だと考えています。それにより資源の無駄遣いを抑えるとともに、CO2排出の削減、ひいては地球環境の保護に繋げることを目指しています。
・ また、当社がオフィスビル事業を都心部に集中特化する理由として、日本の人口動態があります。データからも東京圏への転入者数が増加していることや、今後、日本全体の人口が減少する中でも東京の人口比率が高まっていく見通しが示されています。
このような観点から、オフィスビル事業を行う上で、東京には圧倒的な市場の厚みがあり、そして大きな成長市場であると考えています。
・ 当社は、東京都心部に経営資源を集中させ、オフィスビルに関わるお客様のあらゆるお困り事解決に取り組んでいます。テナントリーシングやビルの管理運営、滞納賃料保証など、オフィスビルの運営に関連するあらゆる事業を都心部で集中的に展開。都心特化のオフィスビル事業が当社の大きな特徴の1つです。
【都心オフィスビル事業:不動産再生事業)】
・ オフィスビル事業の中核となるのがリプランニング事業です。「リプランニング」という言葉は当社の登録商標。古くなったビルを自社で購入し、リノベーション工事を施し、テナント入居を進め、販売する事業です。
老朽化し稼働率が低下したビルを、お客様視点に立ったリノベーションによって時代性や社会性に合ったビルに仕上げ、高稼働の不動産に生まれ変わらせます。
当社では、この事業を進める上で軸となる機能を全て社内に内製化しています。そして、各部が密接に連携して動くことにより、高い付加価値を創出しています。
各機能の内製化と社内の連携力から生まれる強みが、ビルの仕入れ力・ものづくり力・リーシング力・ビルの管理運営力・販売力となり、他社にはない当社独自のビジネスモデルの強さに繋がっています。
・ 渋谷区の地下1階、地上7階建てのオフィスビルの事例について。当社購入後、全館フルリノベーションを行い、各フロアにセットアップオフィスを作りました。セットアップオフィスとは、内装を作り込んだ状態でテナント募集するタイプのオフィスです。
ワンフロアは50坪程度ですが、1階は6区画に分割したスモールオフィスです。2階から4階は2区画に分割。上層階はワンフロア1区画の通常タイプにしています。また、地下1階には各階テナント共有のシェアラウンジや会議室等を設置しています。
スタートアップやベンチャー企業など若い企業が、会社の成長に伴って上層階のフロアへ増床しながら伸びていくイメージのビルです。また、環境配慮の面では、天井にワイヤレス給電で作動するスマートセンサーなどを設置。空調の自動調節によるビルの省エネ化にも取り組んでいます。
このように、築年数が経過した既存のオフィスビルも、街の特性や時代の変化に応じ、かつ最新の技術を取り入れながら最適用途を生み出し、ビルの価値を高めていきます。
・ 不動産小口化事業の事例です。不動産小口化事業では、都心部特化で磨いてきたオフィスビルの活用力を生かし、練馬区や世田谷区などの住宅エリアでの事業にも取り組んでいます。主に保育園やクリニックのような生活に密着した教育、医療関連のテナントや企業が入居するビルを作り、不動産小口所有商品として販売しています。
おかげさまで、これが大変好評で、ビルの購入層が拡大。全国各地にお客様が増えています。地域的な分散投資を求められるお客様の声もあり、現在、大阪エリアでも2棟、新築の医療モールの建築を進めています。
・ リプランニング事業の売上や利益率、仕入れ額の推移について。この事業の元になる既存ビルの仕入れは、コロナ禍で一旦ペースが落ちましたが、直近2年ではコロナ前の水準を上回り、年間500億円台を仕入れています。
リプランニング事業の利益率は30%で、継続して高い水準を維持しています。
【都心オフィスビル事業:不動産サービス事業】
・ 賃貸仲介事業について。当社のリプランニング事業は、古いビルをリノベーションし、時代性に合った最適な用途に変えることで、ビルの持つ潜在的な価値を引き出す。このバリューアップ力が一番の強みですが、その大元にあるのが地域密着で土地勘を活かしたテナント斡旋力です。
当社の賃貸仲介部門は、東京都心部を中心に12支店、約120名の営業担当者が常にお客様に寄り添い、オフィスに関わるあらゆるお困り事の解決に取り組んでいます。
・ プロパティマネジメント(PM)事業では、都心部中心に現在528棟のビルの管理運営を受託しています。この他に、リプランニング事業で商品化している自社保有のビルも加えると、合計600棟近くのオフィスビルの管理に従事しています。
PM事業では、テナントの満足度を高めるために、きめ細やかな管理業務を行っています。また、賃貸仲介部門と協力し、テナント入居の斡旋や適正賃料への条件改定などにも取り組んでいます。それにより高稼働・高収益なビル経営を実現。おかげさまで、管理ビルの受託棟数は年々増加しています。
・ 貸会議室事業は現在、18拠点、合計運営面積9,700坪の貸会議室を展開しています。事業は好調で、積極的に出店し、運営面積の拡大を図っています。今期はこれまでに浜松町と虎ノ門、横浜みなとみらいの3拠点で、合計2,500坪強が新規にオープンしました。
足元ではコロナ禍からの戻り需要といった段階から、さらに一段膨らんだ需要も見受けられます。自社内に大きな会議スペースを持たない傾向が強まる中、必要な時に必要な面積だけフレキシブルに活用できるサービスへの需要が増えています。これらの需要を捉えつつ、今後も積極的に拠点を展開し、事業を伸ばします。
・ 滞納賃料保証事業について。この事業は、ビルのテナント企業が賃料を支払えず、滞納が発生した際、その賃料を当社が保証し、ビル所有者にお支払いするサービスです。
当社では、単に賃料の支払を保証するだけでなく、退去に関する手続きや現状回復、さらには次のテナント募集の手配なども行います。滞納に伴う面倒な手続きを全てお引き受けし、ビル所有者に安心を提供するサービスです。この点に他社の一般的な補償サービスとは差別化した特徴があります。
・ ビルメンテナンス事業について。「東京を世界一美しい街に」を合言葉にし、建物や設備機器類の点検並びに修繕、日常清掃など、ビルのトータルメンテナンスを行っています。特にビルの窓や外壁等の高所清掃や外壁改修工事などを強みにしています。
・ 不動産サービス事業全体のセグメント利益と利益率の推移について。この事業セグメントは、コロナ禍中も含め売上高、利益共に前年を上回り、連続して過去最高を更新。今期も過去最高を更新する見込みです。
【ホテル・観光事業】
・ 当社のホテル・観光事業は、開発と運営の両方を行っています。
開発事業では、新規ホテルの建築や既存ホテルの再生などを行った上で、資産家のホテルオーナーやファンド運営会社等へ販売します。同時にリースバック契約によりホテル運営を継続することを基本モデルとしています。
現在、全国で3,144室を運営。また、建設工事中のホテルは4件、576室。土地取得済みでプラン策定中のものが11件、1,660室あります。これらを合計すると、客室総数は5,400室まで増える予定です。
直近では、来年度中の開業予定ホテルが3件あります。北海道石狩市と兵庫県加古川市、京都市で新規のホテルがオープンします。
・ ホテル運営の足元の業績は大変好調で、毎月、前年比で過去最高益を更新し続けています。堅調なインバウンド需要と国内旅行需要の回復という市場の後押しもありますが、積極的に客室数を増加させている中で、お客様からの高評価が続いています。堅調な市場と客室運営数の増大、そして心温かなサービスに対するお客様のご評価が好循環となり、需要が大きく伸びています。
【その他事業:海外事業】
・ 海外では成長が期待できるベトナムに進出し、マンションを開発。日本の高度な施工技術による建築で、現地の人々に日本品質を体感していただける事業を展開しています。
実績としては、ベトナムのダナン市で2020年に第1号の分譲マンション・HIYORI Garden Tower(ヒヨリガーデンタワー)が竣工・完売しています。
ベトナム・ダナン市での第2号案件は、HIYORI Aqua Tower(ヒヨリアクアタワー)。こちらは住居区画202戸の分譲マンションで、現在工事が順調に進んでいます。第2号案件の竣工は2026年秋を予定しています。
3. 資本コストと株価を意識した経営への取り組み
・ 当社では、ROE(自己資本当期純利益率)の定量目標を現行の中期経営計画で10%以上とし、収益性と効率性、財務の健全性を示す3つの指標を重視した経営を行っています。
まず、経常利益率20%以上を目標とし、収益性の高い企業体質を維持すること。
2つ目に、リプランニング物件のプロジェクト期間の短縮化やサービス・オペレーション事業の拡大により総資本回転率を高めていくこと。
3つ目に、自己資本比率を45%程度の水準に保ちつつ、借入金によるレバレッジを有効に活用することです。
これらの施策を通じ、資本効率の高い経営を目指しています。
・ 当社の株価はコロナ禍を乗り越えて回復していますが、PBR(株価純資産倍率)から見ると、まだまだ割安な水準です。また、株主資本コストは7%程度であり、これを上回るROEを継続的に実現することでPBRは着実に上昇すると考えています。
なお、ROEは今期も14%程度になる見通しです。
・ ROEを高める施策を実行する上で鍵となるのが、当社の経営の強みであるフィロソフィとアメーバ経営です。
・ 利他の価値観を共有する社員同士が一丸となる力と、ベクトルの揃った強い組織風土を醸成するのが当社のフィロソフィ。そして市場直結型部門採算制度の元、全員参加経営により高い生産性を実現するアメーバ経営。この両輪が戦略・施策の実効性を高めていく上で大きな力になります。当社の経営の特徴かつ強みであるフィロソフィとアメーバ経営の両輪を軸に、各種施策にしっかりと取り組み、高水準のROEを実現します。
・ IR活動も強化しています。IRサイトの充実や多言語対応、決算説明会のライブ配信など、迅速かつ公正な情報開示でステークホルダーの皆様との積極的なコミュニケーションを図っています。
4. サステナビリティ
・ 「社是である利他の心を大切に、事業活動を通して持続可能な社会の実現に貢献していくこと」。当社ではこれをサステナビリティ・ビジョンとして掲げ、方針を明確に定めています。そして、サステナビリティ・ビジョンの実現に向け、取り組むべき重要課題として、「環境保護」「地域創生」「人財育成」の3つの項目をマテリアリティとし、具体的な施策を実行しています。
・ 環境保護への取り組みについて。当社の中核事業であるリプランニング事業は、既存ビルの活用力を高めることにより、資源の無駄遣いを抑える環境保護に資する事業です。
老朽化したビルを改修し、長く使うことで、壊して建て替えるよりも環境負荷を大きく減らせます。日本建築学会のLCAツールに基づく試算によると、資源投入量で40%、廃棄物排出量で49%、CO2排出量で19%、それぞれ削減に繋がるとされています。
・ その他のESG関連のデータ等については、大和インベスター・リレーションズのサイトからもダウンロード可能なので、ご参照ください。
・ 「サステナビリティリポート2024」も発行。当社のサステナビリティ経営に関する詳細な情報をまとめています。当社のホームページにアクセスしてご覧ください。
5. 次期中期経営計画
・ 現行中計はこの3月で終了し、4月から次期中計が始まります。新中計は昨年5月に策定。前段として、当社グループが目指す10年後のありたい姿を明確にしました。
長期ビジョンは「限りある資源を活かし、世界を笑顔と感動で満たす!未来価値創造に挑み続ける企業グループへ」。売上高3,000億円、経常利益600億円を目指します。
・ この長期ビジョンの実現に向かい、次の3年間の経営のあり方を定めたものが次期中計です。現行中計最終年度の目標である売上高1,000億円、経常利益200億円を今期しっかりと完遂した上で、来年度からの3年間、新しい中計に取り組みます。
・ 次の中計の基本方針は、「お客様視点のものづくりと心温かいサービスで本業連携多角化を推進し、社会課題の解決に取り組みます」。
・ 定量目標として、最終年度2028年3月期には、売上高1,350億円、経常利益270億円を達成します。また、経営指標としては、現行中計同様、経常利益率20%以上、ROE 10%以上を継続的に達成していきます。
なお、自己資本比率の目標は、現行中計では50%水準としていますが、45%水準に引き下げています。これは、財務の安定性を適正に保ちつつ、資本効率の高い経営を実現すべく取り組む施策の一環です。
・ 次期中計の重点施策は、「人財基盤の強化」「お客様視点のものづくりと心温かいサービス」「本業連携多角化の推進」の3つを重点方針とし、各種施策を積極的に実施します。
・ 次期中計の成長戦略について。注力する3つの市場である「オフィス」「ホテル」「レジデェンシャル」において、リノベーションや新築開発事業とサービス運営事業を組み合わせた事業モデルを進化させていきます。そして、そこで培った不動産活用の技術と専門性を生かし、関連分野の多角化を進め、事業領域とエリアを拡大し、成長を加速させます。
6. 株主優待制度
【当社グループホテルへのご優待】
・ 当社では、株主優待制度として、当社グループホテルの優待割引券を贈呈しています。100株以上保有の株主様を対象に、保有株数と保有期間に応じて最大4万円相当の宿泊割引券を贈呈しています。
・ 優待券をご利用いただけるホテルについて。2022年6月に開業した空庭テラス京都は、京都の中心・四条河原町で温泉を掘って作ったホテルです。京都の町中から望む東山の絶景と、自家源泉の展望露天風呂をお楽しみいただけます。このホテルは昨年8月〜10月に79日間連続の満室稼働を記録するなど、なかなか予約の取れない人気の宿です。
・ もう1つは4年前に開業したHIYORIオーシャンリゾート沖縄です。沖縄本島の中部・恩納村の高台に建てたホテルですが、全てのお部屋から沖縄の青い海を一望できる開放感いっぱいのホテルです。こちらもご利用いただいたお客様から大変高い評価をいただいており、昨年は楽天トラベルゴールドアワードなどを受賞しています。
・ ホテルの評価と合わせ、当社の株主優待券は利用価値が高く、日経マネーやダイヤモンドZAiなど多くの専門誌でも紹介され、推奨されています。実際、株主様の優待券使用率も非常に高く、昨年度は発行額の50%超がホテル宿泊にご利用いただいています。
・ 当社は、本業である不動産活用を通して、持続可能な社会の実現に貢献していきます。そして、企業価値のさらなる向上に努めます。「未来をバリューアップするサンフロンティア」を、今後ともよろしくお願いいたします。
7. 質疑応答
Q1. 連続最高益の原動力は何ですか。1999年の設立以来、様々な環境変化を乗り越えてきた原動力は何だったのですか。また、今後目指される企業像もお聞かせください。
A1. この環境変化を乗り越えてきた原動力は、一言で言うとフィロソフィとアメーバ経営になると思います。
当社では会社設立以来、フィロソフィに基づく理念経営を貫いています。「利他」を社是に掲げ、経営理念は経営の目的と捉えています。その経営の目的とは、一緒に働く仲間である全従業員の物心両面の幸せをしっかりと実現していくこと。そのために、人類社会の進化と発展に貢献する事業に一生懸命取り組むことです。
この経営の目的を達成するために、フィロソフィとアメーバ経営をしっかり両軸で運営する。それにより企業風土や企業文化を作ってきました。
過去の厳しい経済ショックにおいても、その力が機能し、従業員同士が本当に協力し合い、社会の中のお困り事を解決しようと取り組んできた。その働きによる全ての事業の伸びが現在の業績に繋がっていると考えています。
当社が目指す将来像は、サンフロンティア・フィロソフィに掲げている「限りある資源を活かし、新たな価値創造に挑み続け、世界一お客様に愛されるビジョナリー・カンパニーを目指す」というビジョンです。そのビジョン実現に向かって次の3年の中期経営計画やその先の10年後の長期ビジョンを定めています。
この長期ビジョンに向かって展開する具体的な戦略や事業の方向性について。成長戦略は、オフィスとホテルとレジデンシャルの3つの市場で開発と再生に取り組むことです。再生には、既存の建物を活かす再生と建てていく再生があります。サービス運営と施設運営等を相互に組み合わせ、事業の多角化を進め、事業領域とエリアを拡大していくのが成長戦略の姿です。
その中でも特に大事にしたいのは、我々はビルを作って終わり・売って終わりでは決してないこと。その後の運営や管理等を継続的に担い、不動産所有のお客様にしっかりと寄り添い、長期的に信頼を積み上げていく。そんな企業を目指し、取り組んでいます。
Q2. 株主還元方針として、長期的かつ安定的な利益還元を掲げていますが、今後の増配計画の具体的な見通しを教えてください。また、今後、株主優待割引券の枚数増加などを期待してよいでしょうか。
A2. 当社の株主還元の考え方は、事業成長を通して長期的に株主様の期待にお応えすることを大方針にしています。それに応じ、配当を伸ばすことを大事にしています。事業の成長率と配当の伸び率がパラレルに伸びていくよう、しっかりと事業を成長させ、配当も増やす方針で取り組んでいます。
株主優待券は、ホテルのご利用で株主様からご評価いただいています。株主優待は今後も様々な検討を重ね、より良いものに充実させたい。まずは株主優待でご利用いただける新規のホテルを増やします。今年は3件、新たなホテルがオープンします。それに加え、この先3年ぐらいで6〜7棟はオープンする予定です。こういった新規のホテルを株主優待対象ホテルとして加えることで、株主様に当社のホテルをもっと楽しんでいただける。そのような優待券の拡充を図りたいと考えています。
Q3. 東京23区内の老朽化ビルの改修需要について、今後の見通しを教えてください。
A3. 我々は古くなったビルのリノベーションや再生を中核事業としています。都内の中小規模のビルの築年数別の棟数をみると、1990年前後の平成バブルと言われた時代に多くのビルが建ちました。それが現在、築30年程度経過したビルの一群となっています。そして築年数が20〜30年を超えると、老朽化に伴う様々な改修を必要とします。
そういったビルにリノベーションを加えてバリューアップし、高稼働・高収益なビルに変えていく。この市場は非常に大きいものだと考えています。
また、1981年に建築基準法の耐震基準が変わりました。1981年を境に耐震性の高いビルとそれ以前の旧耐震基準のビルに分かれています。以前は震度5強までですが、今の基準は震度6強〜7の地震にも倒壊リスクが少ない耐震性を備えています。
この旧耐震基準のビルは、都内の中小規模のビルの4分の1近くを占めます。つまり4棟に1棟は古いビルが残っている。こういったビルの耐震性の強化や建替需要が大きな市場になってくると思います。
東京の都市のインフラの老朽化について、色々と言われています。このような中小規模のビルも都市のインフラとしての改修や耐震性の強化、建替が大変重要です。そして市場としては大きなものがあると考えています。
Q4. 不動産再生事業で顧客満足度向上のためにどのような取り組みを行っていますか。長期的に顧客との関係を築くためにどのようなことを意識していますか。
A4. 当社のお客様とは、我々がリノベーションして再生した1棟のビルをお買い上げいただく方です。そして、ビルを所有されるお客様のお客様は、入居されるテナント様です。
その意味で、まずテナント企業様が、オフィスとしてそのビルのフロアをよりよく使っていただくことが大切。そのために工夫し、使い勝手の良いオフィスにすることに取り組んでいます。そうすると、入居率が高まり、テナントが入りやすいビルになる。その上で満室稼働になり、賃料が安定したビルをビルの所有様に買っていただいています。
また、購入いただいた後も、売って終わりではなく、ビルの管理受託を通し、長期的に管理運営に携わらせていただく。お客様から安心してビル経営を任せていただくために、内製化したリーシングや管理、滞納賃料保証、修繕などを組み合わせ、不動産の価値向上に努めています。
以上
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