株式会社タカラレーベン(8897)
開催日:2017年9月18日
場 所:ホテルオークラ札幌2階 フォンテーヌ(札幌市中央区)
説明者:代表取締役社長 島田 和一氏

1. 会社紹介
・ 当社は、企業ビジョンに「幸せを考える。幸せをつくる。」を掲げ、また、企業ミッションを「感動する心・誠実な姿勢・実行する力」とし、健全で安定した企業成長を果たし、お客様、ステークホルダーの皆様、そして社会への貢献をすべく、事業を推進しています。
・ 本年5月22日より、東京都千代田区丸の内の鉃鋼ビルに本社を移転しています。従業員数は2017年3月末時点で、単体で265名、グループ全体では690名。自社ブランドマンション分譲、および賃貸事業、発電事業等を主要な事業としています。
・ 2016年には設立45周年を迎えました。また、本年4月より、大阪支社と札幌営業所を開設し、グループ会社である住宅情報館をタカラレーベン西日本に商号を変更し、福岡本社を4月に開設しました。新たな拠点開設で、全国展開を図っています。
・ 現在では当社を含めてグループ会社の総数は11社となり、不動産販売事業だけではなく、「賃貸事業」「管理事業」「発電事業」等と確実にその事業領域を拡大しています。
・ マンション供給実績に関する全国マンション供給ランキングでは、2016年は10位となり、4年連続でトップ10入りを果たしています。リーマンショックを機に、独立系マンションディベロッパーが減少。新興ディベロッパーが誕生していない状況が続いており、近年は、上位各社によるマーケットの寡占化が進んでいます。その中でも当社は、独立系マンションディベロッパーとして、毎年安定した供給を続けています。

2. 業績推移
・ 直近の決算期(2017年3月期)は、前期比にみても、売上高、利益ともに大幅な増加となっており、連結売上高は初めて1,000億円を突破し、売上高、利益ともに過去最高額を更新しています。
・ 過去10期分の業績推移では、2009年3月期には、会計方法の変更、およびリーマンショックの影響により赤字を計上していますが、翌期には黒字転換を果たし、その後もさまざまな施策の実施により、堅調な業績の推移が続いています。今期においても、売上高、利益共に前年を上回る計画を掲げています。
・ セグメント別売上高の推移では、コア事業である不動産販売事業が大きな割合を占めています。近年は、不動産販売事業以外のセグメント強化を積極的に進めており、その割合が徐々に大きくなってきています。今後も不動産に関する各領域の強みを伸ばすと同時に、賃貸、管理事業や発電事業等のストック・フィービジネスを拡大し、安定した利益の確保を目指していきます。
・ 貸借対照表では、2017年3月期の総資産は1,398憶7,400万円、純資産は367億9,200万円で、自己資本比率は26.2%となっています。損益計算書では、過去最高益を更新し、ROE(自己資本当期純利益率)は17.4%となっています。

3. セグメント別概況 
・ 当社の事業セグメントは、大きく5つに分かれており、「不動産販売事業」「不動産賃貸事業」「不動産管理事業」「発電事業」「その他事業」で構成されています。このうち主力事業は「不動産販売事業」で、売上高の約8割を占めています。内訳としては、コア事業である「新築分譲マンション事業」と、短期回収事業の「戸建分譲事業」、他に「リニューアル・リセール事業」などとなっています。「不動産賃貸事業」「不動産管理事業」と「発電事業」「その他事業」に関しても、着実に伸展しています。
・ 首都圏のマンション市況として、2016年の供給戸数は約35,700戸。本年は微増が予想されておりますが、ピーク時期の80,000戸台から見ると半減しており、現在の限られたプレイヤー数では、おそらく今後も大量の供給戸数にはならないものと考えています。その中で建築費の上昇も一部、影響し、販売価格はここ数年、急激な上昇を続けています。その一方で、共働き世帯の増加や親等からの資金援助に加え、住宅ローンの低金利も重なり、お客様の購入体力は今までよりも上昇しています。したがって販売価格の上昇にも比較的堅調についてきていると思われますが、以前よりもお客様の物件を選ぶ目線が厳しくなっており、物件に対する価値観にも変化を感じています。
・ さらに近年、ライフスタイルの変化が顕著に現れており、晩婚化に伴う単身男女、若年DINKsと高齢化に伴う単身シニア、シニアご夫婦の増加などにより、コンパクトマンションのニーズも増加してきています。結論としては、同様のエリアでも売行きの好不調に二極化が進んでいるものと思われます。
・ 今後の予想としては、近年に比べ、完成在庫も増えてくるものと予想され、それに伴う一定の値引き等も行われるのではないかと思われます。とはいえ、マーケットに変調をきたすまでの大きな影響はないと考えております。
・ 当社のコア事業であるマンション販売事業に関する販売コンセプトについては、「誰もが無理なく安心して購入できる理想の住まい」の提供と掲げ、一次取得者層をメインのお客様としています。属性的には年収400〜600万円で、結婚、出産、入学等のライフサイクルのイベントをきっかけにマンションを購入される方々になります。このようなお客様は、需要に大きな波がないため、リーマンショックから現在に至るまで、安定した需要で推移しています。
・ マンション販売に関する当社の主な特徴は、4つの「P」に基づいています。
最初の「P」、立地(プレイス)については、主に首都圏郊外のエリアを中心に展開しています。立地感としては、都心へのアクセスが良好、大きな公園や商業施設などが隣接しているという特徴で、小中学校の学区域を意識するなど、住環境には特にこだわりを持っています。
2つ目の「P」は、価格(プライス)です。コンセプトのとおり、まず買われる方の購入体力に合わせることを念頭におき、そのうえで、その地域や立地の特性等を踏まえた価格設定をしています。
そして3つ目の「P」が、商品の付加価値(プロダクト)です。水にこだわった浄活水装置「たからの水」、お風呂にこだわった「マイクロバブルシステム」を全戸標準装備していることと、太陽光発電マンションの供給が、当社の差別化ポイントになっています。
最後の「P」は、当社の「営業体制」(プロモーション)です。各物件の営業担当者が、他の部署と一体感を持って企画段階から参加することで、現場の特性や、その地域のニーズを的確にマンション企画に取り入れ、併せて販売戦略を構築することが、他社にはない当社の特徴となっています。
・ 分譲マンションの売上戸数は、2017年3月期は1,503戸となり、前の期に比べ増加しており、今期の計画は1,600戸としております。販売価格は、上昇基調となっていますが、共働き世帯の増加や、親等からの資金援助により、販売については堅調な推移が続いています。
・ 従来、当社は、首都圏近郊を供給のメインエリアとしていますが、昨今、地方都市への展開も進展しています。地方都市では、郊外ではなく中心市街地をターゲットエリアと設定し、アクティブシニア層に向けたマンションを供給しています。地方都市では、近年、行政の動きとして、行政サービスの効率化を図るため、中心市街地へのコンパクトシティ化が推進されています。また、アクティブシニア層から高齢者まで、住宅メンテナンスの軽減や、生活利便性の向上を求める動きが活発化してきています。その流れから、地方中心市街地マンションへの買替、買増ニーズが増加傾向となっています。
・ 当社は、全国展開に向け拠点を新設しており、北海道は札幌営業所、北陸は北陸営業所、近畿は大阪支社がカバーする体制となっています。また、東北はグループ会社であるタカラレーベン東北が、中国・四国・九州・沖縄はタカラレーベン西日本が進出し、積極的に用地の仕入れを行っています。地方都市への供給目標戸数は年間1,000戸を目標としています。今後も各拠点において、需給バランスを見極め、立地を厳選しながら順次供給エリアの拡大を進めていきたいと考えています。
・ 北海道での展開は、今年4月に札幌営業所を札幌駅前に開設しました。札幌営業所を開設したことで仕入れを積極化し、すでにマンション用地を取得しています。1つは地下鉄東西線の西11丁目駅徒歩6分の札幌市中央区北1条西にあり、もう1つは地下鉄東豊線環状通東駅徒歩1分の札幌市東区北14条東で、2つの用地とも、中心部へのアクセスが良好で好立地となっています。今後も札幌市内のほか、周辺主要都市での仕入れを強化し、年間供給戸数150戸から200戸体制の構築を目指したいと考えています。
・ 不動産販売事業の中の建替事業について、マンション建替え円滑化法の改正により、従来は全員の賛成が必要であった建替えが、8割以上の賛成で可能になりました。1981(昭和56)年以前に建設された旧耐震基準のマンションは全国に100万戸以上存在しており、多くの潜在的需要が見込まれています。
・ 現在建替え工事中のレーベン多摩センターは、東京都下、多摩ニュータウンの80戸のマンションを240戸に建替えます。現所有者の80世帯を除く約160戸を当社が販売しています。完成は来年3月の予定です。
・ スクラップ&ビルドでは、築年数が古い物件を購入し、当面は賃貸不動産として保有します。これも最近、かなり積極的に推進しています。その後、取り壊し(スクラップ)と再建設(ビルド)を経て、分譲マンション、賃貸マンション、オフィスやホテルなど、出口の多様化を図っています。
・ 再開発事業への参画について、従来、当社は地方都市での再開発事業に積極的に取り組んできました。当社が初めて法定再開発事業に参画したのは、「富山県富山市」の案件で、現在も富山駅前の再開発事業が進行中です。ホテルやマンション、商業施設などの再開発です。また、富山県高岡市の中心市街地の「暮らしにぎわい事業」も現在建設中で来年度完成します。そして、これまで培った地方都市における再開発の実績を活かし、首都圏においても、初めて再開発事業への参画が決定しました。東京都江戸川区、JR小岩駅前の再開発事業で、既存の地権者様と当社のほか、野村不動産、清水建設の共同事業体として、今後事業を推進していきます。
・ 戸建事業は、2016年4月より、戸建事業本部をタカラレーベン本体からグループ会社の日興タカラコーポレーションに移管し、展開しています。
主に、1都3県の首都圏、特に都内をメインエリアとしています。駅徒歩10分以内を基本に置き、スタイリッシュな商品性、独自性のあるデザイン等を特徴としています。売上戸数は、2017年3月期の275戸から、今期は160戸と減少予定ですが、これはより駅に近く、都心に近い物件を扱っているためで、1戸当たりの価格は以前の3,000万円台から6,000万円に上昇しているため、売上はあまり変化していません。中期経営計画目標では、500戸を目指しています。
・ 不動産賃貸事業は近年、積極的に収益物件の取得を実施しており、売上高も上昇基調にあります。REIT(不動産投資法人)市場の参入も視野に入れ、さらなる資産規模の拡大に努めつつ、最適なバランスシートを意識していきたいと考えています。今期の売上は47.5億円を計画しています。
・ 不動産管理事業では、昨今、マンション管理組合に関する法律が新たに制定される等、その重要度が増すと同時に、マンションの管理がマンションの価値を決めるといっても過言ではないほど、それを支援するサービスも進化してきています。当社は、全国で4つの営業所を開設し、管理戸数を着実に増やしています。自社分譲の物件だけではなく、他社物件の比率も上昇しており、管理組合様との委託契約継続率も、99.7%と非常に高い水準を維持しています。引き続き、安定的なストックビジネスとして受託戸数を伸ばしていくと共に、さらに強化し、長い目で見て収益に貢献するものと考えています。
・ 発電事業も近年、積極的に展開しています。2013年からメガソーラー発電事業を開始し、2016年3月末には約51MW(メガワット)が稼働しています。昨年6月に東証のインフラファンド市場第1号として、「タカラレーベン・インフラ投資法人」を上場しました。上場時には、インフラファンドへ10施設、計17.8MWを売却しました。2017年3月末では、約80MWが稼働を開始しています。今後も、自社開発はもちろんのこと、セカンダリーマーケットからの購入も視野に入れ、早期の目標達成に向けて、積極的に推進していきます。
・ 市場環境に関しては、ネガティブな情報もありますが、FIT価格が30円以上で未稼働かつ開発可能性のあるパイプラインは充実しているものと考えていますので、当面の事業進捗には懸念を抱いてはいません。しかし、長期的には太陽光発電以外の再生可能エネルギーの検討も随時進めていきます。
・ 当社は近年、インフラ関連やREIT関連等への投資事業を拡大しています。これまではマンション等の仕入を行う「開発本部」の中の一部として活動していましたが、本年4月より、投資開発本部を新設しました。積極的に展開し、機能の強化を図っています。
インフラ関連では、太陽光以外の風力、バイオマスなどの再生可能エネルギー分野への投資、不動産関連では、REITや私募向けの不動産投資、既存収益不動産のバリューアップ投資、安定収益不動産として長期保有していく収益不動産への投資など、さまざまな投資事業を進め、引き続き、この領域への投資を強化していきます。
・ 今期通期の連結業績予想では、各項目とも微増とはなっていますが、増収増益を見込み、過去最高益の更新を計画しています。計画全体に言えることですが、保守的な事業計画となっています。引き続き、ROEは20%以上、ストック・フィービジネス利益比率は35%以上を目指していきます。
・ 不動産販売事業を主軸に、不動産管理、不動産賃貸や発電事業などの、ストック・フィービジネスへも事業領域を拡大し、タカラレーベングループ11社でワンストップサービスを展開する形となっています。今後もグループ間のシナジーを発揮し、不動産総合ディベロッパーへのさらなる飛躍を遂げていく所存です。
・ 今後の戦略のひとつとして、海外事業を検討しています。主には、東南アジアを中心に事業参入を検討しており、マンション・戸建分譲事業、賃貸事業はもちろんのこと、不動産周辺事業、発電事業等、さまざまな事業領域を適宜検討しています。
現在、私の直轄にプロジェクトチームを設置し、視察や現地法人との交渉を行っています。新たな成長戦略の一助になると考えていますので、精度の高い調査を実施し、事業参入の時期を見極めていきたいと考えています。

4.配当・資本政策 
・ 配当金は、前期は中間配当5円、期末配当10円の合計15円となっています。今期も、中間で5円、期末で10円の合計15円を予定しています。配当性向は前期26.7%、今期は25.7%の見込みとなっています。また、株主優待として「おこめ券」を保有株数に応じ、期末に贈呈しています。
・ 還元方針は、配当金と自社株取得を合わせて、最終利益の35%以上としており、前期は、株主還元率55.3%という実績になっています。
・ 当社を知っていただくためのキーワードをまとめました。
まず1つ目は、「不動産総合ディベロッパーへの進化」です。コア事業であった不動産販売事業に留まらず、不動産管理、賃貸、流通や発電事業など、さまざまな事業領域に今まで以上に拡大しており、グループ内でワンストップサービスを展開しております。
2つ目は、「地方中心市街地への展開」です。各地に拠点を設け、全国展開を図っており、その供給戸数も順調に伸長しています。
3つ目は、「ストック・フィービジネスの強化」です。フロービジネス以外のストック・フィービジネスを拡大し、安定的な収益体制を構築していきます。
4つ目は、「再生可能エネルギーへの投資」です。太陽光発電事業だけではなく、他の再生可能エネルギーへの投資を検討しています。単に利益を上げることだけでなく、環境にやさしい社会に貢献する事業を推進していきます。
最後に「ファンド市場への展開」です。すでに上場を果たしているインフラファンド市場の他に、積極的に仕入れを継続し、REIT市場への展開を計画しています。資産規模を増やし、効率的な運用と新たな収益の獲得を目指しています。

5. 質疑応答
Q1. 現在の不動産市場の環境は良好でしょうか。
A1. 2013年の政権交代からアベノミクスやオリンピック・パラリンピックの決定等への期待感などがあり、不動産マーケットは比較的順調に推移しています。その一方で建築費の上昇でコストも上がり、マンション価格も上昇。2012〜2013年から比較すると、2〜3割程度上がっています。お客様の価値観や目線も厳しくなっており、価格が上がっても買うにふさわしい物件はその価格で売れていますし、特徴がなく同じように価格が上がっていると販売が厳しいです。価格を下げないと最後は売れないという二極化が生まれています。とはいえ全般的に見ると、マーケット自体は悪くないと受け止めています。したがってお客様に選ばれる住まいを作ることが重要だと考えています。

Q2. 太陽光発電事業は順調に稼働しているのでしょうか。また太陽光発電以外の再生エネルギーを模索、検討されているようですが、候補はあがっているのでしょうか。
A2. 太陽光発電事業は順調に推移しています。発電所施設数も積み上がっていますし、2017年3月期時点では80MW、現状では未稼働を含めると120〜130MWの発電規模を確保しています。さらに今、新たなもので20〜50MW規模の発電所の事業化も計画しています。今後も太陽光施設は積み上がっていく予定で、当面の目標を200MWと考えています。これはクリアできるものと思います。しかし年々、太陽光のFIT(固定価格買取制度)価格が下がっているので、いずれ新たな太陽光発電所の開発は難しくなるものと思います。そこで風力やバイオマスなどの再生可能エネルギーも検討しています。まだ具体的なことは申しあげられませんが、バイオマスや風力は検討中なので、いずれ太陽光に代わる再生可能エネルギーの発電所として発表できる時期が来ると考えています。

Q3. 海外事業を展開するに当たって、現地企業の買収などを進める計画はありますか。
A3. 海外事業は東南アジアを視野に入れており、取り組むのも当社の強みであるマンション分譲事業で考えています。具体的にいうとベトナムやマレーシアなどです。ただ現地企業の買収は、事業の優先順位としては考えていません。ただ単独でも難しいので、現地のディベロッパーと合弁でやるという方向で考えています。
日本はマンションの管理の価値が重要視されていますが、東南アジアでは管理に興味がなく、管理価値はゼロに等しいくらいです。しかし長い目で見ると管理事業も重要だと考えているので、マンション事業と共に管理ビジネスも手がけていきたいと思っています。それがストックビジネスになり、売って終わりではなく、日本のクオリティで管理も行いたいと思います。すぐにはビジネスとして結果が出づらいと思いますが、管理事業を展開する中で企業買収はもしかするとあるかもしれません。

Q4. 現状の海外への展開状況はどのようになっていますか。
A4. あまり詳しくは申しあげられませんが、第一優先としてはベトナムを考えています。

以 上

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