株式会社大和証券グループ本社(8601)

開催日:2017年9月19日

場 所:大阪新阪急ホテル(大阪府大阪市)

説明者:執行役員 辻 朋紀 氏

 

1. 大和証券グループの概要

・ 創業は1902年、115年の歴史を有しています。2017年6月末現在、大和証券株式会社(以下、大和証券)の預り資産は約55.2兆円、従業員数はグループ全体で16,256人です。2017年4月に社長に就任した中田誠司の下、新しい経営体制がスタートしています。

・ 1996年に日本で初めてインターネット証券取引のサービスを提供したのは大和証券です。1999年に当時上場企業としては初の純粋持株会社体制に移行しました。このように、当社グループは時代をリードする先進的な取組み・改革を積極的に行ってきました。

・ この10年間、19時前退社や女性の活躍支援等に積極的に取組んできました。最近では営業職の再雇用の上限年齢を撤廃するなど、働き方改革においても、時代や業界の一歩先をいくさまざまな取組みを行っています。当社グループのこうした先進的な取組みが、さまざまなメディアから注目を集めています。

・ 外部の公的機関からも高い評価を受けています。当社グループは、経済産業省および東京証券取引所が女性の活躍推進に優れた企業を選定する「なでしこ銘柄」と、社員の健康に配慮した経営を行う企業を選定する「健康経営銘柄」に3年連続で選定されています。両方に3年連続で選定されている上場企業は、当社を含め日本で6社のみです。

・最近では東洋経済の就職人気ランキング(2018年卒・前半)の男子部門で当社が1位を獲得しました。優秀な人材の獲得に繋がっています。

・ 当社グループの中核企業は大和証券です。大和証券の事業は、全国148店(2017年6月末現在)の店舗、コンタクトセンター、インターネットを通じて個人のお客様と取引を行うリテール部門、金融機関や事業会社など法人のお客様と取引を行うホールセール部門に分かれています。また、ホールセール部門は、金融機関を中心とする機関投資家と商品の取引を行うグローバル・マーケッツ、事業会社の事業再編・資金調達を行うグローバル・インベストメント・バンキングに分かれています。

・ また、グループ内には、投資信託の運用・投資顧問業を行うアセット・マネジメント部門や、グループの自己資金で投資を行う投資部門があります。

・ その他、経済や政策の研究・システムの開発を行う大和総研グループや、2011年に開業した株式会社大和ネクスト銀行(以下、大和ネクスト銀行)などがあり、合計60社以上の連結子会社・持分法適用関連会社で当社グループが構成されています。

・ 2016年度のセグメント別の純営業収益の構成比を見ると、リテール部門、ホールセール部門、アセット・マネジメント部門が中核となっていますが、リテール部門とホールセール部門で全体の約80%を占めています。

・ 当社グループは、これまで国内外のさまざまな企業への出資・業務提携などを通じ、事業の領域と基盤の拡大に注力してきました。過去10年の国内における主な出資案件として、安定収益を目的とした不動産、インフラ分野関連投資と、若年層を中心とする次世代の投資家層の取込みに向けたインターネット証券との連携を実施してきました。

・ 海外事業については、基本的な考えとして、国内で提供するサービスを補完するという観点に加え、中長期での収益基盤の拡大を図るために出資を含めた検討を常に行っています。特にアジアを中心に積極的な提携戦略を推進し、現地の有力な金融機関との提携拡充を通じて、アジアにおけるネットワークを強化しています。

 

2. 2017年度第1四半期業績

・ 2017年度第1四半期の業績は、純営業収益1,085億円、経常利益251億円、親会社株主に帰属する純利益193億円となりました。ホールセール部門にて債券トレーディング収益が減少し、前四半期比減収減益となりました。しかし、2017年5月以降の世界の株式市場の回復を受け、リテール部門では外国株式の取引が増加しました。

・ ホールセール部門では、2016年度はマイナス金利政策導入後に金利が大きく変動して債券の取引が好調でしたが、2017年度に入って金融市場のボラティリティ(価格変動性)が低下したことから、苦戦しました。

・ リテール部門では、2017年5月以降の日経平均株価および世界の株式市場の回復を受け、経常利益が6四半期ぶりに100億円の大台を回復しました。

・ アセット・マネジメント部門は割合としては大きくありませんが、安定的な利益を上げています。

・ 当社グループの業績は、市場の変動の影響をある程度受けやすい側面があります。しかし、2017年度第1四半期は、苦戦したホールセール部門をリテール部門が補っており、グループ全体で安定的に収益・利益を確保できる体制が整いつつあります。

・ 海外部門の経常収支は、2017年度第1四半期は17億円となり、2016年度第1四半期から5四半期連続で黒字を確保しています。2016年度通期では米州、欧州、アジア・オセアニア、すべての地域で黒字化を果たし、通期ベースでは2009年度以来7年ぶりの経常黒字を確保しています。

 

3. 中期経営計画について

・ 当社グループは、2020年に向けた経営ビジョンとして「日本及びアジアの資本市場の発展をリードし、お客様に最も選ばれる総合証券グループ」となることを掲げています。これに基づき「業界No.1のクオリティを梃子に顧客基盤を飛躍的に拡大」し、「日本とアジアの成長を結ぶことで接続的成長を実現」するという、2つの経営基本方針を設定しました。

・ 2017年度を最終年度とする中期経営計画を推進しています。同計画では「本格化する“貯蓄から投資の時代”の中で、業界トップのクオリティによりお客様を惹き付け、ベストパートナーとなる」というスローガンを掲げ、「ROE:10%以上」、「固定費カバー率:最終年度75%以上」を数値目標としています。ROEは当期純利益を自己資本で割った数字で、株主様からお預りした資本でどのくらいリターンを得ているかを示します。固定費カバー率は、経費全体のうち、業績に応じて変わることのない固定費を、市場動向によって変動しにくい安定的な収益でどれだけカバーできたかを示す当社独自の指標です。

・ 2016年度のROEは8.4%、固定費カバー率は66%と、目標数値より低い数値となりました。中期経営計画最終年度の2017年度は、目標達成に向けて全力で取組んでいます。

 

4. 取組みテーマ@ クオリティNo.1

・ 2017年4月から、健全な利益の確保を通じた持続的成長の実現に向けて、2つの新しい取組みテーマを掲げています。「クオリティNo.1の実現」と独立系の強みを活かした「ハイブリッド型総合証券グループ」です。

・ お客様に価値あるサービスを提供することを通じて正当な対価をいただき、企業理念にも掲げている「健全な利益の確保」を実現し、当社の企業価値を継続的に高めていくことを目指しています。“クオリティNo.1の実現”とはお客様に最も選ばれることを意味します。

・ 国内外の諸情勢をベースに考えると、国内で20年続いたデフレがいよいよ転換期を迎え、「貯蓄から投資」「貯蓄から資産形成」という流れが本格化するとみています。

・ このような状況下、既に当社と取引いただいているお客様、そして今後新たに取引を開始されるお客様から最も選ばれる証券会社になるためには、この「クオリティNo.1」がこれまで以上に重要だと考えています。

  • 証券会社はモノをつくらないため、人材のクオリティがすべてだと考えています。当社グループの人材の「クオリティNo.1」を実現するためには、「ナレッジ」「スキル・テクニック」「マインド」の3つの要素が重要だと考えています。
  • 「ナレッジ」は、お客様に様々なご提案をするためのベースとなる専門的な金融知識です。「スキル・テクニック」は、そのナレッジを活用して、お客様に最適な提案をつくりあげる技術です。
  • 最も重要なのは「マインド」です。徹底したお客様第一主義、健全な倫理観、そしてどんな目標にもチャレンジしていく高い志。このすべてのマインドを併せ持つことが、この「クオリティNo.1」に向けて重要な要素だと考えています。この3つの要素を磨き上げるために、教育・研修制度を一層充実させていきます。
  • 当社ではこれまでもさまざまなプログラムを通じて、人材のクオリティ向上に取組んできました。その結果、当社のCFP認定者数は、業界No.1の約680名となりました(2017年5月現在)。
  • 入社2年目まで「ダイワベーシックプログラム」という従来からの研修制度に加え、2017年度からは3〜5年目までの社員を対象に、「クオリティNo.1」の人材としての基礎構築の観点から、クオリティのQを取って「Q-Road」という専門性の高い人材育成プログラムを開始しました。この「Q-Road」は、eラーニングや集合研修のほか、CFP・証券アナリストといった資格取得の支援を含めた総合的なプログラム内容になっています。
  • リテール部門における取組みとして、従来から、お客様の評価、ご意見、満足度を調査する観点で全国の本支店で実施しているお客様アンケートの結果を社内で共有し、当社グループのサービスに反映させています。2017年度からお客様満足度をこれまで以上に営業店の評価に大きく反映させ、営業活動のクオリティを向上させます。大和証券の本支店に来店されたお客様に対する応対についても、外部の機関による抜打ちの調査を行い、その評価を営業店にフィードバックし、応対の質の向上にも取組んでいきます。
  • そのほか、サービス介助士・認知症サポーターの全店配置、「おもてなし宣言!」の公表によるお客様マインドの醸成など、お客様に気持ちよくご来店いただけるような環境づくりに引続き取組んでいきます。
  • 商品・サービスの品ぞろえも、よりお客様目線での商品提供に取り組んでまいります。
  • 投資信託については、商品の選定力を強化し、公募ファンドを対象に運用パフォーマンスや資金フローなどを含む、これまで以上にさまざまな観点から分析を行い、評価の高い優良ファンドをお客様目線で取り揃えていきます。
  • ラップ口座サービスは、当社が日本における普及を牽引してきました。従来の「ダイワファンドラップ」に加え、高いカスタマイズ機能や付加サービスを有する「ダイワ ファンドラップ プレミアム」、ロボ・アドバイザーを活用し少額から投資が可能な「ダイワ ファンドラップ オンライン」を導入し、資産形成層からシニア層まで幅広いライフステージのお客様ニーズに対応可能な環境を整えました。
  • 今後もコンサルティングの深化、サービス・機能の拡充などにより差別化を図り、お客様目線での商品提供に取組んでいきます。
  • 相続関連サービスについては、当社ではあらゆる相続手続きに関して総合的にサポートする「相続コンサルタント」を6月末時点で67ケ店の営業店に配置しています。
  • また、富裕層のお客様向けサービス拡充という点では、ニーズが高まる海外での資産運用や、事業展開に対応するサービスとして、シンガポールを中心とする、アジアでのネットワークを活用した、「アジア・プライベート・バンキング・サービス」を2015年7月に開始しており、お客様のグローバルなご要望に沿う形で順調に拡大しております。
  • 2018年1月から積立NISAが開始されます。資産形成層のお客様のニーズに沿った商品のラインアップやサービスの拡充を行ってまいります。
  • また、今年から対象が拡大した個人型確定拠出年金のiDeCoについては、SBIグループとの資本業務提携に基づき、本年4月から、「ダイワのiDeCo新プラン」の提供を開始しています。
  • また、9月11日に発表をしましたが、お客様のiDeCo加入期間中における、運営管理機関(大和証券)にお支払いただく手数料を「無条件で、誰でも、0円」とする手数料体系の改訂を実施しました。これにより、手数料は業界最低水準となります。
  • 価格競争力を高めたほか、充実した商品ラインアップを取り揃え、今後も、資産形成層向けのプロモーションやセミナーの開催などを通じて、「貯蓄から資産形成」を、後押ししていきたいと考えています。

 

5. 取組みテーマA ハイブリッド型総合証券グループ

  • もう1つの新しい取組みテーマは「ハイブリッド型総合証券グループ」です。ここでいうハイブリッドの意味は、株式や債券の売買、引受といった伝統的な証券ビジネスに加え、それを強化・補完できるような新しいビジネス分野に参入し、新しい技術の活用等による「証券ビジネスの多様化」を図る戦略のことです。
  • 当社グループでは大和ネクスト銀行というインターネット銀行をグループ内に設立し、貯蓄から投資へのゲートウェイとするビジネスモデルが成功しています。
  • また、2009年に株式会社ダヴィンチ・セレクトを買収してスタートした不動産のアセット・マネジメントビジネスは、運用資産残高2,600億円からスタートしましたが、2017年6月末で運用資産残高は約8,300億となり、1兆円が視野に入ってきました。このように、伝統的な証券ビジネスと新規ビジネスとの相乗効果の拡大を図ってきました。
  • 今後も、FinTech(フィンテック)の活用、新規ビジネスへの参入等、事業の多角化を積極的に行い、安定収益源の多様化を図っていきます。
  • 具体的な取組みとして、IPO(新規公開株)案件獲得力の強化があります。これは、当社が目指す「ハイブリッド型総合証券グループ」として、最優先で注力していくべき分野だと考えています。人員の拡充などの継続的な取組みも奏効し、2016年度のIPOリーグテーブルのランキングで当社の順位は3位まで回復しました。
  • 今後もIPO関連案件のビジネスを拡大していくため、従来から取組んでいる大企業とベンチャー企業をマッチングさせるイベント「Daiwa Innovation Network」の拡大を、質と量の両面で図っていきます。
  • また、次世代成長企業の発掘・育成を行うなどしてIPO案件につなげていくために、グループ内の大和企業投資株式会社、大和PIパートナーズ株式会社と連携し、さらにグループ外部との連携も進めていきます。
  • リーマンショック以降、日本企業は内部留保を積み上げています。一方、積み上がった内部留保・手元資金を、事業の拡大という観点からM&Aに注力する日本企業が非常に増加しています。2016年度、日本企業が海外企業を買収した金額は、史上最高の11兆円に達したと言われています。証券会社にとって、このクロスボーダーのM&Aビジネスは大きなビジネスチャンスであり、今後も拡大していく分野だと考えています。
  • 当社グループでは、欧州、東京、アジア、米州の4拠点にそれぞれM&Aビジネスの核となる拠点を置いています。2016年度もこの各拠点が連携して、M&Aの収益は着実に増加しています。
  • 2017年7月に発表したように、M&Aビジネスの取組みを強化する観点から、10年前より資本提携関係にあるセージェント社と、テクノロジー、メディア、通信セクターに強みがあるシグナル・ヒル社の2社を買収して100%子会社化することで両社と合意し、契約を締結しました。将来この2社を統合し、欧州、アジア、日本と連携を強化することにより、質の高いM&Aのアドバイザリーサービスが提供できるものと考えています。
  • アセット・マネジメントビジネスの多角化にも取組んでいます。アセット・マネジメントビジネスは、大和証券投資信託委託株式会社と大和住銀投信投資顧問株式会社によって構成されています。運用資産残高も着実に積み上がってきています。
  • 当社グループの独自のフィールドとして、不動産アセット・マネジメントビジネスがあります。J-REITの運用などを行う大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社および、当社が運用する大和証券オフィス投資法人などによって構成されています。運用資産残高は着実に増加しており、投資対象物件もオフィス、住宅、ヘルスケアに物流施設も加わり、投資対象も多様化しています。
  • エネルギー・インフラ分野でも広範囲な投資実績があります。当社は株式会社IDIインフラストラクチャーズを2016年2月に子会社化し、3号ファンドまで組成しています。
  • 引続きこの不動産・インフラ分野では買収等も検討しつつ、成長性の高い不動産・インフラ分野のアセット・マネジメントビジネスの拡大に取組んでいきます。
  • FinTechに対する取組みも行っています。FinTechとは、金融とテクノロジーを組み合わせた造語で、ITを駆使した金融サービス全般を意味します。FinTechの活用により先進的な金融サービスの提供、業務の効率化を図るため、当社グループでも2年ほど前からFinTechを推進する組織体制を整え、グループを横断して実用化を検討しています。
  • 具体的な成果の1つとして、株式会社大和総研がAIによる株価予想モデルを開発しました。これは、上場企業の決算データを解析し、緩やかに上昇する銘柄を予測するモデルです。2017年5月から大和証券のお客様にサービス提供を開始しています。
  • 2017年5月にこのモデルで20銘柄を選定しました。このうちの8割、16銘柄がその20営業日後、TOPIX(東証株価指数)を上回り、一定の成果が出ています。グループ内の業務効率化に向けたFinTechの活用に向けて、今後も積極的に取組んでいきます。

 

6. 株主還元・株主優待

・ 2016年度の年間配当金は1株当たり26円、配当性向は42.3%でした。自社株買いを約190億円実施したため、配当と自社株式取得を併せた総還元性向は60.4%となります。

・ 当社グループは、株主様への日頃の感謝の気持を込めて2002年3年末から株主優待制度を実施しています。2008年3月末の優待からはカタログ制度を導入し、各地の名産品や会社四季報、寄付など、お好きなものをお選びいただけるようになりました。2016年3月末の優待からはカタログ掲載商品を24品から50品へと拡充し、2016年9月末の優待からはWebサイトからも申込みできるようになりました。優待商品は毎回選定を行っており、今後も内容の充実を図っていきます。

 

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