オリックス株式会社(8591)
開催日:2017年9月16日
場 所:エルガーラホール(福岡市中央区)
説明者:経営計画部 課長代理 上原 浩平 氏

 

1. 会社概要
・ 当社は1964年、アメリカ発祥のビジネスであるリース業を初めて日本で展開しようと、3つの商社と5つの銀行の合弁により設立されました。設立時の社員は13名、資本金は1億円と、いわばベンチャー企業としてスタートしました。
・ その後、自主独立路線の方針のもと、1970年に大阪証券取引所市場第二部、1973年に東京証券取引所市場第一部に上場。1998年には日本の金融業としては2番目となるニューヨーク証券取引所への上場も果たしました。
・ 2017年3月期の営業収益(売上高)2兆6,787億円、当期純利益2,732億円、総資産11兆2,319億円、従業員数はグループ連結合計で34,835人です。
・ 当社は特定の親会社を持たないため、歴史的に海外機関投資家の株主が多く、2017年3月末時点の株主構成比率は57.9%が外国法人となっています。一方、個人株主の比率は6.9%に過ぎません。そのため、この2〜3年、個人投資家向け会社説明会や株主優待に力を入れ、事業内容等にご理解いただく努力を続けています。
・ 当社のもともとの出発点は、1964年に開始したリース業です。リースとは「モノ」を介して融資をするビジネスです。例えば、日本の中小企業のお客様に機械設備を5年間リースしたいと言われたら、まず5年間リース料を支払っていただけるかどうかを見極める「金融」の専門性が必要となります。一方、5年後に機械設備が返ってきたとき、その設備を市場で売却する場合と再びリースに出す場合とで、どちらが多くの利益を得られるかという「モノ」の価値を見極める能力も必要です。よって、リース業は「金融」と「モノ」という二つの専門性が必要なビジネスと言えます。
・ その二つの専門性を徐々に隣接する分野へと広げていった結果、現在の多角的な事業ポートフォリオが構築されました。「金融」に関する専門性は、リースから融資、投資、生命保険、銀行、資産運用へと広がり、「モノ」の専門性は、自動車、不動産、航空機、船舶、環境エネルギー、コンセッションへと広がってきました。

 

2. 事業概要
・ 当社には「法人金融」「メンテナンスリース」「不動産」「事業投資」「リテール」「海外」の6つのセグメントがあります。
・ 「法人金融」は設立時からのビジネスであるリース、そして融資などを日本国内の中小企業のお客様向けに提供しているセグメントです。
・ 「メンテナンスリース」では、グループ会社であるオリックス自動車株式会社が、自動車リース、レンタカー、カーシェアリングなどを展開しています。
・ 「不動産」はオフィスビルの開発に加えて、水族館、ホテル、旅館などの施設を運営しています。
・ 「事業投資」は太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギー事業、コンセッション(空港など公共施設の運営事業)などが含まれます。
・ 「リテール」はオリックス生命保険株式会社、オリックス銀行株式会社など、個人のお客様向けのサービスを手掛けるセグメントです。
・ 「海外」は、アジア、アメリカ、ヨーロッパなどで展開している事業をひとまとめにしています。アジアではリース、融資などの金融ビジネスが多く、アメリカでは債券投資、エクイティ投資等のビジネスを行っています。また、アセットマネジメントの分野ではオランダの資産運用会社ロベコという会社を買収しています。その他、航空機・船舶のリースなどがこのセグメントに含まれます。
・ 2017年3月期の税引前利益では、国内のリース関連事業が2割に減少する一方、海外事業が増加し全体の約3割を占めるまでに成長しています。
・ この6つのセグメントが有機的に結びついて事業を行っていることが当社の強みだと考えています。例えば、法人金融で中小企業のお客様が海外進出を考えているというニーズを聞いた場合、営業部員が海外セグメントへ連絡し、最適な国を提案し海外進出をサポートするなど、6つのセグメントが協力し合っています。
・ 6つのセグメントすべてが黒字であること、また、バランスよく収益を上げリスク分散ができている点も、当社の強みだと考えています。
・ 当社は1970年代からアジアで事業を展開しています。会社設立から7年後に香港に進出し、それを皮切りにシンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどで、それぞれの国初のリース会社を設立してきました。アジア各国では主に現地のお客様向けにリース事業を中心に展開していますが、今後は地域を拡大し、リース以外の事業やサービスの多角化に取り組んでいきます。
・ 創立以来の当期純利益の推移を見ると、初年度の1964年は半期決算ということもあり赤字でしたが、その後の52年間は黒字を計上し続けています。リーマンショックが起きた2009年3月期には利益が大きく落ち込みましたが、グローバルな金融機関が多額の損失を計上し再編を余儀なくされるなかでも、しっかりと黒字を確保しました。
・ その後は順調に業績が回復し、8期連続の増益を達成、直近3年間は過去最高益を更新しており、業績は非常に順調に推移しています。

 

3.  2018年3月期 中期目標
・ 2015年3月期決算発表の際、利益成長・資本効率性・健全性の3つの観点から、2018年3月期に達成すべき経営指標を発表しました。利益成長は当期純利益3,000億円、資本効率性はROE 11〜12%、健全性は信用格付A格を維持することを目標としています。
・ 今後の中期的な成長の方向性や当社の成長戦略をよりわかりやすくご理解いただくために、事業ポートフォリオを「ファイナンス」「事業」「投資」の3つに分類して説明します。
・ 「ファイナンス」は伝統的な金融ビジネスで、国内外のリース、貸付金、国内の住宅ローン、カードローンなどのいわゆる金利ビジネスです。
・ 「事業」は自ら事業運営リスクをとってオペレーションにより収益を上げるビジネスです。さらに事業を区分して、「環境・インフラ」「金融サービス」「メンテナンスサービス」「その他新規事業」の4つに分けています。
・ 「投資」は主にマーケットリスクをとるビジネスで、債権、不動産・航空機への投資、プライベート・エクイティ投資などが含まれます。なお、プライベート・エクイティ投資とは、未上場の会社に投資して企業価値をあげるビジネスです。
・ 現在の低金利環境下、利鞘を稼ぎにくい「ファイナンス」で伸ばすことが難しいため、自ら運営リスクをとる「事業」や当社の目利き力を生かした「投資」に注力し、安定的な収益を伸ばしていくという戦略を立てています。
・ 「事業」の具体例として、不動産セグメントで手掛けている施設運営事業をご紹介します。施設運営事業では、ホテル・旅館、ゴルフ場、多目的ドーム、水族館、高齢者向け施設等を運営しています。当社ならではの付加価値を追求し、皆様に喜んでいただける施設づくりを目指しています。
・ 昨今アジアやヨーロッパからの訪日観光客が大幅に増加しており、ホテルや旅館の稼働率、宿泊単価などは非常に堅調に推移しています。引き続き施設運営事業ではこのような国内の観光産業の成長を取り込んでいきたいと考えています。
・ 「事業」の成長戦略の2つ目として、環境エネルギー事業をご紹介します。大規模太陽光発電である「メガソーラー事業」、工場の屋根などに太陽光パネルを設置する「屋根設置型太陽光発電事業」、太陽光と同じ再生可能エネルギーである「地熱発電」、「バイオマス発電」などを手掛けています。当社はもともと1995年から風力発電事業に参入していましたが、2011年3月に東日本大震災を受けて、日本のエネルギー事業や電源構成が変化するという予測のもとに、いち早く再生可能エネルギーの事業化に向けて布石を打っていました。そのため、2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まった際には、すぐに再生可能エネルギー事業を加速できるだけの体制を整えていました。
・ 現在、太陽光発電事業は990MW(メガワット)の電源を確保しており、国内でもトップ規模の事業者となっています。海外でも、インドの風力発電事業、ベトナムの水力発電事業、アメリカの地熱発電の会社などに出資しています。今後は、国内で培ったノウハウをもとに、海外の再生可能エネルギー事業も拡大していきたいと考えています。
・ もう1つの成長戦略は、コンセッション事業です。コンセッション事業とは、空港、道路、上下水道などの公共施設の所有権を国などに残したまま、運営だけを民間事業者が担うという事業形態です。政府が経済の活性化と財政の健全化を目的としてコンセッションを推進しており、当社としてもこの分野に注力しています。
・ 当社におけるコンセッション事業の第1号案件は、関西国際空港および大阪国際空港(伊丹空港)の2つの空港の運営です。ヨーロッパで空港運営実績のあるフランスのヴァンシ・エアポート(VINCI Airports S.A.S.)と提携し、大阪の多数の企業様にも出資をいただき、関西エアポート株式会社を立ち上げ2016年4月1日より運営をスタートしました。運営開始から1年以上が経過しましたが、アジアからの訪日観光客の増加を背景として、当初想定よりも順調に推移しています。
 

4. 人材戦略
・ 当社は「モノ」をつくる会社ではないので、新しいビジネスを次々と創出していくためにも「人材」を非常に重要視しています。最大の財産は「人材」と考え、人材戦略には非常に力を入れています。また、新たな事業や海外事業が拡大していくなかで、国籍、年齢、性別、職歴を問わず多様な人材を受け入れています。中途採用の社員が約半分を占めるなど、様々な人材が混じりあって非常に多様な人材構成をつくりあげているのが当社の特色です。そして、これらの人材の能力を最大限に活かせる職場づくりにも注力しています。
・ 昨今よく耳にする女性活躍推進についてもご説明いたします。当社では、男女雇用機会均等法(1986年4月施行)以前の1982年から女性総合職の採用を始めました。現在ではグループ全社の社員約3万5千人のうち、3割程度が女性です。女性管理職の比率は、2015年から2020年までに5%引き上げることを目標にしており、女性が活躍することが普通の職場になっています。
・ ワーキングマザーの数も着実に増えています。女性社員に占めるワーキングマザーの比率は34%で、10年間で約3倍に増えています。ワーキングマザーがいる部署では「きょうは子供さんのお迎えがあるから早く帰る日だね」という会話が自然に聞かれる職場環境です。
・ 柔軟な働き方の新制度も拡充しています。例えば配偶者が転勤した場合、仕事を辞めてしまうことを防ぐために勤務エリアを変更できる「配偶者転勤エリア変更制度」を取り入れたり、配偶者が転勤している期間は休職扱いにできる「配偶者転勤休職制度」を取り入れたりもしています。
・ 退職した社員が理由の如何を問わず再入社できる「カムバック再雇用制度」も取り入れています。一度は当社を辞めた社員が、「やはりオリックスがおもしろい」「オリックスが好きだ」と言ってまた戻ってくるケースもよくあります。この制度では、カムバックした社員が、外部で培った様々な経験を当社へ還元してくれるというメリットもあります。

 

5. オリックス株式の魅力
・ 株価は2017年9月6日時点の終値で1,717円50銭です。単元株式数は100株なので、最低投資金額は17万1,750円となります。配当利回りは約3%、PBR(株価純資産倍率)は0.9倍で、一般的に割安といわれる水準となっています。
・ 過去14年間の株価と配当金の推移を見ると、当社の株価のパフォーマンスは、おおむねTOPIXを上回っています。配当は2009年3月期、リーマンショックの直後に減配となりましたが、その後は業績の回復とともに着実に増配が続いています。
・ 2017年3月期の通期配当金は前期より6.5円増配の52.25円でした。2018年3月期の中間配当金は前期より4円増配の27円を予定しています。また、配当性向も利益成長とともに継続的に引き上げ、2012年3月期の12%から2017年3月期は25%にまで上昇しています。
・ 今後も持続的な利益成長に向けた投資だけでなく、株主の皆様への安定した還元にも努めていきます。
・ 株主優待の1つ目として、ふるさと優待をご紹介します。2015年に導入したカタログギフト形式の株主優待で、多くの株主優待雑誌に取り上げられました。「株主優待の達人」として知られる桐谷広人氏にもご推薦をいただくなど、個人の株主様からも高い評価を得ています。
・ 3月末時点で100株以上保有の株主様に、全国の取引先の商品を掲載したオリジナルのカタログギフトをお届けしています。
・ より長期にわたって株式を保有していただきたいという思いから、保有期間に応じて2つの商品コースをご用意しました。3年以上継続保有の株主様には、ワンランク上の商品をお届けしています。
・ ふるさと優待の制度を通じて、個人の株主様に当社の事業について理解を深めていただき、また全国各地の多数のお取引先やネットワークが当社の大切な事業基盤であるということも併せてご理解いただきたいという考えで行っています。
・ 株主優待の2つ目は、株主カードの提示による割引サービスです。年に2回株主様にお届けしている株主カードを、当社グループが運営している施設で提示していただくと、株主カードの有効期間中であれば、当社グループの商品・サービスを何度でも割引価格でご利用いただける制度です。
・ 例えば、京セラドーム大阪でオリックス・バファローズの野球観戦をし、京都水族館を見学したあと、ホテルユニバーサルポートに宿泊するなど、同じ日に複数の施設・サービスを優待料金でご利用いただくこともできます。

 

6. 質疑応答
Q1. 国内、海外において今後注力する国や地域がありましたら教えてください。
A1. 海外の注力エリアとしては、アメリカを考えています。アメリカは非常に経済が堅調で経済規模も大きく、新しいビジネスの余地があると考えています。例えば、道路や水道の安全保守関連など、この1、2年でインフラ関連の会社に3、4件投資をしています。また、2日前の2017年9月14日には、事業用不動産ローンの組成・サービシングを手掛ける会社の買収を発表させていただきました。そして、当社の基盤がある日本では新しい事業を可能な限り開発していきたいと考えています。再生可能エネルギーやメガソーラービジネス、コンセッションなどのノウハウを日本で蓄積し、アジア等の新興国へ展開していくことも考えております。

 

Q2. 競合他社についてどのような企業を想定しているのか教えてください。また、同業他社と比べたオリックスの優位性について教えてください。
A2. 競合他社ですが、ビジネス別では、リースであれば他のリース会社、融資であれば地方銀行など地域金融機関、生命保険であれば他の生命保険会社が競合になるといえます。しかし、当社グループ全体で捉えたときには、ここまで多角的なビジネスを各部門が有機的に連携しながら行っている企業は、国内外を見渡しても他に存在しないと思います。当社は業種という枠を超えた“オリックスという独自のビジネスモデル”を目指していますので、特定の競合企業は意識せず、今後も自社の強みを活かして成長し続けていきたいと考えています。そして、当社の強み・優位性は2つあると思っています。1つは臨機応変であること、もう1つは健全なリスクテイクができることです。当社はリース事業からスタートしましたが、リースだけに固執せず、社会や市場の変化を捉えて新しい事業へ積極的に進出してきました。通常、会社が大きくなるにつれて臨機応変さや柔軟性が失われていくことも多いわけですが、当社のように会社が成長してもなおそのようなマインドを持ち続けている会社は少ないと思います。また、新しい事業分野へ進出してリターンを得るためには、当然リスクもとらなければなりませんが、ともすれば日本企業はリスク回避ばかりを考えてしまいます。それに対して、当社では成長の過程で健全なリスクテイクを行うことが良しとされています。先述の国内第一号となる空港コンセッション事業である関西国際空港および大阪国際空港(伊丹空港)の案件では、多数の日本企業がリスクを懸念して入札の前に撤退していきました。しかし、当社はリスクを徹底的に分析し、それらを「とれるリスク」に変えていくなどの努力を惜しみませんでした。結果として、当社連合だけが応募し、最終的には運営権を獲得することができました。
  このように、臨機応変さと健全なリスクテイクとが、当社の強みではないかと考えています。

 

Q3. 現在の中期計画は今期が最終年度になっていますが、次期中期計画の公表時期や内容が決まっていましたら教えてください。
A3. 2017年10月末に今期の第2四半期決算を公表するタイミングで、次の中期計画の概要を発表する予定です。おそらくは、2019年3月期から2021年3月期の3年間になると思いますが、具体的な内容については現在検討中です。

 

以上 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

大和インベスター・リレーションズ(以下、「当社」といいます。)はこの資料の正確性、完全性を保証するものではありません。

ここに記載された意見等は当社が開催する個人投資家向け会社説明会の開催時点における当該会社側の判断を示すに過ぎず、今後予告なく変更されることがあります。

当社は、ここに記載された意見等に関して、お客様の銘柄の選択・投資に対して何らの責任を負うものではありません。

この資料は投資勧誘を意図するものではありません。

当社の承諾なくこの資料の複製または転載を行わないようお願いいたします。