株式会社ウチヤマホールディングス(6059)

開催日:2017年9月16日

場 所:エルガーラホール(福岡県福岡市)

説明者:代表取締役社長 内山 文治 氏

 

1. 会社概要

・ 当社は、介護事業をコア事業にカラオケ事業、飲食事業、不動産事業、その他(ホテル)事業を幅広く展開するウチヤマグループの持株会社です。

・ ウチヤマグループは、持株会社である当社の下、連結子会社の株式会社さわやか倶楽部、株式会社ボナー、Bonheure(Thailand)Co.,Ltd、KANTEKIYA(THAILAND)CO.,LTD.の5社が連携し、事業を展開しています。

・ 私の好きな言葉に「高齢者一人には、図書館一つ分の知恵がある」というものがあります。「高齢者を大事にしない国は滅びる」という格言もあります。第二次世界大戦に敗れ、焼け野原になった日本を支えてきたのが、高齢者の方々です。我々の人生の大先輩にあたる方々が安心して楽しく人生の「仕上げ」ができるように、当社の介護施設「さわやか倶楽部」を通して、お手伝いをさせて頂いております。

・ マザー・テレサの言葉に、「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。誰からも必要とされていない、と感じることです」とあります。さわやか倶楽部では、入居者様の方々が周りの人々から必要とされていることを感じていただくために、全力を挙げて「生きがいづくり」に取り組んでいます。

・ マザー・テレサは、「私たちは、この世で大きなことはできません。小さなことを大きな愛をもって行うだけです」とも言われております。当社グループでも、“慈愛の心”“尊厳を守る”“お客様第一主義”を基本理念としています。

・ 当社グループのスローガンは、「幼青老の共生」です。幼い子ども、青年、高齢者の方が楽しく過ごすことができる社会を目指し、それを実現する日本一の接遇とオペレーションを目指しています。利益第一ではない、Give and Giveの精神をもってホスピタリティに基づいた素晴らしいサービスを行うことで、必ず自分自身にも幸せが舞い込んでくるという考えで事業を行っております。

・ グループ社員の行動規範として、5つの“り”を実践しています。目配り、気配り、心配り、言葉配り、思いやり。全従業員がこの5つの“り”を忘れず、真摯な気持ちで仕事に取り組んでいます。

・ こうした当社の考え方は、全社員が常時携帯する社員手帳「ウチヤマグループ 『理念』と『哲学』」を通じて共有されています。

・ 創業家となる内山家は親子2代、米穀店を経営していました。1971年に内山ビル株式会社として不動産業に進出したのが、当社創業の契機となります。その後、カラオケ、飲食、介護へと事業を拡張していきました。今年(2017年)で創業46年を迎えました。

・ 当社の連結従業員数は、正社員・パート・アルバイトを含めて4,381名です(2017年3月末現在)。

・ 当社では、理念と哲学の実践型経営を目指し、社会貢献活動に力を入れています。2017 年7月に発生した九州北部豪雨、秋田県の集中豪雨では9名、そして2016年の熊本地震に際しては、被災された高齢者の方々38名を当社施設に無償で受け入れました。

・ チャイルドスポンサーシップの提供やラオスでの小学校寄附など、世界の恵まれない子どもたちへの支援活動も積極的に行っています。また、年に数回、安倍晋三先生や櫻井よしこ先生といった著名人をお招きして、特別講演会を主催しており1,000名〜1,500名の方々に来場して頂いております。

 

2. 各事業の状況

・ 介護事業では、新規施設の開発強化に取り組んでおり、5つの戦略(@特定施設の積極展開、Aグループホームの展開、B障がい者のための放課後等デイサービスの展開、CM&Aの推進、Dリハビリ特化型デイサービスや住宅型施設等の強化)で全国展開しています。2018年3月期以降は、放課後等デイサービス6ヶ所、介護付き有料老人ホーム13ヶ所、合計19ヶ所の開設を計画しています。九州から北海道まで、各介護施設の全国展開は着実に進んでいます。

・ 2017年6月には、北九州市若松区にウチヤマグループとして初めて事業所内に保育園を併設した「さわやかシーサイドくきのうみ」を開設しました。事業所内保育園は2018年2月より認可保育権となります。また、事業所内で働く女性から「安心して働ける」と喜ばれ、入居者様にとっても地域社会と交流する機会の拡大となります。

・ 当社の介護事業の大きな特長は、業界平均を上回る高いオペレーション(運営)効率と堅調な入居率です。

・ 当社の施設は、職員がオペレーションしやすいよう、合理的な運営を考えて低層構造にしています。また、1階のホールの広い空間を開放しており、地元の方々にイベントで使用してもらうことで、入居者様と地域の方々との交流の場となっています。

・ 施設職員の教育も重視しています。年間500時間の研修・勉強会を行っており、優秀な人材による満足度の高いホスピタリティを実現しています。

・ また、当社では施設への入居一時金が不要です。こうしたホスピタリティの高さや入居・退居しやすいシステムで、高い入居率を維持しています。

・ 当社では、全施設で入居者様の「生きがいづくり」に力を入れています。社会や周りの人々から“必要とされている”ことを感じていただくために、入居者様が積極的に施設運営やイベントに参加するスタイルを追求しています。施設見学者のご案内は入居者自らが行い、お誕生日会や笑顔コンテスト、盆栽教室などのイベントも活発に行われています。

・ 介護事業における新規事業として、2015年11月より障がい児通所支援事業所「さわやか愛の家」を展開しています。現在、全人口の約7%が障がいをもっていると言われております。また、障がいをもった子どもたちが放課後や長期休暇中の居場所や療育の場がほとんどないという状況を聞き、取り組むことにしました。おかげ様で非常に人気があり、施設数も着実に増えています。

・ 当社では、公共財団法人北九州産業学術推進機構および九州歯科大学、九州大学、九州工業大学と産学官で連携した研究活動も行っています。

・ カラオケ事業では、味や品揃えにこだわった豊富な食事メニューなど、独自のオペレーションとドミナント化による地域一番店戦略により、子どもから高齢者までの幅広い層の取り込みに成功しています。特にシニア層向けには「さわやかゴールドメンバーカード」という割引サービスを実施しており、非常に好評です。

・ 飲食事業では、地域の特性・立地条件・顧客層に応じた様々なブランドを展開し、地元の方に喜ばれています。2017年5月には、サントリー酒類株式会社とのタイアップし、北九州市でハイボール専門店「ハイボールバー銀天街 1923」をオープンしました。サントリー酒類株式会社にとっては全国11号店となる店舗であり、マスコミにも注目されています。

・ 当社は、介護事業、カラオケ事業、飲食事業において「地産・地消・地役」を実現しています。その地域で採れたものは地域内で消費し、スタッフも地元の方を採用しています。そして地域のお役に立ち、地域活性化に貢献することで地域に根差した施設や店舗を目指しています。

 

3. 2018年3月期の業績予想と株主還元策

・ 2017年3月期の売上高は、連結で253億1,800万円でした。2018年3月期の連結業績予想は、売上高268億1,000万円、営業利益11億2,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益7億200万円、で、大幅な回復を見込んでいます。なお、介護施設のセールアンドリースバック取引等で予想の修正が必要となった場合には、速やかにお知らせいたします。

・ 当社では、安定的かつ継続的な株主還元により、株主の皆様にご支援をいただきたいと考えています。2018年3月期の配当金は、1株当たり中間5円、期末5円で、年間合計10円を予定しています。

・ 株主優待制度も実施しています。毎期末(3月31日)に400株以上所有の株主様に、お米券5kg分(1kg券5枚)を贈呈しています。

・ 当社の長期的なビジョンとして、連結売上高1,000億円、連結営業利益100億円規模を目指しています。今後とも株主の皆さまの温かいご支援をお願い申し上げます。

 

 

4. 介護事業の産学官連携「ITやロボット技術活用に向けて」

・ 当社は、九州工業大学、公益財団法人北九州産業学術推進機構、株式会社IDCフロンティアと連携し、IoTによる介護従事者の行動認識実証実験を行いました。

・ IoTは、Internet of Thingsの略称で、インターネットに様々なモノが接続され、相互に通信し合う仕組みを指します。たとえば自宅の家電をインターネットにつなげ、外出先でスマートフォンからネットを介してその家電の状態を知り遠隔操作をできる技術です。また、バスがインターネットに繋がる事で待っているバスがどこを走っているかをリアルタイムで知る事が出来ます。

・ 今回の実証実験では、IoT技術を活用し、当社の連結子会社である株式会社さわやか倶楽部の介護付有料老人ホーム「さわやか海響館」での職員の行動データを検証しました。施設内各拠点の環境や状況の変化とともに、各職員の行動パターンを分析しました。

・ 施設職員の胸元や入居者様の居室にIoTセンサーを取り付け、職員の動きや温度、位置、部屋の明るさ、室温といった様々な情報を収集しました。その情報はインターネット上を通じて自動で送られデータが集積されます。また、各職員にはそのとき行った業務をタブレットやスマートフォンに入力してもらい、併せてデータを集約しました。

・    このさわやか海響館は、1階がエントランス、6階がバルコニーで、2〜5階が入居者様のスペースです。2階には事務室や健康管理室、厨房等が配置されています。3〜5階の各階には「食堂兼機能訓練室」として、リハビリをするスペースも設けられています。

・    センシングデータ集積による実証実験は、共用部分や部屋の一部で行ったケースはほかにもありますが、施設全体で行ったケースは今回が日本初と言われています。

・    当館の入居者様は、2階が11名で、3〜5階はそれぞれ17名、18名、19名です。

・ 実証実験でわかったことは、職員が一番時間を割いていた業務は種々の記録業務だったということです。実験前は、食事、入浴、排泄の介助といった直接入居者様と接する業務に最も時間を費やしているという仮説を立てていたため、これは非常に貴重なデータとなりました。記録業務であれば、既存の良いツールやシステムを導入することで時間の削減と効率化が期待できると考えます。運営側もそう思っていたのですが、データの分析結果を見た職員たちもそのように感じてくれました。「示されたデータを見て、ステーションでの事務仕事を削減できれば、もっとお客様と時間を過ごせるのではないかと思った」との感想がありました。

・    また、「客観的なデータを見るまで、各フロアで作業量にこんなに違いがあるとは思わなかった。人手が不足する時間帯にフリーの人がヘルプに入る体制を各フロア間でとれば、もっと効率的に対応できるのではないかと思った」という声が上がっています。

・    2階は入居者様が少ないので、介護職員の数も少なくなっています。3〜5階の職員は、2階は入居者様が少ないので、仕事も少ないのではないかと思っていたのですが、2階も大変に忙しい時間帯があると今回のデータでわかりました。3〜5階の職員がその時間帯にヘルプに入る体制をとれば、もっと効率的に業務ができると考えられます。

・    今回の実証実験での収穫の1つめは、施設全体の業務の効率化ができるということです。記録業務を効率化し、ヘルプ体制をとることで、各フロアを効率的に運営できます。

・    2つめは、各入居者様の行動パターンを把握できたことです。たとえば入居者様の起床時間などが把握できれば、職員が入居者様の部屋を効率的に訪問することができ、職員の介護行動を省力化できる可能性があります。

・    3つめは、各職員の行動パターンを把握できたことです。入居者様の行動パターンに関係しますが、入居者様の部屋への訪問順の判断など、効率的になるよう改善できます。

・    今回の実証実験で、業務の効率化について新しい思考を得ることができました。 IT・IoT化は、いま日本中で叫ばれていますが、今回の実証実験は、介護の未来を垣間見せてくれたと思っています。昨今報道されるように、介護の人材は今後枯渇していくと言われていますが、先進技術を用い社会全体でこの問題に取り組んでいかなければなりません。介護に関わるすべての人が幸せな社会を、当社で創造していきたいと考えております。

・ 最新の技術を紹介します。音声入力の技術で、「36.8℃」「全量摂取」などの言葉の数値や単語から、業務の内容と記録すべき内容を人口知能が判断し、記録するシステムです。

・    離床センサーも、最新の機器では人工知能が離床や転倒をカメラの映像から判断します。IoTで職員のスマートフォンともつながっており、通常の離床の際は天井のカメラ映像を確認しながら、インターフォンで訪問が必要かを確認できます。転倒の場合は即座に職員が駆けつけることも可能です。

・ 当社は、IoTや人工知能など最新の技術を使い、安全・安心をしっかり担保しながら、サービス向上と業務の効率化を図っていきます。

 

5. 介護事業の産学官連携「革新的イノベーションに向けて」

・ 当社は、九州大学、公益財団法人北九州産業学術推進機構、一般社団法人生き方のデザイン研究所と連携してケアプランの作成を支援する「ライフマップ」の開発とその実用化に取り組んでいます。ライフマップは、九州大学と株式会社さわやか倶楽部の共同研究から生まれました。

・ 入居者様には、これまでの生活に対する思い、これからの生活への願いがあります。ライフマップはこれらを可視化・共有化し、今後のケアプランに反映していくツールです。

・ ライフマップは、2017年度グッドデザイン賞の第一次審査を通過し、二次審査まで進んでいます(2017年9月16日現在)。

・ ライフマップは、絵を用いて入居者様の人生史を作成します。人生を振り返りつつ、これから何をしたいのかを伺い、ケアプランに反映し、施設での生活を充実させていきます。

・ たとえば、本を毎日読んでいた入居者様について、私どもは本好きだからだと思っていましたが、ライフマップを使って会話したところ、「暇つぶしで読んでいるだけで、本当は外出、外食を楽しみたい」とお答えになりました。その様な入居者様の本当に行いたい事を知る為に入居者様とのコミュニケーションの時間をより大切にする。それからは、入居者様一人ひとりに合わせて提供するサービスが大きく変わっていきました。

 

6. 介護事業の産学官連携「口腔ケアのQOL向上に向けて」

・ 産学官の連携に関する取り組みで、当社は九州歯科大学、公共財団北九州産業学術推進機構と、入居者様のQOL(生活の質)向上につながる口腔ケアの普及に努めています。

・ 九州歯科大学と協力して設けた口腔ケアの認定制度は、介護業界で初めての試みです。

・ 要介護高齢者の死因は肺炎が上位を占めます。介護の現場ではその予防となる口腔ケアが充分に行われていない現状が指摘されていました。

・ 九州歯科大学の歯科医師とともに当グループ施設のさわやか倶楽部5ヶ所を巡回したところ、入居者様の多くに磨き残しがありました。細菌の塊や食物残渣(食べ残り)が見つかり、適切な口腔環境が保たれていない状況でした。

・    口腔ケアに関する知識不足と技術の未熟さが確認されました。その時点での当社の歯科衛生士は福岡県に4名、全国のさわやか倶楽部に勤める介護スタッフは2,315名です。口腔ケアの指導者が不足しており、改善方法を考えました。

・ そこで当社は、教育プログラム認定資格制度を開発することにしました。さわやか倶楽部が目指す口腔ケアの未来像の最終形は、さわやか倶楽部全体を牽引できる社員を育てることです。その前段階として、口腔ケアに高い意識をもつまでに社員を引き上げるため、自主的に学習できるテキストや動画を作成し、それらの教材を用いた口腔ケア認定士試験を行いました。現在まで3回の試験を行い、合計183名が合格しています。

・ 口腔ケアに関する技術・知識をもち、指導できる社員を育て、歯科衛生士とともに全国の施設で指導できる人材が増えると考えています。

・ こうした取り組みで日常の口腔ケアの質が高くなりました。歯科衛生士から見ても、介護職で、口腔内をここまで綺麗に保つ技術をもつのは、当社の介護職だけです。その結果、肺炎・誤嚥性肺炎での入院が年間18名から6名にまで激減した施設もあります。

・ 当社は、3ヶ年計画で全社員の口腔ケア認定士取得を目指すとともに、肺炎・誤嚥性肺炎ゼロを目標としています。

・ また、デザイン思考を用いたモノづくりも行いたいと考えています。口腔ケア学習用VR(バーチャルリアリティ)動画では、直接のレクチャーに近い指導が行えるようになり、福岡県外の施設の合格者も増加してきています。

・    口腔ケアは入居者様の健康を保ち、充実した人生を送ることへとつながります。当社が介護業界の先駆けとなって口腔ケアを充実させ、社会貢献を果たしたいと考えています。

・    以前、当社の介護施設に入居されていた身寄りの無い方に癌が発症しました。病院へ入院を行ない治療が必要となりましたが入居者様は施設に残りたいと言われました。介護施設において入居者様の看取りを行なう際の大きな課題は痰を自力で出す事が出来ず呼吸が困難となる事です。しかし、当社の施設においては、口腔ケアの技術を高められていた為、その入居者様の看取りを施設内にて行なう事が出来ました。もし、あの時に現在のような口腔ケアの技術が無ければ看取りを行う事、入居者様の希望を叶えて施設で過ごして頂く事は出来なかったと思います。これからも入居者様の健康を守り、社会貢献を行なっていくためにも、さわやか倶楽部が介護業界の技術向上の力となれるよう口腔ケアの推進を行なって参ります。

 

7. 質疑応答

Q1.「さわやか愛の家」を始められたきっかけをお聞かせださい。

A1.現在、日本の人口の約7%が障がいをもつと言われ、今後も増える傾向にあります。障がいをもった子どもたちの行き場所がほとんどないという現状に対し、当社でなんとかそうした子どもたちを助けたいという思いから始めました。利用者の方々にも非常に喜ばれており、職員も大きなやりがいを感じています。

 

以 上

 

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