株式会社中電工(1941)

開催日:2017年11月19日

場 所:大和コンファレンスホール(東京都千代田区)

説明者:代表取締役社長 小畑 博文 氏

 

1.会社概要

・ 設立は1944年9月で、設立時の会社名は中国電気工事株式会社でしたが、1990年に現在の会社名となりました。中国電力の資本が入った中国地域を主たる営業基盤とする会社で、連結の総資産が2,636億円と、中国地域で最も大きい設備工事会社です。

・ 当社の社是は「眞心」で、この言葉を全ての事業場の執務室に掲げ、社員の行動指針としています。また、企業使命と経営姿勢を企業理念として定めています。

・ 中電工個別の従業員数と売上高の推移では、従業員数は1975年度の7,839名が最多で、現在は約3,600名となっています。東京でも新宿区に東京本部を設置し、約110名の従業員が勤務しています。売上高は1993年度の2,019億円が最高で、その後、長期にわたって減収が続きましたが、2012年度から増収に転じ、その後は堅調に推移しています。

・ 本店は広島市にあります。当社の主たる営業基盤である中国地域では、9つの支社を中心に事業展開しています。この9つの支社の下に、大小さまざまな事業場を設置していますが、本年7月に中山間地の小規模事業場の統廃合を実施しており104あった事業場を84に削減しました。次年度以降も引き続いて、選択と集中により統廃合を進め、事業場数を2016年10月の104から3割削減していきたいと考えています。

また、東京・名古屋・大阪・九州などにも拠点があります。中国地域の中山間地の事業場の統廃合により生じた要員を、東京等の都市圏の事業場に順次異動配置しています。特に東京は、従業員数が前年の93名から110名と増えており、今後も中国地域の事業場のスリム化を実行しながら、都市圏の事業場の従業員を増やしていきたいと考えております。

・ 売上高の工事部門別構成比では、電力会社向け工事が約3割、一般向け工事が約7割となっています。工事部門別では、屋内電気が51%と最も大きく、続いて配電線、空調管となっています。

・ 売上高の地域別構成比では、中国地域の売上高で約9割、東京・大阪・九州の都市圏が約1割という状況となっています。

 

2.業績概要および業績予想

・ 第2四半期の連結業績のハイライトでは、売上高は前年度から7億円減の638億円となりました。中電工個別の売上高は17億円減少しましたが、前年にM&Aで2社買収しており、これらを加えた連結子会社の売上高が9億円増えたことで、7億円減に留まりました。

営業利益は31億円と減益、経常利益は52億円、四半期純利益は38億円とそれぞれ増益となりました。なお、経常利益が増益となった理由は、外国債券の償還益などで営業外収益が前年度より10億円増えたためです。

・ 通期の連結業績予想について、売上高は前年度から50億円増の1,530億円を見込みます。売上高が1,500億円を超えるのは、2000年度以来、17年ぶりのことです。

売上高を工事部門別で見ると、配電線工事は、中国電力からの工事量の減少や単価引き下げ等により減少しますが、屋内電気工事や空調管工事の売上高が増加すると考えていますので、中電工全体としては増収と想定しています。

一方、利益は、営業利益が86億円、経常利益が116億円、当期純利益が80億円とそれぞれ減益の見込みです。減益の要因は、主に配電線工事の売上高減少によるもので、屋内電気や空調管の一般工事部門は前年度以上の利益を確保できると考えています。

・ 改めて通期の業績を5ヵ年の推移で見ますと、売上高は増加基調で、売上高営業利益率も5%をキープしており、業績は堅調であると考えています。

・ 受注高・売上高の推移と手持工事高(ともに中電工個別の数値)で見てみると、近年の好調な受注環境と営業強化の取り組みにより、2011年度以降、売上高を超える受注高を毎年確保しています。

手持工事高はここ数年、毎年増加しています。2017年度末の手持工事高は823億円と見込んでおり、前年度末から70億円増加する見込みです。このことからも、業績が堅調に推移していると考えています。

・ 都市圏の受注高および従業員数の推移を見ると、都市圏の事業拡大に積極的に取り組んでおり、近年の受注高は増加傾向にあり、2017年度は188億円を見込んでいます。また、従業員数についても、順次、増やし、体制強化を図っています。

 

3.中電工の特徴

・ 各地域には当社と同じく電力会社の資本が入った設備工事会社があり、配電線工事や屋内電気工事、空調管工事等を行っています。売上高の得意先別構成比について、同業各社と比較すると、電力会社向けの売上高比率では、当社の比率は3割程度であり、一般得意先向けの割合が比較的大きい設備工事会社であることが分かると思います。

・ 売上高営業利益率で同業各社と比較すると、当社の2017年度予想の売上高営業利益率は5.6%であり、同業8社の加重平均6.4%を少し下回り、関電工、ユアテックとほぼ同水準となる見込みです。

・ 自己資本比率とROEをチャートに示し、2016年度実績を見ると、当社の自己資本比率は81.5%と高く、これは企業の安全性が高いことを示しています。

ROEは、近年、特に注目されていますが、「会社が株主様から預かった資金を使ってどれくらい効率的に利益を創出したか」という収益性を見る指標です。当社のROEが同業他社に比べて低いのは自己資本が大きいためであり、今後はこの自己資本を成長投資に積極的に活用することで、ROEを高めていきたいと考えています。

 

4.中期経営計画

・ 現行の中期経営計画は、2015年度をスタートとした2017年度までの3ヵ年計画で、今年度が最終年度です。企業運営の基盤に安全とコンプライアンスを掲げるとともに、テーマを「経営基盤の強化と更なる成長」として取り組んでいます。

・ この中期経営計画では、「受注の確保・拡大」「利益の確保・拡大」「活力を生む人づくり」「品質の向上」の4つの主要施策に取り組んでいますが、それぞれ順調に進んでいると考えています。

さらに、2017年度は「働き方改革」を主要施策に加え、業務改革を推進して、生産性を向上させる取り組みを進めています。

・ 当社の一番の財産である人材については、近年、110〜150名程度の定期採用を行い、30歳未満の若い人の割合が3割となっています。

また、設備工事業は資格を持っていないと仕事ができません。特に必要とする電気工事や管工事の施工管理技士、高度な資格である技術士など、積極的に取得するよう奨励しています。

人材育成は喫緊の課題として特に力を入れています。若い層は着実に成長し、技術力・施工能力は今後確実に上がっていくと考えています。採用は今後も継続して行うと共に、働き方改革など人を大切にする経営を推進していきたいと思っています。

・ 現中期経営計画の数値目標について、当初は最終年度の2017年度に、連結ベースで売上高1,500億円、営業利益70億円、売上高営業利益率4.7%を目標に掲げていました。

これに対し、今年度の見通しでは、売上高1,530億円、営業利益86億円、営業利益率5.6%と見込んでおり、中期経営計画で掲げた目標数値はすべて達成できると考えています。

・ 持続的成長のための投資については、現中期経営計画期間内で、内部資金を活用した成長のための投資枠として300億円を設定し、これまでに太陽光発電事業、農業関連事業、M&A等に100億円投資をしてきました。現中期経営計画の残りの期間は4ヵ月しかありません。従って、300億円の残りの200億円の投資は現実的には厳しいと考えていますが、次年度以降もM&Aや人材育成など成長のための投資を継続していきたいと考えています。

・ M&Aについては、昨年度、国内案件として横浜と神戸の設備工事会社2社を買収しました。2社とも業績は堅調で、当社とは営業情報や工事情報を交換し合うなど、連携を進めています。

・ 先月シンガポールの電気工事会社を買収しました。

当社はマレーシアに現地法人を設立するなど、海外事業に取り組んでおり、また、中長期ビジョンにおいても、「海外でも存在感を発揮できるグループ」を目指しています。今回はこの方向性に合致したため、日本政策投資銀行と共同で買収しました。当社にとって初の海外買収案件です。

RYB社は従業員数が約60名、2016年12月期の売上高は約40億円で、利益率も非常に高い電気工事会社です。同社は世界的に著名なIT企業のデータセンター工事を行っており、高い技術力を保有しています。今後は、RYB社を中心に東南アジアにおける事業の拡大を進めていきたいと考えています。

 

5.中電工グループ中長期ビジョン

・ 中長期ビジョンは、創立80周年となる2024年度での目指す姿・目標を示したものです。都市圏の事業拡大、M&Aの推進等を進めるなか、中電工グループの姿も少しずつ変わりつつあります。こうした状況を踏まえ、中長期的な視点での当社グループの目指す姿を策定したものです。

テーマは「変革と成長を遂げる中電工グループ」とし、目指すグループ像を「従業員一人ひとりが働きがいを持って活躍するグループ」および「中国地域だけでなく都市圏・海外でも存在感を発揮できるグループ」とし、人を大切にしながら事業領域の拡大により成長していきたいと考えています。

数値目標は、連結売上高2,000億円以上、連結営業利益130億円以上としています。

・ 中長期ビジョン実現へのアプローチは、中期経営計画の諸施策を踏まえた5項目に取り組みますが、特に「人材の確保・育成」と「成長投資の継続」がポイントになると考えています。

人材の確保・育成については、グループ一体となって継続して人材を確保し、技術・技能を高める教育のさらなる充実を図りながら、業務改革・働き方改革を推進します。また、協力会の人材育成等の支援の充実・強化を図っていきます。

成長投資については、人材の確保・育成や事業の拡大、M&Aへの投資など、現在の取り組みを今後も継続していきます。

 

6.株主還元

・ 当社は、中長期的な企業価値の向上を目指すため「資本政策の基本的な方針」を策定しています。

1つ目は、「持続的な成長のための投資」です。今後もM&Aなどを推進していきます。

2つ目は、「株主還元の充実」です。持続的に安定的な配当を行う、また、必要に応じて自己株式取得を実施することとしています。

・ 配当については、配当方針で、DOE(連結株主資本配当率)を採用しています。それは多額の株主資本に着目し、持続的・安定的に配当を行うためです。

一般的に配当性向何%という方法もありますが、この場合、利益が下がれば減配となる可能性があります。一方DOEは、安定した株主資本の何%と計算しますので、持続的・安定的な高水準の配当が可能になると考えています。

2016年度はDOE2.0%を目処とする配当を行いましたが、2017年度からは、DOE2.5%を目処に配当を行いたいと考えています。これにより、1株当たりの年間配当金は94円、配当総額は52億円、DOE 2.54%となる見込みです。

配当は、持続的・安定的に行うこととしており、今後もこの配当方針で株主還元を行っていきます。

・ 自己株式の取得については、昨年8月に70万株、本年1月には250万株の自己株式を取得しています。また、本年3月には700万株の自己株式の消却をしました。

・ 配当金の推移を見ると、2012年度までは、1株当たり年間20円の安定配当を続けていましたが、2013年度は業績連動型配当に変更し、2014年度からはDOEを採用しています。

配当利回りでは、11月10日現在の株価3,265円で2.9%の予想となります。低金利で銀行に預けても多くの利息が望めない状況にあるなか、3%近い配当利回りは高い水準にあります。

また、1株当たり配当金、配当総額、配当性向も、ここ数年、増加しています。加えて、当社は自己資本比率が高く、安全性・安定性の面からも、当社株式は資産株になりうると考えています。

・ 同業各社と配当金を比較すると、当社の1株当たりの配当利回り・配当性向の全てにおいて高いことが分かります。

・ 当社の株価の推移を2012年4月を起点に、現在までの株価の推移を見ると、景気の回復もあり、この間、日経平均の株価は2.2倍程度まで伸びていますが、当社の株価はそれを大きく上回る3.9倍程度の伸びを示しています。

・ 先月から刷新されたテレビCMをご紹介します。残念ながら関東では流れていませんが、MIKIKOさんという有名な振付師が考えたダンスを取り入れた軽快なCMです。このダンスには、社員がイキイキと明るく元気に働いている会社であるという意味が込められています。また、写真の作業服はミズノと共同で企画制作したもので、今年1月に25年ぶりにリニューアルしました。動きやすく、快適性や機能性の優れたものになっています。

皆さまに親しみを持ってもらいつつ、お客さまに快適な仕事や生活の環境を提案し、お客さまと一緒に明日を作っていく努力をしていきたい。そういう会社でありたいと思っています。

 

7.質疑応答

Q1. 都市圏の事業拡大を積極的に推進していくということですが、地元の中国地域のシェアを拡大していく考えはないのでしょうか。

A1. 中国地域は人口減少で、なかなか成長発展していくという感じではありません。特に中山間地や山陰地方は人口が大きく減少しています。やはり成長していくマーケットに経営資源をつぎ込んでいく、これが成長するポイントだと考えています。東京や大阪などの都市圏は成長するマーケットであり、東南アジアの事業も拡大していきたいと考えています。

 

Q2. 今後の成長に向けた戦略投資を積極的にされるとのことですが、投資に関するリターンについて、御社のお考えをお聞かせください。

A2. 現時点ではリターンの目標を特に設定していません。一番大事なのはM&Aの時にしっかりとしたオペレーションをすること。そして当社とその企業が今後とも引き続き成長していくことです。それらにきちんと取り組めば、リターンはおのずからついてくると考えています。

今まで3件のM&Aをしましたが、個別の案件ごとにしっかりと調査・検討し、決断しています。

 

Q3. 先月、シンガポールの電気工事会社を子会社化しましたが、海外展開はどのようにお考えですか。

A3. 東南アジアは間違いなく成長するマーケットです。しかし文化も仕事のやり方もまったく違います。したがって東南アジアで仕事を受注し、対応するためには、現地企業と連携することが必要だと考えました。RYB社は世界的に著名なIT企業のデータセンター工事を中心に実績を上げており高い技術力のある会社です。今後はRYB社と連携し、RYB社の知恵を借りながら、一緒に海外事業を展開していきたいと考えています。

 

Q4. 長期ビジョンで連結売上高2,000億円以上、連結営業利益130億円以上を数値目標としています。また都市圏での連結売上高は、2017年計画値の4倍以上の650億円としていますが、どのようにして達成していくのでしょうか。

A4. 中国地域で売上高を増やしていくのは大変厳しいと思っています。そのため目標達成のカギとなるのは、東京や大阪などの都市圏と海外事業の拡大だと考えています。

中国地域の事業場のスリム化を行いながら、そこでの要員を東京や大阪に異動配置し、都市圏の事業場の体制強化を図ります。それにより中電工単体で都市圏の事業拡大を進めていきたいと考えています。しかしそれだけでは限界があります。やはり大きなポイントはM&Aだと思います。

電気工事業や設備工事業の同業他社を東京や大阪でM&Aしたいと考えていますが、現況ではなかなか案件が出てこず、厳しい状況が続いています。その中でもアンテナを高くし、常に検討していくことが大切だと考えています。

私の好きな詩人に坂村真民(さかむら・しんみん)という詩人がいます。その人の言葉で「念ずれば花ひらく」があります。高い志を持って、毎年毎年PDCAを回しながら、一歩一歩着実に取り組んでいけば、目標は実現できると考えています。こうした取り組みをこれからも続けていきたいと考えています。

 

Q5. 電線の地中化への取り組み・動向について教えてください。

A5. 昨年12月に無電柱化の基本法律が定められました。これは世の中の大きな流れであり、社会的気運だと考えています。この流れに対応するためには、技術的な開発も必要ですし、国や県、市町村からの発注となるので、それらにしっかり提案できる技術力・提案力をつけていきたいと思います。これから本格的に動く電線地中化に対し、中電工としてしっかりとした体制を築き、対応していきたいと思います。

 

Q6. 電力自由化による御社への影響とその対応について教えてください。

A6. 今年度の決算で営業利益が厳しい状況になっているのは、中国電力からの配電線工事が減少し、単価も引き下げられているからです。中電工としては工事量の減少に対応するために、それに応じた要員のスリム化も図らなければならないと思います。

若い人の声も聞き、現場の経験や研修を進めていきたいと思います。それにより地中線工事や一般工事への展開も可能だと思います。中国電力の大きな変化に対して中電工として、将来を見据えながら、着実に対応していきたいと考えています。

 

Q7. 地域によるかもしれませんが、工事に携わる人材が不足していることはありませんか。また費用がかさむリスクなども含めてご説明いただければと思います。

A7. 中電工の社員は、現場の技術者。現場代理人という仕事をしています。屋内電気工事・空調管工事である一般工事は、現在、社員がフル稼働で対応しています。その状況を本社の技術本部が適切に把握し、現場ごとに目を光らせています。そして応援等を適切に行うように努力しています。

一方、実際に作業するのは協力会社の皆様です。今年9月に協力会を発足しました。協力会社に対し、継続的に安定発注すると共に、情報共有していく。さらに人材育成の支援をする。中電工はこれらにしっかりと対応し、協力会社とwin-winの関係を構築し、協力関係を強化していきたいと考えています。現在、これらの取り組みが少しずつ実りつつあると思います。工事量が多い状態が続いていますが、これらの努力を踏まえ、適切な対応を進めたいと思います。

以 上

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