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NISSOホールディングス株式会社(9332)
開催日:2025年3月12日(水)
説明者:代表取締役社長執行役員兼CEO  清水 竜一 氏

1.はじめに
・ 当社は日総工産という会社が中核となる総合人材サービス、人材ソリューションサービスの企業です。スポーツや文化芸術を通じ地域に社会貢献をしています。
・ 当社は工場・製造業派遣部門でオリコンの顧客満足度3年連続1となっています。オリコンというと、音楽のランキングをイメージすると思いますが、この分野(製造系の人材派遣会社)でもオリコンは調査しているということになります。
・ 私の趣味はスキューバダイビングです。実は上場の時には危険だからという理由で9年間ほどスキューバダイビングから離れていましたが、今は安全な場所で息抜きとしてスキューバダイビングを楽しんでいます。またお酒も好きで、行きつけの焼き鳥屋で焼き鳥を食べながら焼酎を飲むのが最高のひとときです。

2.NISSOホールディングスについて
・ NISSOホールディングスは、この業界のパイオニアです。人材業界の歴史は浅いですが、当社は50年以上の歴史を持っています。
・ この50年、日本の産業界、とりわけ製造業は大きく変化を遂げてきています。高度成長期から建設機械、産業機械、自動車、半導体、あるいは液晶に至るまで昨今のAIにひも付くさまざまな分野で、産業の変化とともに成長してきました。
・ 当社の創業理念からビジョンまで記載されておりますが、私どもがこだわっていることは、「働く方々に寄り添いながら、刻々と変化する労働市場の状況を的確に捉えながら、働く方々の満足度を上げるためにどうしたらいいのか」ということで、そこにチャレンジしている会社です。
一昨年の10月にホールディングスとして純粋持株会社に移行したことが決意の表れでもあるのですが、「高い成長力のある企業グループに変革する」ということをビジョンとして持っています。
・ 1971年(昭和46年)にNISSOホールディングスの前身である日総工産のさらに前身である日総工営を創業しました。その後産業界の変化に応じながら業容拡大をしてきましたが、大きな転機は2018年、日総工産が東京証券取引所第一部市場に上場したことです。
働く方々のスキルアップを意識し、産業界で活躍できる人材の育成に注力しながらここまできていますが、2023年、純粋持株会社NISSOホールディングスとして再上場しました。
当社の研修、人の育成には非常にユニークさがありますので、後ほどご説明します。
・ NISSOグループは総合人材サービスと介護・福祉サービスの2つのセグメントで構成されています。
総合人材サービスには人手不足を解消するための人材派遣、エンジニア派遣、人材紹介そして業務そのものをアウトソーシングするものもあります。またDXの推進によるコスト削減あるいは大幅な生産性向上にも力を注いでいます。
介護・福祉サービスとしては施設介護、在宅介護、通所介護などを行っています。

3.事業内容と業績推移
・ ここでは持続的に成長する事業について少し触れたいと思います。今年度の第3四半期の営業利益は前年同期比で30%増加しています。日本国内の人口減少が進んでいく中、人材セグメントの成長は難しいと思われているかもしれませんが、実はさまざまなアプローチの仕方によってはまだまだ成長の余地があります。
・ 来年度から始まる3カ年の中期経営計画では、新しい成長ステージとして積極的にM&A、資本業務提携を行っていく方針です。大変野心的な計画だとおっしゃる方もいますが、連結売上高を1,500億円そして5%の利益体質を維持し、75億円の営業利益を出せる会社をこの3カ年で作っていこうという計画です。5%の利益体質はもうまもなく到達すると考えています。
・ 売上高と営業利益の構成要素として重要なものは1人当たりの月平均売上高です。派遣の場合では、頂いている請求単価と稼働時間をかけたものが1人当たりの月間の平均売上高になり、クオーターごとに限らず日々の在籍人数が非常に重要な要素になります。また、人をどれだけ採るかということも大事ですが、それ以上に人が辞めないようにすることも非常に大事になります。せっかくご縁があって入った方々が辞めなくて済むようにさまざまな手を打っていき、離職率を下げることも重要な要素になります。
・ 私どもグループの売り上げの構成比率は、製造生産系・エンジニア系人材サービスが90%を占めています。日本のそれぞれの大手メーカーと取引をしながら、そのメーカーが求めている人材を派遣し、あるいはある領域についてはアウトソーシングしていますので、当然現段階では、この分野が連結の売上構成比率で非常に大きいものになっています。
先ほどパイオニアという言い方をしましたが、日本のそれぞれの領域のトップランナーである大手メーカーを中心に700社以上の取引をし、全国で1万6,000名以上の方々が活躍しています。特にその企業の中では自動車、半導体、電子部品の分野に力を入れています。
・ 皆さんの身近なもの、例えばスマートフォンや自動車にも当社の従業員が全国で製造しているデバイスが使われています。例えば自動車のアッセンブリという組み立てを当社の従業員が行っていますが、その中にある極めて重要なキーデバイスなども製造しています。皆さんのお持ちの身近なものの中に当社の従業員が作っているデバイスがあるということです。

4.成長戦略
・ 人材派遣のビジネスモデルとして、営業、採用、育成、定着の4つの柱それぞれに成長するための戦略を立てています。
売り上げに係わってくる稼働時間は、お客さまの生産動向、つまり外部要因により影響を受けることがあります。

5.営業戦略
・ まず営業戦略です。オートモーティブ、いわゆる自動車関連、セミコンダクター・半導体関連、そしてエレクトロニクスの3つのインダストリーがあり、この分野で今後必要になってくるであろう人材を採用し、育成し、お客さまにお届けします。それぞれ成長が期待される分野で活躍できる人材をお届けするために、その活躍に必要な場所であるお客さまを取り込んでいくことになります。
・ その中の1つ目がオートモーティブです。実は今この分野は100年に一度の大変革期を迎えると言われています。それは、自動車の自動運転の話題が新聞紙上によく出てきますが、いわゆるつながるということです。自動車が大きな情報端末ということで、従来の売り切りという考え方からつながるという考え方になり、シェアリングサービスや中国にだいぶ水を空けられていますが電動化など、日本の自動車産業もやはりここに力を入れていくことになります。
そのような中で最も大事な部品の1つにバッテリーがあります。まだまだ中国に後れを取っていると言いながらも日本も今のリチウムイオンバッテリーから全固体電池の開発などを行いながら、そこにゲームチェンジをしようと目されていると思われます。この点が非常に重要なところです。
そして電気自動車が増えてくると重要な問題は工場の自動化が進むことです。自動化が進むと、組み立てラインにいるたくさんの人に代わりロボットが製造装置を使いながら自動車を自動的に作っていく、つまりスマートファクトリーになります。
これから大きく変化していく状況の中で、われわれとしては、まずキー部品になるバッテリーの製造に必要な人材育成のため、昨年3月滋賀県に日総EVテクニカルセンターを開所しました。
これから3年、5年たった時に、ニーズが逼迫(ひっぱく)してくると思われる人材を育成することがこのオートモーティブ分野におけるインダストリー戦略になります。
・ セミコンダクターあるいはエレクトロニクスの事業は、広い意味では電子部品と言ってもいいかもしれません。半導体が増えれば、半導体以外の電子部品も数が増えてきます。そのため事業領域を強化するため、今日本各地に産官学でコンソーシアムを立ち上げています。地域の産業局と連携をしながら、必要とされる人材の育成を行っています。
われわれも東北、九州、そして長野県でテクニカルセンターを展開しており、今後アップダウンはあるかもしれませんが、半導体の需要はトレンドとしてますます広がってくると理解していいと思います。

6.採用戦略
 当社は自社の求人サイト「工場求人ナビ」で製造生産系のエンジニアの求人に力を入れ、サイトのプロモーションを中心に月間5,000名以上の応募が継続しています。自社のコールセンターにおいて面接の予約、仕事の紹介をし、採用を強化しています。
 その中で新しい問題が顕在化してきています。5,000名の応募者がありますが、実際に面接に来る方は少し目減りし、そして入社になるとさらに目減りします。ミスマッチにより、当社に入社できなかった方々をそのまま終わらせることは大変もったいないということで、150社以上の人材会社と採用コンソーシアムを提携し、仕事、人の紹介を行う、あるいはHRTech関連企業とともに幅広い分野に人材を紹介するなど、AIを補助的なツールとして活用し、採用を推進しています。結果として採用コストの削減につながっています。
 日本の市場はやはり少子高齢化、就労人口減少があるため、海外に目を向けなければなりません。今後国内で必要となるエンジニアを中心とした専門性の高い専門職を拡大していかなければならないからです。
2030年度に向け在籍数3,000名を目指し、まずベトナムの教育機関5校と協定を締結しました。そこでは日本語の教育、技術の基礎教育などを当社から提供し、勉強をしていただいたのちに、比較的即戦力になるような方々を日本で再度教育し、お客さまにお届けるという取り組みを行っています。

7.育成戦略
・ 苫小牧から熊本まで全国9カ所にテクニカルセンターとトレーニングセンターを設けています。テクニカルセンターでは3つのインダストリーで戦力になれる教育を行い、トレーニングセンターではある程度のお客さまに特化したトレーニングを行っています。それぞれのテクニカルセンターはコンソーシアムに近い場所にあり、その中心には教育機関があります。
・ 製造現場では危険を伴う仕事が多くあります。そのため働く方々がけがをしないよう、安全第一が非常に重要です。そのことが結果的に早期退職の抑制にもつながっています。研修施設では危険体感トレーニングを行っており、従来はアナログ的に行っていましたが、昨年10月からVRを使った危険体感トレーニングをしています。高所からの落下を体験できるコンテンツがあるのですが、実際に体験すると一瞬声が出そうになるくらい非常にリアルなものです。またARやMRを使った設備保全系やエンジニアのための教育コンテンツは現在開発中です。
・ 2023年、熊本に日総テクニカルセンター熊本というテクニカルセンターがオープンしました。九州には半導体の工場が集積しており、このテクニカルセンターでは即座にニーズへの対応が足りなくなったため昨年増床し、延べ床面積が約2.5倍、育成能力が3倍となり、年間300人のエンジニアを育成する拠点となりました。
・ 派遣の業界というのは、ややもすると長く働くことにインセンティブが付かないという言われ方をしますが、当社はそうではありません。本人が保有しているスキルに加え、将来なりたい姿をキャリアプランとして把握し、必要な教育訓練を行うことでスキルに応じた働く場所を届ける、そして本人の処遇を上げていく。そのようなサイクルをぐるぐる回すことで、長く勤めることの意味合いを高めていく取り組みをしています。

8.定着戦略
・ スマートフォンを使い、24時間対応可能な相談窓口、あるいはネット上で本人の満足度などを測ることができるツールを活用しています。またどの人材会社も行っているようなキャリアカウンセリングなどの取り組みをよりきめ細かく行っています。

9.人材育成に重きを置いたビジネスモデル
・ 最近よく見かける人的資本経営という言葉がありますが、人材育成に重点を置くことが、長い目で見れば結果として必ず事業の成長、そして何よりも働く方々の満足度向上につながると思います。働いている方々の満足度を上げながら、結果としてお客さまに高度なサービスを提供し、満足度を上げるというサイクルを回しています。

10.新たなサービスメニュー
・ 昨年、ツナググループホールディングスという会社と資本業務提携を行いました。従来、われわれは不足している人材をどうお届けするかということだけに注力していましたが、それのみでは成長が鈍化するだろうということで、直接雇用されている方々をさらに戦力化する取り組みを始めています。ツナググループと資本業務提携したことで、工場の人事、労務関係の業務をサポートし具現化することが可能になりました。
・ われわれがテクニカルセンターを中心に育成してきたカリキュラムはお客さまから非常に高く評価を頂いています。それが研修受託サービスNISSO HR Development Serviceというものですが、そのサービスによってトヨタバッテリーやTDKなどの会社の他にも20社ほどの企業で新入社員の教育訓練やリスキリングなどのお手伝いをしています。
・ また教育ツールの1つにeラーニングがあります。テクニカルセンターで教育しているものをeラーニングに落とし込み、訓練を受けている方々の予習や復習に使っていただき、また今は広く製造メーカーや人材会社にも使っていただけるような対応もしています。

11.介護・福祉サービス
・ 6カ所の有料老人ホームを運営し、その他に在宅介護、通所介護などを行っています。ただ、当社のサービスは人材会社が運営する介護サービスですので、通常の介護施設と比較して、教育訓練の仕組みが非常に充実していますし、これからの人手不足をにらんで海外の方をしっかり訓練しています。人材会社ならではの介護福祉サービスとなります。

12.株主還元方針と株主優待
・ 日総グループの「3つの安心」のうちの3つ目の安心は、安定した株主還元です。
上場後一貫して配当性向30%以上をわれわれとして対応してきました。コロナでブレーキがかかりましたが、コロナも出口を迎え新たな成長軌道に入りましたので、これからは増配していきたいと考えています。
期待されている投資家の方は多いと思いますが、優待制度を導入しました。われわれはいろいろなものを作っていますが、お客さまに直接お渡しできるものは意外と作っていません。NISSOプレミアム優待倶楽部において株式の数に応じてポイントに交換でき、そのポイントに応じたアイテムと交換できるシステムです。2,000株で5万ポイント、5万円相当となります。1,000株から2,000株へは2.5倍にポイントがジャンプアップします。

13.トピックス
・ 最近注目を浴びている経済アナリストの馬渕磨理子さんと私が当社の成長戦略についてディカッションしたものがアップされています。より詳しく当社の成長戦略をお知りになりたい方はぜひご覧いただきたいと思います。
・ ブランドムービー第2弾では、一般の製造系の企業で働いていた方々が当社の教育カリキュラムを使ってエンジニアに成長していくストーリーが分かりやすく書いてあります。このムービーを見ることで恐らく私どものこだわりが分かるのではないかと思います。
・ 共創により広がり続ける日総グループについて説明します。NISSOグループが真ん中にあり、周りに既に資本業務提携をしている企業や合弁会社を作っている企業などがあります。今社会問題になっている少子高齢化、労働市場の課題、産業界の課題などは1社のみで解決するのは時間が間に合わないということです。そのためわれわれはパートナーとさまざまな形で組んでいきながら社会問題を解決していこうと考えています。特に資本業務提携をしている企業にはヘルステックを行うDOCTORSなどがあります。
・ さまざまなことに挑戦しながら働く方々が将来に夢や希望を持って働ける、そういったグループを目指しておりますので、ぜひ注目していただければと思います。

 

 

 

 

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