Daiwa Investor Relations

企業を探す

企業コード / 会社名
業 種

この条件で検索する

I-PEX株式会社(6640)

開催日:2021年9月2日(木)

説明者:代表取締役社長  土山 隆治 氏

    取締役 経営企画室長  小西 玲仁 氏

 

1. 会社概要

  • 当社は1963年、独自開発した金型製作法・モジュールシステムという精密金型の製作・販売を目的に、第一精工株式会社として京都で設立しました。
  • モジュールシステムとは総分割構造・完全熱処理硬化による焼入処理した鋼材を精密機械加工する特長を持つものです。この金型は高い生産性を持ち、成形品の安定した品質を持続的に提供できます。
  • 金型とは、250〜350度に溶融したプラスチック樹脂を高速・高圧で型内に充填させ、冷却後に形を形成する道具です。シンプルなものは、上下に分かれる人形焼きの金型をイメージされるとわかりやすいと思います。より複雑なものでは、上下だけでなく左右からも多数のパーツが形成され、プラスチック製のプラモデルのような成形品だと思っていただければいいのではないかと思います。
  • 2020年度の事業概況は、売上高545億円、営業利益29億円、総資産819億円です。当社は1979年にシンガポールに初の海外進出し、現在、12カ国39拠点で事業を展開。総従業員数は約6,000名弱です。
  • 当社はまもなく60周年を迎えます。1963年に京都で設立し、1980年半導体硬化性樹脂封止金型の製作と同時に、世界初の全自動半導体樹脂封止装置の販売を開始。2004年には細線同軸ケーブル用コネクタを特長とするコネクタメーカーと経営統合しました。この会社がアイペックスで、同社は他社に先駆け、高周波・高速伝送を実現したコネクタメーカーでした。時代の先を見据え、開発に取り組んでおり、当社が目指していた優位性を持ったコネクタメーカーへの移行ということも相まって、統合しました。その後2006年にジャスダックに上場。2011年、東証一部に移行しました。
  • 2020年には社名を第一精工からI-PEX(アイペックス)に変更。前述のアイペックスはコネクタメーカーですが、私たちが新たに掲げたI-PEXは、「ものづくりソリューションエキスパート」という思いを表現した頭文字から名付けています。
  • 単に部品を作り販売する第一精工から、今後は「コトづくり」への移管を図ることをスローガンに、ブランドと社名をI-PEXに統合しました。独自の技術、商品、ソリューションを提供することで、世界で信頼され愛されるグローバル企業に成長していきます。今後ともI-PEXの成長と価値創出にご期待ください。
  • 12カ国39拠点のグローバルネットワークがあります。まだまだ国内中心の展開ですが、従業員比率では65%が海外で事業を担っています。京都本社は、財務と当社のルーツである金型製作工場を残しています。それ以外の製品開発は関東地区、設備設計と製作は福岡地区に集約し、効率化を図っています。営業は北米、欧州、中国、アセアン地区と、地球を1周するような展開で、お客様のすぐ近くで対応できる体制を取っています。モノづくりの拠点は、国内5工場、海外11工場でお客様に即納対応できる展開を図っています。

 

2. 事業紹介

  • 事業セグメントとして、民生関連では、高速伝送や高周波に特化した電子機器向けコネクタを中心とし、事業売上高の約半分を占めています。自動車関連では、車載向けセンサやLEDヘッドライト向けに開発したコネクタを販売し、全体の3割を担っています。残りの部分は産業機器・その他です。半導体製造装置やHDD部品、法医学関連部品など、樹脂を中心とした製品です。このような3つのセグメントでリスクヘッジし、今後の外況変化に対応したいと考えています。
  • 当社のメイン製品はコネクタで電気を繋げる電子部品です。その中でも特長的なのは細線同軸コネクタ。昔のアンテナ線を小さくしたようなものを使い、非常に高速でノイズに強いコネクタ製品です。ノートPCのパネル接続部分やドローンなどに使われており、高速信号を流しています。最新のモノでは眼鏡型のAR/VRデバイスに使われています。ノートPCのパネル接続用コネクタとしては、世界シェアの60%を占有。昨今の巣こもり需要を背景に、多くの取引をいただいています。当社のコネクタはVESAスタンダード規格で、業界標準のコネクタなので、全世界のPCメーカーで広く使われています。
  • RF同軸コネクタは、Wifiなどの無線LANルーターで使われており、Wifiの信号をノイズなく通すためのコネクタです。おそらく皆様のご家庭にあるルーターでも使われていることと思います。現在、搭載数はどんどん増えています。
  • 私たちのコネクタは、「ZenShield(ゼンシールド)」という設計デザイン名称を付け、最先端のデジタル機器に使われています。特に眼鏡型のAR/VRデバイスに最もよく使われています。眼鏡の部品のような小さな部分に高速で信号を流すと、ノイズが発生して画像がチラついたりするのですが、それを抑えます。また、アンテナ部分と映像を送る部分が小さなスペースに組み込まれると、お互いに干渉し合い、映像が乱れがちです。当社製品にはそういったことが少ないので、多くのメーカーに採用されています。AR/VRデバイスの他にも、ドローンや5G機器などに使われています。
  • 自動車関連製品も幅広く供給しており、大きく3系統に分かれます。1つはパワートレイン系の各種コネクタやセンサ。2つ目は走行安全系のコネクタ、3つ目は情報通信系です。パワートレイン系は今後EV化が進む中で必要となるもので、内燃機関系の製品がそれ以外の製品に切り替わっていきます。走行安全系や情報通信系は、自動運転や「CASE」「MaaS」などの流れの中で搭載数が増えていくものと思われ、我々はこちらに注力していこうと思います。
  • その一例として、安全走行をサポートする最新のLEDヘッドライトがあります。この製品のLEDドライバモジュールにSMTコネクタが採用されています。このヘッドライトはADB(配光可変ヘッドランプ)というもので、車載カメラと連動し、配光を全自動で制御する高度なヘッドライトです。
  • 自動運転やカーシェアに関係する「CASE」に対応した製品展開では、各種センサやディスプレイ、モーター、ネットワーク接続に使うための差動伝送コネクタがあります。差動信号を使い、高速で電気信号を送るもので、それによりノイズが回避できます。こういった技術に我々の製品が採用されています。
  • それらのコントロールをするのがECU(Engine Control Unit、Electronic Control Unit)です。さまざまな動きの頭脳に当たる部分で、当社はお客様が開発される新たな技術をお手伝いする形で商品展開を図りたいと考えています。
  • 3つ目の事業である産機・その他では、1980年に世界初の全自動半導体樹脂封止装置の販売を開始しました。GP-MARK 1が初代モデルです。以来41年間、事業を続けています。半導体樹脂封止とは、基板に搭載されたチップを保護するために特殊な樹脂でカバーする工程で、そのための装置を半導体の創成期から販売しています。
  • その他の製品としては、HDD(ハードディスクドライブ)部品があります。PCやテレビ、今一番使われているのはクラウドのサーバです。1997年にお客様から依頼され、世界で初めて金属部品を樹脂に替えて量産化しました。世界シェアは25%で1のシェアを誇っています。PCの世界の記憶媒体は、HDDからSSDに移行していますが、大容量の記憶が必要なサーバ分野では、今もHDDが主力です。少しずつ変化しつつも、今後しばらくは現在の数量を維持していくのではないかと思います。
  • 法医学関連部品では、DNA解析装置に組み込むマイクロ流体分析チップを受託生産しています。これはプリンタやコピー機のインクやトナーのカートリッジに近いもので、DNA解析装置には必ず使われている使い捨ての商品です。当社はこれをお客様に供給。今後は犯罪抑止等の流れの中でDNA解析装置は世界的に広く使われるようになるのではないかと思います。現在はある1カ国で販売しており、今後の伸びが期待できます。
  • トルクセンサは、ロボットやモーター動力源等のトルクを検出・制御するもので、2015〜2016年に商品化しました。産業用ロボットメーカーの安川電機の人協働ロボットに採用されています。ロボットに対する衝撃を計測したり、動きを制御するセンサで、これからの伸びを期待しています。
  • 2014年から「MEMS(メムス)」という要素技術を活用した新規事業を展開しています。MEMSは半導体製造プロセスを使って電子デバイスを作る工程です。この技術を使い、昨年から「nose MEMS(ノーズメムス)」という匂いを可視化できるセンサを試験的に販売しました。この製品をお客様に納入し、お客様のフィールドで実証していただき、実用性を判断いただきました。いろいろと改良を加え、おそらく今年中に「noseStick(ノーズスティック)」という製品を販売する予定です。これはスマホに挿入する、SDカード大くらいのセンサです。
  • また、匂いセンサという製品を販売すると同時に、お客様に提供できるレベルまで要素技術が熟成してきたので、「MEMSファウンドリ」としてお客様から受託で製品開発し、納品する動きも本格化させたいと考えています。
  • 匂いセンサについては、いくつかの情報番組でも紹介されました。活用シーンを想定したプロモーション動画も公開中。例えば、外出前に口臭チェックをしたり、ペットの体調をペットの呼吸から測ったり、赤ちゃんのおむつ交換のタイミングを匂いで知らせたりできるのではないかと思います。簡単なことではありませんが、料理の匂いから使われている食材の成分がわかれば、食物アレルギーの確認にも役立ちます。このようなイメージを元に、お客様と共に製品展開を検討しています。
  • 匂いセンサ以外の新規事業では、センシング技術を使い、ロボットの末端に付けるエンドエフェクタや歩行支援ロボットを開発中。歩行支援ロボットはお客様との共同開発です。他にも高周波・高速伝送技術を使い、小学生にプログラミングを教える卓上サイズのロボットにもコネクタをお使いいただいています。また、光焼灼(しょうしゃく)技術という光を集める技術を使い、医療機器の光アブレーション装置も開発しています。金属を挟みこんで樹脂成形するインサート成形技術では、車載ECUを開発。金属加工技術を使い、航空機のエンジン部品のタービンシュラウドを供給開始しています。電解メッキ技術では、リチウムイオンバッテリー用の集電体をお客様に提案中です。

 

3. 202112月期通期計画

  • 売上高は前年度比14%増の626億円、営業利益は55億円を見込んでいます。これらの計画から1株当たりの配当は、昨年の年間25円から35円に見直しています。コロナウイルス禍の終息が見通せず、先行き不透明な部分は多々ありますが、当社が置かれている環境は今現在、非常に繁忙で、各工場では忙しいモノづくりに取り組んでいます。

 

4. 中長期企業価値向上に向けて

  • 持続的成長と企業価値向上を目指し、2030年をターゲットとした中長期経営方針の策定と公表を予定しています。向上に向けた具体的な活動では、各セグメント別事業で選択と集中を行い、必要な資源を有効的に活用し、結果を出したいと思います。同時にESG、SDGsへの取り組みも図りたい。詳細については2022年6月に統合報告書を発行し、皆様にお伝えしたいと、現在準備中です。
  • I-PEXは今後もさらなる成長を目指していきます。今後とも皆様のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

5. 質疑応答

Q1. 貴社にとって、これからの一番の課題は何ですか?

A1. 私たちが今重要視している課題は、昨年のI-PEXへの社名変更に込められています。社名変更の目的は、新たな視点での意識改革を図り、既存事業に留まらず、広い視野での事業を展開することにあります。これが当社の重要課題だと考えています。

 

Q2. 今期の民生セグメントについて、当初の反動減の予想から、その後増収予想へと上方修正した要因は何ですか?また、反動減は単に先延ばしになっただけなのか、あるいはもう見込む必要がなくなったのか、といった点もあわせてご説明ください。

A2. 昨年からのコロナウイルス禍で先が見通せない中、民生部門は非常に追い風を受けることができました。リモートワークや在宅勤務により、PCの販売が予想以上に伸び、PCに搭載される当社が得意とする高周波・高速伝送コネクタの需要が旺盛であることが背景にあります。

 

Q3. 株主還元に対するお考えについてお聞かせください。

A3. 株主還元は配当に重点を置いています。業績に連動した形で株主様へ適正な配当を今後も進めたいと考えています。

 

Q4. 現在は東証一部上場ですが、来年4月からはプライム市場になるのでしょうか?

A4. プライム市場への移行について、一次審査の結果は届いており、プライム市場に移行できる条件は整っています。今後、取締役会を経て、会社としてどの市場に移行するかを決定し、改めてご報告します。

 

Q5. 女性の登用、働きやすい環境づくりに関して御社独自の施策があれば教えてください。

A5. 私たちはモノづくりの会社で、金型屋として事業を進めてきました。どちらかというと男社会の製造業で、国内での女性社員の割合は、現在それほど多くありません。ただ、当社の6,000名の従業員のうち、65%は海外で働いており、日本とは状況が異なっています。拠点長やリーダー、管理職に女性が就き、マネジメントや工場運営を担っています。このように海外では女性が活躍できる環境が整っています。そのノウハウを国内にも導入し、女性の活躍の場を広げていきたいと考えています。

 

Q6. 新型コロナウイルスの感染拡大は貴社のビジネスにどのような影響をもたらしましたか。

A6. 民生関連では予想外の特需…という言い方が適切かどうかわかりませんが、想定外の受注をいただき、結果を出しています。昨年後半、7月くらいからその気運があり、現在も好調を維持しています。

一方、自動車関連では昨年度は3割の受注減となりました。今年はそれを取り返すような勢いで、自動車関連事業でも非常に旺盛な受注があります。したがって2019年の水準に戻りつつあります。

 

Q7. 株主優待制度の可能性はありますか。

A7. 当社はB to B、企業と企業との商売が中心です。そのため一般の方々に提供できるものを持ち合わせていません。そのため株主優待制度の可能性は、今現在はありません。

 

Q8. 次を担うコネクタとして、何が最も重要かつ有望と考えていますか。

A8. 我々が考えているのは、光通信コネクタで、シリコンフォトニクスという技術を使った光コネクタを開発中です。これが今後の高速伝送・高周波の技術トレンドの中で非常に重要になると思います。

 

Q9. 貴社コネクタ事業の同業他社に対する競争優位性はどこにありますか。

A9. コネクタ事業創業以来、高周波・高速伝送技術に集中しており、この分野の製品開発がお客様からの評価を得ています。具体的には高速伝送時のスピードロスやノイズの影響を受けない評価技術やシミュレーション技術がお客様に受け入れられているのだと見ています。

 

Q10. 新型コロナウイルス禍における働き方改革について教えて下さい。

A10. 新型コロナウイルス禍がいつまで続くのか見通せない中、昨年度からリモートワークを積極的に推奨し、取り組んでいます。当社はモノづくりの会社なので、製造現場ではリモートワークを導入することは難しいのですが、それ以外の管理系や営業系、技術開発系の部門では昨年は20%を達成。今年はあと10ポイント上げる活動に取り組んでいます。

 

Q11. 最近は、円安で1ドル110円付近ですが、為替変動の影響は、利益に対いてどの程度あるでしょうか。

A11. 当社の売上および為替に影響する取引では、為替変動が1円動くと利益に対して、1ヶ月で700〜800万円の影響があります。非常にインパクトが大きいので、計画時にはレートを十分に吟味し、為替変動に対しするリカバリーを常にウォッチしています。そして700〜800万円の変動をできるだけ軽微にすることを心がけています。

 

 

以 上

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

大和インベスター・リレーションズ(以下、「当社」といいます。)はこの資料の正確性、完全性を保証するものではありません。

ここに記載された意見等は当社が開催する個人投資家向け会社説明会の開催時点における当該会社側の判断を示すに過ぎず、今後予告なく変更されることがあります。

当社は、ここに記載された意見等に関して、お客様の銘柄の選択・投資に対して何らの責任を負うものではありません。

この資料は投資勧誘を意図するものではありません。

当社の承諾なくこの資料の複製または転載を行わないようお願いいたします。