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株式会社アルトナー(2163)

開催日:2024年3月23日(土)

場 所:大和コンファレンスホール(東京都千代田区)

説明者:代表取締役社長  関口 相三 氏

 

1.10期連続の増収・増益

・ 当社は1962年9月18日に設立しました。現在、62期を迎えている技術者派遣の老舗企業です。東京証券取引所プライム市場に上場しています。

・ 技術者派遣市場は右肩上がりの成長を続けており、当社は10期連続の増収・増益を継続しています。主要顧客である各メーカーの研究開発費は毎年増額されるなど、非常にニーズの高い市場です。

・ 10期連続増収・増益の要因は、「長い歴史による顧客企業からの信頼感」、「10期前からアルトナーが作り上げてきたビジネスモデル」、「マーケットニーズの高い技術分野への技術者の配属」の3つであると分析しています。

・ 1つ目の「長い歴史による顧客企業からの信頼感」に関連して、当社の沿革を紹介します。当社は1953年、兵庫県尼崎市に機械設計会社・有限会社関口興業社として設立されました。当時は設計図面のトレース事業を中心に展開していました。その後、技術者派遣を専門的に行う会社として、1962年に株式会社大阪技術センター(大阪府大阪市)を設立し、1998年に現在の社名である株式会社アルトナーに変更しました。2007年には、ジャスダック証券取引所に新規上場しました。2017年、会社設立55周年の年に東京証券取引所市場第二部へ市場変更、2018年に同市場第一部に指定替えしました。2022年に東京証券取引所プライム市場へ移行し、併せて会社設立60周年を迎えました。

・ 2つ目の「10期前からアルトナーが作り上げてきたビジネスモデル」に関連して、メーカーの業務工程に対応する当社の各グループを紹介します。当社はハイエンドの開発領域からミドルエンドの設計開発領域、組立調整等の下流工程までワンストップで技術者を提供しています。リーマン・ショック時に技術者の約4割が契約終了となった経験から、景気の影響を受けにくい上流工程へ重点的に技術者を配属するよう方針転換しました。その結果、高い収益性と安定的な稼働率を確保できるようになりました。

・ 3つ目の「マーケットニーズの高い技術分野への技術者の配属」では、自動車完成メーカー、自動車部品メーカー、さらには半導体製造装置メーカーなどのニーズの高い市場に対して、集中的に技術者を配属しています。これらから高い収益性を確保しています。

 

262期(20241月期)決算概要

・ 第62期(2024年1月期)の決算概要について説明します。アフターコロナの需要拡大に伴い、取引先の人財の受け入れ態勢、開発予算、景気動向がようやく回復に向かい、当社へのエンジニア要請も極めて活発でした。技術者数の増加・ニーズの上昇により稼働率が高水準で推移したため、稼働人員数が前年同期を上回りました。また、人財確保競争が激化しているため、採用スタッフの増員、求人広告費の採用投資を積極的に実施しています。

・ 第62期(2024年1月期)の業績は、売上高101億10百万円(前年同期比9.4%増)、営業利益15億22百万円(同27.5%増)、経常利益15億32百万円(同27.4%増)、当期純利益10億51百万円(同17.5%増)、営業利益率15.1%です。

・ 事業別の売上高構成比は、技術者派遣が8.4%増、請負・受託が18.7%増です。請負・受託の構成比は9.3%です。

・ 業種別の売上高は、電気機器が6.3%増、輸送用機器が15.8%増、情報・通信が25.9%増となっています。

・ 技術領域別の売上高は、エンベデッド・モデルベース(組み込みソフトウェア)が18.1%増、ITソリューションが13.1%増、電気・電子が2.7%増、機械が5.7%増です。

・ 技術領域別の期末技術者数は、エンデベット・モデルベース(組み込みソフトウェア)が9.7%増の373人です。ITソリューションが0.7%増の150人、電気・電子が1.6%減の313人、機械が1.7%増の356人です。期末技術者総数は1,192人です。

・ 地域別の売上高は、関東が12.7%増、東海が5.2%増、近畿が1.4%増です。当社は関西発祥ではありますが、現在は自動車メーカー・半導体製造装置メーカーが集積する関東圏の売上構成比が60.2%と高い状況です。

・ 技術者派遣事業の売上高、費用、利益率向上の考え方について説明します。売上高は、技術者の数×稼働率で算出される「稼働人員」と、1人当たり時間当たりの「技術者単価」、何時間働いたかという「労働工数」の3つの要素を掛け合わせたものです。

売上原価は、顧客企業に配属中の技術者の労務費等です。販売管理費は社内の教育研修(待機)中の技術者の労務費と、スタッフ部門の労務費、求人広告費等の活動経費が計上されます。

・ 利益率向上のポイントは2つです。1つ目は売上総利益率の向上で、技術者1人当たりの技術者単価を上昇させることが必要です。2つ目は営業利益率の向上です。技術者の増員に伴う間接部門の増員を管理効率の向上により抑え、販管費率の上昇を抑えることで、営業利益率が向上します。管理効率を向上させることで営業利益率の向上が見込まれます。

・ 採用状況は、第62期(2024年1月期)には133人の新卒技術者が入社しました。2024年4月には170人が入社予定です。キャリア技術者は、第62期は58人の採用実績があり、第63期は100人の採用目標を掲げています。

・ 第62期(2024年1月期)の離職率は、全体で10.9%でした。このなかには、定年退職者や、当社の転職支援制度を活用して取引先に転職したメンバーも含まれています。それらの人数を差し引いた離職率は8.3%となっています。 期末技術者数(平均)は1,209人、年間平均稼働率は98.3%です。

・ 技術者1人1時間当たりの技術者単価は、前年の4,198円から上昇し、第62期(2024年1月期)は平均で4,331円です。対前年同期比133円の増加です。労働工数は第61期(2023年1月期)165時間(月当たり)でしたが、第62期(2024年1月期)は166時間と前期とほぼ同じ労働工数で推移しています。

 

3.プライム市場の上場維持基準達成への進捗

・ 当社は2021年6月30日時点で東京証券取引所プライム市場を選択しましたが、流通株式時価総額が未充足でした。東京証券取引所で定められた期限までに流通株式時価総額基準100億円を達成する必要がありましたが、移行基準日時点の当社の時価総額は基準100億円に対して41億円でした。そのため、東京証券取引所プライム市場への条件付移行となりました。その後、株式の売出しにより、2024年1月末時点で流通株式数が74,145単位まで増加、流通株式時価総額は149億円となりました。東京証券取引所プライム市場の基準である100億円を超え、1年前倒しで条件を達成することができました。中期経営計画の残り1年をかけて、流通株式時価総額のさらなる増額に向けて、引き続きさまざまな施策を展開していきます。

・ 基準日(2021年6月30日)と2024年1月末現在を比較すると、流通株式時価総額は108億円で約3.6倍、株価は1,154円増加し2.3倍に、1株当たり当期純利益は約30円増加し1.4倍となりました。

・ 流通株式時価総額増加に向けて当社が行っている取り組みは大きく4つあります。1つ目は「流通株式比率の引き上げ」です。2022年4月に株式の売出しを実施し、現在69.7%まで引き上げ済みです。 2つ目は「1株当たり当期純利益(EPS)の拡大」です。中期経営計画の推進により利益を向上させ、当期純利益の拡大に努めています。現在、中期経営計画の最終年度目標である93.34円を大きく上回る98.99円まで1株当たりの純利益は増加しています。 3つ目は「株主還元の拡大」です。配当性向は、既に30%ベースを50%ベースに引き上げています。引き続き利益を拡大し、株主の皆様に配当金として還元したいと思っています。総還元性向の考え方を主に、自社株買い等についても引き続き検討を継続します。 4つ目は「資本効率の向上」です。ROE20%以上を計画し、2018年1月期実績の26.9%を目標に推進していきます。2024年1月期はROE25.3%で推移しています。

・ KPIの必須条件達成のための実施策として、積極的に社外に当社の認知度を高める活動を推進します。個人・機関投資家への説明会の回数を増やし、情報発信の強化に引き続き取り組んでいきます。

・ 外国人投資家を意識した英文開示の推進にも取り組みます。前期の大幅株式の売出しを機に、多くの外国の機関投資家に当社の株を保有いただいています。その方々にも積極的な英文の開示を通じて、当社の事業内容や決算の開示を推進していきます。さらに、非財務情報の発信として、統合報告書の制作やESG評価機関を意識した情報発信を推進していきます。

・ 当社では第61期(2023年1月期)から第63期(2025年1月期)までの中期経営計画を策定しています。主要顧客である自動車関連メーカーは、CO2削減という大きなテーマのもと、さまざまなプロジェクトを推進しています。当社もカーボンニュートラル関連プロジェクトに焦点をあて、当社の技術者を積極的に派遣しています。これらの政策を戦略的に行い、中期経営計画最終年度には技術者数を1,600人に増やしたいと考えています。

・ 第63期(2025年1月期)の業績予想を説明します。当社の戦略重点顧客である自動車完成メーカー、自動車部品メーカー、半導体製造装置関連メーカーは、さらに開発スピードを高めていき、当社への技術者要請は引き続き旺盛であると予測されます。

それらを踏まえて、売上高106億56百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益16億96百万円(同11.4%増)、経常利益17億円(同10.9%増)、当期純利益11億78百万円(同12.1%増)と増収・増益の業績を予想しています。前提条件については、資料をご覧ください。

・ 中期経営計画の業績目標と第63期(2025年1月期)の業績予想の差異について説明します。技術者数は採用環境の激化により、中期経営計画の最終年度目標1,600人を未達の見込みです。売上高は技術者数未達の影響を受け、目標116億円に対して、第63期(2025年1月期)予想では106億56百万円とマイナスになります。一方、営業利益率は技術者単価の上昇により、中期経営計画最終年度の営業利益率目標14.0%に対して、第63期(2025年1月期)の業績予想は15.9%とプラスとなっています。技術者の確保については、新卒技術者数(10月)・キャリア技術者数(既卒・第二新卒含む)の上積み、離職者の抑制等を結集し、技術者数の増加に努めます。

 

4.安定的かつ継続的な配当の実施

・ 配当性向は50%をベースとしており、第62期(2024年1月期)は75.8%、第63期(2025年1月期)は72.1%の予想です。

・ 第62期(2024年1月期)の配当金額は、中間配当金37.5円、期末配当金37.5円で合計の年間配当金は75円です。第63期(2025年1月期)は、中間配当金40円・期末配当金40円で、年間配当金は80円(対前年同期比5円増)を予想しています。

・ 第62期(2014年1月期)からの配当金、ROE、配当性向の推移については、資料のグラフをご確認ください。

 

5.参考資料

・ たくさんの参考資料を添付していますので、特に当社がお伝えしたい項目を紹介します。当社の社是、社名の由来、当社のロゴマークの由来については資料をご覧ください。

・ 当社の経営理念は「エンジニアサポートカンパニー −私達は技術者の夢をサポートします− 」です。パーパスとして「日本が世界に誇る財産であるエンジニアの成長、自己実現をサポートする」を掲げています。

・ 期末株主数は右肩上がりで推移し、第62期(2024年1月期)は15,051人です。

・ 株価推移をグラフで見ると、2022年4月の株式の売り出し時は824円でした。2024年3月7日現在、年初来の高値である2,631円となり、この2年間で当社の株価は約3倍に上昇しています。

 

6.質疑応答

Q1. 資料の41ページに「配当性向50%をベースとし、毎年、当期純利益を増額していくことにより、前年割れのない配当金額の設定をしていきたいと考えております」とありますが、今年も継続的にこの配当方針を維持されるのでしょうか。

A1. 当社は1株当たり当期純利益(EPS)を毎年右肩上がりで増額させていくという成長戦略に基づき、毎年50%の配当性向をベースに前年割れのない配当額を実現することを基本方針としています。第62期(2024年1月期)ならびに第63期(2025年1月期)においても、この基本方針に基づき配当額の決定・配当予想をさせていただきました。

 

Q2. 半導体製造装置関連メーカーが主要顧客とのことでしたが、昨今海外・国内の半導体関連企業のめざましい進出は、御社の業績に影響がありましたでしょうか。

A2. 熊本県に台湾積体電路製造(TSMC)、北海道にRapidus株式会社、東北エリアも半導体製造工場の強化と、国内では半導体の製造工場プロジェクトが目白押しという状況です。半導体製造工場に納められる製品、たとえば株式会社ニコン、株式会社ディスコ、東京エレクトロン株式会社、レーザーテック株式会社など各社の製造装置は大きな影響を受け、活発な需要が見込まれます。それに伴い、当社へのエンジニア要請も旺盛になってくると予想され、間接的に当社の業績に好影響をもたらすと考えています。また、今後、台湾積体電路製造(TSMC)やRapidusの工場への人財派遣については、フィールドエンジニアの要請が非常に活発になってくると予想されます。しかし、当社はこちらに関しては事業領域外であり、当面は携わらない考えです。

 

Q3. 外国人投資家が御社の株を購入している理由は何でしょうか。私見で結構ですので、 教えてください。

A3. 2022年4月までは、同業他社の株式を保有している外国人機関投資家はおりましたが、当社の株式を保有している外国人機関投資家はほとんどおりませんでした。しかし、当社は2022年4月の株式売り出しによって、多くの外国人機関投資家に株式を保有していただくことになりました。推測ではありますが、その理由として当社は同業他社と比較して配当状況が良いこと、営業利益率が極めて高く利益効率性が良いことの2点をあげることができると考えています。

以上

 

 

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