アステリア株式会社(3853)
開催日:2024年12月12日(木)
場 所:オービック御堂筋ビル2階 オービックホール(大阪市中央区)
説明者:代表取締役社長/CEO 平野 洋一郎 氏
1.会社概要
・ アステリアとはギリシャ語で星座を意味します。輝く星をつなぐことによって新しい形、新しい価値が生まれます。当社は「ソフトウエアで世界をつなぐ」をコンセプトとしています。地上にもさまざまな星があります。それは人であり、会社であり、物です。そのようなものを「つなぐ」のがアステリアの社名に込めた思いです。
・ 本社事業は企業向けのソフトウエアメーカーです。国内でAI専業の子会社を持っており、海外ではシンガポールや中国に開発の拠点を置いています。SpaceX等、米国での企業投資も行っています。国内ではMujinというロボット会社にも投資をしています。
ソフトウエア業界では、基本的に先端技術をソフトウエアという形にして企業へ届けています。例えばノーコードは最新の取り組みです。ノーコード推進協会はサイボウズ等と共に発足しました。ブロックチェーンは2016年から取り組んでいます。さらには新しい働き方、ウェルビーイングの追求をしています。AIやロボット時代でも働く人たちがより新しい形で生産性を上げていく。このような取り組みを進めています。
・ 私は熊本出身です。TSMCで盛り上がりを見せる中、当社も熊本オフィスを2020年に設立しました。東京一極集中を避け、昨年は軽井沢にもオフィスを設立しています。関西とのご縁で言えば、私自身が京都大学のMBAコースで特命教授を務めています。
・ 日本には多くのソフトウエア開発会社があります。NTTデータをはじめ、富士通、日立、NEC、SCSK、パナソニックインフォメーションシステムズなどが挙げられます。それらの企業は受託開発を中心にしていますが、当社は製品開発という別のビジネスモデルを取っています。
・ 製品開発では不特定多数向けに開発をします。未来に何が必要となるのか自分たちで考え、設計をし、開発し、2年後あたりに提供を開始します。一方、受託開発では、顧客の注文どおりに開発をして納品します。製品開発の会社はそれほど多くありません。NTTデータをはじめ、製品を持つ会社は数多くありますが、製品売り上げよりカスタマイズや導入支援、コンサル等の割合が大きい企業が圧倒的に多いと言えます。
・ Google、Apple、Microsoft等は個別の企業から注文書をもらい開発する仕事などはしていません。ソフトウエアの最大の利点は作ったそのものをコピーできるところにあり、だからこそMicrosoftやGoogleのOfficeやデータベース等は世界中で使用され、貢献することが可能です。日本のソフトウエアが海外へ出ていけないのは受託開発が主であるところに原因があります。受託開発した同じソフトウエアを他の会社では使えません。世界的に活躍する企業はソフトウエアの利点を最大限に生かしています。
最近ではChatGPTのOpenAIが取り沙汰されています。OpenAIも個別開発ではなく、一つのソフトウエア、ChatGPTを開発し、それをユーザーがカスタマイズします。これがソフトウエアの利点です。コピーができるということは工場が不要なことのみならず、提供もインターネットを利用して一瞬で可能です。以上が製品開発のモデルであり、アステリアはその製品開発のみを手掛けています。
2.IT業界を取り巻く環境
・ IT業界も例に漏れず、人手不足の状況です。経済産業省の試算によると、2030年に最大79万人、最小でも41万人が不足するとされています。先日も、いくつもの自治体において国の言った年限にデジタル化が間に合わないと報道されました。経済産業省も技術者育成等を行っており、リスキリングによってIT分野の技術者ではなかった人材をIT人材に育成する取り組みや、あるいは、若年世代、小学校からプログラミングを教えています。しかし、5年後の2030年に間に合うのかという話です。
・ アステリアの創業年である1998年に経済産業省は「5年後にIT人材が20万人不足する」と言いました。2001年には「ITコーディネーター制度」が始まり、人材不足解消の制度がしっかりと稼働しているにもかかわらず不足する人材が増えてしまっており、間に合わない状況が浮き彫りになっています。発想・方法の転換が求められています。
・ DX実現は今以上に大変なものとなります。経済産業省は日本企業のDXが進まなかった場合に予想される2025年以降の経済損失を「2025年の崖」と表現しました。民間企業はますますIT人材が必要となるにもかかわらず、逼迫した状況に陥っています。
・ この問題に対する一つの答えはノーコードです。2024年問題によって、運輸や建築、医療業界における残業規制が始まり、その不足分を補うためにもDXを進めています。このような事態は政府の政策やルールの変更によってこれからも次々に起こってきます。だからこそ「2025年の崖」があり、人材が足りなくなります。その答えとしてのノーコードがなぜ必須なのか。次の項目から説明します。
3.IT人材不足の救世主 ノーコードとは?
・ これまでコンピューターの制御にはコードを書くことが必須でした。プログラマーが何万行とコードを書いてコンピューターを制御しソフトウエアを作ります。資料に示すコーディング(プログラミング)画面を見ても、ITの専門家しか理解できないと分かるのではないでしょうか。ここでノーコードという技術革新が起きました。
「ASTERIA Warp(アステリア・ワープ)」では、フローチャートを書けばコンピューターが制御できます。「Platio(プラティオ)」では、項目を設定すればスマートフォンのアプリができます。専門知識を必要とせず、コードを1行も書かなくてよいからこそノーコードなのです。
・ ノーコードこそ技術革新であり、IT技術者でなくてもシステム開発ができることによって人材不足への救世主となり得ます。アステリアは創業時からノーコードに注力をしてきました。最初のノーコード製品を提供したのは2002年であり、22年の実績があります。ノーコードは開発のみではなく、変更(改修)が可能なところも重要な点です。自分で作れる。自分で変更もできる。これまで、出来上がってきたシステムを変えたい際は再度外注をしなければならず、何カ月、何百万円という時間や費用が必要でした。ノーコードであれば手元で変更が可能です。
・ 数多くの事例から本日は資料に三つの事例を掲載しました。中小企業である裕生の代表取締役社長がノーコードでスマホアプリを作りました。現場には人手もお金も余裕がない中、社長自らがアプリを作ったわけです。京セラでは、物流事業部に所属する入社2年目の新人の方が、物流倉庫の管理に関するスマホアプリを開発しました。豊通リサイクルでは現場の工場長が自分でスマホアプリを作りました。このような世界が可能になるのがノーコードです。IT人材ではない人がアプリを手掛けることが可能です。
4.ノーコードへの取り組み
・ ノーコードへの当社の取り組みを紹介します。当社は四つの製品・サービスを提供しています。一つ目が先述の22年前に提供を開始した「ASTERIA Warp」です。22年の間、バージョンアップをし続けてきており、現在では上場企業をはじめ1万社以上で活用されています。第1号ユーザーはソニー、第2号は京セラですが、今や中小企業まで広がっています。国内のデータ連携市場でシェア50%超を誇ります。
二つ目が先ほど紹介した「Platio」です。三つ目は、「Handbook X(ハンドブック エックス)」です。今後、社会はヒエラルキーから自律・分散・協調型の社会へ移行していきます。その時に人々が属するのは一つのコミュニティーだけではありません。「Handbook X」は複数の人やグループ、コミュニティーがつながって出来る世界の情報共有ツールです。四つ目は、「Gravio(グラビオ)」でありAIやIoTをつなぐ製品です。センサー、カメラ、ロボット等の機械をつなぎます。今のお話で分かるとおり、当社の製品は全て「つなぐ」をコンセプトにしています。
・ 「ASTERIA Warp」は業務システムとクラウドをつなぎ、通訳の役割も果たします。データの表現の違いや通信手順の違いを橋渡しします。それらの処理は全てノーコードで行われます。「Platio」では、アプリの画面のどこにどのようなデータを入れるか、地図を入れるか、QRコードを入れるかを感覚的な操作だけでノーコードにて作ります。作成したアプリはAppleの審査やGoogleの審査は必要とせず、完成次第即座に使えます。だからこそ3日でアプリ開発ができ、改良も行い続けられます。
例えば熊本県小国町には約70人の職員しかおらず、システム予算は年間2000万円ほどしかありません。毎年一つのシステムが作れれば上出来という状況でした。今や「Platio」を導入し、20以上のアプリを開発され、デジタル化は次々に進んでいます。
・ 「Handbook X」では、つなぐ領域を拡大しており、中小企業からフリーランス等もつないでいきます。AIも自動化の一部であり、AIの最先端を「Gravio」でつないでいます。
5.AIへの取り組み
・ 私たちはさらにAIへ力を入れていきます。私が言うまでもなく、AIはこれから圧倒的に伸びていく分野です。ITの新しい技術には流行り廃りがあります。AIにもこれまで4回ほどのブームがありましたが、今回はさすがに廃れません。人間の能力を初めて超えたのがその理由です。生成AIは人間にできないことまで生成します。特に、直近の大きな進展として、OpenAIは12月5日から22日の間に12個もの新サービスを発表しました。このような動きは今後も続いていきます。
・ 当社はAI企業になるわけではありません。「つなぐ」という領域にAIを積極的に生かしていきます。「ASTERIA Warp」でも「Platio」でも「Handbook X」でも「Gravio」でも、全ての製品でAIを活用します。さらにつなぐ先を増やしていきます。例えば「ASTERIA Warp」はシステムやクラウドをつなぐものであり、企業の中のデータの機密性を守り、安全・安心にAIへ学習させ、自社の営業分析や計画立案が可能となります。「Gravio」の場合は、顔認証のみならず、物体を自ら学習して認識精度を上げていけます。
・ 当社ではAI活用変革センターを2024年11月に新設しました。AIの進化が早過ぎるがために、当社が携わる1万社以上の顧客が即座にAIが使えるかというと必ずしもそのような状況ではありません。今まで当社は製品のみを提供していましたが、AI導入支援コンサルティングをはじめとした教育分野でもサービスを提供し始めます。AI導入の部分は行いませんが、教育の領域で、リスキリングや人材育成を含め、社内専用のAIを開発する取り組みを始めています。今後大きく伸びていく事業と言えます。
・ ChatGPTはプロンプトを手入力すると、答えが出力されます。企業レポートや分析等を行う場合は企業内のリアルなデータが必要です。ビジネスデータは社内の営業システム、顧客システム、工場システム等に転がっている状況であり、手入力で学習させるわけにはいきません。毎週レポートをする必要があれば、自動化は必須です。その自動化の部分を「ASTERIA Warp」が担い、なおかつ、ノーコードでつなげます。
・ 開発に3カ月、6カ月かかるなどと言っていれば、その間にAIが進化し、再度開発をしなければならない状況に陥ります。当社は2019年にAI専業子会社である「Asteria ART(アステリア・アート)」を設立しました。Asteria ARTでは早稲田大学でAIを20年研究してきた博士が代表を務め、AIをロボティクス領域、ロボットをつなぐ領域に生かしていく取り組みを推進しています。
6.決算の概要と業績予想の上方修正(2025年3月期 中間期決算)
・ 当社の決算や業績予想について紹介します。第2四半期決算は11月に発表しました。売り上げ収益は前年同期比約8%増で、70%以上がストック売り上げとなりサブスクシフトが進んでいます。また、業績予想の32億円に対して、第2四半期までの進捗率が48%と順調に進捗しています。当社の特徴として、売り上げ総利益、つまり粗利が高いという点があります。15億4,500万円の売り上げに対して粗利が約9割、13億7,800万円と極めて高い数値です。EBITDAは4億8,900万円、EBITDA利益率は31.6%です。ソフトウエア事業が順調に推移していることから以上のような結果となりました。
・ 当社には投資セグメントもあり、米国テキサスの子会社が担っています。投資先であったGorilla TechnologyはNASDAQに上場し、2年ほど大きな利益を出したものの、その後に下落をし、その評価損が当社連結決算に入ってきていました。過去2年間はGorilla社の損失のみが原因となり赤字でした。今回、全株式を2024年9月に売却し、ようやく2年を経て連結の営業利益が黒字になりました。今後は悪影響が出ません。Q1単独と比較してQ2単独では、資料に示すとおり黒字の成績が出てきます。
・ 以上の流れを受けて、営業利益を上方修正しています。営業利益はレンジで2億円から5億5,000万円と出していましたが、Gorilla社株式の売却によって約2億円のリスクが低減され、4億円から5億5,000万円のレンジへ上方修正をしました。
・ 売り上げ収益から営業利益までを見てみます。投資損を入れても黒字化をしていますが、その先は、残念ながら急激な円高が9月末に発生したことにより、為替差損の影響を受け、税引き前利益がマイナスになり、四半期利益もマイナスになっています。ただ、本日12月12日時点のドル円151円前後の為替であればプラスとなります。最終まで分かりませんが、現在、われわれもこの激しい為替の動きに対して業績へ影響が出ないような方策を下半期でつくるところです。
・ 費用については前期よりも少し下がっています。特に大きなコスト圧縮等を行ったというわけではなく、昨年までは、ノーコードやAI領域に注力するために人材を増やしており、一時的な採用費用等を要したことが影響しています。ベースの人件費は給与アップ、あるいは途中入社の人材もいるため上がっていますが、それ以外の経費は下がっている状況であり、おおむね定常状態に戻ったと言えます。
・ 当社が重視する経営指標を紹介します。売り上げ総利益率は極めて高い数値です。前年同期比でパーセンテージは下がっていますが、金額はしっかりと上がっています。調整後EBITDAは基本的にソフトウエア事業の実力と見ていただいても構いません。極めて高い率であり、金額自体も上がっています。ストック型の売上比率は7割を超え、当然ながら金額もますます上がっています。
・ 資料にはIFRSの基準に従った財政状態計算書を示しました。自己資本比率は74%と高く安心できると言えます。株価純資産倍率、PBRは1.68と十分な位置にあります。
・ 当社は2023年9月より中長期保有株主優待制度を開始しました。株式継続保有年数、保有株式数に応じてQUOカードをお送りしています。当社の配当方針は安定配当です。配当額は上がってきており、累進配当とも言えるのではないでしょうか。
7.事業の概況と今後の戦略
・ ソフトウエア事業における安定増収のための基本戦略として、サブスクリプションを増やし、なおかつ、ノーコード製品のポートフォリオをさらに充実させていきます。
・ 先ほど紹介した四つの製品以外に、2024年6月には「AIoT Suite(エーアイオーティー・スイート)」を発表し、年度内には「RoboStage(仮称)」を提供します。
・ サブスクリプションの製品は着実に売り上げを伸ばしており、先述のとおり、ニーズ増加についてもさまざまな要因が存在します。
・ 売り上げはますます積み重なっています。特に「Platio」は積み重ねるのみではなく、月2万円のベース料金から、上位プランへの移行も促進をしています。
・ 当社製品の活用事例もさまざまにあります。最近の傾向として、ようやく自治体のデジタル化が進んできており、最近沖縄県庁でのDX事例を発表しています。2024年問題の真っただ中にある物流分野でも製品導入事例が増えています。
・ SAP2027年問題、建設や物流の2024年問題対策としての需要・ニーズの拡大はますます進みます。現在も好調である「ASTERIA Warp」はさらに新たなニーズを取り込みます。サイボウズやOBC、SmartHRとも連携を強化し、拡大・加速するデータ連携の需要に応えていきます。「Platio」は2024年問題、人材不足をノーコードアプリで解決していきます。
・ 「Gravio」は、機械、AI、ロボットをつなぐためにさまざまな協業を進め、海外展開も行っています。シンガポールのSendQuick、マレーシアのTapway、スウェーデンのAxis、日本のLiLz等が協業の事例として挙げられます。LiLzはアナログメーターをデジタル化してつなぐ協業の形です。Tapwayとは「AIoT Suite」を共同開発しました。AxisはAIカメラの企業であり、元パナソニック系列の会社です。「Gravio」でつなぎ、ノーコードでAIカメラを使えるようにしています。
・ 「Handbook X」は期待株のデジタル収納アプリ製品です。2024年11月からフリーランス新法が施行されました。法律や規制、その緩和は全てソフトウエア業界のビジネスチャンスとなります。「Handbook X」は企業のみならず、個人事業主やコミュニティーにも情報共有ができます。複数のボス、複数の組織があっても問題ありません。
8.中期経営目標(2025年3月期〜2029年3月期)
・ 当社の中期経営目標を紹介します。2025年3月期から2029年3月期には当社の30周年を含みます。この期間に、売り上げ収益の平均伸び率、CAGRで8%から12%の目標をベースに事業を行っていきます。最終年度である2029年3月期の利益率、EBITDA率は25%をしっかりと確保します。目標達成のための営業展開・製品展開はおおむねこれまで説明してきたとおりですが、触れてないところで言うと、営業展開では海外市場が挙げられます。当社の海外比率は5%もなく、今後積極的に上げていきます。製品展開では、5年の間に本日紹介したもの以外の先端技術・新製品を提供していきます。
・ 資料に示したグラフイメージのとおり、中期経営フェーズで売り上げを積んでいきます。既存の4製品で成長を続け、2026年3月期から2027年3月期の辺りから、先ほど紹介した二つの新製品、さらにその他に出てくる新製品等で売り上げが積み上がっていくイメージです。そこにプラスアルファとしてM&Aも行って成長をしていきます。
9.まとめ
・ まず1点目として、アステリアは受託開発をしないソフトウエアメーカーであることが特徴です。一つの製品を何千社、何万社へ販売し、活用をしていただくことで、日本のみならず世界へ進出します。日本から初めて世界に貢献できるビジネスソフトウエアベンダーを目指しています。2点目として、米国上場株式の影響を脱して営業利益が黒字回復をしました。3点目として、調整後EBITDAは上半期で4.9億円の黒字となりました。ソフトウエア事業の実力値であり、昨年とは全く景色が違うことはお分かりになると思います。4点目として、当社が注力するノーコード製品の好調を受け、中期経営目標に掲げる年8%から12%成長を確実なものにしていきます。
ソフトウエア製品は市場の展開によってさらに早くさまざまなものが出てくる可能性があります。AIはゲームチェンジャーであり、あらゆるものを加速する可能性もあります。当社は現在ラインアップしている製品をベースとして、高い成長と利益率を継続していきます。2025年度3月期はその力を発揮した決算になるでしょう。以降も、ソフトウエア事業へ注力し、しっかりとした結果を出していく年度になると考えています。日本から世界の舞台へ出て活躍した野球選手もいます。家電でも自動車業界でも世界で活躍する企業があります。日本のソフトウエアもそのような時代がつくれるように、当社はその一社としてこれからも挑戦を続けていきます。
10.質疑応答
Q1.配当方針について教えてください。
A1.方針は安定配当です。ソフトウエア製品には需給の上下があり、これまでは投資セグメントの影響もありました。そこに左右されることのない安定配当を目指します。
Q2.アステリアのソフトウエアを使用してできたスマホアプリで一般ユーザーになじみのあるものがあれば教えてください。
A2.「Platio」で作ったものは基本的に社内業務用アプリであり、なじみのあるものはあまりないと思います。事例についてはホームページをご覧ください。「Platio」というアプリの中にミニアプリを作る構成であり、楽天アプリやLINEアプリ等、スーパーアプリのような形式と理解ください。一般向けに幅広い展開をすることは今後もありませんが、だからこそ、この領域で当社が圧倒的な伸びを示しているとも言えます。
Q3.優秀な人材を確保する上でどのようなことを重視していますか。
A3.採用の上では当社の経営理念に沿うことを極めて重要視しています。それは「発想と挑戦」「世界的視野」「幸せの連鎖」です。「幸せの連鎖」について言うと、まず自分たちが幸せな仕事をすることで取引先や周りの人たちが幸せになり、それが社会の幸せにも通じます。「世界的視野」とは、海外担当でなくても、自分たちの仕事が世界でどのような位置付けなのか、遅れているのか、進んでいるのか、異なっているのか、同じなのかという視点を持つことです。「発想と挑戦」について言うと、上場企業であると発想や挑戦を忘れがちな傾向にあります。しかし、当社が世界を目指す中では全くの道半ばです。さらなる発想と挑戦が必要です。自分が次のナンバーワンをつくるという気概を持つ方に入社してほしいと考えています。
Q4.業績予想の上方修正を行ったとのことでしたが、直近では何が好調ですか。
A4.好調であることは以前から変わっておらず、今回の上方修正は不安要素が減ったということに起因します。Gorilla社の株式を全て売却したことで、株価下落によるリスクが約2億円減り、その分を上方修正しました。
Q5.ソフトウエアの粗利が高い傾向は今後も続きますか。
A5.当社がプロダクトカンパニーである限り続きます。受託開発であれば粗利が2割あれば良いほうです。当社は開発した一つの製品を多く販売するため、今後とも粗利は高い状態が続きます。売れれば売れるほど、9割から限界利益が上がる可能性もあります。
Q6.生成AIの台頭がアステリアの成長にどう影響しますか。
A6.生成AIは極めて有望です。生成AIはコードを作ってくれる機能も持ちます。その機能を当社のノーコード製品の中に組み込めば、口頭の指示のみでアプリ開発やデータ連携が完結します。そのような世界はそれほど遠くないうちに実現するのではないかと思います。現在も研究開発を進めており、皆さんの手元へ届けられるように、生成AIを製品の中へ積極的に組み込んでいきます。
Q7.「2025年の崖」の議論をはじめ、IT業界でも人手不足が課題となっていますが、アステリアにとっては追い風になりますか。
A7.「2025年の崖」は追い風になります。人手不足だけれども、取り組まなければいけない会社は多くあります。例えば基幹システムのSAPは2027年までしかサポートがありません。先延ばしができないからこそ、経済産業省は「崖」と表現しています。人が足りないからといって何もしないわけにはいかないため、ノーコードが答えになります。ノーコードでなければ時期的にも人数的にも追い付かないフェーズに入っており、当社の追い風になっています。
以上
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