株式会社ワールドホールディングス(2429)

開催日:2017年12月3日

場 所:大和コンファレンスホール(東京都千代田区)

説明者:代表取締役会長兼社長 伊井田 栄吉 氏

 

  • 会社概要

 

  • 当社は福岡県に本社を置いています。海外を含めて31の関連会社があり(連結子会社29社、非連結子会社2社)、連結在籍者は約1万9,000名に及ぶグループ企業です。
  • コーポレートビジョンとして「“人が活きるカタチ”の創造」を掲げ、人材・教育、不動産、情報通信の3つの事業を柱としてビジネスを展開しています。
  • 私は昭和31年5月5日生まれの61歳です。京都府で生まれ育ち、福岡県で事業を起こしました。
  • 1981年、みくに産業(現・ミクニ)を創業したことが当社グループの出発点です。三井不動産販売(現・三井不動産リアルティ)と共同で不動産事業を行うために立ち上げた会社です。
  • 不動産バブルの崩壊で多くの同業他社が破綻する中、ひとつの事業だけに頼っていてはリスクがあると感じ、次なる事業の柱を模索しました。当時、まだ新しかった人材ビジネスの成長を見込み、1993年、ワールドインテックを設立しました。ものづくりに特化した人材ビジネス会社です。
  • 2005年、ワールドインテックはJASDAQ市場に上場、同年、イーサポートを子会社化し、情報通信事業にも参入しました。
  • 2008年のリーマンショックで人材事業の売上は約450億円から約230億円へと大幅に減少しました。しかし、ワールドインテックは無借金経営だったため、動じませんでした。また、当時、大手財閥系以外は、土地の購入を手控えていましたが、これをチャンスとして捉え、最も大きな不動産マーケットである東京都に、デベロッパーであるワールドレジデンシャルを設立しました。福岡銀行などの支援を受け、約300億円の資金を調達、その資金で購入した不動産が現在も大きな財産となっています。このようにして3本柱が立ちあがりました。
  • 2014年に持ち株会社に移行し、ワールドホールディングスに商号変更しました。これで創業会社のミクニを傘下に入れることができ、一挙に不動産事業の規模が広がりました。その後、3つの事業は順調に成長しています。
  • 2016年、東京証券取引所市場第1部に上場。次の5カ年計画の基礎づくりとしてM&Aを強化しました。同年、日研テクノ、ノーリツ台湾を子会社化しました。両社とも修理やメンテナンスの専門業者です。また、2017年には北海道No.1の注文住宅会社、豊栄建設も買収しました。さらに、ファームを子会社とし、未来に向かって農業公園事業に進出しました。
  • 当社は時代状況やニーズをいちはやく捉え、変化に対応できる企業を目指しています。地域分散、業種分散、フロービジネス、ストックビジネスのバランスを重視した経営を実践。経済環境、社会環境、ビジネス環境などが、どんなに変わっても揺るがない、盤石な経営体制の構築に取り組んでいます。
  • 2017年度は売上高1,238億円を見込み、過去最高を更新する予定です。

 

2.事業の概要・当社の強み

  • 3つのコアビジネスの1つ目は人材・教育ビジネスです。当社の基幹事業であり、売上構成の約5割を占めています。人は働くことが喜びであり、働くことが社会貢献であるという理念のもと、事業を行っています。基本的には、ものづくりに特化しています。
  • 人材派遣の市場規模は約7兆円で、ビジネスとしては非常に大きい業界です。また、人材ビジネスの利点は収益の安定したストックビジネスであることです。採用して配属すると、必ず毎月売り上げが発生し、利益が出ます。当社の人材ビジネスは単月の売上高が55〜60億円に達します。しかも、ものづくりなどの技術系は長期契約なので安定して売り上げが発生しますから、それが金融機関からの信頼にもつながっています。
  • 人材派遣には「雇用が不安定」「低収入」「将来性がない」といったネガティブなイメージがありますが、実は短期から正社員雇用まで幅広く、雇用形態を選ぶことができます。適正な収入体系やスキル・キャリアアップの仕組みもあります。国が推し進める働き方改革などによって働く人の価値観や思考が変わって多様性が生まれており、そうした多様性に対応できるのも人材派遣会社なのです。
  • 派遣業界には一般的な人材領域とものづくり人材領域があります。当社は後者の製造・技術・研究にフォーカスしています。
  • 人材・教育ビジネスにおける当社の最大の強みは、ものづくりワンストップサービスであることです。研究、開発、設計、製造、物流、販売、アフターサービスと、ものづくりにかかわる、すべての部隊がいます。川上から川下まで全領域をカバーしているわけです。
  • 顧客にとっては、あらゆる分野の業務も当社1社で対応できるメリットがあります。働く側にとっては入社の間口が広く、スキルアップやキャリアアップの方向性が豊富にあるというメリットがあります。
  • 研究職の正社員は約1,000名が在籍、新卒も採用しています。大学の研究所や医薬品・食品・化粧品などの企業に配属されています。
  • 設計・開発エンジニアは約2,000名。自動車や装置の機械設計のエンジニア育成センターを全国に3つ持っているほか、IT技術者を育成するアドバンススクールも有しています。
  • 製造・物流分野には約1万4,000名が所属しています。近年、各企業はコンプライアンス違反のリスクを考え、なるべく少ない人材会社からスタッフを派遣してもらうようになってきました。規模の小さい派遣会社は整理され、当社のようにコンプライアンス違反の心配がない大手が残る時代になってきました。この部門の売上・利益は前年比約30%伸びました。
  • 製造・物流分野の案件は大きく、全国を移動する社員が約4,500名います。多数の人材を擁していることから、例えば、半導体関係のクリーンルーム経験者を10日間で100名移動させることもできます。このような大型案件に取り組めるのも当社の特徴のひとつです。
  • 軽作業・販売スタッフとして、約2,400名の主婦も所属しています。
  • 当社は多種多様な業種・製品を扱うことで、経済環境の変化にも柔軟に対応できます。従って、つぶれません。半導体が悪くなっても機械が良くなるというように、好調な業種は必ずあり、人が流動できるのです。
  • 人材業界は大きな変革期を迎えています。派遣法改正、AI・ロボット化、労働人口減少、働く志向の多様化などが進み、ものづくり人材市場における環境も激変しています。
  • リーディングカンパニーとして必要な条件は環境適応力、資本力、事業推進力、明確な事業ビジョンなどが挙げられます。これらをすべて備えている企業を中心に業界再編が進むと見られています。
  • 働く側も顧客も選ぶ時代になっており、当社としては非常に戦いやすくなってきました。ワンストップサービスを武器に、業界を牽引するトップ企業としてのかたちをしっかりつくっていこうと思っています。
  • コアビジネスの2つ目は不動産ビジネスです。「人と住まいをつなぐ」をキャッチフレーズに、人と文化が集うまちづくりを目指しています。
  • マンションデベロッパーは事業を始めて、お金が入ってくるまで2〜3年かかります。リスクの大きい事業といえます。当社はマンションだけではなく、半年から1年で資金が回収できる戸建て事業も始めました。また、最も強いのがリノベーションで、創業会社のミクニが30年間も手がけており、業界でも最古参です。リノベーションは4カ月から半年程度で資金を回収できるので、資金回転がとても良くなります。このように開発期間(仕入れから引き渡しまでの期間)のバランスを考えて経営に取り組んでいます。
  • デベロップメントは利益率が高く、売り切り型のためストック性は低いという特徴があります。当社は主要都市でしか行っていません。戸建て住宅も利益率が高く、ストック性は低いので、主要都市でしか行いません。リノベーションの利益率は、それほど高くありませんが、約10%は確保できます。ストック性は中程度。この事業は今後伸びていくと予想され、拡大戦略をとって全国展開していきます。 ユニットハウスについては、当社はメーカーでもあり、レンタルの卸もしているので、リスクは、ほとんどありません。利益率は低いのですが、安定したストック型のビジネスです。この事業も全国展開していきます。
  • デベロップメントの適正規模は1,000戸です。これ以上はリスクが大きくなるので、つくりません。関東は400〜500戸、関西、九州、仙台市、札幌市は100〜200戸の分譲マンションを開発しています。戸建ての適正規模は1,500戸です。リノベーションは1,500〜2,000戸を目指しています。2,000戸までいくと売上高約250億円、利益約30億円となり、全体に大きく貢献します。ユニットハウスではTOTOと組んでトイレハウスを開発、2017年、国土交通省の認定を受けました。2018年からマラソンや祭りの会場にある汚いトイレがオフィスにあるようなきれいなトイレに変わります。この分野を拡大していきます。
  • 2017年に竣工したマンションに宮城県のワンパークレジデンシャルタワーズがあります。野村不動産とのジョイントベンチャーで、345戸の物件です。12月に約270戸を引き渡します。100戸以上の大きな案件はリスクも大きいので、大手としか組みません。自社開発では100戸以内に抑えています。デベロッパーでNo.1を目指しておらず、適正な利益を得ることを主眼としています。
  • 当社の借り入れは不動産ビジネスでの土地の仕入れが83%を占めます。当社の特徴は種地を買って周囲の土地を買い足していき、マンションなどを建てる敷地としていくことです。その部隊が20名近くいます。種地なので相場の半額ほどで仕入れることができます。今後、不動産バブルの崩壊を想定していますが、大きなリスクはありません。
  • このほか、M&Aのための借入金が16%あります。人材・教育ビジネス、情報通信ビジネスは無借金です。
  • 「ITで人と人をつなぐ」をテーマにした情報通信ビジネスは九州限定です。コールセンター、auとソフトバンクのモバイルショップを持っています。
  • この事業は完全なストックビジネスです。皆さんがモバイルを使っている間、当社には使用料のバックマージンが5年間ずっと入ってきます。店舗改装などの設備投資は必要ですが、非常に安定したビジネスといえます。
  • 直営店52店舗、代理店57店舗、計109店舗の九州地域最大級の店舗網を持っています。年間30万回線を販売、九州No.1の実績を挙げています。この業界では今後2〜3年はスクラップ・アンド・ビルドが繰り返され、小さな会社は淘汰され、大手だけが残ると見られています。そうなると利益が出るようになります。
  • 次に力を入れているのが法人ソリューション事業です。中小零細企業向けにコスト削減のお手伝いをするビジネスです。LED照明やスマートフォンなどの商材の販売を通して、電気代、通信費の削減などを行っています。

 

3.新たな挑戦(農業公園事業)

  • 新規事業として農業公園事業に参入しました。約30年前、国の方針で各地域に農業公園が造られましたが、現在までに3分の2がつぶれました。未来を担う子どもたちが体も心も健康に育ってほしい。そのために、この施設は絶対に必要です。
  • 創業して50年経つ日本で最も大きなファーム運営企業が経営破綻し、当社が引き取りました。現在、5カ所の農業公園を所有、6カ所を指定管理しています。農業公園は、ほかにも、たくさん残っていますから、まずは所有している5カ所を成功させ、その後、増やしていきます。
  • 破綻状態により、タダ同然で広大な土地が手に入るのでビッグチャンスと捉えています。そこに子どもたちや、その家族が遊びに来ます。きれいにして設備投資すれば、ストックビジネスになります。
  • 2〜3年、しっかり勉強させていただき、各県にある施設を再生していきます。ぜひご期待していただきたいと思います。

 

4.新・中期経営計画2021

  • 新たに「進化した“人が活きるカタチ”の追求 より強く、より社会性をもって、安定拡大する企業を目指す」というビジョンを掲げました。
  • 大きな骨子は適正規模とバランス経営による「安定経営」、事業の裾野を広げる「事業拡大」、多様なビジネスによる多方面に向けた社会貢献「高い社会性」です。この3つの柱によって、拡大戦略を進めていきます。
  • 5カ年計画の前半は裾野を広げ既存領域の拡大に集中します。後半は新規事業を本格的に立ち上げます。
  • 2021年12月期の売上高2,000億円、営業利益100億円を目標にしています。そのためにはM&Aでタネを買って広げていく戦略を実行します。それから先は海外に大きく軸足を移していく計画です。

 

5.2017年12月期業績予想と株主還元策

  • 2017年12月期は売上高1,238億4,846万円、営業利益62億7,000万円、経常利益59億3,600万円と予想しています。
  • 第3四半期は売上高目標828億400万円に対し実績が837億1,800万円、営業利益目標 26億9,400万円に対し実績が33億9,900万円で、両方とも目標を上回りました。
  • 配当性向は30%目標です。利益が出れば、配当金は増加しますが、配当性向30%は維持していきます。設備投資をしながら、配当していける状況をつくっていきたいと思っています。

 

6.質疑応答

Q1.人材・教育ビジネスの現況はいかがですか。

A1. 非常に順調に推移しています。業界全体も大きくなってきています。その理由は、ものづくりが海外から日本へ帰ってきているからです。「チャイナ・プラスワン」とアジアの人件費が安い国・地域へ移りましたが、リスクや賃金上昇などがあって、日本への回帰が進んでいます。日本企業は国内では、もともとのキャパシティーの半分程度しか使っていませんでしたが、今はフル稼働に近い状態になっています。マーケットも大きくなり、ものづくり人材市場で屈指の規模を誇る当社の強みが遺憾なく発揮できるようになりました。

当社の強みは、第1にコンプライアンスの点で派遣元企業を絞りこむ動きがあり、当社への依頼が増えていることです。第2に当社は採用に大きく投資したことに加え、各地域に派遣会社のパートナー企業を有しており、6,000名ほどのネットワークがあります。企業が派遣会社の数を減らすことがあっても、当社は必ず残ります。第3に顧客企業が工場を拡張したり、増設して仕事を増やしたり、新しい仕事を取ったりしたときは必ず当社に声がかかります。100〜200名を一斉に移動させて垂直立ち上げができるのは当社を含めて数社しかないからです。法制度が整備され、小さな派遣会社が淘汰されるのも当社にとっては追い風となっています。

 

Q2.M&Aを、どのように考えていますか。

A2.従来、当社から働きかけるM&Aをほとんどしていませんでした。事業をゼロからつくっていったり、破綻した会社を再生したりするケースがほとんどでした。しかし、売上高2,000億円を実現するためにはM&Aが避けて通れません。今後はタネを買って、それをベースにして広げていくようにしないと多分間に合わない。そのために、2年前に何人かスペシャリストをヘッドハンティングしてM&Aチームをつくりました。そのチームを中心に国内外の企業に対してM&Aを強化します。もちろん、リスクはありますが、精査して踏み込んでいこうと考えています。

 

以 上

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