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ヤマハ発動機株式会社(7272)

開催日:2021年9月4日(土)

説明者:取締役常務執行役員  大川 達実 氏

 

1.会社概要

・ 当社は1955(昭和30)年に設立し、今年で創業から66年経つ会社です。業種は輸送用機器メーカーに分類されます。代表取締役社長は日熄ヒ博、本社は静岡県磐田市にあります。従業員数は国内・海外合わせて52,437名、連結子会社は135社です(2020年12月末現在)。連結子会社のうち100社以上が海外で、事業のグローバル化が進んでいます。

・ 当社は様々な商品・サービスを提供しています。主にランドモビリティ事業、マリン事業、ロボティクス事業、その他の事業、金融サービス事業の5つの事業があります。ランドモビリティ事業は、二輪車、電動アシスト自転車、北米を中心に展開する四輪バギー車等の商品があります。マリン事業は、船を動かすエンジンである船外機を中心に、ボート、水上オートバイ等があります。ロボティクス事業は、電子基板を製造するサーフェスマウンター(表面実装機)、産業用のロボット、産業用の無人ヘリコプターやドローンがあります。その他の事業では、ゴルフカーや発電機、車いす、除雪機等があります。金融サービス事業は、すべての商品に対する小売りと卸しの販売金融、リース、保険等のサービスを提供しています。

・ 当社の2020年12月期の地域別売上構成比率は、日本国内10%、海外90%(北米24%・欧州15%・アジア40%・その他11%)です。事業別売上構成比率は、二輪車を含むランドモビリティ事業64%、マリン事業22%、ロボティクス事業6%、金融サービス事業3%、その他の事業5%です。

・ 2021年12月期第2四半期は、売上高が前年同期比134%の9,201億円、営業利益が同572%の1,092億円、営業利益率が約12%と好調な実績で終えました。先進国ではランドモビリティ事業、マリン事業ともにアウトドアレジャーの強い需要が続いており、供給が追いつかない状況です。新興国は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けていますが、当社が得意とする二輪車のプレミアムモデルの販売が増加しました。また、リモート等のデジタル活用による固定費の削減から、収益性が大幅に改善しています。その結果、上期の実績では、過去最高益を達成しました。

・ 原材料の高騰や部品調達の問題、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大のリスクが懸念されるものの、総じて良好な事業環境が続くと予想され、2021年12月期第2四半期時点で、通期業績予想を上方修正しました。通期の売上高は前年比126%の1兆8,500億円、営業利益は同196%の1,600億円、営業利益率は3ポイント改善の8.6%へ修正し、過去最高の売上高と営業利益を計画しています。

・ コロナ禍での密を避ける動きは新しい需要も生み出しており、事業環境は大きく変化しました。まず、近場で密にならないアウトドアレジャーの需要が急増しました。特に米国では、アウトドア・ファミリーレジャーの需要が増加し、多様なアウトドア製品のラインナップを揃える当社にとって、非常に強い追い風となりました。新規顧客も増加しており、子どもから大人まで生涯を通じて楽しめる環境とサービスを提供します。また、公共交通機関の利用を避ける動きから、特に欧州や日本では、パーソナルモビリティとしての二輪車の優位性が再評価されています。さらに二輪車だけでなく、昨年発売した三輪の「TRICITY(トリシティ)300」も、四輪免許での取得が可能な欧州で幅広く支持されています。環境問題の意識が高い欧州では、電動アシスト自転車「e-Bike」の需要も急増しており、コミューター(通勤者)を中心に今後も確実に需要が拡大する見通しです。こうしたポジティブな事業環境は、当社の存在価値を高める機会であると捉えています。

 

2.事業活動 ランドモビリティ事業

・ ランドモビリティ事業は、当社の売上の約65%を占める基幹事業です。二輪車、ATV(四輪バギー)、ROV(レクリエーション・オフハイウェイ・ビークル)、スノーモービル、電動アシスト自転車等がメイン商品です。

・ 二輪車事業の世界市場では、先進国と新興国それぞれに需要の特徴があります。日本・欧州・北米といった先進国では、規模は小さいものの、1台当たり100万円前後といった高価格商品の多いことが特徴です。また先進国の人気モデルがグローバルなイメージを形成し、新興国でそのエントリークラスの需要が高まるという波及効果があります。本体以外の部品・販売金融・延長保証サービスといった周辺ビジネスも併せて展開しています。新興国の最大市場はインドです。2020年12月期の総需要はコロナ禍により約1,400万台でしたが、2019年12月期では約2,000万台であり、今後の成長が見込まれます。ASEANの地域も2020年12月期の総需要は約900万台でしたが、2019年12月期は約1,300万台超で、非常に安定した大きな市場です。

・ 二輪車事業では、柱となる新興国市場の継続的な収益改善に取り組んでいます。その1つが、プラットフォーム開発によるコストダウンです。モデルごとに開発していたエンジンやフレームを共通化することで、より早く、より安く、多くのモデルの開発が可能になりました。そして、プレミアム戦略により、高価格モデルの販売を促進します。近年はニーズの多様化から、当社が得意とする大型のスクーターやスポーツモデルといった高価格モデルの販売比率が伸びています。さらにASEANでは、コネクテッド機能を搭載したモデルを2020年12月期より販売開始しました。二輪車とスマートフォンをリンクさせることで、電話やメッセージの受信通知、駐車場の位置確認、燃費やメンテナンスの時期の把握が可能です。今後もデジタル技術を活用することで、利便性を高める商品・サービスを提供します。


3
.事業活動 マリン事業

・ マリン事業は、当社売上の約20%を占める事業です。主な製品として、船外機、ウォータービークル(水上オートバイ)、ボート、プール等があります。コロナ禍の2020年12月期でも約15%、通常は20%水準の高い営業利益率を維持しています。2021年12月期の通期予想は、アウトドアブームによる需要が好調なことから、2019年12月期を上回ると予想しています。また、購入層ではマリン製品の新規顧客や若い世代も増えており、今後の安定的な成長が期待できます。

・ マリン事業の中心は、船のエンジンである船外機です。北米における推進機別のボート販売比率は、船内に設置されるインボードやスターンドライブから、船外機へと置き換わっています。船内スペースの有効活用、メンテナンスの取り扱いやすさ、環境規制強化への対応が需要拡大の要因です。

・ メインマーケットである北米・欧州では、大型船外機の需要が増加しています。最高出力100HP以上の増加が続き、特に200HP以上の需要が顕著に増加しています。船外機が搭載されるボートの増加、そして船外機の大型化のトレンドは今後も長く続くことが想定され、特に大型の船外機に強みをもつ当社にとって追い風になっています。

・ 船外機は水中で常に高回転で動き、故障は命に関わるため、頑丈さと耐久性が欠かせません。米国での当社の船外機の購入動機は、主に技術力による耐久性・信頼性であり、品質が高く評価されています。ブランド力の評価により、プレミアムブランドの価格で販売が可能です。他社製品と比較して約10%高い価格ですが、世界のトップシェアを維持しています。今後はエンジン、周辺機器、艇体をセットにして、トータルで提供できるビジネス構造を構築します。

 

4.事業活動 ロボティクス事業

・ 当社のロボティクス事業は、二輪車の工場内の自動化を進める技術開発からスタートしました。1980年代からは外販を開始し、高収益のビジネスに成長しています。主な製品として、サーフェスマウンター(表面実装機)、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター等があります。

・ 主力製品であるサーフェスマウンターは、プリント基板に部品や半導体等を実装する機械です。このサーフェスマウンターで製造する電子基板はスマートフォン、パーソナルコンピュータ、テレビ、車、LED照明等に使用され、高速・高精度な実装技術が必要です。スマートフォンの普及、自動車の電子化、IoTといった新しい需要が次々と生まれ、成長が約束されています。当社は機種の豊富さによる高い汎用性と柔軟性、そしてトータルソリューションを提供できることが他社にない強みです。通常は20%前後の高い利益率で、2019年12月期は米中貿易摩擦、2020年12月期はコロナ禍といった一過性の影響を受けて落ち込んだものの、現在では急回復しています。2021年12月期の見通しは、中国向けの販売の好調が継続していることに加え、欧米や日本での販売も回復し、2020年12月期を大幅に上回る計画です。

・ トータルソリューションの幅をより拡大するため、半導体製造の後工程を担う会社を事業統合し、2019年7月にヤマハロボティクスホールディングス株式会社を設立しました。事業統合した会社は構造改革を進めた結果、2021年12月期上期で黒字化を果たし、総合的な事業拡大の体制が整いました。今後は事業シナジーによるコストダウンや新商品の開発、当社との関係を活用した販路による新規顧客の開拓で、さらなる収益性の改善と次の成長フェーズへの展開を進めます。

 

5.成長戦略

・ 当社の企業目的は「感動創造企業」、「世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」です。成長戦略の方向性として、「ART for Human Possibilities 人はもっと幸せになれる。」を掲げています。ヒューマンサイズのモビリティを数多く作ってきた当社には、常に人間を中心とする考え方が根づいています。人間の可能性を広げ、モノやサービスで社会課題を解決したいとの思いを表現しました。「A」「R」「T」にはそれぞれ意味があります。「A」は「Advancing Robotics」で、当社のロボティクス事業で培った制御技術、画像処理、モーター技術にAI等の先進技術を加えて、あらゆる成長の基盤とします。「R」は「Rethinking Solution」で、ヒューマンサイズの低速自動運転システムによる新しい移動手段の提供や、医療・農業の自動化のサポートを行います。「T」は「Transforming Mobility」で、モビリティを変革し、三輪のLMW(リーニング・マルチ・ホイール)や電気自動車といった新しい乗り物を提供します。社会とともに持続的に成長し、様々な社会課題を当社らしい方法で解決します。

・ 環境規制や脱炭素化の動きが世界中で加速し、当社もカーボンニュートラルに向けた事業戦略と技術開発を進めています。当社の戦略は、移動に伴う1人当たりのCO2排出量の低減を中心としています。まず、既存の小型モビリティのパワートレイン(動力伝達装置)を、より環境負荷の小さいものに変更します。二輪車やマリン製品でのバッテリーEV、FCV(燃料電池自動車)、カーボンフリーの合成燃料活用といった最適な手法で効率化し、CO2削減を推進します。また、環境負荷の低いモビリティの活用を広げるために、新たな領域の小型モビリティの開発に挑戦します。四輪車と二輪車の中間、あるいは二輪車と電動アシスト自転車の中間に位置するような小型モビリティです。カーボンニュートラルへの対応は、当社の事業領域を拡大する成長戦略へとつながります。

・ 自動車の電動化が進み、当社の新しい取り組みとして2021年5月に、自動車向け製品・技術のコンセプトブランド「alive」を立ち上げました。当社らしい息遣いを感じるテクノロジーを提供価値として、新開発のサウンドデバイスをはじめ、電動モーターのユニット、そしてすでに多くの実績のあるパフォーマンスダンパー等をラインナップしました。電動モーターユニットはハイパーEV等高出力なモビリティへの搭載を想定した最大出力350kWクラスで、1台の車両に複数基搭載することが可能です。現在多くの問い合わせがあり、開発の受託に向けた活動を行っています。

・ 成長戦略である「ART for Human Possibilities」の取り組みの一環として、新規事業領域の重点分野を絞り込み、着実な事業化に向けた検討を進めています。モビリティサービスでは、MaaS対応向け事業開発を加速させ、配車アプリケーションサービス最大手のGrab Holdings Inc.(本社:シンガポール)に出資し、戦略的な業務提携を進めています。その他にも自動運転車を使った工場内の物流システムを手がける新会社の設立や果菜農業のフィールドにおける無人走行車両の開発・試験を実施し、さらには自動化を推進する米国企業との業務提携による技術開発も進めています。また、既存の基幹事業では成長領域を定めて、成長戦略を推進しています。新しい形のモビリティとしてLMWのラインナップ拡充、コネクテッドモデルの発売、小型の立ち乗りモビリティ「TRITOWN(トリタウン)」の実証実験、電動推進機とステアリングシステムを統合した新しい操船システム「HARMO(ハルモ)」の北海道小樽市での実証運行、ロボティクス事業のM&Aなどに取り組んでいます。

・ 最先端の技術を駆使したマリンライフをさらに安心・快適な経験に変えるため、マリンCASE戦略を進めています。「C」の「Connected」では、つながる安心としてコネクテッドボードの実現を計画しています。品質問題の早期発見、問題の未然防止、顧客サービスの向上を狙いとして、「HELMLINK(ヘルムリンク)」を米国市場に投入しています。またコネクテッド領域で強みをもつ米国のSiren Marine, Inc.に出資し、IoT対応やコネクテッドボード対応に向けた技術開発を推進しています。「A」の「Autonomous」では、2019年に当社開発の次世代操船システム「HELM MASTER(ヘルムマスター)EX」を先進国市場に導入しました。システムの拡張や機能を追加した自動運転システムです。「S」の「Shared」では、国内で当社が運営するマリンクラブ「Sea-Style」で、マリンレジャーの経験の提供拡大を進めます。入会者数は中期経営計画以前の2018年12月期から比べて13%伸張、ヤマハボート免許教室の受講者は12%伸張しています。また海外展開のスタディも開始しています。「E」の「Electric」では、電動モーターを動力とする新しい推進機で、静粛な時間・空間の提供を進めます。

 

6.株主還元

・ 当社は配当方針について、「安定的かつ継続的な配当を維持し連結配当性向30%を目安とする。」、「キャッシュフローの範囲内で成長投資と株主還元をバランス。」と定めています。2020年12月期の年間配当金は配当性向約40%の1株当たり60円、2021年12月期の期末配当金は、1株当たり100円を予想しています。当初予想の90円から10円上方修正しました。

・ 株主優待の商品として、本社がある静岡県をはじめ、グループ会社がある各地の名産品を用意しています。他にも当社ならではの優待品として、二輪車の免許やオート免許の割引講習券、レンタルオートの利用割引券等があります。当社の優待は保有株数に応じてポイントを進呈し、ポイント数に応じて商品を選択する制度です。また、3年間保有すると、さらにポイントが増える仕組みです。ぜひ長期での保有をご検討ください。

・ 株主との関係強化、当社の魅力の発信を目的として、2018年に「ファン株主クラブ」を立ち上げました。100株以上保有する株主は、無料で登録できます。活動内容は業界イベントへの招待、二輪車や船外機等の当社の工場見学、経営層との座談会等があります。

・ 当社の株価の推移は2018年の年初をピークに、当社業績の下方修正や、米中貿易摩擦やコロナ禍といった外部要因から株価が低迷しました。しかし2020年3月を底に株価は回復しています。株価は経営陣にとっての最重要課題であり、今後も企業価値の向上に努めます。

 

7.まとめ

・ 最後に、本日の説明のまとめです。当社は、幅広い商品をグローバルに展開しております。特定の商品や特定の地域に偏らない事業基盤を持っているということは、安定性につながります。実際、コロナ禍ではその強みが大いに発揮されたと思います。そして、長期ビジョンの実現を通じて、社会課題の解決に貢献し、企業として成長してまいります。さらに、安定的な財務基盤を背景に、成長投資とのバランスをとりながら株主様への還元を充実させてまいります。

 

以上

 

 

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