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サンワテクノス株式会社(8137)

開催日:2024年7月6日(土)

場 所:大和コンファレンスホール (東京都千代田区)

説明者:代表取締役会長  田中 裕之 氏

 

1. 会社概要

・ 最初に私自身について。ちょうど今年の3月で67歳になりました。新入社員でサンワテクノクスに入り45年勤めています。ずっと当社一筋です。

・ 皆さんが一番興味があるのは、うちの会社が安定して成長するのか、つまり株が上がっていくのか。または配当が途切れず、どんどん多くなるのか。おそらくそういうことだと思います。しかも安全で安定して…。その点は間違いないということを今日は説明していきますので、よろしくお願いします。

・ 当社は今年で75周年になります。従業員数は連結で1,000名強。日本だけで610名です。売上高が1,661億円、営業利益62億円。国内30拠点、海外34拠点です。

・ 当社の歴史について。設立は戦後4年目の1949年。私の聞いた話では、当社の創業者は戦時中、ボルネオ島で捕虜になり、戦後そこから引き上げてきました。その後、九州で安川電機の創立者の安川第五郎さんの力を借りてモーターの販売を始めたのが当社の創業です。従って、最初は安川電機の代理店を務めていました。

当時は日本の戦後復興から高度成長期。ガラクタを集めて修理をしていた時代だったと聞いています。この1949年から60年ぐらいまでは、当社の成長の第1期。重電は何でも取り扱い、特にインフラに取り組んでいました。

1970年代から80年代になると、日本ではバブル経済期に入ります。この時代に当社は国内各地に拡大。と同時に、1982年にジャスダックに店頭公開しています。

私は1979年に入社。コンピュータが産声を上げた時期でした。当社は電子部品の販売も手がけており、また富士フイルムについては創業時から工場の設備をやらせていただいていました。そのため、当社の基幹ビジネスとなる大型のモーター、電子部品、メーカーの工場設備という3本柱がバブル経済の時代に拡大していきました。

1990年代から2000年に入ると、グローバル経済の時代になります。当社も海外各地に進出。シンガポールを皮切りに、昨年と今年はインドに2拠点を開設。海外拠点は現在34ヵ所で、さらに充実させています。

2010年から現在はDX、ICTの時代で、これに合わせ次の成長を目指しています。

・ 当社はプライム市場で上場。今一番辛いのはPBRのこと。当社のPBRは0.75倍です。東京証券取引所は、PBR1.0倍以上じゃないと退場と非常にプレッシャーをかけています。とはいえ、上場企業の約4割がまだ1倍割れしている状況だと聞いています。

簡単に言うと、0.75倍というのは、私がポケットの中に100万円持っているのに、私自身には75万円の値札がついているようなものです。これがイーロン・マスクなら、100万円持っていたら、すぐ1,000万円や1億円の値札がつくと思います。それだけ期待されていないことの裏返しで、これを東京証券取引所は問題視しています。

なぜ期待されないか。サンワテクノスはとてもいい会社ですが、なかなか名前も知られていないし、何をやっているかわかってもらえない。なぜなら、B to Bのビジネスで、消費材を販売していません。そこで当社の事業について説明したいと思います。

・ 我々のお客様は世界で冠たる有名企業がほとんどです。仕入れ先も超優良。我々が黒子になり、B to Bで販売しているので、サンワテクノスは何をやっているのだ、と理解してもらえないのが、一番辛いところです。

すごいお客様から仕入れ、世界に冠たる日本のお客様に販売するのが、我々の一番得意とする分野。そのネットワークを世界各地に持っている会社だとご理解ください。

・ 当社の事業内容を具体例に説明すると、日本の冠たる自動車メーカーやそのグループの軽自動車メーカーの車にはどれも、衝突防止のブレーキがかかる仕組みがあります。実はあれも当社が入れている装置で車が止まります。これもなかなか皆さんにご理解いただけていないと思います。

それからトイレ。便座の脇のボタン押すとお湯が出てきます。非常に清潔で巧妙な装置が動いていますが、これも当社が入れてきました。暮らしに身近なところでは、自動販売機のボタンの発光装置などキリがありません。

今は、半導体製造装置メーカーに猛烈に関わっています。ほとんど当社が精密機器を入れているお客様で、半導体業界が立ち上がると当社も大変潤うという状況です。

航空機関係でも、国際線の客席にはモニターがついていますが、モニターのフイルムの75%は当社が関わっています。ボーイングもエアバスも当社のお客様です。

このようにいろいろと活躍している企業です。ただ、残念ながら知名度がない。これが株価が上がらない理由です。今日のような場で今後も一生懸命PRしていくつもりです。

・ 当社の拠点は、国内で30拠点、欧州・米州で6拠点、アジアで28拠点です。

・ マレーシアはクアラルンプールに拠点がありますが、最近、2拠点目をペナンに出しました。中国も分公司(事務所)を拡大。2024年はインドのグルグラムに進出。インドは地名がよく変わる傾向があり、しばらく前まではグルガオンと呼ばれていた街です。

日本では、四国・長岡・甲府・金沢・滋賀に営業所を開設。お客様のそばで営業所をどんどん出す戦略です。我々のお客様は工場や事業所で、いろいろな要望があります。その声を直接伺うには、ネット通販では相手にしてもらえません。優良なお客様の近くに営業所を出し、サービス強化するのが我々の戦略。これをスマート営業所と呼んでいます。

 

2. 20243月期決算概要・20253月期業績予想

・ 売上高が連結で1,661億3,800万円、営業利益が62億1,500万円、1株当たりの利益が329円87銭で、前年より若干落としています。

・ 2025年3月期の業績予想を先日発表しました。売上高が1,550億円、営業利益が30億円で、1株当たりの利益は159円です。

・ 売上・受注・受注残・在庫の推移について。受注残は、お客様から注文いただき、計上する前の金額です。受注残が多ければ多いほど、今後売上が立ちます。

2021年初頭から受注残が増えています。この時期は世界中でモノ不足になりました。特に半導体が不足し、トヨタ自動車までがラインを止める事態になりました。我々のお客様は物が入らなきゃ作れません。そのため当社に猛烈にオーダーが集まりました。

昔の石油ショックの時のトイレットペーパーみたいなものです。例えば、100必要なところを各社共に120とか一斉にオーダーし始めました。そうするとますます市場からモノがなくなる、なくなるからさらにオーダーが来るという状況が、2年ぐらい続きました。これが世界中のモノ不足の現状です。

そこにウクライナの問題などキナ臭い話が出て、穀物問題やエネルギー問題も勃発。そして世界中のサプライチェーンが混乱し始めました。すると当社にどんどんオーダーが集まり、「サンワさん、助けてよ」という時代に入ったのです。

今の中計の最初の期であった3年前、なんと中計の営業利益目標の70億円をはるかに突破。76億円を初年度で計画達成してしまいました。

前期の2024年3月期も受注残は山ほどありました。ところが新規の受注は、中国の不動産バブルの崩壊などにより、ブレーキがかかっています。しかし、受注残があるから、この3月期はそこそこの数字の売り上げができました。

今年度はどうか。受注残はかなり落ちてきているので、非常に厳しいという見込みを発表しました。ところが経済とは不思議なもので、好転の兆しがモコモコと立ち上がっています。エヌビディア(NVIDIA)や生成AIなど、半導体の装置関連の息吹が出始め、オーダーが始まっているのが直近の状況です。

したがって、2025年3月期の業績予想はしていますが、ぜひ皆さん、新しいテクノロジーの動きを注視してください。当社はそれらの影響はかなり大きく受けます。

それともう1つ、世の中のサプライチェーンが混乱すれば混乱するほど、当社の業績が上がるという状況が、昔から起きています。これはどういうことか。何もトラブルがなく、1のモノが必要で、1のボタンで発注して、すぐ1のモノが来るという世の中であれば、「サンワテクノスさん要らないよね」とお客様に言われました。

つまりの我々の機能は、流通であり、物流であり、業務であり、営業です。全てをミックスしたのが当社の強み。世の中の流通やサプライチェーンが混乱すればするほど、いろいろなお客様がサンワを頼ってきます。イギリスはトップが変わり、アメリカもどうなるかわかりませんが、変わりそうです。世の中がいろいろと変化すると、当社の業績が上がるという傾向が昔から続いているので、そのような見方もしてもらえれば面白いかと思います。

 

3. 第11次中期経営計画SNS2024」の進捗及び2024年度会社方針

・ 今年度が中期経営計画の最終年度になります。スタートした2022年の目標営業利益50億円。そこから、60億円、70億円と拡大する計画でしたが、最終目標の70億円を2022年度で突破。76億円を達成しました。これは先述の通り、世の中の混乱が始まると業績が一気に上がる傾向があるからです。

2023年度の営業利益目標は60億円でしたが、受注残が山ほどあったので、実績は62億円となりました。

2024年度は当初、営業利益70億円の目標を掲げていましたが、30億円という厳しい計画にしています。これは先述のように、モノ不足の時の大量発注の名残で、お客様の在庫が溢れている状況にあるからです。

・ 営業利益の推移をみると、当社は世の中の変化が起きるたびに、業績がアップする傾向にあります。

・ サンワとしては中計で何に力入れていくのか。会社方針を掲げています。

特に力を入れるのは、「イノベーションが求められる成長分野への注力」です。我々はB to Bとはいえ、いい業界やいいお客さんにアタックすべきだということです。

当社はメーカーではありません。キリンがファンケルを買収し、新たな分野を拡げることを発表しましたが、そういうやり方とは異なります。いい業界やいいお客さんに注力して、そこのシェアを拡大することを考えています。

・ 具体的には、ロボット/ロボティクスと工作機械、半導体製造装置。特にこの3つにフォーカスし、この産業界に専門のセールスチームを組み、そこに集中的に売り込むことを進めています。

その他には、我々が得意とするFA装置や車載分野があります。ただ、自動車分野は原価までガラス張りの世界で、価格要求が厳しい。損はしないし、安定して成長できるのは、日本の自動車メーカーのいい点ですが、テクノロジーとしては半導体製造装置やロボットの方が企業としては大きな利益を得られます。そこでこの分野をフォーカスしていきます。

・ この方針により、半導体製造装置は中計期間中(2021〜2024)の年率利益を15%以上増やす計画を立てました。実際に2021〜2023年度の成長率は7.5%。今後については、曇りから一気に快晴になる業界見通しが立っています。

ロボット/ロボティクスについて、当社は安川電機の代理店です。昨日、安川電機も第1四半期の決算発表をしていますが、ロボティクスはモノ作りの分野で、中国の状況が厳しいので、その影響を受けています。

当社の状況も実績成長率がマイナス14.3%となっています。ただこれは、ロボットマウンターを対象としています。マウンターとは、スマホなどに使われているプリント基板の所定の位置に電子部品を高速で搭載する装置のことです。国内ではパナソニックやFUJI、JUKI、ヤマハ発動機などのマウンターメーカーがあり、日本が非常に強い業界です。ただ、スマートフォンの売上がなかなか伸びないので、マウンターの成長も落ちているのが現状です。

工作機械は、日本の基幹産業として利益を支えています。

車載分野の今後の展望は晴れ。部品の納期遅れが全部解消し、今までのリベンジ生産で生産量が相当上がってきています。自動車業界はここに来て不正問題などのニュースも出ていますが、自動車の受注残をものすごく抱えているので、この分野は晴れるだろうという見立てをしています。

 

4. 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応 【@中期経営計画「SNS2024」の着実な実行による収益性の向上】

・ 私が言うのも何ですが、サンワテクノスはいい会社だと思うのに、なぜ株価が上がらないのか。その一番の理由は知名度が低いこと。

それと同時に、株式の流動性が低い。今の時価総額は350億円ぐらいです。大和証券さんからは「時価総額が500億円を超えないと大型のファンドは買ってくれない」と言われています。大型ファンドにとって、サンワテクノスは小さすぎる。そのため、私としては時価総額を500億円ぐらいにしたいと考えています。そうすればPBR 1倍になります。株価が今2,300円くらいですが、ざっくり3,000円内外ぐらいだとPBR 1倍ということになります。

それからPER。1株あたりの利益に何倍の株価がついているか、ですが、当社の株価は悲しいくらい、いつも日経平均の半分ほどです。株価からすれば、PERが少ないのは成長の余地が極めて高い、という言い方もできるので、お買い得ではないかと思います。

上場したての新興メーカーでは、PBR 60倍ということもあります。でもそういうところは、ちょっと危ないとすぐに下がってしまいます。ところが当社の株はほとんど下がりません。だから、そういう意味でもいいのではないかと思います。

 

【A株主還元の充実】

・ 2021年あたりまで当社の年間配当は34〜37円でした。そのため、「あまり上げてしまい、減配することになると…」ということで、少しずつしか配当を上げませんでした。

ただ、2021年辺りから、配当性向を良くしないと、ますます一般投資家から見向きもされなくなる、ということで心を入れ替え、2022年度には年間配当90円としました。すると、この年の業績が非常に良く、配当性向で25.3%。さらに2023年は95円。上期が45円で下期は50円でした。今年は50円/50円で100円のつもりでしたが、創業75周年だから、記念配当を10円足して110円にする予定です。そうすると配当利回りが5%近くになると思います。

このように非常に配当利回りがよく、過去の例ですが減配したこともありません。この点を強調しておきます。

・ 株主優待でQUOカードもつけることにしました。一般投資家は1,000円のQUOカードにすごく響いてくださるそうです。QUOカードもつけ、一般投資家の人数を増やそうという狙いです。

100〜500株保有の方は1,000円のQUOカード、500株以上の方は2,000円のQUOカードを進呈。個人の方は、株価がちょっと上がるとすぐ売られてしまうので、2年以上保有していただいたら、もう1,000円追加します。これらの施策は当社の管理部門がいろいろと考え、始めました。

 

・ サンワテクノスはこの厳しい状況下でどう拡大するのか。それは、当社はやはり営業会社だ、ということです。

メーカーはいい技術力があれば技術で拡大できます。我々もいいお客様を持つので、いい技術の商品を売ればいいのですが、今はそんなに技術の差がなくなっています。

そこで力になるのは営業力です。1円1点でも勝てば営業は勝ち。鼻差で負けても注文はもらえない。したがって、原点に戻り、営業力強化に取り組んでいます。

国内は、九州支社・関西支社・名古屋支社、関東は広いので北関東支社・南関東支社の5拠点、海外は欧米・アジア・中国で3拠点。これらを支社制にし、支社間で猛烈に競争させます。もちろん外でも勝たなければ業績は上がりません。

競争、競争と言うと、最近ではブラックと言われ兼ねませんが、私が入社した当時はこういう世界でした。でも段々、何というのか、みんな競争しない世界に入ってきているように感じます。そこで改めて、原点回帰ではないけれど、競争を強化していきます。かつ、昔と違うのは、そこにITやDXがある。情報戦争を取り混ぜて、さらに強い会社にしていこう。それがミソとなります。

 

5. 質疑応答

Q1. 株主優待導入の背景を教えてください。

A1. 当社には、株主数を増やして個人投資家の皆さんから少しでも買ってもらえる株にしたいという願いがあります。そのためは、株価上昇や配当で本当の還元をするのが王道です。ただ、おまけもつけないと。それには株主優待が有効だという説明をいろいろといただきました。わずかですが、1,000〜2,000円のQUOカードをつけて、株主獲得の呼び水にしたい、と思います。

 

Q2. PBR 1倍の見通し・達成状況について教えてください。

A2. 最初に話したように一番の悩みです。今日現在、私のポケットには100万円の現金があるのに、私の胸の値札には75万円という値がついている状況です。こんなことないでしょ。サンワテクノスはいい会社のはずだと、再三言っていますが、これが事実です。

それは、知名度が低く、発信がされていないから。皆様への還元や将来の成長の姿をもっとアピールすることが大切だと思っています。そして、少しでも早くPBR 1倍越えをしなければならないと考えています。

 

Q3. 今期の業績見通しは改善の兆しが見えてきましたが、来期はもっと良くなりますか。

A3. とてもいい質問だと思います。今期が一番厳しい。ただ、我々の業界では在庫循環と言いますが、もうすでに一部では在庫が捌けてきている状況があります。在庫についてはいつもサイクルがあり、受注が立ち上がる兆しや、ヒゲみたいなのがピッピッと立ち、大型受注が入ってきます。今まさにそういう状況です。

ところがこれが徐々に長続きすると、最近の傾向として一気に過熱してしまう。これもまた、困ります。本当は緩やかに景気がアップしてほしいと思いますが、インターネットや情報の普及で、どこかが一気に在庫を積み増ししたとか、設備投資始めたという情報が入ると、我も我もと一気に動くのが最近の傾向です。個人的には、決していいことではないと思っています。

ただ、今は、ポツポツとした兆しが出始めた状況です。したがって、来年度は非常にいいのではないかと期待しています。

 

Q4. 株主還元策で株式の流動性が低い中での自己株式の取得は、さらに流動性を悪くしてしまうのではないでしょうか。その分、配当に回すなどのお考えはいかがでしょうか。

A4. 非常にいい質問というか悩ましい質問です。今、各社はどこも自社株買いをどんどんしています。当社も昨年も10億円の自社株買いをし、今年度は配当に回しました。

自社株買いして、溜め込んでいるだけだと、「サンワテクノスさん、それをどうするんだ」と投資家から言われます。したがって、具体的にはちょっと申し上げられませんが、それを使い、次の買収などを一生懸命考えてるところです。

おっしゃる通り、自社株買いをどんどんしたところで、市場の流動性は減る。だから非常に難しいと思います。やればいいのではなく、それをどうやって活用するかを、今模索中です。

 

Q5. 御社の国内拠点が東北・北海道にはほとんどないのはどういう理由からですか。

A5. 東北は仙台に拠点がありますが、確かに北海道にはありません。これは別に深い意味はありません。卵が先か鶏が先かという理論で、たまたま北海道に当社がお付き合いしているお客様が少ないという事情だけです。北海道が我々にとって大きな商売になるという話があれば積極的に出していきたいと思います。具体的には、北海道で半導体メーカーのラピダスなどの大きな投資が入っているので、その辺りの話がぼちぼちと出始め、次の展開があるかもしれません。

 

Q6. 海外戦略について、今後はどの国・地域で拡大を図りますか。

A6. おそらく「中国をどうするのか」の裏返しの質問ではないかと思います。

当社において中国は、海外の中でも大型地域です。世界の製造業としても、中国の存在は非常に大きい。一方、中国と台湾の問題や米中の問題など、ちょっとキナ臭いところもあります。そのため、我々の同業では撤収しているところも2〜3あります。

また、ただ撤収するのではなく、生産の拠点をアジアに移すやり方もあります。当社はアジアにも拠点があります。

中国メーカーも中国から米国に出荷しづらいので、私どもと組んでマレーシアで工場を立ち上げる動きがあります。中国籍のメーカーですら中国から場所を移す動きが活発に起きています。

ご質問のこれから拡大する国や地域について、当社は大きな資本を投資し、自前で工場を建てているわけではありません。当社の一番の財産は人です。当社の社員です。したがって、今、話を進めている国や地域で、もし万が一何かが起きたら、真っ先に当社の社員を返す仕組みを考えています。

 

Q7. 今後の成長へ向けた施策にはM&Aも検討されていると思います。差し支えない範囲で、M&A先にはどのような機能を必要とするかを教えてください。

A7. これについては社内でいつも議論しています。当社の立ち位置は、我々のお客様あっての当社、または仕入れ先様あっての当社です。

我々のお客様は非常にいいポジションにいるお客様を選んで付き合っている。例えばメーカーでは、この方向に行きたいから関連する会社を買収し、お金で時間を買おうということを皆様やられています。

一方、今近くにこういう我々のグループがある、あるいは我々の仲間にこういう会社がある。自前でこういうモノを持っている。手近な冷蔵庫の中の材料でこんな美味しいモノが作れるぞ、というのが、当社の戦略であり、一番の強みではないかと思っています。そういう中でのM&Aや協業をやっていきたい。

つまり、この目的のためにこの会社を何があっても買い、無理してその方向に持っていくことは、当社には似合わない。我々が日々付き合っている仲間と協業やM&Aし、いいモノを作ることが当社の強みであり、そこを磨いていきたいと思います。

以上

 

 

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