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J.フロント リテイリング株式会社(3086)

開催日:2021年7月18日(日)

説明者:財務戦略統括部 IR推進部長  稲上 創 氏

 

1.会社概要

・ 当社は2007年に関西中心に展開する百貨店の株式会社大丸と、中部地区を中心に展開する株式会社松坂屋ホールディングスが経営統合して設立された純粋持株会社です。

・ 社名の由来は、日本の小売業の先頭に立つという想いを込めて名付けました。百貨店を中心に複数の小売り事業を展開するグループ企業として成長するために、従来の百貨店の名前は使用しませんでした。

・ 2020年春に当社は都市型の商業施設の開発を主とする株式会社パルコを完全子会社化して、発足当時の想いを体現しました。今後もこのメリットを最大限に生かし、活用しつつ、当社ならではの成長を目指していきます。

・  当社の前身である大丸は2021年で創業304年、松坂屋は410年の長い歴史があります。

・ 大丸の社是である先義後利(せんぎこうり)と松坂屋の社是の諸悪莫作(しょあくまくさ)衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)の理念は、顧客第一主義と社会への貢献であり、現在のグループ理念の持続可能な経営、すなわちサステナビリティ経営にもつながっています。

・ 当社のグループビジョンは、“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する”です。2016年に当社グループが今後10年、20年先に向かう姿を示しました。事業を取り巻く環境が目まぐるしく移り変わる中で、単に現状の延長線上での取り組みを続けているだけではグループの成長は見込めず、ステークホルダーの期待に添えないとの認識から将来を見据えて非連続な成長に取り組む必要があると考えます。この認識の下で今後、当社グループが進む方向を小売業の枠にとらわれない、暮らしの新しい幸せを発明するというビジョンとして策定しました。

・ 2020年度の国際会計基準による当社グループの連結の売上収益は約3,190億円で総額売上高は約7,662億円でした。

・ 2020年は新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で長期間休業の事態に直面し、以前の売上高1兆円超から大きく減収となりました。

・ 連結売上収益のうち百貨店が約5割で、「パルコ」を含めた2つの事業で約7割を占めます。他には、不動産、クレジット金融事業等を展開し、連結子会社数は現在22社です。

・ 百貨店事業は、全国主要都市に大丸と松坂屋を16店舗展開しています。2017年は松坂屋の銀座店の跡地に百貨店から進化したラグジュアリーモール「GINZA SIX」をオープンしました。

・ ショッピングセンター事業の「パルコ」を全国主要都市に18店舗と、「パルコ」より小規模施設の「ゼロゲート」を11店舗展開しています。

・ 当社グループの特徴は全国の主要都市に店舗をバランスよく展開していることです。店舗資産が当社の戦略上の強みです。

・ 経営統合した2007年度の営業利益は約400億円でした。その後のリーマンショックの影響で低迷しましたが、グループ全体で構造改革を図って増益基調に転じ、以降は年間で約400億円規模の営業利益で推移しています。2020年度は新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で経営統合以来、初めての営業損失となりましたが、2021年度はコロナ禍からの完全復活を目指す中期3か年計画の初年度として、事業利益120億円、営業利益55億円を予想しています。

 

2.当社のこれまでの取り組み

・ 全国の百貨店売上高は1991年をピークに減少が続き、2019年には5兆7,000億円とピーク時の約6割となりました。2020年はコロナウイルス感染症の影響で4兆2,000億円にまで落ち込んでいます。こうした中で当社は、旧来型の百貨店のビジネスの延長線上では将来の成長は見込めないと考え、グループ全体で新たな百貨店のあり方を追求しています。

・ 2017年に開業した「GINZA SIX」は百貨店のビジネスモデル改革の大きな取り組みとなりました。当施設は松坂屋銀座店を含む2街区を一体開発してできたラグジュアリーモールです。商業だけでなくオフィスや文化施設、観光拠点を備える大規模複合施設です。開業以降多く来店者があり、業績は順調に推移しています。開業4年目の2021年は、開業以来初の大規模リニューアルを行い、新時代のラグジュアリーを提案する40以上の店舗が順次オープンしました。特に20〜40代の顧客の支持があり、ハイクオリティ、高感度の商品展開で当施設の特徴を打ち出し、今後さらなる成長が期待できます。

・ 今後の当社の百貨店モデルを象徴する店舗が2019年秋に開業した大丸心斎橋店新本館です。新本館は地上10階地下2階の建物で、強みである富裕層や訪日外国人への対応を強化しながら生活を積極的に楽しむ全顧客がターゲットです。百貨店では常識のフロア構成から脱却して、メンズ・レディースを組み合わせた構成をしています。この手法は「GINZA SIX」で取り入れて成果を挙げた手法の1つです。

・ 心斎橋店の強みを踏まえて、成長分野の化粧品やラグジュアリーは百貨店の売上利益の最大化を図ります。その他のカテゴリーは、テナントから不動産賃料を得る定期賃貸借契約で収益の安定化を図るハイブリッド構造となっています。売り場面積全体の約65%を定期賃貸借契約にして、人員の効率化やコスト削減によるローコストオペレーションを実現しています。建て替え前の大丸心斎橋店を設計した有名建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズ監修の内装を活用しつつ、現代デザインを融合して特別な空間を演出しています。

・ 従来の百貨店の概念にとらわれず、顧客のニーズや地域のマーケットに即した新たな店づくりに挑戦し、ノウハウを積み上げたことが当社の大きな強みとなっています。

・ 「渋谷PARCO」はオープン以来、インキュベーション、街づくり、情報発信を核に、渋谷の街とともに発展してきた「パルコ」の原点といえる店舗です。2019年秋に開業した新生「渋谷PARCO」は,世界に発信する唯一無二の商業施設を目指すことで、新しい刺激や楽しさの体験価値を提案し、文化やエンターテイメント性の高い店づくりを行っています。具体的には国内初の任天堂直営のオフィシャルストア「Nintendo TOKYO」のオープンやPARCO劇場の拡大、ファッションの再提案やデジタル技術を活用した未来型の売り場づくりにも挑戦しています。開業以来多くの来店者数を誇り、多くのメディアにとりあげられるなど、高評価です。新生「渋谷PARCO」の開業で、「パルコ」ブランドを進化させ、他の店舗へもブランド力を進化させていきます。

・ 2020年11月に開業した「心斎橋PARCO」は、百貨店と「パルコ」の相乗効果を具現化する新たな取り組みとなりました。コロナ禍での開業にもかかわらず好調なスタートでした。2021年3月は12階のシネコンや地下2階のユニークな心斎橋のネオン食堂街がオープンして、個性豊かな「心斎橋PARCO」は完成しました。当館は百貨店と「パルコ」が一体化した施設になり、「心斎橋PARCO」では百貨店の顧客を取り込んで相乗効果が出ています。百貨店と「パルコ」を融合させる取り組みを大阪の心斎橋以外のエリアにも広げる考えです。

 

3.中期経営計画

・ 当社を取り巻く経営環境は、想定を超える規模とスピードで変化しています。さらにコロナウイルス感染症の拡大は国内外の社会経済活動に甚大な影響を及ぼし、当社も未曽有の危機に直面しました。特に店舗に過度に依存したビジネスの脆弱性や都心立地の優位性への懸念、デジタル対応の遅れなど、コロナ禍以前からも課題だった既存ビジネスの陳腐化が一層顕著になったと認識しています。一方で人と人とのつながりやリアルなコミュニケーションの大切さ、なにより顧客と従業員の安心安全の重要性を再認識しました。また当社はお客様、株主、取引先、地域社会といったあらゆるステークホルダーとともにあることを改めて強く認識する機会となりました。この気づきを踏まえて、当社グループは、2021−2023中期経営計画に取り組んでいます。重要な今後の外部環境変化と当社グループの4つの強みを再構成し、グループ横断で最大限活用することによって、2030年を見据えたコロナ禍からの完全復活と再成長を目指す重点戦略を定めました。それが、「リアル×デジタル戦略」、「プライムライフ戦略」、「デベロッパー戦略」の3つの戦略です。

・ 3か年の中期経営計画では3年間を通じて主力の百貨店、「パルコ」SC事業を中心に3つの重点戦略に取り組むとともに経営の完全復活の最重要施策として固定費削減、経営効率・資産効率の向上を推進する経営構造改革に取り組みます。経営基盤強化としては、財務戦略、人材戦略、IT戦略、ガバナンスの強化を進めます。

・ 3つの重点戦略を説明します。戦略1つめは「リアル×デジタル戦略」です。コロナ禍により百貨店のビジネスは顧客の来店なしでは成り立たたないことを痛感しました。当社はリアル店舗のビジネスに過度に依存してきたためにデジタルへの取り組みは必須です。しかし、まずは主戦場となるリアル店舗とそこにおける商品やサービスなどを魅力化することがより重要であると考えています。

・ 具体的には、百貨店で堅調な富裕層消費を背景に強みであるラグジュアリーなど成長カテゴリーを拡充します。ほかには時計や美術品など業界内シェアが高いアイテム群の強化を集中的に取り組み、各エリアでの競合優位性を高めてまいります。また、新たなサービスや売り場の開発のほか、リアル店舗ならではの空間品質の向上と売り場構造の大胆な見直しにも取り組みます。婦人や紳士用品などの自主編集売り場を現状の半分程度に圧縮するほか、化粧品以外にも美や健康をテーマとした売り場構成への再編や拡張をして従来の百貨店にはなかった新たなコンテンツを導入していきます。

・ 大丸の須磨店では、地域行政との連携により、フロア構成を改めて、店内に公立図書館を誘致するなど、新たな顧客層の獲得につなげています。名古屋店では最大級のショッピング体験を可能にするため売り場環境の刷新を含めて時計・宝飾売り場の大規模改装を進める計画です。

・ 百貨店の強みは店舗とそのホスピタリティをもって顧客に接する販売サービスであるととらえています。したがって、デジタル戦略においても、当社はネット専門の「Amazon」や「楽天」を目指しておらず、オンライン上に店頭のような人のあたたかみを感じるユニークなショッピングサイトを構築しように考えています。

・ 具体的には、化粧品コスメのショッピングサイトを2021年度中に、さらにアートのショッピングサイトを2022年度に構築する予定です。このサイトでは単に商品を販売するだけでなく、顧客に魅力的な情報を伝えるメディア機能を付加した内容にすべく、現在ハイスピードで準備中です。

・ 「パルコ」については「渋谷PARCO」の要素を基幹店舗に波及させていきます。女性の内面的な美と健康をサポートするサービスや、食品メーカーとの提携による売り場の開発を進めます。また、「心斎橋PARCO」に先行導入しているコミュニティ型ワーキングスペースであるレンタル型オフィスを他店舗にも横展開していきます。これらの新しい価値観やライフスタイルの提案を通して、リアル店舗の価値やブランド価値の向上に取り組みます。

・ 「パルコ」でも、リアル(オフライン)とウェブ(オンライン)の融合に向けた基盤を構築してテナントとの共同による店頭とウェブの総合送客を実現します。「パルコ」の強みである映画や演劇などのエンターテイメントでもライブとデジタルを融合させたハイブリッドでの展開強化を図ります。

・  デジタル活用の新規事業として2021年3月にサブスクリプション事業に参入しました。同事業の「AnotherADdress(アナザー・アドレス)」は、服を使い捨てではないという信念のもとにファッションの本質的な価値を高め、社会や環境にとって持続性の高いビジネスモデルへの挑戦となります。国内外の洗練されたブランドの中から月額定額制で洋服を毎月3着レンタルできるサービスで、スタート時から好評をいただき、予約待ちの状況です。百貨店やパルコでのデジタル技術の取り組みをはじめ新たなマーケットの構築にも取り組んでいきます。

・ 2つめは「プライムライフ戦略」です。「プライム」は上質を意味しており、当社は日常生活に彩りを加える商品やサービスの提供で心豊かな暮らしに貢献する想いを込めています。2019~2021年は百貨店の外商基盤を基にラグジュアリーをはじめ、顧客から支持が高い商品を深堀して新たなサービスの開発に取り組んでいきます。オンライン強化としては、外商顧客向けショッピング専用サイトや自宅と売り場をタブレットなどでつないでショッピングできるシステムを2020年度から始動しています。これらを通じてニューリッチ層等新規顧客の拡大を図ります。また、中長期視点では、アジアなどの外国人富裕層の固定顧客化など、新たな顧客層の獲得も図ります。

・ 当社の戦略拡充に向けて、百貨店と「パルコ」ではアプリ会員の開拓に取り組んでいます。自社クレジット会員の保有促進以外にも顧客データをグループ統合データベースとして活用し、顧客一人ひとりとの関係強化を図っていきます。

・ 当社は決済金融事業として2021年1月に百貨店の新カードの発行とともに新たなポイントプログラムを導入しました。他の百貨店との比較から見ても同事業は伸びしろがあるので、今後グループの中長期的な成長の柱の1つとして位置付けてカード顧客の拡大を図り、加盟店事業の推進、保険金融事業の拡大など事業基盤を強化していきます。

・ 3つめは「デベロッパー戦略」です。当社は従来の商業不動産の開発運営からの進化を目指しています。当社保有の不動産価値を最大化するために、大阪心斎橋や名古屋栄での大型複合開発に取り組みます。また、資産の売却や入れ替えなど、収益性向上への取り組みと循環型スキームへの着手で、収益多元化のためのポートフォリオ改革を進めてまいります。

・ 2021−2023中期経営計画では、2030年を見据え、2024年度以降に飛躍的な成長を実現するための経営構造改革に取り組んでいます。

・ 具体的には固定費の圧縮による損益分岐点の引き下げを進めます。百貨店を中心にビジネスモデル改革や業務委託領域の見直しなど組織要員構造改革を進めるほか、オフィスの効率化や広告戦略のデジタル活用など経費削減に取り組み、固定費を2019年度比で100億円以上削減する予定です。また事業基盤の絞り込みや非事業資産の売却にも取り組み、経営効率の向上を図ります。

・ 経営数値目標は、最終の2023年度にはP/L、B/Sともにコロナ禍前の2019年度水準へ完全復活する予想です。中長期的には2019年度の小売り事業のポートフォリオのシェア8割程度を2030年度には6割程度にし、小売り以外のデベロッパー、決済金融などを約4割まで高める計画で、レジリエンスの高いグループ事業ポートフォリオへの変革を図ります。10年後の目標としては、当初3年間に完全復活し、再成長に舵を切ります。2030年度には連結営業利益800億円を目標に、グローバル水準で求められるROE10%以上の高効率な企業グループへの発展を遂げたいと考えております。

 

4.サステナビリティ経営

・ 当社は社是である先義後利を基軸にサステナビリティ経営を中核に据えて、企業戦略・事業戦略との一体化を図っています。サステナビリティとは文字通り「持続可能性」ということですが、当社は強みを生かし社会問題の解決を通じて企業価値の向上を図るとともに心豊かな暮らしの提案を持続していきます。

・ 当社は顧客や株主の協力のもと、コロナ禍などの環境変化を踏まえてお客様の健康・安全・安心な暮らしの実現と、サーキュラー・エコノミー推進の2項目を重点課題に追加し、課題解決に向けて着実に前進します。

・ 当社が掲げる 7つの重点課題のうち2点の具体的な取り組みを紹介します。1点目は脱炭素社会の実現への取り組みです。近年地球温暖化を背景に異常気象が多発し、当社も事業展開する地域に大きな影響を受けているため、脱炭素社会の実現を重要課題と捉えて取り組んでいます。当社のCO2の排出のうち約8割は店舗における電力使用によるために、再生可能エネルギーへの切り替えと省エネ化に取り組んでいます。大丸心斎橋店では100%再生可能なエネルギーの使用に加えて、館内照明を100%LED化しています。今後2050年までに事業活動に使用する電力をすべて再生可能エネルギー由来とすべく歩みを進めてまいります。

・ 2点目はダイバーシティ&インクルージョンの推進です。当社は出産や育児を機に仕事から離れた専門人材を採用するマザー採用を積極的に行っており、重要ポストを担う基幹人材も育ってきています。また、女性リーダーを積極的に登用し、連結の女性管理職比率は現状約2割まで向上しました。当社は多くの女性従業員に支えられており、今後も多様な人材の個性と能力活力を引き出し、企業価値向上につなげます。

 

5.株主還元

・ 当社は健全な財務体質の維持向上を図りつつ、利益水準、今後の設備投資、フリーキャッシュフローの動向を考慮したうえで、安定的な配当を心がけ、連結配当性向30%以上を目途に適切な利益還元を行うことを基本方針にしています。また、資本効率向上や機動的な資本政策の遂行を目的に自己株式の取得も適宜検討してまいります。

・ 配当実績は2019年度まで9年連続で増配を続けましたが、2020年度は大幅な営業損失によって減配となりました。中期経営計画により経営の完全復活を成し遂げて、配当水準も早期に2019年度水準に回復しようと考えています。2021年7月現在の株価水準で配当利回りは約3%程度です。当社は配当の充実に加えて、株主優待も実施をしています。当社の投資単位は100株ですので、2021年7月の株価では約10万円の投資で株主優待の権利を獲得できます。優待内容は百貨店での買い物が10%割引となる優待カード「大丸・松坂屋お買い物ご優待カード」を発行しています。ご利用限度額は所有株式数にもよりますが、1単元以上継続して3年以上所有の株主様には100万円を加算しています。

・ 2021年度から「パルコ」でのお買い物が5%割引となるクレジットカード「パルコお買い物ご優待カード」を希望者に発行しています。当社グループは店舗を全国展開しており、幅広く使える、メリットのある優待制度です。当社は顧客である個人株主様の意見を大変貴重と考え、大切にしています。

 

6.質疑応答

Q1. 新型コロナウイルス感染症における影響があったことは何ですか。また今後新型コロナウイルス感染症が収束後の対策を何か考えていらっしゃるようであれば教えてください。

A1. 当社はコロナ禍の影響で大きな打撃を受けました。そこでリアル店舗に磨きをかけることと同時にデジタル化への取り組みを進めています。店頭でのショッピング以外にも、スマホやタブレットなどで売り場と自宅をつないで、安心して店頭同様の買い物ができる環境を強みのカテゴリーを中心に構築する考えです。

 

Q2. インバウンドの回復についてはどのようにみておられますか。

A2.コロナ禍前の2019年の実績は、免税の売上高が年間で約600億円ほどでしたが、2020~2021年度はほぼ消滅している状況です。今後の見通しは大幅な回復は見込めないものの、コロナワクチン接種の広がりに応じて渡航制限も段階的に解除されると、外国から人気の高い日本には観光客が戻る予想です。2023年度までの3か年の中期経営計画の中ではおおむね2022年度後半から最終2023年度の間で段階的に回復する見込みで、2019年度の3分の2程度の400億円まで回復するのではないかとみています。当社は400億円にさらにプラスアルファを目指し、買い物観光客を中国のみならず東南アジアまで範囲を広げたいと考えています。さらに全国主要都市にある地域名産品を発掘してインバウンドの売上を中長期的に拡大する考えです。

 

Q3. 社員の育成について概略を教えてください。

A3.当社はダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。戦略遂行上、デジタル技術を活用しますが、「企業は人なり」と言われるように、最後は人だと考えます。育成面では1つめに経営者の育成、2つめに女性活躍の視点で女性管理職比率の向上をサステナビリティにおける数値目標として掲げています。この2つに力を入れて引き続き取り組んでいきます。

 

Q4.アフターコロナを見据えると小売業はどのように変動すると思いますか。それとも変化は起きないとお考えでしょうか。教えてください。

A4.コロナ禍からの回復はあるはずですが、努力なしに2019年度水準まで完全にもどることはないと認識しています。百貨店と「パルコ」では売り場構成の見直しを含めたビジネスモデルの転換に取り組み、グループ全体では百貨店やSCに過度に依存した現状のポートフォリオを不動産や決済金融から見直して、グループ全体の事業構成そのものを変えていきます。グループ全体のレジリエンスや体質改善に着実に取り組んでいきます。

 

Q5.コロナ禍における働き方改革について教えてください。

A5.2020年春に長期の店舗休業となって以後、店頭の従業員は現在もリアル店舗に出勤をしていますが、後方部門である本社や企画部門の従業員はテレワークを推進しています。本社では出勤する者は全体の3~ 4割程度で、そのほかはオンラインでのやりとりです。テレワークは1年ほど過ぎて順調に進んできたので、オフィスのフロア数を減らして経営効率を高める準備をしています。

 

Q6.海外顧客への取り組みについてもう少し具体的に教えてください。オンライン販売、接客などと相性も良いのではないのでしょうか。

A6.デジタル技術の活用で、時間と空間の制約が克服されると考えます。自宅と売り場をスマホやタブレットなどでつなぐ取り組みを現在進めています。例えば、資産価値の観点でも支持されている有名な現代アートの作品をリアル+デジタルで顧客に紹介して好評を得ています。現状は国内で完結しているシステムですが、海外でも時間や空間の制約を超えて販売できるため、税制上の制約などを克服すれば中長期的には大きなビジネスチャンスであるととらえて取り組む予定です。

以上

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