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ダイトロン株式会社(7609)

開催日:2021年6月5日(土)

説明者:代表取締役社長  土屋 伸介 氏

 

1. 会社概要および事業内容

・ 3月30日付で社長に就任した土屋です。

設立は1952(昭和27)年。今年で70周年を迎えます。本社は大阪市で、新大阪駅から徒歩10分くらいです。従業員数は連結で855名ですが、パートの方を入れると1,100名を超えています。電子部品や装置、計測器を製造販売しています。

・ 「きびしい仕事 ゆたかな生活」という創業の精神の元に設立されました。この当時から変わらない行動規範として、「積極開拓 創意工夫 良識遵法 精励勤勉 友愛団結」を掲げています。

また、経営理念については、株式上場を目指した際に制定しました。4項目の最上位に「社員の自己実現」を掲げています。事業を行う上で社員が全てであり、その自己実現を尊重しています。当然のことながら、株主様やお客様、仕入先様に対して、満足を提供することも重視しています。

さらに、社会貢献については、「我が社は絶えず感謝の念をもって社会に貢献します」と記載しています。創業者が設立した公益財団法人ダイトロン福祉財団が滋賀県で活動中です。この財団はハンディキャップを持つ方の自立支援を行っており、既に10数年の活動歴があります。会社として活動をサポートするだけでなく、社員も寄付などを通じ、支援をしています。

・ 当社は今までに2回社名を変えています。最初は大都商事株式会社。京都の舞鶴市出身の創業者・燒{善四郎が1952年に大阪市北区で創業したため、大阪の「大」と京都の「都」から命名しました。創業当時は、東京通信工業株式会社(現ソニー株式会社)の特約店として、テープレコーダを放送局や学校などに販売をしていました。

1998年、上場を機に1度目の商号変更をしました。大都商事という社名では、何をやっている会社なのか、わかりにくいところがありました。そこで、エレクトロニクスに関連する事業を行っていることをわかりやすく伝えるために、ダイトエレクトロン株式会社に改名しました。

そして製造部門の強化を図り、メーカー子会社2社を吸収合併した2017年に社名も一新し、現在のダイトロン株式会社となりました。ダイトロン(Daitron)は1969年に既に商標登録している当社の製品ブランド名でもあります。

・ 創業した1952年の翌年にテレビ放送が始まっています。当社の歴史はテレビやラジオ、電話などの電子産業と共に成長してきました。

1970年頃にはメーカー部門を作り、ここから製販一体化をしています。また当時珍しかった半導体分野に対し、この時期から強化を図ってきました。

1990年代から2000年代には、日本の電子産業が海外に進出し、当社もそれに応じて海外展開をスタート致しました。1990年代以降はバブル経済崩壊やITバブル、リーマンショック、東日本大震災と産業に大きな影響を与える出来事が多々起こりましたが、当社はアップダウンしながらも徐々に成長し、現在に至っています。

・ 営業・生産拠点は、国内に北は仙台から南は熊本まで24拠点、近畿、中部を中心に、東京、広島、九州の7拠点に工場があります。海外ではアジアを中心に12拠点を展開し、工場はアメリカのネブラスカ州にあります。

・ 当社の一番大きな特徴は、商社機能+メーカー機能を持った、ユニークな会社であることです。この強みを生かし、お客様のニーズに対応しています。メーカー機能を持つ商社はたくさんありますが、我々は、自社で開発し、付加価値の高いオリジナル製品を生産することで差別化を図っています。

もう一つの大きな特徴は、商社からスタートしていることもあり、豊富でバランスの良い顧客資産があることです。70年近くビジネスが続いているので、国内外に多くのお客様があり、総取引先数は5,000社近くあります。主要取引先で600社くらいです。ベースが商社なので、パートナーである仕入先の数も多く、国内外で約1,800社、主要仕入先で200社あります。これらの会社と連携して、お客様の色々なニーズに対応できる体制があります。

・ 当社は2本部2カンパニー制で構成されています。

Development & Productionを示すD&Pカンパニーは、メーカー部門として、モノ作りの開発から設計を担当し、約360名です。

Marketing & Salesを示すM&Sカンパニーは、販売やマーケティングなどの商社機能を担当し、約450名が働いています。

本社である管理本部は、50〜60名であまり規模を大きくしていません。

海外事業本部は国内のサポート部隊が約60名、現地に約150名の従業員がいます。

これらの全組織の従業員数を合計すると、約1,000名の陣容です。

・ 当社が取り扱う商品は、大別すると電子機器及び部品と製造装置です。売上高構成比は2021年3月末の実績で、電子機器及び部品関係で81.8%、製造装置関係で18.2%です。電子機器及び部品関係は、幅広い分野で使われているので、比較的安定したビジネスです。一方、製造装置ビジネスは、企業の投資状況に影響を受けますが、非常に高い収益力があります。そのため経営戦略として、電子機器及び部品関係で安定を図り、製造装置で収益を上げる事業構造の構築を目指しています。電子部品と装置をバランスよく運営することが、会社経営の大きなポイントです。

・ 電子機器・部品は、産業用の機器の中で使われているものが多く、日ごろは目に触れることがあまりありません。その中でも当社のオリジナル製品がいくつかあります。ハーメチックコネクタや超低ノイズスイッチング電源などです。

・ 製造装置とは、半導体・FPD 製造装置や電子部品製造装置などです。装置関係は我々のオリジナル製品が多い分野です。特に半導体ウェーハの加工や光ネットワークや自動車でよく使われる光半導体の加工装置が代表的です。最近、用途が広がっている分野です。

・ D&Pカンパニーの装置関係では、半導体材料の加工や通信関係に使われるLD(レーザーダイオード)装置などを作っています。モノを作ったり、計測したりする装置です。工場は、京都の亀岡、愛知県の一宮、東京の多摩にあります。

・ 当社は、仕入先から仕入れたものの販売と、自社で開発したものの製造販売をしています。当社のお客様はエレクトロニクス産業のメーカーが中心です。一般のコンシューマ向けの販売はありません。しかしこれからの皆さんの生活を支える部分に関わっています。例えば5G、今使っているスマートフォンは、ここ 1〜2 年で大きく変わり、新しい通信システムになります。それからIoT、全ての製品がネットワークに繋がり、管理制御されるようになります。その先駆けが自動運転です。そこにはAIも関係し、データを処理しながら、予測していきます。5G・IoT・AI の分野は、大きく広がることと思います。それらを利用するスマートフォンやロボット、家電などに半導体やセンサー、部品が使われます。自動車も今の何倍も電子部品や半導体が使われるようになります。このような市場がこれからの10年、爆発的に大きくなります。そこにダイトロンの事業を拡大していくのが、当社の戦略です。

 

2.第10次中期経営計画(10M)について

・ 第10次中期経営計画が2021年度の今年からスタートしています。

事業環境はこれからの3年間、米中問題は引き続き、状況としてもあまり変わらず、また、新型コロナウイルスの影響が大きく残る期間ではないかと思います。ただ、5GやIoT、AIは非常に速いスピードで拡大するのではないかと考えます。

それらを背景にして、我々も次のジャンプアップをする大きなチャンスの時期になります。成長と共に高収益も目指します。成長と高収益という両面を目指すために、引き続きオリジナル製品の比率や海外事業を大事に育てていきたいと思います。

・ グループステートメントは、前中期経営計画から引き続き、「Creator for the NEXT」。以前は「Coordinator for the NEXT」でしたが、メーカーを統合したことでクリエイティブな部分を強化したいという思いを込めています。

・ 長期経営構想のスローガンは、「技術立社として、グローバル市場で躍進する」です。目指す企業イメージも、「グローバル視点で技術と販売力を磨き、技術立社として社会に貢献する企業」であることと「多様性でイノベーションを創出し、高い生産性を実現する企業」であることです。

長期目標は以前から掲げていますが、連結売上高1,000億円企業です。

・ 数値目標の基本方針は、持続的な成長であり、売上高も営業利益も持続的に拡大していきたいと考えています。特に人材や技術開発にフォーカスしており、設備投資をした上で成長に繋がるサイクルをできるだけ早く回せるようになりたいと思います。

自己資本比率50%は前中計から継続した目標です。ROAとROEは前中計で目標をクリアしているので、当中計では少し数値を上げています。

・ 目標とする事業構造として、事業別構成比に新規事業5%を加えました。また、成長と高収益を目指すためにカギを握るのがオリジナル製品です。そのためオリジナル製品比率25%を目標にしています。前中計ではオリジナル製品比率30%を目標にしていましたが、今回は内容を見直しました。従来は海外からの輸入商品の一部もオリジナル商品に分類していましたが、今回は我々社内で開発・設計・製造した商品に絞り込んでいます。成長軸では海外事業比率を従前からの30%としています。海外市場での事業拡大がこれからの成長の大きなポイントになります。

・ 中期経営計画戦略の基本方針は、「注力領域・市場を明確化し、成長を加速する!」です。特に、産業機器、通信、IoT、5G&6G、メディカル、データセンター、コンピューティング関連、半導体はWithコロナ対応にも関連する注目市場です。活発な動きがあるので、注力分野として取り組んでいきます。

必要に応じて全社的なプロジェクトを組み、短期的に立ち上げていくことも検討しています。

・ 持続的成長に向けた具体的な戦略として、マーケティングやモノづくり、新規事業創出、コーポレート部門のそれぞれの力を高めていきます。

・ マーケティング力の強化については、現在の事業は70%以上が国内事業です。これをきっちりと強め、安定的な成長を目指します。

我々の基本方針は地域密着です。コロナウイルス禍でも地域密着・顧客密着が有効です。メーカーと直接つながっているので、お客様から頼られ、face to faceの対面の打ち合わせが求められています。その一方、リモートのノウハウも蓄積。対面とリモートの両方の力を合わせることで、従来以上の力が付くのではないかと考えています。

また、国内ネットワークの充実に向け、北海道や四国にも拠点を作りたいと思います。

・ マーケティング力の強化として、海外ビジネスの成長も重要です。従来の東南アジア中心の投資は引き続き行います。それ以外のアメリカや中国にも出張所をどんどん構え、各国内のネットワークをもう少し強化させたいと考えています。

新しい取り組みとしては、ヨーロッパの拠点をできるだけ早い時期に整備したいと思います。特に海外ではその地域独自のビジネスを推進する必要があります。さらに電子部品ビジネスを海外で強化するために、ネットワークが非常に重要です。現状ではアメリカの工場で運営していますが、アジアでの製造拠点も検討していきます。

・ モノづくりの強化として生産体制では、中部工場が第二工場まで完成しました。ここをきっちりと活用していきます。昨年は新型コロナウイルスの影響もあり、あまり動けなかったのですが、今年は積極的に動き、生産強化に取り組みます。大量生産品や中部工場を中心とした開発体制を強化していきます。仕入先様と連携したビジネスの拡大やオリジナル製品の代理店販売も並行して強化していきます。

・ モノづくりの強化では、ダイトロンのブランド名で販売するオリジナル製品ビジネスにもさらに注力していきます。現在、この分野はメーカー部門の生産量の50%くらいを占めています。残りはお客様仕様の製品で50%ありますが、ダイトロンブランド品に対して積極的に投資し、売上比率を増やしたいと思います。これは電子機器・部品も製造装置関係も同様です。これにより当社製品の付加価値向上を目指しています。

・ 新規ビジネスの育成について、当社には「グリーン・ファシリティー部(GFD)」があります。ここは、停電発生時のバックアップに当たる無停電電源装置(UPS)を扱っています。特に日本ではデータセンターの建築が非常な勢いで進んでおり、UPSの需要が高まっています。当社では海外で人気があるEaton社のUPSをプッシュしています。

・ 新分野や新製品事業を行うには、それをサポートするコーポレート部門の力を高めることも必要です。人財は我々にとって非常に重要な力です。人財力の強化に向けて、人事評価システムの見直しを行い、多様性のある人財を採用していきたいと考えています。

・ これらの取り組みに向けて、引き続き皆様の御支援を賜りたい。ダイトロングループは、エレクトロニクス業界の技術立社として進化を果たし、グローバル市場に新たな価値を創造していきます。

 

3. 業績ハイライト

・ 第1四半期(1〜3月)の売上・利益は、前年同期とほぼ同水準で推移しました。2020年の第2・第3四半期(4〜9月)は、新型コロナウイルスの影響を非常に大きく受けました。しかし秋口から受注・売上共に回復しつつあります。

・ 我々の事業構造の特長はメーカー部門があることと専門的なセールスを行っていることです。オリジナル製品もあるので、一般的な電子部品商社と比べ総利益率が高く、20%前後で維持できます。

・ 地域別の売上高は、国内は前年同期比でプラスになりましたが、海外比率は前年の22.5%から今期は17.5%となりました。中でもアジアの売上が落ち込んでいます。半導体や部品関係の製造装置が低迷しました。

・ 財政状況は、自己資本比率は40.4%で目標の50%には届きませんが、比較的健全な財務状況を継続しています。

・ 昨年の秋口から受注は改善傾向にあります。電子機器及び部品のボトムは2020年第2四半期(4〜6月)で、それ以後、徐々に回復しています。製造装置関係も同様です。エレクトロニクス業界は、リモート会議や在宅勤務のPC、スマートフォン、それらに関係するデータセンターが非常に活発に動いています。業界の動きが活発になれば、半導体の消費量も大きくなるので、それらに関連する投資も拡大しています。

・ 受注残のレベルは高水準で推移しています。

・ 5月7日に公表した第1四半期決算短信で、第1四半期の業績を鑑み、通期連結業績予想を修正しました。売上高は9.7%アップの630億円、営業利益は27億円、当期純利益は18億7,000万円。増収増益を予想しています。

・ 商品セグメント別の見通しでは、電子機器及び部品は引き続き堅調に推移。製造装置も今年は昨年に比べ、かなり良くなる傾向だと考えています。

・ 新型コロナウイルス感染拡大の影響について、当社は時短勤務、時差出勤、在宅勤務、出張禁止等、一般的な取り組みは全て行っています。

 

4株式情報

・ 2020年度の配当は年間50円でした。今期2021年度は、中間25円、期末30円の合計55円の配当を予定しています。配当性向は32.6%です。配当性向は30%を基本方針にしているので、それ以上を目指したいと思います。

・ 我々は一般コンシューマ向け製品を扱っていないので、ご理解いただくのが難しい会社です。そのため、このような会社説明会を通じて、ダイトロンを知っていただければ、と思います。ぜひ株主になっていただき、長期的な目で当社や業界をご覧いただき、ご支援ください。

 

5質疑応答

Q1. 海外の顧客企業に半導体製造装置を導入する際、海外出張等があると思いますが、コロナウイルス禍での出入国の規制がネックになっていますか。それにより半導体製造装置の納入遅延が起きていますか。またどのような対策を講じていますか。

A1. 昨年(2020年度)は新型コロナウイルス感染症防止のための出張規制や入国規制がありました。そのため設備関係の立ち上げ・検収作業の中断などの影響を受けました。今年(2021年度)の第1四半期もまだ少し影響がありましたが、最近は取引先メーカーの出張制限が緩和され、ご協力をいただき、出張ができるようになりました。それにより多くの設備の立ち上げ・検収が順調に進み始めています。また、当社の海外現地法人のサービスエンジニアが、日本のメーカー様からのリモートによるアドバイスを受けながら、立ち上げできるようなケースも一部出て来ています。これにより検収までの作業を完了できます。このため今年の業績では新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることはなくなると見ています。

 

Q2. 海外売上比率を伸ばす方針ですが、注力する地域や商品セグメントについてお聞かせください。

A2. 海外事業は我々にとって重要なテーマであり、伸ばしたいと考えています。現在、注力する地域は東南アジアとEUです。事業展開の規模で見ると中国や米国が大きいのですが、伸びしろがあると考えているのは東南アジアとEUです。

商品セグメントでは、電子部品関係のビジネスです。その地域で底上げできるような施策を講じたいと考えています。

 

Q3. 世界的な半導体不足のニュースを聞きますが、御社への影響を教えてください。

A3. 世界的に半導体不足が問題になっています。当社では販売の一部で外資系の半導体を扱っています。これが長納期化しているので、お客様のフォーキャスト(予測、見込み)をしっかり確認しながら、先行的に先を見越した手配・注文を行っています。その意味では在庫が少々増える傾向にあり、これがリスクになることもあるので、注意しながら取り組みたいと思います。

それからオリジナル製品の中でスイッチング電源など、一部、半導体を使うものもあります。この部品調達で半導体を厚めに手配する必要があります。業績に対する影響はわずかだと思いますが、考えていかなければならないと思います。ただ、生産が止まるようなことはありません。

 

Q4. グリーン・ファシリティー事業について、具体的なサービス内容と今後の展望を教えてください。

A4. グリーン・ファシリティー事業は、新規事業として進めています。データセンター向けのサーバ用のバックアップ電源(UPS)の販売とメンテナンスサービスや技術対応を、日本国内にて一気通貫で対応しています。

現在、外資系のデータセンターの建設ラッシュとなっており、外資系に強いアメリカのEaton社のUPSを扱っていることが、当社の強みになっています。またデータセンターへの投資は2025〜2026年くらいまで続くと聞いており、実際、多くの引き合いをいただいています。今後、2025〜2026年くらいまで拡大し、それ以降も実績をベースに大きく展開できると期待しています。

以 上

 

 

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