ヤマシンフィルタ株式会社(6240)
開催日:2024年12月20日(金)
場 所:シティプラザ大阪 2階 『旬の間』(大阪市中央区)
説明者:取締役専務執行役員 井岡 周久 氏
1.ヤマシンフィルタの強み
・ まず、皆さまのお手元にある私どものマスクの特徴をぜひお伝えしたいと思います。このマスクは、当社が2020年に開発して発売したものです。このマスクを作るに当たって、当社は会社の社是である「仕濾過事(ろかじにつかふる)、フィルタビジネスを通して社会に貢献する」をモットーに、3M社の医療用のマスクN95をベンチマークにして、同等以上の性能のマスクを作ることをコミットして作ったものがこれです。当社は、この中に入っている、ナノファイバーのフィルタの性能を熟知しており、日本でマスクの第一人者といわれている国際聖路加病院の先生とタイアップして作りました。当時の加藤厚生労働大臣、またその後の厚生労働省の大臣等も使われているマスクです。非常にいいマスクですので、ぜひ使っていただきたいと思います。これはこの後説明する、例えば建機で70パーセントを超えるシェアを獲得し続けるフィルタでも使われている、当社の革新的な技術です。また、エアフィルタで第3の柱を今作ろうとしている、新しい事業ポートフォリオの革新的な技術がここに秘められています。
事業の内容に入る前に、当社の特徴を三つ皆さまにお伝えしたいと思います。まず、今説明した「仕濾過事」ですが、具体的には、本業でいえば、液体中の数十ミクロンレベルのごみを究極まで取り続けるフィルタを開発、供給しています。また、エアフィルタは空気中の非常に細かい粉じんまで取り続けます。空気中のごみ、液体中のごみをフィルタで取ることだけではなく、当社が定義するフィルタは、熱を取る、光を取る、またごみを取ると同時にウイルス、直径100ナノレベルのコロナウイルスも究極まで捕集する、音を取る、こういうものを、私どもはフィルタと総称しています。これを具体的に製品化し、社会の役に立ち、持続可能な社会づくりに貢献していく、これが当社のコミットメントです。
それから二つ目です。当社の本業は建機用のフィルタで、これは世界最大手の建設機械メーカーをはじめ、国内の最大手の建設機械メーカーなど、グローバルで多くのシェアを持っている各建機メーカーの標準品として使われています。これから5年、10年にわたり、当社のフィルタが建機の数量増大により、またナノファイバーを使った新しいフィルタによる販売価格のさらなる改善により、継続して売り上げの拡大、利益の改善拡大が図られていきます。一株当たりのEPSがこの3年、5年、7年、10年と拡大していくことを踏まえて、当社は2026年10月から始まるトピックスの見直しの中で、しっかり基準を満たし、パッシブファンドのインデックスに確実に残りながら株価形成をしていこうと考えています。第3の柱である高分子ナノファイバーと有機溶剤の組み合わせでいろいろな付加価値を計りながら、この3年の間に導電性に優れた素材の開発、製品化、また超耐熱性のある合成高分子ナノファイバーの製品化などによって、非常に大きな市場の中で成長を図っていこうと考えて、今開発を急ピッチで進めています。当社の株価は、グロース株に位置付けられると同時に、5年後、10年後のきちんとした成長のエクイティストーリーの中で、国内外の機関投資家の中で非常に評価されつつありますので、その意味ではバリュー株でもあります。本業の建設機械フィルタとして圧倒的なシェアを取りながら、きちんとした利益を出し、株主の皆さまにしっかり貢献していき、将来価値をさらに大きく上げていく、その意味でのハイブリッド銘柄とご理解いただきたいと思います。
そして三つ目です。成長のために必要な資金はきちんと留保しながら、一方で株主のかたがたには積極的に還元していきます。中期計画およびその先の長期ビジネス戦略の中で、私どもはしっかりした利益構造を確立していますので、DOEを3パーセント、5パーセント、3年後には10パーセントまでにする還元のKPIをコミットしています。配当性向も8割を超える還元をコミットしていると同時に、併せて自社株買いも毎年積極的に行っていきながら、株主さまへの還元をしっかり果たしていくことが、今回の中期経営計画の資本戦略になります。
・ それでは、当社のビジネスの具体的な説明をします。まず、本業部分の建設機械のフィルタです。油圧ショベルに代表される建設機械には、このように四つ、五つのフィルタがありますが、これを自社で研究開発し、製造し、各建機メーカーの仕様スペックに合わせてオーダーメードで供給することができるフィルタメーカーです。世界には多くのフィルタメーカーがありますが、原材料から始まり、最終的な製品供給まで垂直統合的な企業は、当社を含めて世界中で確認する限り3社しかありません。ほとんどのフィルタメーカーは、製紙会社から出来上がったフィルタシートを購入し、それを重ね合わせてフィルタとして販売しています。当社はシンクタンクの日本総研とタイアップして、国内外の主要なフィルタメーカー、また大学、研究機関を約1年かけて調べていきました。その結果、当社のようなビジネスモデルは、オイル用フィルタ分野では他にありません。ここがまずヤマシンフィルタの決定的な違いです。
建設機械も電動化が進む流れがあります。それにより、フィルタは最終的には必要なくなるのではないかと思われるかもしれません。しかし、建設機械のエンジンは、主力である20トン、25トンなど大きなものになると、当分はまだディーゼルエンジンが主流です。また、油圧ショベルの実際に作業する部分は、オイルをエンジンで押して、てこの原理で掘削します。これは最も効率的な原理であり、作動油を使った構造は30年、40年多分変わることはないだろうといわれています。当社のフィルタは、そこに標準採用されているところが強みです。
・ 当社は、各建機メーカーとの関係ではTier1のフィルタメーカーであり、世界シェア70パーセントを取っています。建設機械は大体5年に1度モデルチェンジがあります。5年先のモデルチェンジに向かって、各建機メーカーでは3年くらい前から次期モデルの開発設計が始まります。当社はその段階から深くそのプロジェクトに関わり、次世代モデルでのフィルタの提案をしています。
・ ヤマシンフィルタの基本的なビジネスはストックビジネスです。新車用のフィルタを提供し、フィルタは消耗品ですので、年に1回交換します。これを各建機メーカーの補給品部門にのみ販売します。エンドユーザーに売ることは一切ありません。これは、私どもと建機メーカーとの信頼関係が非常に強いからです。利益に関しては、粗利でいくと、このストックビジネスでは、新車向けに提供するフィルタの利益を1とすると、補給品は1.5前後の利益を取ることができるビジネスです。
・ 次は、ヤマシンフィルタがこのようなビジネスモデルの中で、世界の主要な建設機械メーカーのオイル用フィルタとして、ほぼ標準品として採用されるに至った経緯です。当初、戦後すぐに使われていたフィルタは、全て紙のろ紙を使ったフィルタでした。これを当社でも手掛けていましたが、今から47年前、世界で初めてガラス繊維の素材を使ったオイルフィルタを開発し、各建機メーカーに提案して採用になりました。ここがシェア拡大の大きな端緒になっています。
フィルタは、基本的には表面積が大きくなればなるほどライフは延びます。建設機械では、運転席の後ろにオイルタンクがあり、そこにフィルタが設置され、面積は設計上限られています。また、紙を使ったフィルタの場合、通常300時間から500時間で、年間2回から3回フィルタを交換しなければいけないものが一般的でした。その都度メンテナンスしなければならず、ダウンタイムが発生します。これをガラス繊維のフィルタに換えることによって、フィルタの大きさが半分になり、ライフが2倍、1000時間以上持つフィルタを実現することができました。また、長く使いながら数十ミクロンレベルのごみを究極まで捕集し続けることができ、かつオイルがフィルタの中をさっと流れます。このフィルタの三つの重要なポイントを効率的に実現するフィルタを開発して、各建機メーカーに出したことにより、燃費の効率、サイズダウン、製造コスト削減にもつながることから、主要建機メーカーの次世代モデルのフィルタは、私どもが独占しています。
・ 次のモデルとして、建設機械メーカー向けのフィルタの量産体制が既に4年前に整っています。合成高分子ナノファイバーを使って、さらに進化したフィルタの標準採用が来年から本格的に始まります。これは、ガラス繊維のものに比べると、さらにサイズが小さくなって、ライフは3倍、3000時間まで延びます。各建機メーカーにとって非常にメリットが大きいと同時に、その建機を使っていただくお客さまにもメリットがあり、当然私どもにもビジネスの上で大きなメリットがあるフィルタであると思っています。
当社にとって良い点として、現状のフィルタに比べると、この技術の提案によって、各建機メーカーで平均2倍以上の販売単価が実現できました。ライフが3000時間になることから、年に1回のフィルタを含めたパーツの交換が2年半から3年に1回になるので、建機メーカーにとっても機械の付加価値を訴求することができます。当社のナノファイバーは、有機フッ素化合物を一切使わないPFASフリー、PFOSフリーですから、それを使うメーカーにとって、サステナビリティーの面での非常に大きな貢献にもつながっていきます。また、機械を使うお客さまにとっては、ダウンタイムが約3分の1に大きく軽減でき、作業効率も大きく上がっていく付加価値となります。
私どもは自社で、高分子ナノファイバーの研究開発、製品化ができ、各建機メーカーのニーズに合ったスペックによるオーダーメードで供給することができる特徴があります。国内最大手の建機メーカーで、11月の下旬に当社のフィルタを搭載した新しいモデルが発売になりました。各建機メーカーの油圧ショベルにはたくさんの車種があり、毎年どれかの車種がモデルチェンジしていきます。これに私どものフィルタが採用されます。ガラス繊維に比べると、合成高分子ナノファイバーの製造工程は非常に簡略化でき、かつ歩留まりも非常に高く、売り上げが上がっていくと同時に、原価の低減で、利益の面でも大きく貢献できると言えます。世界最大手の建設機械メーカーの次世代モデルでも、当社の製品は来年の10月に、20トンの戦略モデルから搭載が始まります。今後このアメリカの最大手メーカーがさらに5年かけて全てフルモデルチェンジをしますから、ここで私どもの売り上げ、利益の拡大改善が大きく図られていきます。中期計画はちょうどその3年期間の入り口ですが、開示した一株利益も大きく改善していく流れの中で、株主還元を積極的にしていきたいと考えています。
ナノファイバーの特性には大きな特徴があります。液体中や空気中のごみを取るだけでなく、光を取る、熱を取る、音を取る、ウイルスを取ることが実現できます。コロナ前は、建設機械用のフィルタの量産体制が整った後に新しいポートフォリオをつくるために、素材として入りやすい部門であることから、アパレル関係で開発を進めていた時期がありました。例えば、紳士服のコートの内側に当社の素材を使ってもらいました。また、生物多様性やESGの観点から、国内最大手のアパレルメーカーが羽毛の代替素材を探していたときに、当社のものを選定いただき、コロナ前はプロジェクトが二つ走っていました。そのメーカーの開発部門といろいろ試験をしたところ、当社の素材を使うことによって、ダウンの3分の1の厚さで同等の保温性を実現することができました。また、真冬暖房の効いている満員電車に乗ると、汗をかいて不快指数が100パーセント近くまで上がりますが、ナノファイバーを使うことによって不快指数は70パーセントに抑えらます。これは、汗や湿気を吸着する効果もあるからです。このように、次世代の素材の大きなヒントとして進んでいた時期がありましたが、コロナになって生活様式が一変する中で、プロジェクトはいったん終了しています。
当社も2020年3月期から24年3月期の間は、コロナ禍でいろいろ事業構造の改革をしなければならず、そのためのコストが発生したことから、新しいポートフォリオの開拓に向けての開発部隊を他のプロジェクトに振り向けざるを得ない時期がありました。しかし、本業の建機用ナノファイバーフィルタの開発が終わって供給体制が整い、ナノファイバーを使った、新しいエアフィルタの供給体制も整っていますので、3本目の柱として、5年、10年かけて、大きな市場の中に私どものこの高分子ナノファイバーを使った新しい素材で価値を見いだしていこうと、本格的な人の投資、また外部の研究機関との共同開発が、今急ピッチで進んでいます。今回の中期計画の中は、この第3のポートフォリオに関しては、具体的、定量的なものは入れていませんが、来年度以降、プレスリリースによって皆さまにそのステータスの情報の共有を積極的に進めていきたいと考えています。
2.新たな価値創造の取り組み
・ これは具体的なビジネスの流れです。世界最大手の建設機械メーカーには、約3万社のサプライヤーがあります。その中で当社はトップ7に選ばれ評価されています。QCLDMという評価シートがあって、品質、コスト競争力、納期管理、開発力・提案力、経営の質、これらを複数年かけて定量評価をされた上で、トップ7にノミネートされて表彰を受けています。この会社は油圧ショベルだけではなく、さまざまな種類の建設機械、世界最大のディーゼル発電機、軍艦などに使うスクリューを回すためのタービンなども含めて製造販売している世界最大手のメーカーです。ここが、他社から購入しているフィルタを当社製に変えていくということで、先方の生産計画に合わせた生産量について、具体的な打ち合わせが今進行しています。国内の最大手建設機械メーカーに比べると北米は数倍の年商があり、ここに供給するフィルタメーカーとして私どもが最優先で提案、製造、供給する権利をいただいています。これは中期計画期間中に具体的なものが決まり始めている段階であり、この数字も中期計画には入れていません。これは次の事業年度以降に順次開示していこうと思っています。
・ これは、新しいナノファイバーを使ったフィルタの広がりです。来年から本格的に5年かけて、各建機メーカーで当社の新しいものに置き換わっていきます。売価が2倍以上違い、原価も非常に改善効果が高いので、このようなグラフになっていきます。
・ ストックビジネスの中で、消耗品のビジネスが非常に利益性が高いとお伝えしましたが、これは私どもに限らないことで、各メーカーの補給品部門が積極的に消耗品のビジネスの拡大をしていこうと図っています。現状のガラス繊維を使ったフィルタはコモディティーとなっていることから、交換のタイミングでイミテーションのメーカーがかなり入ってきています。日本やアメリカなどでは、建機を使うお客さんは法人が比較的多く、中古車市場に出す場合の価値を維持するために純正品を使うケースが多いので、ここをいかに各建機メーカーと私どもが一体となって取り組んでいくかがテーマです。
・ これを実現するのが先ほどのナノファイバーです。今、私どものレベルの量産化技術を持っているところは、シンクタンクが調べる限りまだありません。これは当社にとって、また各建機メーカーとっても千載一遇のチャンスです。これを積極的に展開していこうと、私どもは各主要建機メーカーとグローバルマーケットの中で戦略を練り、具体的な戦術に落としていく取り組みが始まっています。
・ 当社のナノファイバーは、今問題になっている有機フッ素化合物を一切使っていません。PFASフリーのフィルタ素材です。このPFASフリーの素材が製造供給できるメーカーも、少なくとも私どもが知る限り、現状まだありません。これも非常に大きなチャンスです。ですから、これを日本のみならず、欧米市場に展開していこうと考えています。
・ 私どものエアフィルタの最も高スペックな製品であるNanoWHELPやNano Airといった製品があります。これは、非常に高い捕集性能を持っています。皆さまにお渡ししているマスクで使われているフィルタも、このNanoWHELPを搭載しています。大気中の数百ナノレベルのウイルスを非常に効率的に捕集することができます。一般のマスクのフィルタは、ごみを取る場合は、ほとんどが静電気によります。静電気をフィルタに帯電させて、それを製品として販売しています。ですから、マスクを1日使うと、呼吸気の中の水分で静電気が中和されて、性能が一気に落ちます。だから使い捨てなのです。一方で私どものマスクは、フィルタが物理的にごみを捕集します。ナノファイバーのフィルタには、数十ナノという穴が何億と空いています。この穴のところに異物が来ると、穴に挟まって取れるのではなく、近くに寄って来たものを磁石のように吸着して離さない、そのような特性があって、水蒸気が付いても全く性能は落ちません。洗濯機で20回、30回使っても、性能はほとんど落ちません。これが当社のフィルタの特徴です。これをエアフィルタとして実現しています。コスト面も、ランニングチェンジの中で大きなコストアップになることはありません。私どもは自信を持ってこれを開発しており、今営業活動を本格的に始めています。
・ コロナ後、本業を含めてフィルタ開発が軌道に乗っていますので、3本目の柱をしっかりつくっていくために、昨年高分子ナノファイバーの知見を非常に深く有する世界最大手の化学メーカーの研究開発者をハンティングしました。彼をコアにしながら、新しい事業領域に向かっていこうとしています。合成高分子ナノファイバーの広がりは非常に広いです。その中で、この3年の間に、大きく二つのスコープを決めています。
・ こちらがまず一つです。マーケットとしては、私どもの推定では、2023年10兆円、これが28年には1.5倍ぐらいまで広がります。ここに向けて、合成高分子ナノファイバーに特殊な機能を持たせるための独自開発が今始まっています。製品として早く世に出して貢献していきたいこともありますから、私どもの所在地である横浜に比較的近いつくばの産業総合研究所の部署とタイアップして、特殊な作り方、有機溶剤の組み合わせ等の開発を進めながら、素材の製品化を今推進しています。
・ そして二つ目は導電性です。アパレル用のスポーツウェアや医療で使われる用途で見込まれる、非常に高い性能を有する導電性のある素材の開発も並行して進めています。この辺りは、ヤマシンフィルタの3年後、5年後、10年後の企業価値に大きく影響を与えるものです。本業部分の建機ではしっかり稼ぐ力を強化していきながら、一方で5年後、10年後を見た企業価値を大きく上げるための研究開発、製品化をしっかり進めています。建機用のフィルタメーカーであると同時に、ごみを取る、光を取る、熱を取る、音を取る、ウイルスを取る、このようなフィルタを合成高分子ナノファイバーで実現していこうと考えています。素材そのものは、多様なものを私どもはもう既に製品化できます。化石燃料系の素材を使った高分子ナノファイバーだけではなく、サトウキビ、トウモロコシなどを原材料にした合成高分子ナノファイバーの製品化、またマスクを捨てると時間の経過とともに土に返る生分解性ナノファイバー、このようなものは全て製品ラインアップとして整っています。用途に合わせて、お客さまのニーズに合わせて、素材そのものを量産供給することができる、このような技術の確立は既に終わっています。
・ 中期計画の期間の中も、本業部分を含めて、さらに成長、生産量増加が見込まれますが、既に2018年、19年で、当社は100億円のファイナンスをしています。そのタイミングで、私どもは量産工場をベトナムに新しく造りました。3年前から稼働が始まっています。アメリカの最大手の建機メーカーや国内のメーカー、また世界最大のアメリカの農機具メーカー向けの新しい建設機械の標準採用も数年前から決まっていますので、そこに向けた投資が全て終わっています。ナノファイバーを製造する機械も、佐賀の工場を新設拡大し、投資が全て終わっています。建機用のフィルタ、エアフィルタ、それ以外にマスクや先ほど話したような用途のための機械設備、量産設備は、同じ製造ラインで作ることができます。投入する材料を変えることによって、同じラインで製造することができ、非常に効率的な作り方になっています。
3.資本コストを意識した経営の強化
・ このようなものを踏まえて、中期計画の間、当社としてはしっかり稼ぐ力の中で、成長のために必要な資金は、そちらのほうに留保する一方で、株主還元を積極的に行っていきます。DOEを10パーセントまで上げていきます。上場企業の中で、ここまで配当に関してコミットした数字を出している会社は、決して多くないと思っています。併せて株主還元の一環として、自社株も毎年しっかり行っていこうと考えています。
・ 数字のほうは、ホームページ等で見ていただければと思います。
最後に、当社の本業部分での稼ぐ力はしっかり契約ベースの中でエビデンスがあります。EPSを大きく改善拡大することができます。将来の3本目の柱が大きな企業価値を生むこともしっかりコミットして進めています。間違いなくこの辺りはバリュー株であり、またグロース株であり、国内ではしっかりパッシブ運用の中でのインデックスに入っていくコミットメントをしていますので、ぜひ期待していただければと思います。
4.質疑応答
Q1.トランプ銘柄といわれているヤマシンさんですが、実際のところどうなのでしょうか。
A1.最近よく投資家さんからトランプ銘柄ということで、株価も思惑で動くなどしています。確かに次の政権になれば、当社にとっては各建機メーカーさんとの市場での実需は非常に大きく影響を受けると思います。天然資源の開発規制の動きなど、いろいろなものが想定されるのではないかということは、アメリカ最大手の建設機械メーカー辺りからは流れてきています。私どもとしては、その辺りをしっかり受け止めていこうということです。
当社がトランプ銘柄と言われる背景として何があったかというと、8年前にあった最初のトランプさんの選挙です。選挙結果の当日、朝から夜までWBSというテレビ番組の放送クルーが入り、当社に一日中いました。それが私や社長を含めて流れたものですから、そこからトランプ銘柄と言われ、株価が一気に上がっています。それで皆さん期待されているのではないかと思います。実際、建機需要が増えたと同時に、ナノファイバーを使った新しい素材のアプリケーションの開示もしています。それを踏まえて、2014年に上場してこの間、株価は12分割しています。それが今の数字になっていることをご理解いただきたいと思います。トランプさんに関しては、期待もしていることは事実です。
Q2.競合他社はどこですか。
A2.競合他社としては、アメリカ、ニューヨークに上場している総合フィルタメーカー、ドナルドソンという会社があります。こちらはエアフィルタが主力ですが、この会社は資本力があります。また、長年の技術開発をしっかり行っている会社ですので、将来間違いなくナノファイバーの技術に関しては、コンペティターになるものと思っています。ただ、シンクタンクと調べる限り、現状はまだ量産化の技術はできていない状況ですので、私どもとしては一気に刈り取っていこうと考えています。
当社は5年後を見据えて、高分子ナノファイバーにさらに特殊な性能を持たせる開発を始めています。液体がフィルタを通るときに抵抗があります。これは静電気を発生します。静電気は建設機械のオイルの汚れ、劣化につながるものですから、これをどのように改善していくかが、各建機メーカーの研究開発のテーマです。これに向けて私どもは、ナノファイバーの特性をさらにレベルアップして、次の5年後を見据えた提案、開発を進めています。競合が追い付く前に、さらに進んだ技術の確立を今進めています。
以上
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