リファインバース株式会社(6531)
開催日:2017年12月10日
場 所:エルガーラホール8階 大ホール(福岡市中央区)
説明者:代表取締役社長 越智 晶 氏

 

1. 会社概要
・ 当社の設立は2003年12月。グループ全体の従業員数133名という小さなベンチャー企業です。首都圏で発生する産業廃棄物の処理や再資源化を主たる事業としています。本社は東京都中央区にあります。
・ 再生樹脂を製造する工場が千葉県八千代市と富津市の2カ所にあります。富津市のリファインバースイノベーションセンターは新事業の中核拠点として2017年7月に完成しました。グループとしては100%子会社が2社あります。
・ 当社は、さまざまなバックグラウンドを持った人間が集まってつくった会社です。私は投資やコンサルティングでベンチャー企業を支援する会社にいました。取締役事業開発部長の加志村は大手化学メーカーの出身、取締役最高技術責任者・堀内は大手工作機械メーカーで約30年間、設計・開発に携わっていました。
・ 当社はコーポレートコピーとして「日本を、資源大国にしよう。」を掲げています。
・ 今まで基本的に物の流れは一方通行でした。例えば石油を掘削し、それを素材として合成樹脂、製品をつくり、使用済みになれば埋め立てや焼却処理されてきました。当社は、そうした使用済みの廃棄物を原料として素材をつくります。廃棄物が資源になるわけです。日々大量に発生している廃棄物を再資源化することができれば、日本は資源大国となります。
・ 1983年、東京都葛飾区で産業廃棄物処理業者としてスタートした御美商(現在のジーエムエス)が母体です。2000年代に入り、リサイクル事業に取り組み、リファインバースという会社をつくりました。廃棄物処理だけではなく、廃棄物を素材にして樹脂をつくるメーカーとしてグループを形成、2016年7月、東証マザーズへ上場しました。
・ 当社グループは大きく分けて、再生樹脂製造販売事業と産業廃棄物処理事業の2つの事業で成り立っています。再生樹脂製造販売事業は廃棄物を原料として樹脂をつくり、産業廃棄物処理事業は廃棄物を収集・運搬して中間処分します。

 

2. 再生樹脂製造販売事業:強固な参入障壁
・ 再生樹脂製造販売事業は入り口と出口で売り上げが計上される収益性の高いダブルインカムモデルです。
・ 通常のものづくりでは原材料を仕入れるときにお金を払いますが、当社の場合は使用済みのカーペットタイルを原料としているため、引き取る際、廃棄の処理受託というかたちでお金を頂戴します。カーペットタイルから当社独自の再資源化プロセスによって再生樹脂・プラスチックを製造し、カーペットをつくっているインテリアメーカーに販売します。
・ 一般的なペットボトルのリサイクルでは大半はボトルに戻らず、ポリエステル繊維になり、別の用途に使われます。当社の事業の特徴はカーペットからカーペットへと何度でも循環できることです。しかも、カーペットの品質は従来の石油からつくったものと遜色がありません。
・ ペットボトルの場合、キャップとラベルを取ってリサイクルに回します。ボトルとキャップ、ラベルは種類が違うプラスチックだからです。カーペットタイルの場合も同様で、表面のナイロンでつくられた繊維層と裏面の塩化ビニールでつくられた樹脂層という種類の違うプラスチックを分離しなければなりません。
・ 当社では工作機械の技術を応用、樹脂層だけを削り取って分離させ、粉体にします。一般的なカーペットタイルは1辺50pの正方形です。これを当社の装置に投入すると、1枚あたり2秒程度で繊維層と樹脂層に分離し、粉になって出てきます。分離と粉体化を1プロセスで瞬時に実行、高品質で低コストの再生樹脂をつくることができます。
・ 一般的なリサイクルは環境にいいが、コストは高くなります。当社の場合、環境にいいだけではなく、圧倒的な価格競争力を持っています。インテリアメーカーは石油からつくった従来の樹脂よりも安い価格で当社の再生樹脂を仕入れることができます。
・ いくら環境に良くても、高価格のものにお金を払うエンドユーザーは、まだ少数です。コスト競争力を持たせて、つくり込んでいかない限り、このビジネスは広がっていきません。これが当社の強みです。
・ カーペットタイルのリサイクルには高い参入障壁があり、当社が独占しています。もともとニッチなマーケットで、参入するプレーヤー自体が多くありません。
・ 仮に参入したとしても、うまくいかずに撤退します。原料調達、製造、販売という、素材メーカーとして必要な3つの要素を同時に満たし、構築する必要があるからです。
・ 原料調達では産業廃棄物を集める仕組みをつくり、産業廃棄物処分業のライセンスを取得するところからスタートしなければなりません。このハードルが高い。
・ 製造では再資源化するための技術開発が必要です。研究開発や設備も、かなりの額を投資する必要があります。ベンチャー企業が事業を立ち上げることは容易ではありません。
・ 販売では廃棄物処理だけではなく、素材メーカーとしてインテリアメーカーにマーケティング・販売していかなければなりません。
・ 資本や技術を持っている大きなメーカーが取り組もうとしても、原料調達がネックとなります。産廃業界でネットワークをつくり、許認可を取得するのは非常に難しいのです。
・ 当社は約15年間、このビジネスに取り組んできましたが、いまだに国内ではオンリーワンの存在です。
・ 2017年6月期で年間450万uのカーペットタイルを集めました。これは東京ドーム100個分、あるいは福岡ドーム70個分に相当します。これだけの量が再びカーペットの原料として世の中に流通しています。
・ これまでは首都圏を回収エリアとしてきましたが、2017年8月から大阪府や名古屋市にエリアを広げました。将来的には福岡エリアでの回収も進めたいと思っています。

 

3. 産業廃棄物処理事業:堅実な成長
・ 当社は、もともと商業施設、オフィス、住宅などの内装のリフォーム・リノベーションで発生する建築系廃棄物処理が得意です。
・ 近年、六本木ヒルズを運営する森ビルが当社のカーペットタイルのリサイクルに興味を示し、「カーペットだけ分離発注するのは手間とコストがかかる」といわれました。当社グループは産廃処理ができますから、まとめて引き受けることができました。
・ 産廃処理事業を飛躍的に伸ばすのではなく、安定的に成長させながら、しっかりキャッシュフローを稼ぎ、それをリサイクル事業に投入することを考えています。
・ 産廃処理事業の売上高も順調に伸びており、2017年6月期で年間約15億円です。年率5〜10%の成長率で、着実に成長させていこうと考えています。

 

4. 今後の成長戦略
・ 第1の戦略はカーペットタイルリサイクル事業のエリア拡大による成長です。
・ 現在、主に東京エリアで年間450万uのリサイクルを行っていますが、国内全体では年間3,000万uのカーペットが廃棄されます。当社がリサイクルしているもの以外、2,500万平方メートルのカーペットは埋め立て処分されていまます。
・ 2017年8月から関西・東海圏でも回収を始め、近い将来は九州エリアを含めて全国に増やし、カーペットリサイクル事業の規模を拡大させていこうと考えています。
・ 将来的には、ほとんどリサイクルされていない全世界使用量2.5億平方メートルのカーペットを取り込み、グローバルな事業展開を構想しています。
・ 第2の戦略は新規事業立ち上げによる事業領域の拡大による成長です。
・ 新規事業の1つ目は製鋼副資材の製造です。調達した廃棄物の中に含まれる無機物と有機物を分離・粉体化し、調合技術と混合圧縮成形技術を用いて製鋼副資材を製造し、販売します。
・ 火力発電所で石炭を燃やした後に出てくる石炭灰は廃棄物の中でも、かなり厄介なものです。これを資源として製鋼副資材を製造します。それ以外のさまざまな無機物の粉体も製鋼副資材の原料として使えますので、バリエーションが広がってきました。
・ 有機物は主に合成繊維や建設系廃プラスチックとなります。一定以上のカロリーを有する有機物が原料として活用できます。
・ この事業は数年前から新日鐵住金と協力して製品化を進めてきました。富津市に建てたリファインバースイノベーションセンターに、2017年7月、量産化プラントが入り、試運転が完了、新日鐵住金向けに出荷を開始しました。
・ 新規事業の2つ目はナイロンリサイクル事業です。
・ カーペットタイルの裏面の樹脂層・塩化ビニールは製品化しましたが、表面のナイロン繊維は有効利用できず、燃料化や埋め立てに処分費用がかかっていました。カーペットタイルの重量比で80%の塩化ビニールは再生樹脂として販売していましたが、20%は有効利用ができていなかったのです。
・ ナイロン繊維の中には、さまざまな不純物が入っていて、分離し切れませんでした。そこで、新たにケミカルな技術を開発し、繊維の中からナイロン樹脂を高純度で抽出できるようになりました。ナイロンの処分費がかからなくなり、ナイロンの販売益が加わることで、カーペットタイルのリサイクル事業の収益構造が劇的に改善します。
・ 現在、リファインバースイノベーションセンターに量産化プラントを立ち上げる準備を進めています。
・ 新規事業の3つ目はナイロンリサイクル事業から派生したエアバッグリサイクル事業です。
・ エアバッグはナイロンの織物にシリコン樹脂がコーティングされています。機械粉砕と化学粉砕の技術を使ってナイロンとシリコンに分離する事業です。ナイロンリサイクル事業で開発した技術が、そのまま転用可能です。
・ 当社の大株主であり創業以来の事業パートナーでもある住友商事の関連会社、住商エアバッグ・システムズの長崎工場から出てくる端材のリサイクルからスタートします。次のステップでは廃車から取り出したエアバッグのリサイクルに進めていこうと考えています。
・ ナイロンのリサイクル事業は非常にポテンシャルの高い事業です。
・ カーペットタイルやエアバッグのリサイクルに加え、漁網のリサイクルも手がけていきます。2016年、漁網のリサイクルを細々とやっていた会社から事業譲渡を受けて参入しました。
・ リサイクルナイロンは素材化・機能化することで、自動車部品、建築資材、家電部品などに使用されます。この需要も伸びています。2018年6月までにナイロンをリサイクルする新しい工場を立ち上げ、2019年6月以降、収益貢献できるように持っていきたいと思います。
・ 年間3,000トン、売上高規模10億円程度のリサイクルからスタートできるよう、計画を練っています。
・ 現状は連結売上高23億円、連結営業利益2.8億円です。今後、製鋼副資材事業と年間3,000トンのナイロンリサイクル事業がフル稼働すると、数年以内に連結売上高が2倍の50億円、連結営業利益は4倍の10億円が見えてきています。
・ 当社は建設系廃棄物の処理からカーペットタイルのリサイクル事業と、建設業界で事業を行ってきました。新しく立ち上げた製鋼副資材の事業化で鉄鋼業界、エアバッグのリサイクルで自動車業界へと事業領域を広げました。上場後1年間で、市場規模が大きい産業に足場をつくりました。こうした新規のマーケットで、大きな成長を目指そうと考えています。
・ 単に1つの事業で規模が大きくなっているのではなく、再生する素材の品目の拡大、廃棄物の多様化、業種の拡大という3方向に伸びしろがあり、高い成長ポテンシャルを持っています。
・ 今後も汎用樹脂から炭素繊維などのスーパーエンプラまで、取り扱える素材の幅を広げます。単に素材化するだけではなく、再生した炭素繊維で強化されたナイロンの再生品をつくるなど技術や素材を組み合わせ、個別の事業規模の拡大ではなく、事業の幅をできるだけ広げていくことに注力します。

 

5. 業績動向
・ 現在は主としてカーペットタイルのリサイクル事業と産廃処理事業を行っています。2018年6月期から製鋼副資材事業がスタートしましたが、収益は限られています。
・ 2018年以降、製鋼副資材事業の規模拡大を図ります。ナイロンリサイクルではエアバッグのリサイクルが立ち上がり、2020年6月期には2つの事業を安定成長の軌道に乗せます。非常にマーケットが大きく、場合によっては新プラントの能力を増強し、さらなる規模拡大を目指します。
・ 2018年6月期の第1四半期は新工場の立ち上げにより、再生樹脂の製造販売が2カ月間、収益未計上となりました。また、例年では8月に大型工事があり、産廃処理事業が伸びるのですが、2017年は、そうした工事案件が秋口に延びたこともあり、第1四半期は前年比マイナスになりました。
・ 第1四半期の数値は想定どおりで、通期ベースでは2018年6月期業績予想で、売上高は前年比115.5%の26億5,000万円、営業利益は前年比131.9%の3億6,900万円を見込んでいます。
・ 当社の事業は成長の初期段階で、将来の大きな成長に向けて研究開発や新規事業へ積極的に投資しています。
・ 当社は「資源をつくる」というコンセプトに立っています。今まで日本は枯渇性の資源を採掘し、輸入してきました。当社は資源をつくることで従来にない価値を生み出し、収益を最大化していけることをカーペットタイルのリサイクルで実証しました。今後も資源をつくるための技術を積極的に開発し、それによって事業をつくっていくことができれば、大きな成長を目指せると思っています。

 

6. 質疑応答
Q1. 株主優待・株主還元の方針を教えてください。
A1. 株主優待は実施していません。まだ成長の初期段階にある会社ですから、研究開発・設備投資など将来の成長に向けての投資を優先しています。株主還元は成長を続けることで時価総額を上げていくことだと考えています。企業価値を高めることに最大限注力することが結果的に株主の皆さまへの還元につながっていくと確信しています。ただ、早期に配当を実施できるよう、利益水準を高めていきます。

Q2. 原料調達は仕入れなのに、なぜお金を頂けるのでしょうか。
A2. 廃棄物の処理委託というかたちで、あくまで、ゴミ処理代としてお金を頂戴しているからです。従来は、お金を払って埋め立て処分場に埋めていました。その埋め立て代よりも当社に処理委託するほうが安いのです。入り口の段階でもコスト競争力がありますから、首都圏で処分されるカーペットタイルの約6割は当社に集まっています。

Q3. 2017年度第1四半期の前年比マイナスの理由は、なんでしょうか。1年を通して売上高や利益に偏りはありますか。
A3. 第1四半期については新しい工場を立ち上げたため、7〜8月の2カ月間が試運転期間となり、この期間の再生樹脂事業の売り上げが立てられませんでした。これが最も大きな要因です。ただ、期首の業績予想どおりでした。収益のボラティリティーはあり、下期偏重です。特に年度末の2〜3月の売上高が大きくなる傾向があります。上期の12月も大掃除の季節で、廃棄物の発生量が大きくなります。

Q4. 新規事業の製鋼副資材やナイロンのリサイクル事業の競合は、どこですか。また競合に対する御社の優位性を教えてください。
A4. 製鋼副資材は従来から、さまざまな原料からつくられています。たとえば、製紙メーカーから出るペーパースラッジを原料として作られています。新日鐵住金のような大手メーカーは莫大な使用量ですので、安定的に供給できる体制を持っていることは高く評価されています。シリコンがコーティングされているエアバッグのリサイクルは全世界的に、ほとんど行われていません。グローバルレベルでも事業化されている例は少ないので、大きなビジネスチャンスがあると思っています。

以上

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