日本ビューホテル株式会社(6097)
開催日:2017年9月24日
場 所:名古屋国際ホテル2階「老松・若竹の間」(名古屋市中区)
説明者:代表取締役社長 遠藤 由明 氏

 

1. 事業の概要
・ 私は昨年7月に代表取締役社長に選任され、新たな体制で1年が過ぎました。昭和57年に当社に入社し、愛知県の伊良湖ビューホテルに配属されました。そこで接客の基本を学び、その後、約20年間、名古屋と東京でお客様や旅行代理店を相手とする営業を担当。本社営業部長の時は訪日外国人・インバウンドセールスの指揮も取ってきました。その後、伊良湖ビューホテルの総支配人として赴任。一事業所の経営を経験しました。そして7年前に総務部はじめ管理部門担当取締役に就任。当社ひと筋35年。当社の強みも課題も把握しているつもりです。
また、伊良湖ビューホテルと名古屋の勤務で愛知県には通算14年間、お世話になっています。親交の深い方も多く、妻も愛知県出身。私の第二の故郷だと思っています。そんな中部地区が大好きな男です。
・ 2017年5月1日付けで札幌ビューホテル大通公園の社員が加わったので、連結従業員数は1,000名弱です。名古屋鉄道は長年、当社の株主としてお世話になっています。
・ 当社グループのセグメントは、ホテル事業、施設運営事業、遊園地事業の3つです。ホテル事業は直営による「VIEW HOTEL」ブランドを展開する、グループの中核事業です。施設運営事業は低い事業リスクで宿泊施設をチェーン展開しています。遊園地事業は当社創業の地、栃木県那須高原で「那須りんどう湖 LAKE VIEW」を運営しています。
・ ホテル事業10施設、施設運営事業9施設、合計19施設を運営しています。そのうち12施設が直営です。その他に旅館の運営受託、企業の委託を受けた保養所等も運営しています。
・ 2018年4月期第1四半期は売上高増収、営業利益は前年同期と同水準、経常利益は増益です。売上については、今年5月に開業した札幌ビューホテル大通公園など、新規開業のホテルや施設が牽引しています。営業利益については、ホテル部門では宿泊部門が好調に推移していますが、婚礼・宴会・レストランで集客に苦戦しています。施設運営事業と遊園地事業は、それぞれ増益です。経常利益については、東京電力ホールディングスからの逸失利益の補償金5,700万円を営業外収益に計上したこともあり、経常利益は増益となっています。
2017年4月期までの連結業績の推移を見ると、連結決算開始以降、着実に増収、営業利益および経常利益は増益基調を継続しています。

 

2.ホテルマーケットの魅力・成長性
・ ホテルマーケットの推移について、国内宿泊マーケットは拡大基調を継続しています。国民のレジャー・余暇生活への重点意識は高い水準で推移し、訪日外国人旅行者の増加、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催効果およびカジノ構想等も含めて、期待のできるマーケットと言われています。
・ 観光立国政策として、日本政府の観光産業へのバックアップも強い追い風です。2016年の訪日外国人旅行者数は2,403万人に達し(日本政府観光局JNTO推計値)、4年連続で過去最高を更新しています。政府は2020年に4,000万人、2030年に6,000万人を目指すと発表しています。JTB(株式会社ジェイティービー)の見通しでは、2017年は前年比12.5%増の2,700万人を予想していましたが、8月までの累計ではそれを上回る17.8%の伸びとなっており、訪日外国人は今年も順調に増加しています。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて空港・港をはじめとした交通網、インフラ整備、それに加えて日本の持つポテンシャル、具体的には治安・衛生・食事・見どころ、国民の親切さを考慮すると、さらにリピーターは増え続け、2020年以降も期待のできる産業であると言われています。
オリンピック・パラリンピック開催後、開催国の外国人訪問者数はどの国も伸びています。スペインはバルセロナオリンピック後に外国人訪問者数が2倍以上に達しています。

 

3.日本ビューホテルの強み・特徴
・ 当社の強み・特徴の1つに、旗艦ホテルである浅草ビューホテルの収益力があります。東京は都道府県で訪日外国人が最も多い訪問地であり、なかでも浅草は東京のみならず日本を代表する観光エリアです。浅草は都内で訪日外国人の訪問率第2位、満足度は第2位(出所:観光庁『訪日外国人消費動向調査』)であり、今後も期待ができる観光地です。
・ 浅草ビューホテルは1年を通して行われるイベント等により、観光資源に大変恵まれています。また、東京スカイツリーの眺望は各部屋の窓が大きく、台東区の条例および計画により眺望をさえぎる建物がありません。雑誌『日経トレンディ』の特集で、当ホテルはスカイツリーから2キロエリアの眺望ランキングで1位になっています。年に1回のみ隅田川花火大会の日は各部屋の小窓が開けられます。目と耳で花火を楽しむことができるのも付加価値の1つです。
・ 浅草ビューホテルは2017年4月期も客室、婚礼・宴会、レストラン他、全ての部門で増収でした。客室部門は1日の売上の最大化を目的とするレベニューマネジメントの精度向上により、高い稼働率と販売単価の上昇を継続しています。客室の付加価値の向上に努め、ADR(販売した客室1室あたりの平均単価)は2017年4月期、2万円を超えています。インバウンドは個人層を中心にネット販売を強化し、伸びています。
・ 2018年4月期第1四半期の財務指標を見ると、有利子負債として札幌ビューホテル大通公園の15年分の契約賃料約50億円がリース債務として含まれており、自己資本比率も変動していますが、高い安全性を構築しているかと存じます。
・ 事業展開のバックボーンとして、強みと特徴は次の4つです。1つ目は形式にとらわれない温かみと親しみのあるサービスです。2つ目が立地条件や市場に即した営業戦略により利益を創出することです。3つ目が多様な販売チャネルを駆使した多様な顧客層からの集客ができることです。4つ目が“食のVIEW”、“味のVIEW”と呼ばれるべく、美味しさにこだわった直営による多彩なレストランを営業していることです。

 

4.今後の経営ビジョン
・ 現在のホテル業界を取り巻く環境・動向としては、訪日外国人旅行者の増加、宿泊マーケットの拡大、そして少子高齢化、都市部への人口集中等が挙げられます。取り組むべき課題には、2020年に向けてさらに厳しくなる首都圏での競争環境への対応等があります。
・ この現状と課題に対応するため、当社は2017年1月に第2次中期経営計画「VIEW HOTELS Mission ─Sustainable Growth─」(長期持続的な成長)を発表しました。これは、当社グループのミッションを達成するため、当社グループの4つのコンセプトを重視し、長期持続的な成長を目指す上での今後4ヶ年の基本戦略を示す経営計画です。
・ 計画の骨子は4つです。1つ目はさらなる安全・安心を追求すること、2つ目は各事業所の現状・市場・将来性について再検討を行い、それを経営に反映させることです。3つ目は大都市で賃貸契約を中心とした新規ホテルの展開を進めること、4つ目が株主還元の充実を図ることです。
・ 経営戦略の1つ目として、長期的な視野に立った設備投資を行います。エンジニアリングレポート(ER)に基づく設備投資に51億円、業績を引上げる戦略投資へ50億円、その他を含め合計117億円の投資を計画し、実行に移します。なお、EBITDA(減価償却前営業利益)は計画値が4ヵ年で123億円と投資額を上回っているため、十分に投資をまかなえる計画であると考えています。
・ 経営戦略の2つ目は、旗艦ホテルである浅草ビューホテルのさらなる収益力強化です。2017年5月から1階フロアの大規模改装を実施しています。日本情緒をテーマに、フロントロビー、レストラン・ラウンジ・バー、デリカを全面改装します。ブランドイメージ、付加価値を高めることで、宿泊および料飲の売上伸長につなげたいと考えています。
・ 経営戦略の3つ目は、都市型観光ホテルの展開を進めることです。日本の将来の変化を考慮して、東京、大阪、札幌、名古屋、京都、福岡の6都市を、進出する最優先検討エリアとします。10年後の2027年4月期には現在の直営12施設から20施設まで増やしたいと考えています。
・ 2017年5月3日、「札幌ビューホテル大通公園」がオペレーションチェンジにより開業しました。当社グループ初、念願の北海道進出です。
当ホテルは、リニューアルにより新たに客室61室を増室しました。また、1階フロアに開放感あふれるブッフェレストランを新設し、レストラン・バーを現在の5ヶ所から2ヶ所に集約してグレードを向上させ効率化を図ること、婚礼部門の営業を終了すること等、選択と集中により、宿泊部門に一層力を注いだ構成に変えて収益の拡大を図る方針です。
・ 現在建設中で2018年春に開業を予定しているのが、「大阪ビューホテル本町」です。地上19階建、客室数170室、直営レストランを兼ね備えた都市型観光ホテルです。交通至便な立地にあり、国内外のお客様の観光拠点としてご利用いただける施設やサービスを提供していきたいと考えています。
・ 大阪ビューホテル本町は、和を意識した上品でモダンな雰囲気を演出した造りです。和洋室やレディースフロアなどもあり、機能性を兼ね備えた快適な空間を提供します。
・ 当社は筆頭株主のヒューリック株式会社と資本・業務提携を締結しています。提携により、ホテル出店機会の増加を期待しています。主に新規ホテル・旅館の案件および事業所の資産価値の向上で協働を図ることが目的です。
・ 経営戦略の4つ目は、「ビューホテルらしさ」を追求しブランド価値を高めた経営を進めることです。お客様に感動と喜びを提供し、社会に必要とされるホテルグループを目指す従業員の心の持ち方、行動のベースになるのが、「ビューホテルらしさ」の追求です。それらを行動に移し、浸透させることでブランド価値を向上させます。これは品質向上のみならず、新規事業展開においてもなくてはならないものです。今後は教育・評価・採用に連動させて一体化を図り、さらに進化させることでブランド価値を向上させ、業績にも反映させていきたいと考えています。
・ 当社は企業価値の拡大を目指します。当社のありたい姿、ミッション、スタイルを共有し、日常業務・人材育成・CS活動・採用に展開させていきます。変えないものは当社のコンセプト、変えるものは時代の変化に伴う戦略です。「ビューホテルらしさ」を推進力に、ステークホルダーの期待に応えるべく、企業価値の拡大を図ります。
・ 経営戦略の5つ目として、2017年4月より「楽天ポイントカード」のサービスを導入しています。お客様の利便性を高め、来館の動機付けになることを期待しています。また、データの活用による顧客管理のみならず、ピンポイントでのセールスプロモーションを行うことにより、業績に寄与するものと期待しています。楽天ポイントカードが利用できるホテルは、当社が業界で初めてです。
・ 連結業績の計画数値は、2021年4月期に売上高250億円、営業利益17億5,000万円、経常利益16億円、営業利益率7%です。また、10年後の長期計画についても、現在取り組みを始めているところです。
2018年4月期は、高崎ビューホテルについて将来性を再検討した結果、2017年末に営業を終了することとしました。また、浅草ビューホテルは1階の大規模改装および受変電設備の更新があり、8月下旬から3週間程度全館をクローズしました。札幌ビューホテル大通公園の大規模改装の経費等も計上しています。さらに大阪ビューホテル本町の開業準備経費を計上しています。
以上のように、長期持続的成長のために大規模な設備投資等を集中的に計画しているため、2018年4月期のみは大幅減益を予想しています。2019年4月期以降は、投資効果および新規開業ホテルが業績に寄与していくので、再び増益基調へ転換して長期持続的な成長のサイクルを構築していきます。

 

5.株主還元
・ 当社の理想は、株主様が当社グループのお客様になり、当社グループのお客様が株主様になっていただく関係を構築することです。
・ 基本的な方針は、毎期の安定配当による直接的な利益還元と、成長投資で将来にわたる利益の拡大をして株価を上昇させることです。2つのバランスをとりながらトータルで株主還元を図りたいと考えています。
配当性向は30%以上としていく方針です。2017年4月期の配当金は、前年度普通配当実績と同様の1株あたり22円でした。今期2018年4月期も大型投資等により営業利益・経常利益は減益を予想していますが、1株当たり配当金22円を継続したいと考えています。
2017年1月から7月までの間に総額約4億800万円、29万7,600株の自己株式を取得しています。
・ 株主優待制度は、利便性の観点から金額優待券を導入しています。新規ホテルを着実に展開し、優待利用の機会増加を図りたいと考えています。
・ 新たな経営計画に沿って、さらなる業績の拡大、および企業価値を向上していきたいと考えています。

 

6.質疑応答

Q1.名古屋にホテルの出店計画はありますか。
A1.名古屋は第一優先検討エリアです。過去もいくつかの物件をご紹介いただき、調査・検討していますが、残念ながら現段階では発表に至っていません。今後もいいお話があれば、前向きに検討していきたいと考えています。

 

Q2.人材育成や教育研修はどのようなことを行っていますか。
A2.社員研修・人材育成の観点では、大きく3つの研修を行っています。全体研修、階層別研修、職務別研修です。1つ目の全体研修では、「ビューホテルらしさ」のスタイルブックを従業員全員に配布し、各部署でどう実現化するかという内容で研修をしています。また、当社の歴史や経営方針を理解するために「ビューホテルアカデミー」を設置し、パート社員や新入社員も含め研修しています。また、通信教育のプログラムの中から自分が学びたいものを選び、教育期間内に終了したプログラムについては会社が全額負担をしています。2つ目の階層別研修は、内定者の研修、新入社員研修、3年目研修、初期管理者研修等があり、階層ごとに研修をしています。また、女性管理者を登用するための女性活躍プロジェクトや将来の総支配人・幹部を登用するための次世代研修など、選抜制の研修も開始しています。3つ目の職務別研修は、宿泊部門はレベニューマネジメントの研修会、接客部門は英会話や小笠原流礼法のおもてなし等をプログラムに組み行っています。さらに調理部門なら料理コンテストを実施し、腕を競いながら研修を行います。また私自身が各事業所に出向き、社長研修として幹部・中堅・新入社員とそれぞれ講習会を開いています。
さらに、これらの研修が実際にどのように接客に反映されているかを見るためにミステリーショッピングリサーチ(覆面調査)を、外部調査機関に委託しています。定期的な巡回を行い、良かった点・悪かった点を点数化し、月に1度、各事業所に点数とコメントを伝え、検証しています。

 

Q3. M&Aや賃貸での新規出店に当たり、他社との比較でどんな優位性がありますか。
A3. 当社の優位性の1つ目は、シティホテル、エアポートホテル、リゾートホテル、旅館と、多様な業態の経営をしていること。また所有での直営、賃借での直営、運営受託、フランチャイズなど、さまざまな経営形態を有しています。したがっていろいろなノウハウがあるので、新規案件の判断に当たり、妥当性等、高い基準で臨めます。例えば両国ビューホテルや札幌ビューホテル大通公園は、オペレーションチェンジにより当社が運営することになりました。どうすれば効率よく、かつ収益性を上げられるかという具体的な視点で改装しているので、開業後も順調に推移しています。
2つ目は上場企業なので、業績や財務がガラス貼りです。透明度が高く、信用性および安心感があるので、多業種からの紹介をいただいています。
さらに3つ目が財務の健全性があり、安全性が高いこと。
以上3点が当社の強みとして認識しています。

 

以 上

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