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京阪神ビルディング株式会社(8818)

開催日:2021年9月2日(木)

説明者:代表取締役社長  南 浩一 氏

 

1.会社概要

・本社は大阪市中央区瓦町、大阪のメインストリートである御堂筋に面したビルにあります。創立は1948年12月で、資本金は98億2,761万円です。従業員数は連結で52名(2021年6月末現在)と、少数精鋭で事業運営を行っています。創立の翌1949年には大阪証券取引所市場へ、2003年3月には東京証券取引所市場第一部(以下、東証一部)へ上場しました。証券コードは8818、最低売買単位は100株で、直近の株価で換算すると15万円前後です。

・売上高の推移について、創立以来着実に成長を積み重ねてきています。

当社は時代のニーズに合わせ、さまざまな事業の変遷を経て、ポートフォリオを築いてきました。2021年3月期にはデータセンタービル事業が売上の46.4%を占める主力事業となっています。

 

2.京阪神ビルディングの強み

・当社は「多彩な事業ポートフォリオ」、「健全な財務バランス」、「きめ細かいビル管理」の3つを強みとしています。

・「多彩な事業ポートフォリオ」は、空室率の推移に現れています。当社の賃貸資産ポートフォリオは、オフィスビル市況に左右されにくい高機能なデータセンタービルやウインズビルが約半分を占めることもあり、当社ビル全体の空室率は東京と大阪のビジネス地区の空室率を下回っています。2021年6月末の当社保有ビル全体での空室率は0.4%。引き続き安定した高い稼動率を維持するべく、注力していきます。

・「健全な財務バランス」は、1株あたり純資産と純利益、自己資本比率の推移から読み取れます。当社は東証一部上場の不動産業の同業他社10社の自己資本比率平均と比べても、高い自己資本比率を維持。財務バランスの安定を図りながら、着実に1株当たり純資産や純利益を積み上げています。今後とも財務バランスの安定性に留意しつつ、事業の拡大を通じ、株式価値の向上に取り組みます。

・当社は、長年にわたり企業価値を着実に向上させる安定した経営方針が評価され、24年間連続して株式会社格付投資情報センター(R&I)から「A−」に格付けられています。この良好な格付けと信用力を生かし、現在合計450億円の社債を発行。年間平均調達金利も年々低下し、前期末での平均金利は0.76%です。また、低金利調達のメリットを長期間にわたって享受するべく、有利子負債の平均返済期間の長期化にも取り組んでいます。今後もこの信用力を生かし、直接金融と間接金融のバランス、返済期日の長期分散化に留意しながら資金調達コストの低減に努めます。

・3つ目の強みである「きめ細かいビル管理」について。当社のビル管理事業の特徴として、大手ゼネコンでの現場経験豊富な技術スタッフを多く雇用し、高品質なビルづくりや気配りの行き届いたビルマネジメントを実現しています。また、技術スタッフと営業スタッフが密接に連携し、テナントの要望にきめ細かく応えられる体制を敷き、各テナント、特にデータセンタービルのテナント様から高い評価と信用を得ています。

 

3.データセンタービル事業について

・データセンタービルとは、インターネット用のサーバーやデータ通信のための装置を設置することに特化した建物です。大切な情報やシステムを守るために、通常の建物に比べ、立地や防災対策、電力供給・通信設備、セキュリティ対策がより重要視されます。

・現在のデータセンターは大きく「都心型」と「郊外型」の2種類に分かれます。そのうち当社は「都心型」に特化しています。都心型の特徴は、インターネット回線の結節点(インターネットエクスチェンジ)や他の都心型データセンタービルに近く、データ通信速度に優れ、高速処理に適した立地であることや電力や通信インフラの確保がしやすいことが挙げられます。これに対して郊外型は、土地の値段が安く大規模な施設が建てやすいことが特徴です。

・当社のデータセンタービルは都心型に特化しています。通信インフラの稠密な大阪の都心に立地し、社員や技術者が日頃から行き届いたメンテナンスを実施。緊急時にもすぐに駆けつけられる体制を敷いています。また、当社はビルをスケルトン状態(内装がない状態)で賃貸。入居テナントが自社で内装や機械設備を設置するので、各社のニーズにあった仕様でご利用いただけます。そして、30年にわたり培ってきたビルの企画や運営ノウハウと、パートナー企業との良好な関係が当社の最大の特徴であり強みです。

・AIやIoTの発展、5G通信などに伴うデータ通信量の増大により、データセンターの市場規模は引き続き拡大が見込まれます。このような環境の中、当社は引き続き当事業に注力し、時代のニーズに合わせた高品質なデータセンタービルを提供していきます。

 

4.中期経営計画

・2019年10月に、2020年3月期〜2026年3月期の7カ年を対象期間とした中期経営計画を発表しました。より中長期的な視野に立った戦略を実行していくため、「ここからの挑戦〜新たな成長のステージへ〜」というキャッチコピーのもと、既存の4部門の賃貸事業のさらなる成長と拡大を図ります。また、当面の都市環境の変化を見極め、重点施策を実行し、次世代に継承される資産の拡充、持続的な成長と企業規模の拡大を目指します。

・中期経営計画の数値目標は、計画最終年度の2026年3月期に売上高220億円、営業利益80億円、経常利益75億円、税引後償却前経常利益は100億円としています。

7年間の投資計画は、首都圏を中心とした地域での新規投資の検討や所有物件の大規模な更新修繕を計画しており、総額1,000億円規模になると考えています。

・東京地区での事業拡充とともに地域ポートフォリオの分散を図るため、東京都港区虎ノ門にて建築していたオフィスビル「京阪神虎ノ門ビル」が、昨年11月に竣工しました。

・虎ノ門エリアは国際的なビジネス拠点として注目されており、首都機能が集積する霞が関に隣接する日本有数のビジネス街です。「京阪神虎ノ門ビル」は、東京メトロ銀座線の虎ノ門駅から徒歩2分、JRの新橋駅から徒歩6分と交通至便な立地です。

また、データセンター事業で培ったノウハウを生かし、BCP(事業継続計画)対応の高い機能性を持ち、ハイスペックな省エネ設備を導入。環境にも配慮したオフィスビルです。

・大阪地区の旺盛なデータセンター需要に応えるため、当社8棟目の都心型データセンタービルとして開発していたグローバル水準の大規模データセンタービル「京阪神OBPビル」が本年4月に竣工しました。

・「京阪神OBPビル」が位置する大阪ビジネスパークは、大阪市内では強固な地盤とされる上町台地の北東に位置し、水害にも強いとされるところです。災害への備えでは、南海トラフ地震や直下型地震を見据えた免震構造を採用。停電時にもデータセンターの運用継続が可能になるよう大型非常用発電機や発電燃料を備えています。省エネ対策や緑化対策にも積極的に取り組み、環境性能の認証を取得するなど、環境にも配慮したデータセンタービルです。

・中期経営計画の新規投資戦略について、オフィスビルは、中規模クラスのビルに特化し、東京都心部への投資を推進。他社とのタイアップによる再開発事業への参画を検討します。データセンタービルは、大阪地区での新データセンタービルの開発を目指すほか、大阪地区郊外や東京地区での事業展開、アライアンスによるデータセンタービル投資も検討していきます。商業ビルは、都市型商業ビルの取得を計画します。物流倉庫は、特定顧客向けの設備や機能を備えたオーダーメイド型倉庫のほか、マルチテナント型大型倉庫の取得も目指しており、首都圏を中心に収益物件の情報を収集しています。

・既存施設の見直しについては、築年数や収益性、建て替えによる将来の発展性などを考慮し、売却または建て替えを進めます。

引き続き保有するアセットについては、投資計画に基づいた設備の更新や修繕のほか、お客様の要望を取り入れた更新を実施し、ビルのバリューアップを図り、テナントサービスの強化を通じて収益性の向上を目指します。

リスクへの対応については、関西圏集中リスクの低減のため、引き続き地域ポートフォリオの分散を進めます。また、激甚化する災害に対応すべく、BCP対応ビル等へのリニューアルを行うなど既存施設の災害リスクの低減を進めていきます。

将来に向けた新たな事業展開については、アライアンス等による事業の多角化、新たな投資手法、米国をはじめとした先進国の不動産への投資などを検討していきます。

・財務基盤については、安定的かつ低金利での資金調達に取り組み、自己資本比率30.0%以上、ネット有利子負債/EBITDA倍率10倍以下とし、財務バランスの健全性を維持していきます。計画最終年度のROAは4%台とし、格付については現在の「A−」を維持しつつ、1ステージ上の格付取得を目指します。

株式還元については、配当性向を35.0〜40.0%とし、安定性、継続性を重視した配当方針とします。

 

5.ESGの取り組み

・当社は経営理念に基づき、社会とともに持続的な成長を実現するため、ESGを意識した事業の運営を行うことで企業価値の向上に努めます。

・ESGの具体的な取り組みとして、環境(E=Environment)については、ビルの長寿命化に取り組み、予防的に修繕や更新の工事を実施するなど、建物や設備を長く使うことで資源の節約に努めています。また、ビルの緑化やエネルギー管理運用システムの導入による環境負荷の低減、環境認証の取得にも積極的に取り組んでいます。

・社会貢献(S=Social)について、地域社会へ向けた取り組みとして、文化芸術活動や地域イベントの協賛・寄付のほか、本社のある御堂筋一帯の清掃活動も行っています。イベント開催時にはビルの敷地を提供するなど地域の賑わいづくりに貢献。当社とともにビルの運営管理を行うパートナー企業へは、優秀なスタッフへの表彰やBCP訓練を共同実施しています。

従業員への取り組みでは、育児・介護休業等の支援制度やシニア世代の積極的な活用など、すべての従業員が健康に活躍できる職場づくりに取り組んでいます。

・企業統治(G=Governance)の取り組みとしては、取締役の過半数を独立社外取締役とすることによる監督機能の強化のほか、執行役員制度の導入、社外取締役を委員長とする指名・報酬委員会の設置など、経営の効率性と透明性を高めるための施策を行っています。サステナビリティの取り組みを推進する組織として、昨年度、サステナビリティ委員会を設置。活動状況は取締役会に定期的に報告しながら進めています。

 

6.今期の業績予想について

・今期の売上高は、新たに竣工した虎ノ門ビルやOBPビルの寄与により、前期比14.8%増の176億円を見込んでいます。しかし、新たに不動産を取得した場合は、不動産取得税等、初期費用が発生します。本年4月に竣工したOBPビルは、その投資規模に伴い、初期費用の負担額も大きく、営業利益・経常利益は若干の減益予想を公表しています。尚、OBPビル竣工に伴う初期費用は、あくまで今期のみの一過性の費用として発生するものです。OBPビルによる利益寄与は来期以降を見込んでいます。

また、前期に一部の不動産や有価証券を売却したことによる特別利益については、今期は今のところ発生を見込んでいません。そのため当期純利益は前期比60%の減益を予想しています。しかし当社が重要な経営指標として掲げている税引後償却前経常利益は70億円で、前期比20.8%の大幅な増益を見込んでいます。税引後償却前経常利益は、営業活動による経費、利息、税金等の現金支出をすべて支払った後の償却前利益、つまり手元に残るお金を示しています。この拡大によって配当を充実させ、成長投資をしっかりと実施し、すべてのステークホルダーの声に応えていきます。

 

7.株主還元

・当社は前期、一部の不動産や有価証券を売却したことで多額の特別利益を計上しました。これに伴い株主の皆様への機動的な還元策として、3月1日から自己株式取得を実施しました。

発行済株式総数に対し3.61%の187万5,000株、取得価格では30億円を上限とし、取得期間を9月15日までとしていました。しかし取得株式数が上限に達したので、8月末で終了しています。自己株式取得の終了については、昨日(2021年9月1日)開示しています。最新情報はそちらをご覧ください。

・当社は安定性と継続性を重視した配当を株主還元の中心に位置づけています。配当額は、中期経営計画の配当性向35.0〜40.0%という目標をベースに、安定した配当を行うことを基本方針としています。2015年3月期から2021年3月期まで7期連続で累計17円の増配を実施。今期は、一過性の費用負担による減益を予想していますが、当面、堅調な業績が見込めるため、年間配当は前期と同額の31円を予定しています。当社は今後も安定性と継続性を重視した配当方針を堅持し、株主の皆様への一層の利益還元を経営の重要課題として位置付け、さらなる企業価値向上に努めますので、ご理解いただくようお願い申し上げます。

 

8. 質疑応答

Q1.新型コロナウイルスの感染拡大が前期の業績に与えた影響と、今期はどのような影響が及びますか。加えて貴社のビジネスモデルへの影響をご説明ください。

A1.当社のビルは、コロナウイルス禍の影響が大きいと言われている飲食店や一般小売業・流通業のテナントが少ないため、前期もコロナウイルス禍の影響はあまりありませんでした。ビルの空室率も、一般的な世間の空室率よりも比較的低い水準で推移しています。しかし全くゼロかというと、そうではなく、オフィスビルのテナントの一部では、コロナウイルス禍の影響で賃貸面積を減らしたり、退居する企業もあります。ただ、比較的その影響は少なく、今期も軽微に留まっています。

それが今後、当社のビジネスモデルにどう影響するのか―その判断はなかなか難しく、一般的にはテレワークの流れで、オフィスビルそのものの必要性が問われています。その影響は今後見極め、対応も検討しなければならないと思います。

その中で当社のビルは、中規模で都心部という競争力のある地域に立地しています。中規模のビルは、大規模なオフィスから縮小する流れの受け皿にもなります。一方、成長企業が小さなオフィスから広いオフィスに移転する流れにも対応でき、大から小、小から大、双方のニーズに応える中間点を狙えます。今後、オフィスの流動性が高まる中でも、受け皿になれるのではないかと見ています。その戦略はこれまでの延長線上として見据えていきたいと思います。

いずれにしてもコロナウイルス禍が社会活動を変化させていくことになります。その点をしっかりと見極め、今後の投資戦略に生かしていきたいと思います。

 

Q2.データセンタービルの今後の市場は拡大しそうですか。

A2.データセンタービルにはかなりの需要があります。IoTや5G、車の自動運転等々、世の中のデジタル化が進むことで、データトラフィック(通信量)も増大。その受け皿がデータセンタービルで、社会のデジタル化を支えています。その種の需要は日本国内で非常に高まっています。首都圏と関西圏がデータセンタービル需要の主たる地域で、我々はその需要をしっかりとつかんでいく。そしてデータセンターを運営するデータセンター業者の需要に合ったビルや今後求められるビルを作り続けていきたいと考えています。

 

Q3.データセンタービルの地方分散の考え方はありませんか。

A3.データセンタービルの立地は、首都圏と大阪を中心とする関西圏が中心です。しかし今後は地方にデータセンターが造られる流れもあると思います。しかし、立地特性や電力状況等々、データセンタービルに合うモノが各地にあるのかについては、悩ましい部分もあります。データセンタービルを利用するデータセンター業者も、東京・大阪を中心に運営したい気持ちが大きいと思います。大都市圏と地方の両方が進んでいくと思いますが、我々は我々の地の利がある大阪と我々のネームバリューを利用した首都圏での展開を考えていきたいと思います。

 

Q4.社員の育成について概略を教えてください。

A4.当社の社員数は約50名で、非常に少ない人数で運営しています。賃貸ビル業の特性や協力会社にかなりの部分をお願いしていることが、少人数で事業運営可能な理由です。

その一方で、50名で運営するには、一人ひとりがそれぞれの役割をきっちりと果たすことが重要。それで初めて少人数効率経営が実現します。そのため社員教育には非常に意識しています。OJTを中心とした教育で、若手社員が今、当社の発展を支えています。会社の発展が社員の成長を促進する効果もあります。人は財産と考え、これからも少人数効率経営を推進していきたいと考えています。

以 上

 

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