株式会社ビーアールホールディングス(1726)
開催日:2017年9月7日場 所:リーガロイヤルホテル広島4階「ロイヤルホール」(広島市中区)
説明者:代表取締役社長 藤田 公康 氏

 

1. 経営理念と会社の沿革
・ 当社は昨年(平成28年)3月29日に従来の東京証券取引所第二部から、第一部へ指定替えをすることができました。
・ 当社は、戦後の荒廃からの復興事業として、国鉄の路線保守のために必要な砕石事業に向けた鉄道砂利工業として創業しました。その後路線の保守や保守に欠かせないコンクリート製枕木(PC枕木)の製造を始め、その後PC枕木の技術を応用し、橋梁の設計、製造、架設を事業の中心とし現在の大規模な橋梁にも対応可能となりました。昭和29年には社名を極東工業に変更しています。平成12年には東京証券取引所に上場。平成14年に現在のビーアールホールディングスを設立、東京証券取引所二部に上場しています。
・ 平成17年に東京が本社の興和コンクリートを買収し、平成19年に仙台に本社を置く、東日本コンクリートを買収しました。その後、平成20年には極東工業と興和コンクリートを合併し、存続会社を極東興和としました。その8年後の平成28年3月29日には東京証券取引所第二部から第一部へ指定替えとなりました。昭和23年の創業から69年目となります。
・ 現在のビーアールホールディングスグループは、6社で構成されています。
・ 昨年の広島は、広島カープのリーグ優勝で大変な人出となりました。・ その本拠地であるマツダZOOM・ZOOMスタジアムですが、グランドの下が貯水槽になっているのをご存知でしょうか?この貯水槽の柱・梁・天井板に、子会社のキョクトウ高宮のプレキャスト2次製品が使われています。
・ また階段状の観客席とか、その席を支える柱がキョクトウ高宮で製造されました。この製品は全てRC、いわゆる鉄筋コンクリートで出来ています。

 

2. PCとは?
・ コンクリートはビルなどに多用されていますが、圧縮に強く、引っ張りに弱い性質があり、その弱点を補うために、プレストレストコンクリートは鋼線により応力が与えられています。
・ 鉄筋コンクリートは、重量による圧縮には強いのですが、引張力に対しては、鉄筋で抵抗する構造で、多少のひび割れは避けられません。これに対して、プレストレストコンクリートはあらかじめコンクリートに圧縮応力を作用させることによって、ひび割れを生じさせない構造です。
・ プレストレストコンクリートの橋桁の作り方は、鉄筋コンクリートの中にシースというホースのようなものを通して、その中にPC鋼線を入れて、両方から緊張して定着装置で止めて、圧縮応力を与えます。麻雀のパイを両側から押さえて持ち上げるのと同じ原理です。
・ この技術を応用したのが、東広島市安芸津の大芝大橋です。橋脚ではなく、横に伸びている橋桁の部分が当社のプレストレストコンクリートの製品です。
・ 当社ビーアールホールディングスグループは、いわゆる地方のゼネコンではありません。一般的な鉄筋コンクリート(RCコンクリート)ではなく、事業量の9割近くをプレストレストコンクリート(PC)に特化した、ある種の専門技術集団です。

 

3. 業績推移
・ 平成29年3月期の決算ですが、今年に入り2月3日、3月24日と続けて上方修正を行い、過去最高額の受注と過去最高益となる当期純利益を実現できました。
・ 過去6年間の実績と第16期の計画を見ると、期首手持ち高が、第16期には5年前から倍増していることです。期首手持ち残高の増加に従い、売上高も後追いで増加し、成長を続けていることがわかります。
・ 利益に関してですが、第15期の売上げは217.1%の増加となりました。営業利益は前年の2.7倍、経常利益は前年の2.9倍の大幅な増加となりました。当期純利益は8億9,900万円と1.9倍の大幅な増益となり、過去最高益を更新しました。第14期には竣工時のあやから営業利益と経常利益は一時的に落ち込みましたが、第15期からは右肩上がりの傾向に復活しております。
・ 株主資本利益率(ROE)ですが、株主資本が増加するに従い、右肩下がりになり始めましたが、この3月期は回復し、現在25.00%と東証一部建設会社平均の10.86%の2.3倍となっています。総資産利益率(ROA)は、昨年は3%台まで落ち込みましたが、第15期は7.5%となり、右肩上がりに回復しました。受注高は昨年度の24.5%増となり、平成11年度の記録を上回り過去最高となりました。

 

4.事業分野 
・ 市場環境ですが、社会保障関係費と、公共事業関係費を比較すると、平成7年や平成10年には社会保障と公共事業関係費はほぼ同額の予算規模でしたが、平成28年度では社会保障費は公共事業の5.3倍まで拡大しています。逆に公共事業関係費はピーク時の50%強まで減少しています。
・ 公共事業関係費が減少する中で、プレストレストコンクリートの歴年の発注量を見ると、バブルが崩壊して10年後の平成11年まで、景気対策などにより増額を続けますが、その11年後の平成22年度にはピーク時の37.5%まで減少します。その後5年間は微増を続け、平成28年度は前年からわずかではありますが、減少し3,001億円となっております。
・ この市場環境を背景に、公共事業関係費とPC業界全社の受注総額とビーアールホールディングスグループの受注の推移を比較すると、プレストレストコンクリートの事業分野はほぼ100%公共事業なので、業界の受注額は、公共事業関係費に沿って増減をしています。ビーアールホールディングスグループも平成15年以前は同様な動きですが、平成17年からM&Aにより、業界平均から離れ始めます。その後公正取引委員会の排除勧告後の関係で、いったん落ち込みましたが、この3月期は平成11年のピーク時をわずかながら上回り、過去最高の受注が実現できました。
・ 過去最高の受注が実現できたのは、NEXCO(高速道路各社)やJRTT(鉄道・運輸機構)の大型工事を受注出来たことによるものです。
新東名高速道路の御殿場市のぐみ沢下高架橋は、昨年10月の受注で現在設計業務が進行しています。本年6月1日、この続きで、杉名沢第一高架橋を落札しています。合計で約20億円弱となります。
・ 今年2月に受注した新名神高速道路の淀川橋は、新名神高速道路で最大規模の橋梁になり、総額250億円になります。これは規模が大きいためJV工事で、極東興和の受注分は50億円ですが、工期が7年と長期になり、環境の保全が必要とされています。

 

5. 今後の事業環境
・ 新幹線の延伸は必ず受注の増加になります。先日、京都〜大阪間も南回りで路線が決定されたようです。
・ 今年3月に受注した北陸新幹線の金沢・敦賀間の深山トンネルです。総額の30%で、子会社の極東興和の受注は25億6,200万円で、3年間の工期で、橋梁部分の施工を担当していきます。ラムサール条約に登録された敦賀市の中池見湿地を避けて路線変更した部分です。
・ 今、床版取り換え工事が盛んに出始めています。NEXCO西日本発注の床版取り換え工事の容谷橋など、NEXCOやJRTTから次々と大型工事を受注したことが、過去最高の受注を実現できた理由です。
・ 受注と同様に過去最高の利益を実現した要因について、平成29年3月期の発注者別売上高と粗利益を前年と比較すると、国土交通省は、売上高は1.6倍ですが、粗利益はほぼ3倍となりました。地方自治体の「その他の官公庁」は売り上げの減少ほど粗利額は減少していません。NEXCOとJRTTは平成27年度は2.8%、平成28年度は5.4%と相対的に低い粗利率ですが、年々積算条件が改善されており、今年度は10%近くの粗利率が見込まれています。補修関係の「民間」は独自の技術分野での利益率が高く、売上高は48%ほど増加し、粗利は2倍以上になっております。

 

6. 最近の工事実績
・ この3月期の利益に最も貢献したのが、国土交通省の政府調達案件です。
北陸地方整備局発注の歌高架橋は、糸魚川市の親不知の厳しい環境の中で、一年の工期で約300mの架設を行う急速施工が最大の問題でしたが、門型クレーンとダブルガーダーを組み合わせ、高次元で効率と安全性を両立させた架設方法などを技術提案し、単独で受注しています。今年の3月に無事故無災害で竣工し、設計変更増もほぼ全額が認められました。
・ 近畿地方整備局紀北西道路の岡野第一橋も政府調達案件で、設計変更増もほぼ全額が認められ、高収益物件となっています。
・ 2番目は地方自治体発注の物件です。広島市発注の広島南道路の太田川大橋で、当社は歩道橋部分を施工し、かなりの利益を計上することが出来ました。こちらは、土木学会の田中賞と土木学会デザイン賞2016最優秀賞を受賞しています。
・ 仙台駅北側で2年前に施工した宮城野橋です。地方自治他の工事は相対的に小規模ですが、発注量も含めて安定した収益率が見込めます。
・ 3番手は補修技術で、当社のシェアが高いマイクロパイルです。普通のパイルの打設は、15mくらいの高さの機械が必要ですが、マイクロパイルは5m程度の高さでもパイルが打てます。橋梁の下でもパイルが打てるので、非常に有利な技術で、当社が圧倒的なシェアを確保する寡占市場のため高収益が期待できます。
・ 小浜橋耐震補強はコンクリートの補強工事の一種ですが、当社と京都大学や広島大学との共同研究の成果で、均等に亜硝酸リチウムを圧入するためのリハビリカプセル工法を用いています。これもマイクロパイルと同様に、毎年20%程度発注量が増加し、高収益が期待できます。
・ 次が鉄道事業です。その基盤となるのが開業から50年を経過した東海道新幹線の脱線防止装置付きの枕木への交換工事です。10年間の計画で、すでに8年前から始まっており、あと2年というところで熊本地震が発生。九州新幹線が脱線したため、JR東海は東海道新幹線全線で枕木を交換する方針に転換し、さらに7年程度延長の見通しとなりました。
このように、主に4分野の貢献で、過去最高の純利益を実現できました。
・ 来期の予想と配当を見ると、売上高は、この4月の期首手持ち工事が、過去最高で下方修正はほぼ考えられない状態です。株主配当は、2月3日付で開示した期末2円と倍増させていただきましたが、第16期配当については、再度増配し、1株当たり5円(うち中間配当2円50銭)を予定しています
・ これは平成28年3月期と平成29年3月期の2年間の発注先別受注高、売上高および手持ち高のうち、期末の手持ち高を比較すると、利益率の高い国土交通省の手持ちが半減しています。相対的に利益率が低いNEXCOとJRTTが合計で昨年度の2倍となっています。その結果、平成30年3月期は国土交通省発注案件の粗利減少を、NEXCOおよびJRTTの積算基準の改善に伴う増益と、技術者が拘束されず、毎年20%程度受注が増加し、かつ高い粗利率が見込める民間の補修案件で補うことになります。
・ 利益率を支える政府調達案件は、平成27年度の4件と比較して、平成28年度は港川高架橋と高家川橋の2件となりました。高家川橋は、入札参加13社中、入札額は10位でしたが、技術提案で高評価をいただいたため総合評価で逆転し、落札しました。
・ 港川高架橋も技術提案で受注し、今年の12月には竣工する予定です。
・ 国道45号線の高家川橋は、岩手県の最北部、青森県との県境に近いため、広島から行くと新幹線を乗り継いで9時間、飛行機を利用しても7時間近くかかります。ただ、被災地域での発注物件ということもあり高い利益率が見込めます。
・ 昨年受注した中国地方整備局発注・山陰自動車道の小田第1高架橋は、年明けには竣工の予定ですが、国土交通省発注案件の粗利の2〜3割程度の減少は避けられません。
・ その減益を補うのは、まずは地方自治体の発注物件です。その一例で神奈川県発注の篠窪大橋(しのくぼおおはし)です。
・ 東京都の朝潮運河橋梁は、今話題の築地市場や豊洲市場の近くの環状2号線で、オリンピックの選手村も近くに作られます。このような地方自治体の発注物件は少しずつ減少していますが、安定した利益率が見込めます
・ NEXCO(高速道路各社)の物件は、受注後一年は設計業務があり、比較的その後の工期も長く、多くの技術職員が必要とされるため、利益率は相対的に低くなります。
NEXCO西日本発注の楊梅山高架橋は、5年以上前の契約物件ですが、先月末の進捗率80.0%弱で、現在も施工中です
・ 一昨年度、第14期の受注になるNEXCO中日本発注の惣則橋は、2年が経過しましたが、進捗率は50%以下です。NEXCOの発注案件も徐々に積算条件も緩和し、粗利率の改善が見込めるようになりました。
・ 利益率の高い工事で見ると、マイクロパイルは主に4種類の工法がありますが、当社グループは全ての工法に対応でき、高いシェアを確保しています。
工期が3か月程度と短い案件が多く、下請け工事が多いので技術者も拘束されず、発注量も毎年20%前後増加し、寡占市場のため高収益となります。
・ 均等に亜硝酸リチウムを圧入するためのリハビリカプセル工法も、マイクロパイル同様に、高い粗利率を確保できるので、今年度の利益に貢献してくれるものと期待しています。
・ ビーアールホールディングスは、この3月期に平成11年のピーク時をわずかですが上回り、過去最高の受注となっています。

 

7. 持続可能な成長を実現できるか?
・ ただ、当社の今後の問題は、「ビーアールホールディングスだけが、このまま成長を続けていけるのか」です。

 

8. 今後の市場環境
・ 今後の市場環境を、平成24年11月26日に安倍政権が発足してからの公共事業やインフラストラクチャーに関する「安倍語録」から検討すると、「公共事業イコール無駄使い、あるいは悪であるという単純なレッテル貼りからは卒業しなければならない」など積極的な発言を繰り返されています。
・ IMFの基本方針を見ると、IMFは発展途上国の金融危機に対して、評判の悪い極端な緊縮財政を押し付けてきました。ギリシアや韓国がその被害国です。しかし、一昨年9月に発表した論文で、IMFは180度転換。「日本のこの期間の公共投資を再考する必要がある」と主張し、ラガルド専務理事は、一昨年10月2日にワシントンで行った講演で、低迷する先進国の経済再生長のために約6兆ドル、720兆円の公共投資を実施するよう、各国へ提案しています。2年後の2016年11月には、OECDも先進各国へ「財政出動の好機を逃すな」と呼び掛けています。これで、緊縮財政を指向するのはドイツと、公共事業イコール悪というレッテル貼りから卒業できない日本の財務省とマスコミくらいとなります。
・ 実際の需要予測をすると、東日本大震災の復興道路や復興支援道路は、すでに100%が着工済みと発表されています。しかし、復興道路や復興支援道路全体でも、橋の上部工の着手率が67%と、やっと3分の2を超えた程度であることに注目していただきたいと思います。
・ それぞれの復興道路の開通目標ですが、3年後の平成32年まで続きます。発注も平成31年ごろまで続くと思われ、極東興和もこの3月6日に東北地方整備局発注の高家川橋を受注しております。
・ その他、東日本コンクリートは、この6月8日に東北地方整備局から気仙地区PC床版を受注しています。
・ また、7月28日には岩手県沿岸広域振興局から2億5,800万円で安渡橋を受注しています。東日本大震災の津波により流出した橋の架け替え工事です。
・ オリンピック関連では、この1〜2年で工事が最盛期となるのは、関越自動車道と東名を結ぶ大深度地下を利用したシールドトンネル工事です。
・ 片側3車線のため、大型シールドトンネル内の道路面となる部分のPC板に関する問い合わせを、すでにいただいております。
・ NEXCO 3社の大規模更新・大規模修繕計画を見ると、着色してあるRC(鉄筋コンクリート)床版をPC(プレストレストコンクリート)床版に15年間で更新する予算があげられています。1兆6,500億円を計画年度で割ると、年間1,100億円の供給が必要となります。現在のPC工事の総発注量が年間3,000億円程度で、PC床版だけで33%が上積みされることになるので、近い将来には当社を含めて、業界各社ともかなりの受注増が期待できます。
・ PC床版工事は、交通規制をかけ、鉄筋コンクリート(RC)から、より張力に強く、クラック・ひび割れが入らないプレストレストコンクリート(PC)の床版へ交換するものです。
・ 当社グループの5工場の配置を、同業他社の工場と比較すると、他社の工場が滋賀県と九州北部に集中していることです。凍結防止剤の散布で最も傷んでいる中国自動車道の周辺には、当社グループの極東興和の江津工場とキョクトウ高宮の2工場が稼働中で、他社の工場は存在しません。同じく過積載で傷んだ東名自動車道の中心には、極東興和の静岡工場(掛川)があります。 東北自動車道の中間地点にも当社グループの東日本コンクリートの亘理工場があります。工場で作った版を運ぶ際、重量が重いので運賃の勝負になります。その時に当社グループは比較優位になります。
・ 新幹線の延伸は受注の拡大に直結しており、3月21日に敦賀市で北陸新幹線深山トンネルを受注しています。先日、京都〜大阪間も南回りで路線が決定されたようです。
・ 現在の新幹線は枕木を使わず、軌道スラブを利用しています。当社は北陸新幹線において、上越市と黒部市で地元の2次製品工場を借りて、仮設工場を稼働、軌道スラブ版を納入しています。
北陸新幹線の長野〜金沢間では橋梁と軌道スラブで合計8件、約115億円の実績があり、北陸新幹線の開業に貢献することができました。次は長崎新幹線、北陸新幹線および北海道新幹線の延伸となります。
・ オリンピック以降の発注となりますが、一昨年10月中旬にリニア新幹線の着工が認可されました。その8割5分はトンネルとなりますが、少なくとも1割程度の橋梁と、都市部のトンネルにはPC床版を供給することで、リニア実現に貢献できると信じています。
・ 地方自治体管理の橋梁やトンネルに5年に1回の点検が義務付けられました。その結果、対象の橋梁は71万橋となり、膨大な需要が発生します。しかし、管理する地方自治体は技術力や人材の不足、予算の不足から、この大量の補修工事は難しいようです。一時、地域一括型発注も浮上しましたが、あまりの量と、小規模の工事が混在し、RCとPCに加え鋼橋も存在する需要は、PC業界だけでは完全に手に余ることとなります。
・ 日本でも右肩上がりで増加する補修補強費用は、高速道路では、有料期間の延長で財源を確保できますが、その他の一般国道、県道、市町村道のためには、多額の財源が今後必要となります。
・ 将来、需要の大幅な伸びが予定される環境の中で、当社は人材育成制度を引き続き重視していく方針です。子会社の極東興和では、今から47年前の昭和45年には資格取得奨励金制度を導入し、運用してきました。その制度が本格的な人材育成制度まで発展し、運用を開始したのは27年前の平成2年頃です。
・ その結果全職員の85%以上が技術職で、技術職員の約8%が工学博士、もしくは技術士という状態になっています。
・ 当社グループは、大手ゼネコンのように自前の研究所を維持するのは不可能なため、各大学との共同研究を進めております。その、共同研究の結果、博士号の取得や、共同研究先のゼミの新卒の採用へ繋げていくよう努力しています。
・ 現在13大学、6機関と20件の共同研究を実施していますが、そのほとんどが補修補強分野に関する研究です。
・ 一例として、京大、広島大、山口大学などの研究機関と共同研究を実施しています。また研究に関わった社員は、工学博士号を取得して、研究成果の実施だけではなく、当社の新卒採用にも貢献しています。
・ また、広島県のイノベーション人材育成事業の補助金を得て、現在も一部、研究を継続しています。
・ 今後が期待されている補修・補強事業の発注量に対する割合を見ると、総額は未だに、PC発注量の13.3%程度ですが、今後とも橋梁の老朽化に伴い、発注量は確実に増加を続けます。技術士は新設橋梁のために人数を増やしていますが、工学博士は現在4名で、2名が博士号を取得中。博士の数はいずれ6名になりますが、すべて補修・補強の分野で取得しています。この分野に事業をある程度、転換していくことを考えています。

 

9. 今後の方針
・ 補修・補強分野を工種・工法別に分類すると、大手や地方のゼネコンなどが参入している工種・工法は、競争が激しく、採算性もよくありません。PC専業者の分野は、当社と同業社での競争となります。マイクロパイル工法などは、共同研究などにより、当社が比較優位に立っている部分です。
・ マイクロパイル工法は、我孫子にある電力中央研究所の建物内で津波氾濫流水路実験施設のために基礎を強化することにも使われています。
・ 狭いスペースで杭を打つことができることから、いろいろな分野での応用が可能です。
・ K-PREX工法は、山口大学と共同研究を進めています。方法は、既存構造物にダイヤモンドカッターで穴をあけた後、高強度の鋼材を挿入し、その先端に特殊充填剤による加工を施して固定します。その後、このPC鋼材に緊張を与えることで、添加コンクリート構造物を固定します。これは道路の拡幅や歩道橋の添加など、いろいろなところに活用できます。
・ K-PREX工法は、現在、当社が国内初の試験施工が完了した段階です。
・ K-LIP工法は、広島大学および京都大学との共同研究により開発した工法です。亜硝酸リチウムをコンクリートの内部に均等に圧入する工法です。
・ 亜硝酸リチウムを均等に注入するためのリハビリカプセルと高圧注入するための特殊なポンプを使用します。
・ 福利厚生面では、平成26年に、子会社の極東興和は建設業で初めて子育てサポート企業として認定されました。
・ その他、工事現場に関する一般的なトピックとして、地元の工業高校生向けの現場見学会に際して、当現場の工事担当女性技術者が説明を担当しました。現在、7〜8名の女性技術者が活躍しています。
・ 平成23年の台風12号では、川が氾濫、被災した十津川村(奈良県)に架かる折立橋の仮復旧工事を行いました。9月4日の被災から2か月弱の24時間作業で、同年10月30日に開通。この件で、十津川村、奈良県および近畿地方整備局から多くの感謝状と表彰をいただきました。
・ また最近はどの現場でも、付近の地域社会との交流を積極的に行っています。
・ まとめとしては、一般的な社会情勢から公共事業関係費の大幅な増加は望むべくもありません。平成29年度の概算要求でも、社会保障費は高齢化に伴い上積みされますが、公共事業関係費、特に国費部分は、ほぼ前年と同水準です。
・ そのような局面で、ビーアールホールディングスグループは、出来るだけ、低予算で、持続可能な、何度も補修を繰り返さずに済む補修・補強技術を開発し、インフラストラクチャーの拡充と、既存構造物の補修・補強で、グループの成長を促進し、社会に貢献していきたいと考えています。
・ 現在200億程度のプレストレストコンクリート橋梁に加え、補修・補強でここ2〜3年で、3倍弱、100億円を超える水準まで増加させていきたいと考えています。
・ ビーアールホールディングスグループのROE(自己資本利益率)は25.0%で、上場建設業181社の中で10位前後です。
・ その結果、株価も先日(3/21)上場来高値の@¥447(終値)をマークしました。現在、¥390〜400前後で推移していますが、まだまだ可能性は秘めていると考えています。

 

10. 配当政策・株主優待
・ 当社では、安定した配当継続と共に、株主優待制度を実施しています。保有株式数に応じて、オリジナルクオカードを年2回、贈呈しています。

 

11. 質疑応答
Q1. 業界における競合他社を含めたポジショニングを教えてください。
A1. 同業他社では、三井住友建設、ピーエス三菱が、東証一部上場企業です。東証二部では、富士ピー・エス、コーアツ工業などがあります。その他、川田建設やオリエンタル白石などです。現在、当社の業界内のシェアは7.4%で6位です。戦後60年間は12〜13位でしたが、その後伸びて、現在6位となっています。

 

Q2. 海外での事業展開に関する考えをお聞かせください。
A2. これまで、南米・中東・アフリカ・東南アジアなどで、橋梁工事や新幹線の軌道スラブ製作などの海外事業を行っております。現在は旺盛な国内需要への対応に注力しており海外案件はございませんが、他社(大手・中堅ゼネコン)との連携や情報交換は継続して取り組んでおります。

 

Q3. 過去最高益を更新できた理由は主に何ですか。今後の利益見通しはいかがですか。
A3. 国土交通省のWTOという大きな案件を単独で何件も受注したことによります。今年はそれが減って、その分をNEXCOとJRTTの利益率の上昇と利益率の高い独自事業に取り組んでいます。独自事業は粗利率が相対的に高く、それで十分補えるものと考えています。できれば今年も過去最高益を更新したいと努力しています。

 

Q4. M&Aに積極的に取り組まれているようですが、方針を教えてください。
A4. 過去には2社、鉄道総研と関係が深かった興和コンクリートと、東北大学と関係が深かった東日本コンクリートを買収しています。今後もM&Aには積極的に臨みたいと思います。

 

Q5. 建設業界の人手不足は貴社にも影響があると思いますが、何か対策は取られていますか。
A5. 大学との共同研究などの連携による若手技術者の確保と、即戦力となる55歳以上の
  技術者の確保を並行して推進しており、順調に人員確保を行っております。協力企業も外国人労働者の確保など、作業員の確保も進んでおります。

 

Q6. 将来的にどのような会社でありたいと考えていますか。
A6. 前回の東京オリンピックからすでに50数年を経ています。橋梁やトンネルの設計耐用年数は昔から50年と言われています。今現在は、来年の1月から100年を目指すということに方向転換しています。しかし50年を経た橋梁やトンネルが日本中に数限りなくあります。これらを当社はできるだけ低い予算で、繰り返すことなく補修ができるように、一度補修したらずっと持つように、そういった技術を開発し、技術で社会に貢献し、皆様のお役に立ちたいと考えています。そのような企業を目指しています。

 

以 上

 

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