株式会社西松屋チェーン(7545)
開催日:2017年12月10日(日)
場 所:エルガーラホール 福岡市中央区
説明者:IR部長 宇田 統英 氏

 

1. 会社概要
・ 当社は、ベビー・子供・マタニティ用品を製造販売する専門店チェーンです。2017年2月期の売上高は1,362億7,000万円で、22期連続の増収中です。従業員数は、店のパート社員を含め4,678名(2017年2月20日)、店舗数は932店舗(2017年10月20日)で、北海道から沖縄まで直営店舗で運営しています。
・ 当社の経営理念は「日常のくらし用品を、気軽に、自由に、そしてお客さまに満足される品質の商品をどこよりも低価格で最も便利に提供することによって、社会生活の向上に寄与する」です。
・ 1956年(昭和31年)に、兵庫県姫路市で「赤ちゃんの西松屋株式会社」として設立し、関西を中心に店舗数を拡大してきました。1992年度に売上高100億円を突破しました。1990年代後半に現在の店舗モデルが確立し、大量出店を開始しました。配送センターも整備することで急速な出店が可能となり、1998年度には100店舗を突破しました。1999年に東京証券取引所第2部と大阪証券取引所第2部に上場し、2001年に第一部銘柄に指定されました。その後、店舗の運営・作業の標準化と物流網の整備に伴い出店ペースを加速させ、2004年に沖縄県へ出店したことで、全国47都道府県全てに出店することができました。さらに、その後も年間60〜70の出店を続け、2006年に500店舗、売上高1,000億円を突破しました。
・ 当社の販路は、ベビー子供用品専門店として最大の932店の店舗網と、多彩なインターネット販売サイトです。インターネット販売は、公式オンラインストアと楽天市場に加え、Amazon(アマゾン)やSHOPLIST(ショップリスト)、生協会員向けのネット販売サイトにも出店しています。最近では試験的に中国越境ECサイトへも出店しました。
・ 当社の商品構成は、生まれたての赤ちゃん用品と妊婦さんの出産準備用品の「ベビー・マタニティ衣料」、未就学児童から小学生サイズまでの「子供衣料」、ベビーカー、衛生雑貨、ベビーフード、玩具などの「育児・服飾雑貨」の3つのカテゴリーに分類されます。全体の売上高に占める割合は、育児・服飾雑貨が47.5%、子供衣料が39.0%、ベビー・マタニティ衣料が13.4%です。

 

2. 業績
・ 2017年2月期は、プライベートブランド商品の販売が好調に推移したこと、円高による仕入原価の低下などから、売上高は前期比102.6%の増収の1,362億7,300万円、売上総利益も前期比で大きく増加しました。さらに、販管費の伸び率を抑制できたこともあり、経常利益は80億4,800万円、当期純利益は51億1,800万円と、ともに前期比130%超の大幅な増益となりました。
・ 2018年2月期第2四半期は、売上高は前年同期比100.7%と増収であったものの苦戦しました。全国的に昨年よりも気温が低めであったことから、春・夏物衣料やマタニティ用品の売上が伸び悩み、販管費は、社会保険の加入条件の見直しなどで一時的に人件費が増加しました。その結果、経常利益、四半期純利益とも減益となりました。ただし、下半期は、上半期の減益要因の改善に取り組んでいますから、通期では増収増益を予想しています。

 

3. 店舗概要
・ 店舗の約7割がロードサイドのフリースタンディング型です。交通量が多い幹線道路沿いより、車の運転が苦手な方でも楽にアクセスできるような生活道路沿いに出店しています。ほかの3割はオープンモール型SC(ショッピングセンター)型の店舗とインモールSC型の店舗です。オープンモール型SCは、複数のテナントで構成されており、広い駐車場が備わっていることが特徴です。目的の店舗の前に車を停めて買い回れる利便性があります。インモールSC型の店舗は、ビルに入っているビルインタイプや、ホームセンターや家電量販店の2階などに入るエンクローズド型店舗があります。最近は大型のショッピングモール内への出店事例もあります。
・ 公式オンラインストアは、近くに店舗がない地域の方々や日中は忙しくてご来店いただけないお客様にもご利用いただいています。4,500円以上のお買い上げで送料無料とし、12時までの注文で最短当日発送します。

 

4. 今後の成長戦略
・ 当社に投資を検討される際の懸念材料として、少子化による市場規模の縮小が挙げられると思います。確かに子供の人口は減少し続けていますが、子供服・育児用品の市場規模は約2兆円で推移しています(当社推計)。子供の数が減っても、子供用品の市場規模はそれほど大きく変化していません。むしろ子供1人に掛けるお金は増えていると考えています。子供用品市場における当社のシェアは年々拡大し続けていますが、まだ6%強であり、約2兆円の市場規模に対して当社の売上高は1,400億円弱です。ですから、拡大の余地はまだまだあると考えています。ちなみに、競合する企業としては、ベビー子供用品専門店、大手量販店、衣料品チェーン、ドラッグストアなどがあります。
・ 当社は市場シェアを高めるために、4つの政策に取り組んでいます。1つ目に本格的PB商品の開発・拡大、2つ目にドミナント(地域集中)出店、3つ目にインターネット販売の拡大、4つ目にローコストオペレーションです。
  1つ目の、本格的PB商品の開発・拡大について説明します。当社にはSmartAngel(スマートエンジェル)とELFINDOLL(エルフィンドール)という2つの本格的PB商品があります。当社の商品開発は、使う側の立場に立って、安全性を確保しながら、本当に必要な機能だけに絞り込んで行っています。この考え方をトレードオフと呼んでいます。過剰な品質や扱い切れないほどたくさんの機能を思い切って省き、お客様にとって本当に必要な機能に絞って、低価格と使いやすさを両立させた商品を提供したいと考えています。
  そのために、製造小売業(SPA)のビジネスモデルを構築しています。2009年以降、大手電機メーカー出身の技術者90名をスカウトしています。日本の家電業界を牽引してきた彼らが、活躍の場を製造小売業としての当社に変えて、本格的PBの開発・拡大を手掛けています。中国以外の国へも商品調達ルートを拡大し、より低価格での仕入れ先の開拓に努めるとともに、安定的な商品供給体制を構築しています。900店を超える多店舗展開を生かした大量仕入・大量生産によって仕入原価の引き下げ効果も生まれています。今後は本格的PBの売れ筋商品へ品揃えを絞り込み、一品目当たりの生産量を拡大させることで、さらなる仕入れ原価の引き下げを図ります。
  SmartAngelのベビーバギーは、指はさみ事故の防止を目的として、湾曲したフレームを採用しました。簡易バギーでありながら、安定走行を可能とする大きなタイヤを採用し、お子様を紫外線から守る大きな日よけ、着脱が可能なクッションシート、大きな収納カゴといった大型ベビーカーさながらの機能を備えながら低価格を実現しています。当商品は2016年のグッドデザイン賞を受賞しました。
  ELFINDOLLの子守帯ダッコールは、安全・安心・快適でありながら低価格を実現することを開発コンセプトとしています。業界初の赤ちゃん用肩ベルトの採用で、赤ちゃんの落下事故を防止します。抱っこする側の肩ベルトも業界トップレベルの幅と厚みを誇り、しっかりサポートします。赤ちゃんの首カックンを防止するフードや、メッシュと換気窓の採用で通気性を高めるなど、赤ちゃんの快適性にもこだわりました。コンパクトに丸める収納機能なども付けて、価格は海外人気ブランドの半値を実現しました。ベビー肩ベルトの「守りまショルダー」は、国内商標登録済、特許出願中です。
  本格的PB商品の売上高は年々増加していますが、全体の売上高に占める比率は、2017年2月期末でまだ約7%です。今後、価格の安さと品質の良さへの認知が広まれば、さらなる売上の増加が期待されます。本格的PB商品は、それ以外の仕入商品よりも利益率が高く、売上比率の拡大は当社の利益の増加にも寄与します。将来的には、売上高全体の50%程度までの拡大を目指しています。
  販売促進策として、商品広告は、テレビCMやWEB広告にて本格的PB商品を重点的にアピールしています。2017年2月には、ギフトを贈る側・贈られる側の双方にとって利用しやすい「西松屋チェーンギフトカード」の取り扱いを開始しました。商品の動画説明機能などを備えた「西松屋アプリ」や、キャンペーンなどのお知らせを定期的に配信する「西松屋LINE公式アカウント」も開設しています。
・ 2つ目の、ドミナント出店について説明します。さらなるシェア拡大のために、今後も年間50店舗以上の出店を継続していきます。当社では、1店舗の商圏人口を約10万人に設定しています。一つのエリアに集中的に出店し、寡占化した地域をさらに増やしていくドミナント出店をしていくことで全国シェアを拡大します。最近は、ショッピングセンターの空き区画など、居抜き物件への出店を増やしています。居抜き物件は、家賃や出店コストが割安で収益面でのメリットがあります。契約期間満了を迎えた古い店舗については、近隣の好立地に大型店を建てるなど、スクラップ&ビルドも進めています。
  店舗面積は、従来の標準型(200坪)ではなく、大型化(300坪)を進めています。大型化した店舗の売場では、これまで取り扱っていなかった品種を新たに導入したり、当社の本格的PB商品を大量陳列したり、商品を拡大しています。小学校高学年向けまでサイズ展開を伸ばすなど、顧客層の拡大にも取り組みます。新たな店舗モデルの構築のために、社内にプロジェクトチームを立ち上げています。将来的には300坪型店舗を拡大し、売上シェアを高めたいと考えています。
・ 3つ目の、インターネット販売の拡大について説明します。インターネット販売は、首都圏など大都市圏で受注件数が多い傾向があり、家賃が高く出店しにくい都心部の売上獲得にも貢献していると考えています。ここ数年、売上高は順調に増加しており、2017年2月期は、前期比145.9%の約27億円と、大幅増収となりました。公式オンラインストアと楽天市場に加えて、アマゾン、ショップリストなど出店サイトを拡大しています。2018年2月期は35億円の売上目標を立てています。
  2016年12月にインターネット販売専用の物流センターを開設しました。従来は、店舗向けの商品配送センターから出荷していましたが、衣料品やベビーフードなどを出荷する倉庫と、紙おむつや粉ミルクを出荷する倉庫が異なっていた為、これらをご注文頂いたお客様にまとめてお届けすることができませんでした。この問題を解決するため、先般立ち上げたインターネット販売専用の物流センターに荷物を集約してそこからまとめて発送するように改善しました。12時までの注文を当日発送するなど、今後も利便性を高めて一層の売上拡大に繋げていきます
・ 4つ目の、ローコストオペレーションについて説明します。当社は、店舗を運営する際に必要となる商品発注やレイアウトの決定など、工夫が必要な作業、時間がかかる作業は本部に集約し、店での作業を軽減させています。店の作業を単純化し、あらゆる作業の合理化を進めていくと、少人数での運営が可能になります。店での作業負担を減らすために、最近の事例では、自動釣銭機を全店に設置するなど、IT機器の導入も進めています。自動釣銭機は、受け渡しが正確になるのと同時に、金銭管理にかかる時間も削減できる効果があります。
  店舗作業の単純化と合理化によって、一人の店長が無理なく複数の店舗を管理することができるようになりました。これをスーパーインテンデント制と呼んでいます。当社では、全店の95%をスーパーインテンデント制で運営しています。1店当たりの運営コストを削減して、ローコストで運営できる仕組みを当社は構築しています。
・ 店舗レイアウトの工夫について説明します。店内では、高い天井高を利用してハンガー掛けしたアウトウェアを立体陳列しています。通路は、直線で広く長く取っています。店内の至る所に売場案内表示やサイズ適合表を掲示しています。ハンガー掛けにすることで、デザインが一目で分かるほか、従業員も洋服をたたみ直す作業が不要となるメリットがあります。お客様にとっては見やすく選びやすい、従業員にとっては作業のしやすいことが、低価格、ローコストオペレーションにつながります。売場となっています。広々とゆったりした通路は、ベビーカーや買い物カートでも楽にすれ違いができ、ストレスなく買い物を楽しめます。セルフサービスが最良のサービスと考え、売場案内表示を充実させて目的の商品を探し易く工夫しています。お忙しい毎日で、できるだけ時間をかけずに買い物を済ませていただく工夫を凝らし、ショートタイムショッピングを実現しています。

 

5. 株主還元
・ 2017年2月期の配当性向は26.6%でした。当社は、業績や今後の出店計画等を考慮した上で、安定的な配当を基本方針としています。これまで減額することなく、総額10億〜14億円を継続して株主様へ還元しています。近年の配当性向は25%以上を維持しています。配当金のほかに、自己株式の取得による株主様への還元も継続的に行っています。2017年度は4月に5億円、9月に2億円、合計7億円・57万株の自己株式を取得しました。配当と自社株買いを合せた金額を純利益で割った総還元性向を重視しています。総還元性向は企業が得た利益をどれくらい株主様に還元しているかを示しており、ここ数年、40%程度の高い水準を維持しています。
・ 従来、株主様には、保有株数に応じた優待金額相当の紙製の金券を贈呈していましたが、2017年8月20日基準の贈呈分から、プリペイドカード形式のお買い物カード「株主ご優待カード」を年2回贈呈することにしました。紙製の金券の場合、券面金額未満のお買い上げの際に、お釣りをお渡しできませんでしたが、プリペイドカードは入金された優待金額を無駄なくご利用いただけます。長期保有優遇制度も新たに設けました。当社の株式を3年以上継続して100株以上お持ちいただいた場合は、年1回、2月20日を基準日として、優待金額を通常の優待制度分に上乗せすることにしました。
・ 1年間の予想配当金と優待金額から還元利回りを計算しますと、例えば、2017年11月29日の終値1,327円で100株ご購入された場合、1年間の予想配当金が2,100円、優待金額が2,000円となりますので、還元利回りは3.09%となります。さらに、長期保有優遇制度を加えますと、還元利回りは3.47%となります。近年、株主様の数は急増傾向にあり、これら還元政策についてご好評をいただいていると実感しています。
・ 時価総額は増減を繰り返しながらも着実に拡大し、2017年11月29日現在、923億円の規模となっています。株価推移は、直近1年間は下げ基調でしたが足元では持ち直しており、5年という長期間で見た場合は、上げ下げを繰り返しながらも堅調に推移しています。

 

6. 質疑応答
Q1. 御社が、ベビー・子供・マタニティ用品の製造販売という単一業態で事業を展開している理由は何でしょうか。
A1. 当社は子供服・育児用品の市場においてナンバーワンの店舗数と売上高を誇っていますが、市場におけるシェアはまだまだ低いと考えています。まず現在の業態をよりブラッシュアップしていくことでシェア拡大をしていきたいと考えています。

 

Q2. 既存店の売上高を見ますと、本年(2017年)11月は苦戦されているようですが、その理由を教えてください。
A2. 2017年11月の売上高は前年同月比で2桁ほど悪かったです。これは気温の要因が大きかったと思います。当社は季節性の製品を扱っていますので、例えば1週間気温の下がる時期がずれるだけで大きく売上高が変化します。単月だけで見ると毎月の変動は大きいと思いますので、2〜3カ月間の流れを前年同期比で見ていただきながら業績をご判断いただければありがたいと思います。

 

Q3. リピート客の確保が重要だと思います。リピート率を向上させる取り組みがあれば教えてください。
A3. リピートされる理由として、価格と便利さがあると思います。当社は商品開発に力を入れており、低価格を実現することを経営理念に掲げています。また、店舗数が900店を超え、全都道府県の中核都市を含むあらゆる地域に出店しています。ベビー・子供用品を買いに行こうと思うと、当社が最も近くにあるという状況になると思います。車で10〜15分走れば、ほとんどの地域の方は当社のお店に行くことができます。そのような便利さを提供することが、リピート客の獲得につながると考えています。
  最近はスマホを使ってECサイトで買い物をされる方が増えています。さまざまな買い方を提供することも便利さにつながっていくと思いますので、そのような取り組みも継続します。

 

Q4. 小売業界では人材不足といわれていますが、御社はいかがでしょうか。毎年多くの新規出店をされていますが、問題はないでしょうか。
A4. 店舗の運営に困っているという状況ではありません。店舗はパートさんの比率が高く、当社は自宅近くに店舗があるため働きやすいのだと思います。ただし、今後、労働人口が減っていくことははっきりしていますので、小売業は人材不足の問題に直面することになると思います。当社は生産性の向上に努めていきます。自動釣銭機などのIT機器の導入や、タブレット端末の導入など、より働きやすい、より効率化を進めるような取り組みを継続していく必要があると考えています。

 

Q5. 採用や育成に関して、御社独自の制度があれば紹介してください。
A5. 新規採用とシニア採用の2つを行っています。新規採用については、理系学部出身の学生を積極的に採用しています。当社はものづくりができる、また科学的な分析ができる人材を育てようとしています。採用後は、チェーン化が進んでいるアメリカの先進企業の視察などを定期的に行い、チェーンストア理論を勉強していく体制を取っています。シニア採用については、大手家電メーカーの優秀な技術者をスカウトしています。ものづくりの基本的な考え方は家電製品もベビー用品も変わりません。今後も当社のベビー用品の開発は進んでいくと思います。本社は姫路にありますが、交通の便のいい新大阪に商品開発の拠点を設け、また採用についても新大阪で進めており、たくさんの方に面接に来ていただいています。

 

Q6. コーポレートガバナンス・コードが導入され、株主との対話が求められていると思います。個人投資家向けIRについての御社の考えを聞かせてください。
A6. 個人投資家向けIRは、当社のものづくりの考え方や経営戦略をしっかりお伝えできる貴重な場と考えています。小規模な会場での説明会のほかに、IRフェアという大規模なフェアにも出展してIR活動を展開しています。地方の中核都市にも積極的に出向き、今後もIR活動に取り組んでいきます。

以上

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