Daiwa Investor Relations

企業を探す

企業コード / 会社名
業 種

この条件で検索する

株式会社コプロ・ホールディングス(7059)
開催日:2021年5月29日(土)
説明者:代表取締役社長  清川 甲介 氏

 

1. コプロ・ホールディングスについて
・ 本社を愛知県名古屋市に構えています。北は札幌から南は福岡まで、全国に18拠点があります。設立は2006年10月。決算期は3月。東証一部・名証一部に上場しています。証券コードは7059。従業員数は連結ベースで2,280名です。
・ グループ概要は、純粋持株会社である株式会社コプロ・ホールディングスの傘下に、事業子会社として、株式会社コプロ・エンジニアードが日本国内の建設技術者派遣業と人材紹介業を創業以来手掛けています。こちらが当社グループのコアビジネスです。
株式会社アトモスは、2021年4月30日に全株式を取得しコプロ・グループに加わりました。国内の機械設計エンジニア派遣と開発業務の設計請負を行っています。
COPRO GLOBALS PTE. LTD.はシンガポールの現地法人です。アセアン地区を統括する中間持株会社です。その下にあるのがCOPRO VIETNAM CO., LTD.で、アセアン地区で初めての事業子会社です。ベトナム国内で高度人材を募集し、日本に派遣するビジネスモデルを計画しています。
・ 会社沿革について。当社は2006年に設立し、2019年3月に東証マザーズ・名証セントレックスに上場。2020年9月に東証一部・名証一部に市場変更しました。そして今現在、海外事業の拡大を進めています。また、株式会社アトモスの全株式取得・完全子会社化により事業の多角化にも着手しております。
・ 創業の思いについて。私は建設の現場監督を経験した後、建設業界に特化した大手人材派遣会社で営業職を務めました。人材派遣業は、派遣社員を採用し、派遣先に派遣するのですが、当時は、派遣社員の定着率が低く、派遣社員をどことなく商品のような捉え方する風潮がありました。私自身はそういった業界に違和感を覚え、これからの人材派遣は頭数を揃えるために採用を行い、派遣するだけでなく、自社で教育やアフターフォローを行い、派遣社員の将来に向けたキャリアアップの支援が必要だと考えるようになりました。そして「人財派遣ビジネスは『人づくり』だ!」という思いに行きつき、創業に至りました。
・ コプロのマインドは、「世界をひとりから変えていく」。「あらゆる現場の中心に立ち、プロジェクトを推し進める、意志と技術と知識を備えた人財を創出するプラットフォーム」企業です。
建設現場へのエンジニア派遣がコプロの業務です。ただそのエンジニアは、普通の人ではない。志を持って、熱く、効率的に、安全に、事を成し遂げていく人。単なるヘルプスタッフではなく、施工の品質を高められる人。十分なバックアップや教育、環境づくりを受け、全力を尽くすことで成長し続ける人。コプロはそんな人を育て、生み出していくプラットフォーム企業になる。我々はこのような思いを持っています。

 

2. ビジネスモデル
・ ビジネスモデルはシンプルです。我々は派遣元企業であり、技術社員を採用して雇用します。そして、派遣先企業と派遣契約を交わし、技術社員を派遣します。
・ 創業時からの売上高と技術社員数の推移をご覧ください。当社の事業は、派遣人数に応じて売上が積み上がるストック型のビジネスモデルです。一度商品を売っておしまいのフロー型ビジネスではないため、安定的な売上拡大が可能であることが特長です。技術社員を採用し、育成、アフターフォローまで徹底して行い、技術社員数を積み上げることで売上拡大に繋げています。
・ 営業体制は、日本全国をカバーする18支店の営業網があります。コアとなる建築分野を中心に、幅広い工事領域の派遣案件を確保しています。具体的には、建築工事や土木工事、空調や衛生、電気の設備工事、CAD、そしてプラント業界も強化しています。
建築工事では、高層ビルやマンション、商業施設、工場等の新築や改修工事。土木工事では、道路、護岸、造成、トンネル、海洋土木工事。設備工事では、ビルやマンションの空調や衛生、電気関係工事。そして、建築・土木・設備の全領域で必要なCAD(設計図の作図)業務も手掛けています。プラントでは、各種プラントの新築・改修工事の施工管理や設計補助業務。これらの現場に、施行管理者やCADオペレーター等の我々のスペシャリストを派遣しています。
・ 採用体制を強化し、年間を通じて優秀な社員を多数採用することが、我々のビジネスの肝になります。我々は年間1,000名規模の採用活動ができる体制を構築しています。
また、KPI(重要業績評価指標)として、1人当たりの採用費を重視しており、費用を抑えて採用することを徹底しています。
当社では、自社で求人サイト「現キャリ」を運用しています。このサイトで多くの人材を集め、全国の支店に配置した面接担当者が、応募者の働き方や価値観、将来に向けたキャリア・ビジョン等をヒアリングし、採用を決定しています。
・ 我々は創業から、派遣しておしまいではなく、派遣先にも、技術社員にも、付加価値を提供することを大切にしています。そのために自社の教育体制とサポート体制に積極的に取り組んでいます。
自社研修施設は「監督のタネ」と言います。現場監督をタネから育て、花を咲かせたいという思いから名付けました。ここでは当社専任の専門講師を配し、技術社員のレベルアップに取り組んでいます。知識や技術習得を派遣先任せにするのではなく、我々独自のカリキュラムを開発・提供することにより、技術社員のキャリアアップを後押ししています。
また、我々は技術社員の定着率をKPIの一つとしています。そのためにサポート体制を重視しています。営業社員が技術社員と派遣先のマッチングからアフターフォローまでを一気通貫で対応しています。
・ コロナウイルス禍では多くの会社がDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めていますが、当社もデジタル化も推進しています。
人材派遣ビジネスで重要なのは、派遣社員をどのようにデジタル化に巻き込むか、ということです。そのために全派遣社員にスマートフォンを貸与しています。人材派遣業界では珍しい取組だと思います。これにより、さまざまな部分で業務の生産性向上が図れます。スマートフォンを通して、生産性向上に向けた取り組みを続けたいと思います。

 

3. 成長戦略
・ 建設業界は、2000年の工事受注額66兆円をピークに右肩下がりの傾向が続いていました。その後、リーマンショック後の2010年から、また受注額が増加傾向にあります。一方で建設業就業者数は、右肩下がりが続いています。工事受注額が右肩上がりであるにも関わらず、就業者数はどんどん減っている状況です。
日本全体で少子高齢化が進んでいる訳ですが、中でも建設業界の働き手不足は顕著です。我々はこの部分にビジネスチャンスを見出し、サービスを展開したいと考えています。
・ 建設業就業者の年齢構成をみても若手の就業者が圧倒的に少なく、高齢化が進んでいます。ここも我々のサービス力で課題解決に結び付け、社会的な価値を生み出したいと考えています。
・ これらの外部環境を踏まえ、当社は長期的な成長イメージを持っています。2021年3月期の決算は、売上高148億円、営業利益で14億3,000万円でした。これを10年後の2030年3月期には、売上高1,000億円、営業利益100億円に拡大させる方針を掲げています。そのために足元の数字を固めながら、未来に向けた種まきや課題解決にチャレンジしたいと思います。
まず、Step1「建設技術者派遣マーケットのさらなる深耕」として、建設技術者派遣マーケットでの圧倒的No.1を目指します。そして、Step2として「プラント技術者派遣のシェア拡大」。さらにStep3「グローバル事業の推進」とStep4「M&A戦略・新規事業の検討」の積み上げで、2030年3月期は、売上高1,000億円の大きな目標を達成できるよう努力していきます。
・ Step1「建設マーケットのさらなる深耕」では、採用力と営業力を強化します。我々はこれまでの15年間で培ってきた営業力には自信を持っています。しかし、ここから更なる成長を目指すためには、過去の成功体験に縛られずに、その成功体験を一度フラットに戻さなければなりません。そのために営業改革を現在推進しています。
これまでは新規開拓営業を推進し、取引先の拡大に注力してきました。今後はターゲット先を絞り、既存取引先への深掘りを強化します。スーパーゼネコン5社を中心に、事業規模の大きい派遣先との取引額を大きく伸ばしたいと思います。
採用強化も欠かせません。2022年3月期は年間1,200名、前期比335名増の採用を計画しています。
営業改革と採用強化の2軸で、建設マーケットをさらに深耕し、業界内で圧倒的なNo.1を目指していきます。
・ Step1「建設マーケットのさらなる深耕」の2つ目は、基幹システムの刷新です。2021年4月から新システムが稼働しています。
このシステムで実現することは、まず派遣案件と技術社員のマッチングの最適化です。派遣先から「この人が来てくれてよかった」、技術社員にも「この企業に派遣されたよかった」と思っていただけるように、マッチングに際して双方の満足度を点数化し、マッチングの参考にしていきます。これにより、我々が重視している定着率の向上が図れると考えています。
基幹システム刷新の目的の2点目は、業務の効率化です。人材派遣はストック型のビジネスです。売上高を右肩上がりに増加させるには、派遣社員数の増加が必要です。しかし、派遣社員が増えれば、給与計算や派遣先への請求等のバックオフィス業務も増え、比例してこれらを行う担当者も増やさなければなりません。これではいつまで経ってもスケールメリットを得られません。
売上高を右肩上がりに上げるために、派遣社員数を右肩上がりに増やす。且つ、バックオフィスの人件費を抑制できれば、利益率の改善に繋がります。そのために基幹システムを活用します。
この新システムでは、派遣社員に貸与しているスマートフォンから勤怠管理をリアルタイムにチェックできます。派遣社員の勤怠打刻をシステムが自動的に取り込み、給与計算がシステム内で自動的に終了する仕組みです。これまで事務担当者が行ってきた業務を大幅に削減し、営業利益率の向上に繋げたいと考えています。
・ Step2の「プラント技術者派遣の拡大」は、新たなマーケットの拡大です。
例えば、食品メーカーが工場を建てようとすると、建設工事はゼネコンが受注します。ここに我々は着目しました。当社のゼネコン案件の現場で活躍してきた技術社員なら、プラントでも活躍できます。プラント工事のために専門職の技術者を一から採用する必要がない、とも言えます。受注案件を確保しながら、建設派遣を伸ばし、建設からプラントへ技術社員のシフトチェンジを行えば、更なる売上向上が望めます。
・ Step3は「グローバル事業」です。
これは国内の少子高齢化の課題解決に結びつく仕組みです。大学を卒業した高度人材と呼ばれる若手の技術者希望者をベトナムで採用し、日本に派遣します。日本では世界でもトップクラスの建設スキルを持つゼネコンでスキルを習得し、母国での就業を希望する方にはベトナムに進出している日系ゼネコンの現場へ派遣します。このような日本でもベトナムでもコプロ社員として活躍の場をつくるスキームを必ず実現させたいと考えています。
・ Step4は「M&A戦略・新規事業の検討」です。
建設およびエンジニア系の派遣業界は、業界再編の大きな渦の中にあります。2020年4月1日には同一労働同一賃金が施行されました。そして、2024年4月には働き方改革関連法として、時間外労働の適正な管理が求められるようになります。このような法改正が進む中、変化対応が追いつかない企業が出てきています。その解決に繋がるのが業界再編であり、我々はM&Aを企業成長のための大きな経営手法の一つと捉えています。シナジーが期待できる企業と手を携え、コプロ・グループの企業価値向上に努めていきたいと思います。
・ M&A戦略の第一弾として、2021年4月30日に株式会社アトモスの全株式を取得し、完全子会社化しました。アトモスは「世界に通じる心と技術」をコンセプトとした会社で、本社は我々と同じ名古屋市で、従業員数は119名です。うちエンジニアが115名となっています。日本国内の大手製造業を中心に、開発・設計エンジニアの派遣を行っており、取引先も日本を代表する名だたる企業が並んでいます。
・ アトモス子会社化によるシナジー効果としては、人財の共有に大いに期待しています。当社は若手や未経験者の採用も強化していますが、入社したものの、建設の現場が合わずに退職する方も少なからずいます。その場合は退職を選択せざるをえなかった訳ですが、そこにアトモスの機械設計エンジニア派遣という選択肢があれば、再チャレンジが可能です。このような形で人財の共有が可能になると考えています。これはグループ全体として大きなシナジーとなります。
一方、アトモスにも課題はあります。アトモスは技術面では素晴らしいのですが、これまで十分に営業や採用にリソースを割けてこれませんでした。そこでコプロ・グループがこれまで培ってきた知見とリソースを同社に注入し、建設業と機械設計・開発の両方で売上を拡大していきたいと考えています。

 

4. 2022年3月期業績予想・株主還元
・ 2022年3月期の連結業績予想について、売上高は前期比10.2%増の163億4,300万円を計画しています。売上総利益は50億1,600万円、前期比16.7%増。営業利益は16億1,400万円、前期比12.3%増です。
2021年3月期の実績は、2ケタ増収だった一方、営業減益となりました。新型コロナウイルスの影響も多少ありましたが、売上原価率の悪化が減益の大きな要因となりました。
同一労働同一賃金の法改正で、派遣社員の給与ベースが上がったのですが、これについて取引先への契約単価アップの交渉が想定通りに進められなかったことが原因です。現在、私が営業状況も確認しながら、売上原価の改善を計画的に進めています。売上原価率をあるべき姿に近づけることにより、2022年3月期は必ず2ケタの増収増益、V字回復を果たしたいと考えています。
4月30日にM&Aで買収した株式会社アトモスの業績は、現時点では、2022年3月期連結業績予想に組み込んでいません。業績予想に与える影響は現在精査中のため、確定次第、開示します。
・ 配当方針については、将来的な事業拡大に資する投資とのバランスを留意し、当面の目標として連結配当性向は30%以上を基本方針としています。今期は1株当たり年間40円、前期比2.5円の増配予定です。内訳は、中間配当で1株当たり10円、期末配当で1株当たり30円です。配当性向は36.5%を見込んでいます。
・ 当社では、東証市場再編に向けた意思表明をいち早く公表させていただきました。
来年4月に東証市場が3市場に再編されます。当社はプライム市場を選択する予定です。しかし、プライム市場の上場維持基準のうち、「流通株式時価総額100億円以上」が適合できておりません。今後、ありとあらゆるコーポレートアクションを選択肢として検討し、上場維持基準クリアを実現したいと考えています。

 

5. 本日お伝えしたい5つのポイント
・ 最後に、本日お伝えしたいポイントをおさらいさせていただきます。
「ビジネスモデル」は、派遣人数に比例して安定的な売上拡大が見込める「ストック型ビジネス」です。そして「技術社員ファースト」を重視し、派遣後のアフターフォローに注力しています。派遣先から「コプロからの技術社員は定着率が高い」とご満足いただけるよう、営業力の強化にも取り組んでいきます。
建設業界の「事業環境」は、構造的な人手不足が続いています。我々はこれを大きなビジネスチャンスと捉えています。我々のサービス力により、業界が抱えている課題解決に取り組み、業績拡大にも繋げたいと考えています。
「成長性」として、2021年3月期(15期)は売上原価率が悪化したため減益となりましたが、2022年3月期(16期)は16期連続の増収を予想しており、増収増益路線への回帰を見込んでいます。さらに2030年3月期を目指した長期目標には「売上高1,000億円・営業利益100億円」を掲げています。既存事業の拡大はもとより、株式会社アトモスのグループインを皮切りに、さらなる成長の加速を目指していきます。
「割安性」では、同業他社の平均PERが21.4倍であるのに対して、当社のPERは11.8倍となっています。
5つのポイントの最後は「安定性」です。配当については、連結配当性向30%以上を目処に安定的な配当を実施する方針です。今後は、プライム市場上場維持基準の適合を見据えた資本政策を検討していきます。尚、2022年3月期は、1株当たりの配当金は年間40円を予定しており、4月1日に実施した株式分割訴求後の比較では2.5円の増配の予想です。

 

6. 質疑応答
Q1.  新型コロナウイルスによる業績への影響はあるか。
A1. 民間を中心とした建設工事の延期等を受け、一時的な派遣案件の減少はあるが、慢性的な建設業界の人手不足を背景に当社派遣技術者に対する需要は高い水準を維持している。また、建設現場も新型コロナウイルス感染防止対策を取りながら止まることなく稼働している。尚、当社では新型コロナウイルスに感染した疑いのある技術社員には特別休暇の取得を促進しており、休暇期間中の待機労務費は売上原価の増加要因となっているが、業績への影響は軽微である。

 

Q2.  中期経営計画の開示予定はあるか。
A2.  現在、策定を進めており、準備でき次第開示したい。

 

Q3.  東京オリンピック・パラリンピックに関連した建設工事が完了したことで、今後の売上が落ち込むことはあるか。
A3.  当社の人材派遣事業においては、オリンピック関連に伴う売上は2019年3月期には一服しており、売上が影響を受けることはない。今後はオリンピック関連工事を優先して止まっていた工事案件が動き出し、当社人材派遣サービスへの需要も高まるものと考えている。

 

Q4.  M&Aの対象はどのような企業を考えているか。
A4.  高付加価値、高単価のエンジニア派遣領域に特化して経営の深耕、多角化を進めていく。付加価値を生み出しにくい一般事務派遣等は考えていない。

 

Q5.  株式会社アトモスを買収した一番の理由は何か。
A5.  アトモスは優秀な技術者を抱えており、顧客からの評価も高い点に魅力を感じた。当社のリソースを活用し、同社の成長を加速させると共に、建設・プラント技術者派遣とのシナジー効果を生み出していく。

以 上

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

大和インベスター・リレーションズ(以下、「当社」といいます。)はこの資料の正確性、完全性を保証するものではありません。

ここに記載された意見等は当社が開催する個人投資家向け会社説明会の開催時点における当該会社側の判断を示すに過ぎず、今後予告なく変更されることがあります。

当社は、ここに記載された意見等に関して、お客様の銘柄の選択・投資に対して何らの責任を負うものではありません。

この資料は投資勧誘を意図するものではありません。

当社の承諾なくこの資料の複製または転載を行わないようお願いいたします。