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ウシオ電機株式会社(6925)

開催日:2024年12月20日(金)

場 所:シティプラザ大阪 2階『旬の間』(大阪市中央区)

説明者:代表取締役社長  朝日 崇文 氏

 

1.社会を支える光

・ 「光」と言うと、太陽光や照明のあかりなど、目に見える光を思い浮かべる方も多いと思います。目に見える光は可視光線という波長領域のものです。可視光線よりも波長が短い光として紫外線があります。紫外線は日焼けの原因といったイメージで知られていますが、人の目には見えないものの、強いエネルギーを保有し、固める、検査する、除菌するなど、さまざまな用途で技術利用されています。可視光線よりも波長が長い光として赤外線があります。同じく人の目には見えませんが、強い熱を発するという特徴があります。当社は可視光線以外に紫外線・赤外線といった波長領域にも着目し、それぞれの特性や性質を理解し、洗う、検査する、並べる、固める等、光をエネルギーとして利用することで、光によってできることを増やしてきました。

・ 可視光線の基本の色となる光の三原色は赤・緑・青で構成されます。ウシオのロゴの色は赤、緑、青の真ん中、つまり光の中心であるグリーンを使用しており、常に光の中心にあり続けたいという思いを込めています。

・ 社会のどのような所でウシオの光が使われているのか、事例を紹介します。私たちの身の回りにあるスマートフォン、パソコン、自動車、家電など、あらゆるものに半導体が使用されています。生活が便利・快適になっていく上で半導体の進化は欠かせません。その半導体の製造工程で紫外線を活用した当社の製品・サービスが多く採用されています。具体的には、半導体の中の配線を描く露光やウエハーの洗浄等に活用され、半導体の進化に大きく貢献しています。

・ スマートフォンや液晶テレビで使用されている液晶パネルの製造工程でも当社の技術や製品・サービスが活躍しています。その中でも特徴的なものとして、近年、液晶パネルの進化により非常にきれいな画像・映像をスマートフォンや液晶テレビで楽しむことができるようになりました。そこには紫外線を使ったウシオの光配向技術、光で液晶分子をきれいに並べる技術が採用されており、液晶パネルの進化に貢献しています。

・ エレクトロニクス分野のみならず、皆さまにより身近な病院や公共施設でもウシオの光は活躍しています。新型コロナウイルス感染症まん延以降、環境衛生に対する意識がさらに高まりました。当社の人体に悪影響を及ぼさない紫外線波長である222ナノメートルを利用した抗ウイルス・除菌技術は有人環境でも使用可能であり、医療現場、介護施設など、安心・安全な環境が求められる場所で活躍しています。

・ エンターテインメントの世界でもウシオの光は活躍しています。迫力ある映像を味わう映画館での上映に使われるプロジェクターと、その中で光を出しているランプは当社の製品です。高精細かつ迫力のある映像づくりを通じて、感動や驚きの提供に貢献しています。また、近年、万博やワールドカップ等の国際イベントや世界的なテーマパークで、大空間かつ立体的な映像演出をするプロジェクションマッピングが増えていますが、そこでも当社のプロジェクターが使用されています。なお、2025年に開催される大阪・関西万博において、メインイベントの会場となる大催事場に対して、ステージのみならず全方向でのプロジェクションマッピングが体験できるプロジェクションシステムの提供が決まっています。大阪・関西万博をウシオの光で盛り上げていきます。

・ オフィスや家庭でも当社の光が活躍しています。プリンターやコピー機の中で、トナーを定着させる熱源にウシオの光が使用されています。 ウシオの製品は家電量販店等で見かけることはないと思いますが、皆さまの目の届かない所で産業の革命・進化に大きく貢献しています。

 

2.当社の紹介

・ 当社は1964年に創立し、本年で60年を迎えました。その原点は「光をあかりとしてだけではなく、エネルギーとして利用し、新しい光市場を創造する」という創業者の牛尾治朗が掲げた着想です。当時、光の用途の大半はあかりしかなかった時代です。創業当時の牛尾治朗は33歳、社員の平均年齢は23歳と、若い集団での船出から始まりました。「1. 社会を支える光」で紹介したように、創業当時の考えを変えず、今も継承しながら、多彩な光を提供し続け、以来、光の専門メーカーとして社会に貢献してきました。

・ 当社は産業の革命や時代の変化、潮流とともに事業を拡大し続け、そして、今に至っています。例えば高度経済成長期を迎えた1970年代にJAXAに対して大型のソーラーシミュレーター用クセノンランプを納品しました。当社はこの開発で培った光学系設計技術、照明系設計技術によって、世界で唯一のソーラーシミュレーター向け光源ユニットメーカーとしての地位を確立し、今日の光学関連装置の基礎となっています。

プラザ合意により円高ドル安が進んだ1980年代には、 生産の国際化、海外進出を一気に進め、香港、米国、オランダ、台湾に次々と新しい工場を立ち上げました。当時の海外進出は、産業界の中でもかなり早い決断でした。

アナログからデジタルへの大きな技術革新が起こった1990年代には、より小さく、より薄く、より微細な技術が求められる中、強力かつ効率が良くクリーンなエネルギーとしてウシオの光がエレクトロニクス分野の技術革新を支えました。

シネマ業界をフィルム時代から支えてきたウシオの光は、2000年代に入ってからのデジタル化、そして2Dから3D、さらには4Dへの進化に対応し、デジタルシネマプロジェクター等を販売しており、シネコンの普及や市場規模の拡大につながりました。 

2010年代にはスマートフォンやタブレット端末が急速に普及しましたが、その製造プロセスに欠かせない当社の事業が大きく飛躍しました。

2020年代の現在は、これまで培った光技術をライフサイエンス分野へ展開するべく事業育成を進めています。また、IoTやAIに関する最先端半導体技術の進展に貢献すべく、製品ラインアップの強化を図っています。 

・ 活動の根底に流れる、ステークホルダーの皆さまへの約束は、「未来は光でおもしろくなる」です。これは、当社のコーポレートスローガンです。私たちは「『光』とは何か。」を追い求め、「光」には「未来を変えてしまう力」があると信じてきました。 その信念に基づき、世の中の進化や発展に貢献してきましたが、「光」にはいまだ解明されていないものがあると言われています。当社は新たな「光」の解明と用途開拓を通じ、社会課題の解決に挑戦し続けることを目指します。

・ 会社として特徴的な指標を紹介します。一つ目の特徴は、グローバルカンパニーとして海外売上高比率は75%を超え、海外従業員比率も50%以上であり、世界をマーケットに事業を展開している点です。二つ目の特徴は、経営の安全性が高い点です。強固な歴史と経営基盤を持ち、配当性向もおおむね40から50%台を維持しています。社外取締役は取締役会の過半数以上であり、ガバナンス強化にも力を入れています。

・ ウシオは四つの分野で事業を展開しています。半導体や液晶パネルなどのエレクトロニクス関連を中心としたインダストリアルプロセス事業。映画館や商業施設における映像演出等を中心としたビジュアルイメージング事業。光技術の新たな活用による成長を目指すライフサイエンス事業。フォトニクス技術を通じて社会発展に貢献するフォトニクスソリューション事業。以上の四つです。

・ 事業セグメントと主な事業領域について具体的に説明します。インダストリアルプロセス事業では、半導体やフラットパネルディスプレー、電子部品等のエレクトロニクス分野向け装置、その装置等に組み込まれるランプ、そして、EUVリソグラフィマスク検査用光源等を展開しています。

ビジュアルイメージング事業では、映画館向けのデジタルシネマプロジェクター、テーマパークやイベントでのプロジェクションマッピング等に使われる一般映像用プロジェクター、そして、それらプロジェクターに組み込まれるランプを主に展開しています。

ライフサイエンス事業では、環境衛生や医療分野向けに自社製の治療器具、その器具やユーザーの製品に組み込まれる光源を主に展開しています。

フォトニクスソリューション事業では、幅広いアプリケーション向けにLED、レーザーデバイス、モジュールを展開しています。

いずれの事業でも装置とそれに組み込まれる光源を展開することで、アフターサービス等の高い付加価値を提供し、お客さまの問題解決に貢献することを目指しています。また、装置・製品導入後はランプ等の消耗品交換需要が生まれ、ストック型の安定的な収益をもたらすビジネスモデルになっています。

現在、売上高の大半がインダストリアルプロセス事業とビジュアルイメージング事業で成り立っていますが、今後はこの売り上げ基盤を維持しつつ、成長が見込めるインダストリアルプロセス領域にさらに注力することで、事業拡大を目指していきます。

・ 当社が培ってきた強みは二つあります。一つ目は、グローバルなマーケット接点とパートナーシップを持つことです。

・ 先述のとおり、当社は早い段階から世界をマーケットと捉え、海外展開を進めており、全世界がウシオのマーケットです。したがって、付加価値の高い製品・サービスをワールドワイドに展開することが可能です。グローバルに生産・開発・販売基盤が備わっていることで、パートナーとの協業やサプライチェーンの分断リスクの軽減、生産の効率化にもつながっています。

・ 二つ目は、「光をあやつる力、光で解決する力、光をたもつ力」です。お客さまに先回りして、社会課題を察知する力を高め、光源や装置・製品の提供にとどまらず、アフターサポート等のサービスを含めて形にし、総合的に社会課題を解決してきています。

・ 光のプロフェッショナルとして、モノクロからカラーへ、アナログからデジタルへ、ノートパソコンやスマートフォン、液晶テレビの普及において、技術革新のボトルネックをウシオの光で解決してきました。そして今後のIoTやAIの進展における貢献を目指しています。

・ 以上の結果、当社はライフサイクルが長く、シェアの高い製品を多く生み出してきました。光のニッチトップとしてのポジションを確立しながら、安定かつ持続的に成長し続けています。

 

3.新成長戦略:Revive Vision 2030

・ 2024年5月に公表したウシオの新成長戦略について説明します。

まず、足元の状況ですが、光源などの既存製品の売り上げは安定しているものの、成長は鈍化しています。サーバーやパソコン等、生成AI関連を除く従来の半導体の市況が低迷している影響もあり、現在はPBRが0.9倍の状況が継続しています。このような状況を踏まえ、「新成長戦略:Revive Vision 2030」を策定しました。新成長戦略では、ポートフォリオ変革による経営効率化の取り組み、生成AIに関連する半導体市場での成長、そして株主還元強化を含む財務戦略により、PBR1倍超えを実現することを目標に掲げています。

・ 新成長戦略では、「『光』のイノベーションカンパニー」として、「インダストリアルプロセス領域を主体にお客様とともに成長」 していくことを目指しております。

・ 2030年の目指す姿の実現に向け、2024年度から2026年度をPhase I、2027年度から2030年度をPhase IIとしています。 Phase Iでは戦略分野の再定義による「ポートフォリオ変革」を実施することで、ROE8%以上を達成し、PBR1倍超えの早期実現を目指します。 Phase IIではPhase Iでの成果を最大限活用し、「事業の着実な成長」を実現することで、ROE12%以上の達成を目指します。

・ 基本方針として、「経営効率を重要視した成長戦略」を掲げています。具体的には、投資やリソースを成長分野であるインダストリアルプロセス事業へ集中、規模を追わず利益率を追求、成長投資と資本効率を両立することの三つを方針として実行します。 新成長戦略の目標達成を目指すに当たり、より実効性の高い事業戦略と財務戦略を策定、計画の厳格なモニタリングを実施することで、各施策を着実に実行していきます。

・ 参考値として業績目標を紹介します。Phase Iの1年目となる2024年度は、先述のとおり、生成AI関連を除く従来の半導体の市況低迷と次年度以降の成長に向けた投資拡大の影響により、営業利益率が落ち込みますが、翌年度以降再び右肩上がりに転換します。新成長戦略の各施策を着実に実行することで、最終年度となる2030年度には営業利益率12%以上を目指します。

・ 事業別の戦略を説明します。 インダストリアルプロセス事業では、成長分野である半導体アドバンスドパッケージ市場でのプレゼンス拡大と注力分野の選択と集中による高収益化を目指します。サーバーやパソコンなどに関連する半導体市況の低迷により、足元はいったん踊り場となりますが、今後、IoTや5G、AIの進展などに伴い、ビッグデータ時代の到来という大きなメガトレンドが待ち受けており、市場の回復による再成長を見込んでいます。 このメガトレンドに向けて貢献できる成長製品として、半導体後工程のステッパ露光装置、ダイレクトイメージング露光装置があるのみならず、2023年12月に発表したアプライド・マテリアルズ社との業務提携により、今後の半導体パッケージ基板のさらなる進化にも対応できるデジタルリソグラフィ装置が新たに加わる予定です。これにより、生成AIに関連する半導体パッケージ基板のあらゆる進化にも対応できる製品のフルラインアップ化が実現します。 その他、将来の成長ドライバーとして、半導体サーマルプロセスや検査・分析用途でウシオの光の貢献が期待でき、半導体分野に注力していくことで中長期的な成長を確実にしていきます。

・ 半導体アドバンスドパッケージ市場でのプレゼンス拡大には、半導体装置の製造で世界をリードするアプライド・マテリアルズ社との提携によるデジタルリソグラフィ装置の事業化および成長拡大が欠かせません。既存の露光装置にこの装置を加えることで、アドバンスドパッケージ市場でのあらゆる用途やニーズに対応し、2030年度に向かって着実に成長を拡大していきます。

・ ビジュアルイメージング事業では、収益性の改善と向上への取り組みを強化していきます。コロナ禍以降、大空間で人々が集まって体験すること、感動を共有することは人間が生活する上で欠かせない大事なものであることが再認識され、プロジェクションマッピングなどの高度な映像演出ニーズや映画館の稼働は戻ってきました。2005年以降、お客さまで使用されてきたデジタルシネマプロジェクターの製品寿命到来による置き換え需要は引き続き堅調に推移しています。

一方で、プロジェクター用光源については、固体光源化の影響で市場縮小が見込まれるなど、一部製品では今後の市場成長が限定的と考えられるため、これらの製品は規模を追わず、経費削減への取り組み等による収益性の改善と向上に注力していきます。

・ ライフサイエンス事業では、社会課題解決に貢献する新規事業の育成を図っていきます。本事業では既に紫外線による光治療器や紫外線を使った除菌装置など、光技術を応用した製品を提供しています。今後、気候変動対策、食料対策、健康寿命の延伸といった社会課題に対してウシオの光が貢献していくことで事業の着実な成長を追求していきます。社会課題に対応するための新たなアプリケーションには、インダストリアルプロセスやビジュアルイメージング領域で培った光技術の応用展開、有望事業の選定などが欠かせません。

・ インダストリアルプロセス事業からライフサイエンス事業へ光技術を応用展開した事例を紹介します。私たちはインダストリアルプロセス事業において、1990年頃から、高品質かつ高精細な性能が求められる半導体や液晶パネルの製造工程に対してエキシマランプという特殊な光源を提供してきました。これにより、非接触かつクリーンに不必要な有機物を除去する工程を可能にしています。この技術を水平展開し、その後、人体に悪影響を及ぼさずにウイルスや菌を除去する紫外線技術「Care222(ケアトゥトゥトゥ)」を開発し、それを応用展開して製品化しました。そして現在、医療施設や一部の公共施設などで採用されています。 これは、エレクトロニクス分野で活躍している製品・技術を、環境衛生分野に応用展開し、事業化した事例になりますが、このようなイノベーション創出により社会課題への対応を目指します。

・ フォトニクスソリューション事業では、収益性の高いモジュール事業を中心とした事業体制を推進しつつ、M&Aやパートナーシップを通じて事業成長を実現していきます。半導体を含む世の中の技術進化に伴い、光源の固体光源化やエネルギー効率の向上が求められています。また、今後はARやVRなどのメガトレンドにより、新しい技術を活用した市場も本格的に拡大していくと見込まれています。このような成長が期待できる市場に対し、ウシオの光源が貢献できるよう積極的な投資やお客さまとの協業を推進することで、事業の育成と成長拡大を目指します。

・ 財務戦略について説明します。ウシオの課題として、PBRの改善があります。新成長戦略では、掲げた戦略の実行による営業利益率の改善と株主還元の拡大による資本最適化によりROEを改善していきます。また、計画を着実に実行し、成果を上げるべく、厳格なモニタリングによる実効性向上を図ることで、PERを高め、早期のPBR1倍超えの実現を目指します。

・ M&Aを含む成長投資としては、Phase Iの3カ年で400億円以上を投資していきます。インダストリアルプロセス領域を中心に、成長が期待できる分野に絞り込み投資を実施することで、Phase IIでの着実な成長拡大と目標達成を目指します。

・ 株主還元の基本方針は安定的かつ継続的な利益の還元です。 新成長戦略ではPhase Iの期間に1株当たり70円の下限配当を設定し、増配を計画しています。自社株投資は2024年度から2026年度の3年間で合計500億円から600億円の実施を予定しており、2024年度には総額300億円、総数2,000万株を上限とした自己株式の取得を公表し、5月より買い付けを進めています。以上の取り組みにより資本最適化を図っていきます。

 

4ESGへの取り組み

・ 新成長戦略では引き続き事業成長とESGの両軸での目標達成を目指します。最終年度の2030年度に向け、ウシオの重要課題を五つに絞り込み、「5つの経営フォーカス」として社内へ周知しました。また、ステークホルダーの皆さまにも共有し、取り組みを進めています。

・ 重要課題への取り組みについて大きく二つをピックアップして紹介します。一つ目は「新規事業の創出」です。10年後から30年後のグローバルでの社会潮流、社会課題は、SDGs等で語られています。それらの社会課題に対して、ウシオの光技術で貢献できるフィールドはいまだ数多くあります。 現在、当社ではインダストリアルプロセス事業において、半導体サーマルプロセス、半導体パッケージプロセス、バッテリー製造プロセスを注力分野の一つとして定め、半導体デバイス性能向上によるDX実現への貢献を視野に技術開発を行っています。 ライフサイエンス事業でも、カーボンニュートラルの実現を目指す地球温暖化対策や、世界の食料不足や飢餓をゼロにする食料対策、パンデミック抑制を含む、健康寿命の延伸等への貢献について検討しています。

・ 二つ目は「人的資本の向上」です。この中では二つの重点課題を置いています。 一つ目は、「ビジョンに近づくための人財の質向上」です。新成長戦略の目標達成に向け、成長分野である半導体関連事業において、競争力ある人財育成を視野に入れたリスキリングを行うとともに、最適な配置や人件費コントロールなどを実施することで、メリハリの利いた仕組みを作り、質の向上を目指します。 二つ目は「成果を上げやすい職場環境作り」です。エンゲージメントサーベイの結果に基づく施策を検討するとともに、各社員が自業務とマテリアリティの結び付きを意識することにより、エンゲージメントの向上、さらには企業の発展へとつながる相乗効果の獲得を目指します。

当社の企業理念には「会社の繁栄と社員一人ひとりの人生の充実を一致させる」というものがあります。設立後間もない頃から給与水準の引き上げと休日の増加を掲げた長期計画を策定するなど、当社は社員と企業の繁栄の一致を追求してきました。人的資本の重要性を創業当時から認識しており、今でもその考えに変わりはありません。

重要課題への取り組みの詳細は統合報告書に掲載しています。ぜひご覧ください。

・ 当社は世界最大の年金運用機関であるGPIFが運用する、国内株式を対象とした六つのESG指数全てに選定されています。事業の成長もさることながら、ESG経営を実践し、社会に求められ、認められる会社であり続けたいと考えています。

 

5.本日のまとめ

・ 当社は60年以上にわたり、「光をあやつり、カタチにする」ことでさまざまな社会課題の解決に貢献してきました。光にはまだまだ可能性があります。当社の強みを生かし、これからも光のニッチトップポジションを構築し続けていきます。そして、成長分野であるインダストリアルプロセス事業を中心に社会課題を解決する光のイノベーションカンパニーとして、10年後から30年後の中長期的な成長を目指していきます。

・ 当社ホームページの投資家情報サイトには個人投資家さま向けにウシオの成長性や取り組みを発信するコンテンツを用意しています。ぜひご覧ください。IR開示後、適時にメールでお届けするIRメール配信サービスも行っているため、ぜひ登録をお願いします。

 

6.質疑応答

Q1.半導体関連事業の具体的内容と売り上げ割合を教えてください。

A1.半導体の前工程・後工程の両方でウシオの光を提供しています。全体の連結売上高の中で30%強が半導体関連の売り上げです。前工程ではウシオの光源や光源ユニット、後工程では露光装置およびそれに関わる光源を製品としてラインアップしています。

 

Q2.競合会社はどちらになりますか。

A2.各事業により競合は異なります。ランプで言うとドイツのOSRAMが最大の競合です。ステッパ露光装置では米国のOnto Innovationです。直描式のダイレクトイメージング露光装置では、日本ではオーク製作所やSCREENホールディングスが挙げられます。映像装置事業のシネマ向けで言うとベルギーのBarcoが最大の競合です。一般映像向けハイエンド領域ではBarcoの他にもパナソニックやエプソンが挙げられます。

 

Q3.今期の業績は厳しいようですが、来期以降はどうなりますか。

A3.半導体市場は生成AI領域を除き、世界的に良好ではなく、当社も影響を受けています。映像事業領域でも、2023年にハリウッドでストライキがあり、本年は大作となるような良いコンテンツが少なく、映画館の稼働も低い状況です。一方で、特に半導体等のインダストリアルプロセス事業向けで将来に向けての先行投資を積極的に行っています。以上のような背景で、本年度の業績は一時的に低迷する見込みとなっています。しかしながら、半導体の特に後工程、アドバンスドパッケージ市場は、世界的に拡大していくことがほぼ約束されています。中長期先を見据え、当社もそれらに対して先行投資を多く行っている状況であり、今後の大きな成長を目指しています。

 

Q4.活況な生成AI半導体分野ではどのように関わっていますか。

A4.後工程に関わっています。生成AI向けのチップは高密度・高精細なパッケージ基板や、インターポーザーなど、何層にも重なる基板が必要になります。そのパッケージに使う基板に対して、当社の露光装置の高い技術が貢献できます。特に、アプライド・マテリアルズ社との協業によるデジタルリソグラフィ装置では、極めて配線の細いインターポーザー基板等に貢献可能です。その他にも前工程で従来型のランプが貢献しています。

 

Q5.トランプ政権発足により関税や半導体規制などではどのような影響が想定されますか。

A5.現時点では大きな影響はそれほどないのではと想定していますが、一部で、中国で生産し米国へ輸出しているプロジェクター等の商品があります。大きな関税がかかると、その分の影響が出てきます。米国内はそれほど多くの競合がいない状況ではあるため、関税があっても当社製品の需要への影響は小さいかもしれません。そうはいっても、関税によって価格は上がるため、マーケット的には少し冷え込む影響があるかもしれません。また、米中の摩擦が大きくなり、中国経済が影響を受けると、半導体領域を中心とするインダストリアルプロセス事業等への影響も出てくる可能性はあるかもしれないと考えています。

以上

   

 

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