アルコニックス株式会社(3036)
開催日:2017年9月18日
場 所:ホテルオークラ札幌 2階 フォンテーヌ(札幌市中央区)
説明者:代表取締役社長 正木 英逸 氏

 

1. アルコニックスについて 
・ 東証一部上場企業です。2001年4月にMBOで独立しました。従業員は連結で1,148名、グループ会社34社、連結売上高は2,019億円(2017年3月期)、今期は2,200億円くらいになるかと思います。連結経常利益は43億円(2017年3月期)、今年は予算上では49億円です。
・ 当社は基本的には商社ですが、製造業のグループ会社も多く、「商社機能と製造業を融合した非鉄金属の総合企業」と称しています。商社機能として非鉄金属の製品から原料まですべて取り扱うと共に、金属部品や装置、材料の製造販売も行っています。
社名もアルミニウムの「AL」、銅(Copper)の「CO」、ニッケルの「NI」、未来への拡大を意味する「X」を組み合わせて「ALCONIX(アルコニックス)」としています。
・ 当社の3つの特徴として、「商社機能と製造業を融合した有機的なビジネスミックス」であり、モノ作りから流通業まで手掛けていること。「M&A、事業投資による事業拡大」をしていること。2001年に設立してから、長年、多くのM&Aにより業容を拡大しています。「強固な海外ネットワーク」があることです。もともと商社として海外展開しておいり、11の現地法人を含む16拠点を有しています。
・ 最初の特徴の「商社機能と製造業を融合した有機的なビジネスミックス」について、まず商社流通では、電子機能材とアルミ銅に関係する2つのセグメントがあります。
年商2,000億円の売上高に対する両者のシェアは約87%。利益では47%程度です。電子機能材で扱っているのは、レアメタルやレアアース、それらを使用した電池等の部品や半導体の部材などで、当社の商社流通業のコアになる事業です。例えば、レアメタルやレアアースは一昔前にブームがあり、利益をあげました。
・ アルミ銅では、IT産業や自動車、航空機、家電製品に使われるアルミ・伸銅製品や原料、中間製品等を扱っています。当社は旧日商岩井の非鉄金属部門が独立してできた会社で、神戸製鋼所とも関連があるので、同社の扱いが多いのが特徴となっています。また現在、伸銅製品が脚光を浴びており、業績も好調です。
・ 製造セグメントでは、6つの製造会社と持分法適用関連会社を有しています。
装置材料事業では、メッキ材料や非破壊検査装置などを扱っています。
・ 金属加工事業では、大川電機製作所や大羽精研などの連結子会社が連結利益に貢献しています。
・ 2つ目の特徴として、「M&A、事業投資による事業拡大」をしています。M&Aはこれまで15件、手がけてきました。設立から17年で15件と、年1回のペースです。
当社は日商岩井の非鉄金属部門が2000年に「日商岩井アルコニックス」となり、2001年にみずほ銀行フィナンシャルグループのMBOにより独立し、2006年にJASDAQに上場。2008年に東証2部、2010年に東証1部に上場しました。
私も幹部も旧日商岩井出身で、旧日商岩井から出て、何をしようかと考えていたことから始まっています。みずほ銀行フィナンシャルグループが筆頭株主となり、早く業績を上げて、上場してくれと言われました。数年は配当も出せず、大変でしたが、社内の不良債権を整理し、不採算なモノは取引をやめ、縮小均衡していきました。でもそれだけでは将来はありません。そこで考えたのはM&Aです。有望な企業を買収して、利益を上乗せしようと考えました。最初は同業他社の流通業を相手にしていましたが、2008年くらいから製造業にも目を向けるようになりました。製造業の方が利益率も高く、株価に反映しやすいからです。
・ 3つ目の特徴として「強固な海外ネットワーク」があること。商社なので世界各地に拠点を有しています。特に中国に5店舗があり、全体では11の海外現地法人と16の拠点があります。また、アメリカ、中国、メキシコには製造拠点もあります。
・ 当社グループの取扱商品を見ると、量的に多いのはアルミと銅、その他にはレアメタル、自動車用非鉄素材や金属珪素などの工業品その他が約20%、さらに製造製品が12.7%となっています。
・ 当社グループの市場におけるシェアでは、電子機能材のレアメタルやレアアース、およびその製品のシェアが多くなっています。
・ 当社グループの強みを整理すると、アルコニックス本体では商社として「需要と供給を結ぶオルガナイザー機能」があります。提案型の商社です。また、「多くのM&Aと事業投資の実績」があり、「電子材料向けレアメタル・レアアースでトップクラスの実績」を有し、充実した「海外ネットワークを持つ」ことがあげられます。

 

2. アルコニックスの業績
・ 業績の推移は年ごとの変動はありますが、ずっと右肩上がりで来ています。今年(2018年3月期)も第1四半期の経常利益で約20億円弱となっています。通年では49億円を目指しており、すでに4割近く利益が出ています。
・ 財務状況は、2017年3月期の純資産が341億円、自己資本比率が28%弱、NET DEレシオ(負債倍率)が0.7倍。ROEは前々期(2016年3月期)は17.8%でしたが、前期(2017年3月期)は9.9%。実力値は12〜13%くらいだと思います。
・ 第1四半期の実績について進捗率を見ると、経常利益は39.8%と好調と言えます。

 

3. アルコニックスの中期経営計画
・ 中期経営計画は毎年3ヵ年計画を公表して、それを達成していこうという方針です。
・ 当社グループのビジョンとして、商社機能と製造業を融合した非鉄金属の総合企業を目指しています。商社と製造業がシナジー効果を上げるような展開をして、グループの結束を強くし、利益をしっかり上げていくことがコンセプトです。
経営方針として「M&A/新規事業投資」はどんどん取り組みます。既存分野ですが「電子・機能材」に力を入れます。「海外展開/地場取引・三国間取引」にも積極的に取り組みます。
具体的なアクションプランとしては、「営業収益力の強化」や「投資案件の推進」等、5項目をあげています。
・ 数値目標について、今年(2018年3月期)は経常利益ベースで49億円、来年56億円、最終年度(2020年3月期)65億円ですが、好調に推移しています。過去にも3ヵ年計画を1年で達成したことが2回ありました。ROEは13〜15%で維持できるように努力しています。ROEに関しては、当社は以前から意識して取り組んでいます。また当社がもう一つ気にしているのはNET DER(純負債倍率)です。純資産と借入金のバランスで、借入金が多くなると経営が不安定になります。当社は他社よりも投資が多く、投資をしながら事業を拡大していきたいと考えています。投融資計画としては3年間で250億円。M&Aや事業投資、設備投資を行っていきます。
・ 営業収益力の強化として、グループの力を発揮するために、会社間のシナジー効果の最大化を追求します。資金の流動性、投資の一貫性、顧客の共同開拓等、グループとしての統一行動を作戦の一つと考えています。
・ 営業収益力の強化として、海外事業展開も強化します。国内経済は頭打ちになっています。輸出入も相手の状況により変動要素があります。そこで中国での地場取引を拡大することや、シンガポールの現地法人を活用した三国間ビジネスの強化。また世界各国に新規拠点を置き、新たな事業展開を進めていきます。これらを通じて当社は、積極的に海外への展開に取り組んでいます。
・ 当社は3年間でM&A中心に250億円の投融資を計画しています。投下資本経常利益率(ROIC)は10%以上。250億円投入すると25億円の経常利益が上がることを前提にして、中期経営計画を策定しています。M&Aの対象企業は、グローバル、ニッチ、トップの分野で、製造業を中心としますが、製造業、商社流通を問わず、非鉄金属にもこだわりません。化学品や鉄鋼でもかまいません。また、国内外を問わず、外国企業もあり得ます。
子会社になった会社は可能性のある事業が多く、有望な事業なら親会社・子会社を問わず投資を行い、新たな事業を開拓していきます。3年間で約50億円の設備投資を計画しています。
・ 投資案件の推進として、その目的としては、アルコニックス本体がオルガナイザーとしての役割を果たせる商社になり、子会社群は点を面に変え、シナジーのある展開をしていきます。利益目標は、3ヵ年計画の最終年度(2020年3月期)で65億円を目指していますが、近いうちに100億円企業になりたいと考えています。そのエンジンになるのが250億円の投資です。
また当社は日本の製造業を変えていけるようなオルガナイザーとしての役割を担います。今、国内企業には後継者問題があり、事業はあっても継ぐ人がいないため、当社がM&Aにより、リ・オーガナイズしていくようなことを進めていきたいと思います。そして製造業の再編に取り組み、当社の価値を上げ、最終的には株主の皆様に還元していきたいと思います。
・ 当社の経常利益の推移を見ると、近年、製造業での利益が拡大し、前期は全体の利益の56%が製造業によるものでした。今年の第1四半期では64%に至っています。今後も製造業で成長していきたいというのが当社の方針です。

 

4.アルコニックスの株式状況について
・ 8月末に株式を1:1の2分割しました。株価上昇と共に一層の流動性を持たせるためにこのような取り組みを行いましたが、分割前の株価に戻ってしまいました。
配当は中間11円、年間22円を、中間13円で年間26円とし、4円増配しました。18%くらいの増配率になります。利益が増えたら、その比率に応じて配当で還元するというのが当社の考え方です。今後も利益がさらに増えれば、それに合わせて配当を増やすことも考えていきたいと思います。
・ 配当額の推移を見ると、上場時は6円25銭だった配当は、今26円となっています。ゆるやかに上昇しており、配当については常に意識している会社だとご理解いただきたいと思います。
・ 昨今の株価状況は、先週金曜日の終値が1,863円です。PBR、PERは平均値のまずまずのところに来ています。第1四半期のパフォーマンスは好調です。当社のPERは低めであり、並みの水準にしたいと考えています。
・ アルミや銅、チタンの需要はまだ増えると言われています。レアアースも重要な原料です。スマホは非鉄金属やレアメタル、レアアースの塊みたいなものです。レアメタルやレアアースがなければ、スマホはできません。自動車も中も外も非鉄金属が数多く使われています。鉄に次いで多く、非常に重要な金属です。航空機の部材の35%は日本で作られています。重要な部品は日本製品が多く使われています。
・ 非鉄は最近、さらに重要になっています。例えば自動車はEV化されています。自動化の研究も進んでいます。IoTも注目を集めています。自動運転や遠隔医療、バーチャルビジョン等、第4次産業革命が起きつつあるという見方もあります。また産業がその分野に偏って発展しており、それ以外の分野はオールドエコノミーで増加が期待できない。その中で当社は第4次産業革命分野に深く入り込んでいます。商社流通の電子機能材分野や製造業の金属加工や装置材料等は多忙を極めています。それも一時的なものではなく、社会全体の構造的な変化を実感しており、将来に向けて有望な事業に取り組んでいます。当社において将来は明るいと考えています。

 

5. 質疑応答
Q1. ラジオNIKKEIのCMを毎日聴いています。御社の株価も注目していますが、現在の状況は押し目の買い時と判断してよろしいでしょうか。
A1. 当社は有望な事業に取り組んでいると思っています。
日本は今、自動車以外はアセンブル(組み立てる・ある目的のために集める)が得意ではなくなっています。最近は中国や韓国が部品を集めて組み立てています。でもその重要な部品は日本しかできません。部品に関して緻密な研究をする研究者は日本にしかいないため、日本の部品産業は圧倒的な競争力です。

Q2. 商社機能とメーカー機能を併せ持つことで、どのような相乗効果が生まれていますか。具体的に教えてください。
A2. 有望な会社だけを子会社にしています。子会社になった中小企業の経営者は、どちらかというと「守り」に入っているのですが、親会社である当社は、可能性があればドンドン行けと、注文をつけます。それがことごとく当たっています。したがって当社が親会社になって活性化させる効果があります。
子会社には取引先を紹介しています。メーカー間での連絡もよくして、情報も公開して、皆でディスカッションするということもしています。これらによる効果も大きいと思います。

Q3. M&Aを推進していますが、新たにグループになった企業の状況を教えてください。
A3. この4月に富士プレスがグループに入りました。デンソーの仕事を80%請け負っている金属加工会社です。デンソーからは優秀企業として何度も表彰されています。当社はこの会社をグループ化することで、デンソーとの関係も強くし、自動車産業にも進出していきたいと考えています。8月までの業績は好調で、計画を上回る推移をしています。

Q4. 今、一番気に掛けている経営課題は何ですか。
A4. 会社はまだ十分に大きくないので、あるいは大きくなっても初心を忘れずに、積極的に経営し、会社を拡大していきます。企業は止まると縮小均衡し始めます。特に日本はそういう環境にあるので、いつも前向きに、いろいろなことを考え、事業の拡大を図っていくことをモットーにしています。

Q5. 金属加工事業の収益性が他の事業に比べていい要因は何ですか。
A5. 収益が上がるということは存在価値が大きいから。それは技術力などに支えられており、ごまかしてよく儲かる、ということは絶対にありません。
当社の傘下にある金属加工事業は、技術力のある企業です。例えばスマホを作る時に、チップマウンターという機械を使います。富士機械製造という会社が作っていますが、当社はここの100%納入業者で重要保安部品を作っています。また当社グループではトヨタとホンダの水素カーのガスボンベの出入口を独占的に作っています。実力があるからこういった依頼がくるわけで、将来的にこれが当たればとても大きいものになると期待しています。
また子会社の大川電機製作所は、半導体製造装置の部品や有機ELの露光装置、通信機器、航空機(エアバス)のエンジン部品を作っています。エアバスから認められるということは、とても高い技術レベルがあるということです。
このように当社グループには小さいけれどしっかりした会社がたくさんあります。

Q6. 中計における経常利益目標を65億円超と設定されていますが、特に貢献を見込んでいる事業はありますか。
A6. M&Aの案件は毎日のように問い合わせがありますが、慎重に選んでいます。その基準は当社グループにふさわしい関連性のある事業かどうか。将来性があるかどうか。社員の士気が高いかどうか。経営者が続投してやってくれるかどうか。それらを判断基準としています。幸い今のところ1件もハズレはありません。
以 上
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