株式会社西松屋チェーン(7545)

日 時:2017年7月29日

場 所:札幌グランドホテル(北海道札幌市)

説明者:取締役執行役員 小紫 靖 氏

 

  1. 会社概要

・当社は、ベビー・子供・マタニティ用品を製造販売する専門店チェーンです。青いうさぎの看板で知られています。

・2017年2月期の売上高は1,362億7,300万円、22期連続の増収を達成しました。

・従業員数は2017年2月20日時点で契約社員、派遣社員、パート・アルバイト社員含めて4,678名です。当社の店舗では、作業の統一化とセルフサービスが徹底されているので、ほとんどの業務・作業をパート・アルバイト社員で実施することができます。

・店舗数は922店舗(2017年7月29日現在)で、すべて直営です。北海道から沖縄まで全都道府県に出店しています。北海道では、2003年4月にオープンした札幌市の札幌白石店が第1号店で、現在42店舗を出店しており、札幌市内では12店舗を展開しています。

・当社の経営理念は「日常のくらし用品を、気軽に、自由に、そしてお客さまに満足される品質の商品を、どこよりも低価格で最も便利に提供することによって、社会生活の向上に寄与する」です。この経営理念に則って、取扱商品をベビー・子供の日用品に特化し、お客様にとって満足度の高い品質の商品を他社よりも低価格で販売すること、また、全国に駐車場付きの店舗を出店するなどしてショートタイムショッピングを実現することは、生活を向上させ社会貢献につながると考えています。

・当社は1956年、兵庫県姫路市で「赤ちゃんの西松屋株式会社」として設立されました。当初は取扱商品を、お宮参りのベビー着物などに特化していましたが、徐々にベビー・子供用品に拡大していきました。関西を中心に店舗を増やして、1992年に売上高100億円を突破しました。その後、POSシステム(販売情報管理システム)の導入や配送センターの整備を進め、1998年には100店舗を突破しました。

・1999年、東京証券取引所市場第二部・大阪証券取引所市場第二部に株式上場し、2001年、両市場でそれぞれ第一部銘柄に指定されました。

・店舗の運営・作業の統一化や物流網の整備が大きく進んだことで出店ペースが加速、2003年に北海道、2004年に沖縄へ出店し、全国47都道府県への出店を果たしました。その後も年間60〜70店舗の出店を続け、2006年には500店舗を超え、売上高も1,000億円を突破、現在に至るまで増収を続けています。

 

 

  1. 業績

・2017年2月期は、プライベートブランド商品の販売が好調に推移したこと、また円高により仕入れ原価が低下したことなどから、売上高は1,362億7,300万円(前期比102.6%)、売上総利益も前期比で大きく増加しました。さらに、販管費の伸び率を抑制できたこともあり、経常利益は80億4,800万円、当期純利益は51億1,800万円と、ともに前期比130%超の大幅な増益となりました。

・2018年2月期第1四半期(2017年3月〜5月)については、売上高、経常利益、四半期純利益のいずれも、前年同期の実績を下回る結果となりました。

・育児用品を中心としたプライベートブランド商品の売上は堅調に推移しましたが、全国的に気温が低めであったことから春・夏物衣料の売上が伸び悩み、全体の売上高は前年同期比98.9%となりました。販管費が前年同期比107.5%と増加したこともあり、経常利益、四半期純利益とも僅かな減益となっています。

・なお、第2四半期の6〜7月については、夏物を中心にセールを行い、衣料品や育児用品の売上が堅調に推移しています。

・2018年2月期は、売上高が前期比104.9%の1,430億円、経常利益が前期比110.3%の88億8,000万円、当期純利益が前期比113.2%の57億9,500万円と、増収増益を予想しています。出店政策・商品政策を着実に実施することにより、業績予想の達成に努めてまいります。

 

  1. 店舗概要

・当社の出店形態は大きく3つのパターンに分かれています。当社店舗の約7割がフリースタンディング型で、オープンモールSC(ショッピングセンター)型とインモールSC型が残りの3割を占めます。

・まず、当社が単独で出店しているフリースタンディングというスタイルの店舗は、広い駐車場を完備し、交通量が極端に多い幹線道路沿いは避けて出店することで、運転が苦手な方でも入りやすいようにしています。

・次に、オープンモール型ショッピングセンターに出店している店舗があります。オープンモールSC型の特徴は、広い共有の駐車場を取り囲んで郊外型店舗が何店舗も軒を並べるスタイルで、食品スーパーやドラッグストアなどを中心に多くの専門店が集まっていることです。各店舗が共有の駐車場を取り囲んでいるので、お客様が自由に目的のお店のすぐ前まで車で移動ができる便利さがあります。お互いの集客力が見込めるため、最近はショッピングモールへの出店にシフトしてきています。

・3つめのインモールSC型は、ビルインタイプのショッピングセンターへの出店で、出店立地拡大のため都心部を中心に増えてきています。家電量販店、ホームセンターが売場を縮小してできたスペースに、当社が出店するパターンが多くなっています。当社は、このように立地に合わせたパターンで、積極的な出店を継続しています。

・店内レイアウトの特徴は、お客様にとっては見やすく選びやすい、従業員にとっては作業のしやすい売場となっていることです。衣料品はハンガー掛けを採用し、高い天井を利用して立体的に陳列されています。お客様が見やすいだけでなくて、従業員も洋服をたたみ直す作業が不要という利点があります。

・また、通路は直線で、ベビーカーや買い物カートが3台すれ違えるほど広くとっています。

・さらに、お子様向け商品のサイズ表示や売場案内表示をわかりやすくすることで、セルフサービスでも商品を探しやすくし、時間をかけずにお買い物を済ませたいというお客様のためのショートタイムショッピングを実現しています。

・商品の発注やレイアウトの決定など、工夫や時間がかかる作業は本部に集約しています。店舗での作業については、全店で共通のマニュアルを作成し、入社したてのパート社員でも作業ができるようにしています。このような統一化により、多店舗展開が可能となります。多店舗化によって店舗間の距離が短くなり、1人の店長が無理なく3店舗から5店舗の店を管理できるようになります。これを「スーパーインテンデント制」と呼んでいます。店長に売上の責任はなく、従業員に的確に作業指示をすることが店長の一番重要な任務となっています。これによって1人の店長が複数店舗を管理できる仕組みになっています。

 

  1. 今後の成長戦略

・現在、子供の人口は少しずつ減少していますが、それに対して子供に使うお金はほとんど変わっておらず、当社が取り扱う商品の市場規模はここ数年縮小することなく、ほぼ一定で推移しています。

・また、約2兆円の市場規模に対し、当社の売上高は1,400億円弱と約6%のシェアに過ぎず、競争店に勝つことによってまだまだ拡大の余地は十分にあると考えています。

・出店政策については、今後も年間50〜60店舗の積極的な出店を行っていきます。当社では、1店舗の商圏人口を約10万人に設定しています。現在の日本の人口が1億3,000万人弱なので国内に1,300店舗は出店が可能であると考え、1,000店舗以上という目標に向けて着々と推進しています。

・また最近は、既存のショッピングセンターの空き区画など、居抜き物件への出店を増やしています。居抜き物件は、家賃や出店コストが割安で収益面でのメリットが大きく、出店契約の締結後、短期間で開店することができます。

・そして売場面積の拡大にも取り組みます。当社では、全店900店舗のうち約6割が古いお店で、標準的な売場面積は200坪でした。しかし、新品種の導入、プライベートブランド商品の大量陳列、取扱商品のサイズ延長などで少し手狭になり、現在は300坪を標準にしています。2017年4月には、大阪の泉佐野市のショッピングセンター内に520坪の大型店も試験的に出店しました。今後競争店に勝つために必要と考え、このように売場面積の拡大に取り組んでいます。

 

  1. 商品政策

・商品政策においては「製造小売業のビジネスモデルへ」をテーマにしています。

・当社では2009年以降、プライベートブランド商品の開発拡大のために、大手電機メーカー出身の技術者を積極的にスカウトし、現在80数名が在籍しています。物づくりの手順をしっかりと持った技術者により、商品計画から製品開発にいたるまでの業務のマニュアル化・制度化を進め、製造小売業としての社内体制を確立しつつあります。

・また、低価格政策も徹底していきます。900を超える多店舗展開を生かした大量仕入・大量生産を行うことにより、仕入れ原価の引き下げ効果が生まれます。

・さらに、中国だけでなく東南アジアへの商品調達ルートを拡大することにより、より低価格な仕入れ先を開拓し、安定的な商品供給体制を構築していきます。

・当社がスカウトした製造業出身の技術者が増加するにともない、彼らが開発したプライベートブランド商品の品番数も増えています。2017年2月期末には、1,087品番が定番商品となっています。今後もこのスカウト人員による売れ筋のプライベートブランドを定番化していく取り組みを促進していきたいと考えています。

・当社の商品開発の考え方は、お客様の立場・使う側の立場に立って、安全性を確保しながら、本当に必要な機能だけに絞り込む、というものです。

・たとえば、完全にたたんだ状態でも隙間ができて指はさみを防止するフレーム、お子様を紫外線から守る大きな日よけ、安定走行を可能とする大きなタイヤ、着脱が可能なクッションシート、収納カゴといった機能を備えたベビーバギーを6,999円で販売しています。2016年のグッドデザイン賞を受賞し、好調な売れ行きを継続しています。

・このようにして開発されたプライベートブランド商品は、どんどん種類が増えています。当社のプライベートブランドは、育児用品のSmart Angel(スマートエンジェル)とアウターなどの繊維商品のELFINDOLL(エルフィンドール)があります。ELFINDOLLのストレッチパンツは好評を博し、発売以来100万本を超える売れ行きを示しています。

・プライベートブランド商品の売上高は年々増加し、売上高全体に占める比率は2017年2月期末、売上高1,362億円に対して7.3%となりました。プライベートブランド化を進めている大型育児用品については、比率がより高くなっています。将来的には、売上高全体の5割程度までの拡大を目指しています。

・プライベートブランド商品は、それ以外の仕入れ商品よりも利益率が高く、売上比率の拡大は当社の利益の増加にも寄与することとなります。

・販売促進策は、商品広告はこれまでほとんどが新聞の折込チラシでしたが、新聞の購読者数が減少傾向にあるので、テレビCMやWEB広告にシフトしています。

・また、2017年2月には、ギフトを贈る側・贈られる側双方にとってご利用いただきやすい「西松屋チェーンギフトカード」の取り扱いを開始し、新たなギフト需要の取り込みを図っています。

・その他、最寄り店舗の検索や商品の動画説明機能を備えた「西松屋アプリ」や、お得な情報やキャンペーンなどのお知らせを定期的に配信する「西松屋LINE公式アカウント」も提供しています。

・インターネット販売は、2017年2月期は目標25億円だったところ、27億円の売上高を達成することができました。今後の戦略については、従来から出店しているWowma!(ワウマ)と楽天市場に加えて、2017年よりアマゾン、ショップリスト等のショッピングサイトにも出店を拡大しています。また、2016年12月には、インターネット販売専用の物流センターを開設し、そこを協力会社に委託して、配送時間短縮などのサービス面の強化に努めています。

 

  1. 株主還元

・2017年2月期の配当金は年間で1株当たり21円、配当性向は26.6%です。予想配当利回りは2018年2月期の年間配当予想の21円、2017年7月19日株価の終値1,172円から計算すると1.79%となります。

・2011年2月期から2016年2月期まで、年間配当金は19円でした。2017年2月期は、現状の業績をふまえ、中間配当金、期末配当金をそれぞれ1円増配し、年間配当金を1株あたり21円としました。2018年2月期においても、前期同様、中間配当金10円、期末配当金11円、年間予想配当1株あたり21円を予想しています。

・自己株式の取得については、2013年は3億円、2014年8億円、2015年と2016年はそれぞれ6億円と、過去4年間に計23億円、223万株の自己株式を取得しました。2017年も4月に、5億円で41万株の自己株式取得を実施しました。それにより、第1四半期末現在の自己株式数は、発行済株式総数の7.6%に当たる529万株となっています。

・これらの総還元性向〈(年間配当総額+自社株取得総額)÷当期純利益×100〉は、安定配当と継続的な自己株式の取得により、2017年2月期は38.4%となりました。直近2期は低下していますが、今後とも株主様への還元を積極的に行い、総還元性向の引き上げに努めてまいります。

・株主優待制度について、通常の優待制度では年2回、2月20日と8月20日を基準日として、保有株数に応じた優待金額相当のお買い物カード「株主ご優待カード」を贈呈いたします。

・また、長期保有優遇制度も設けています。当社の株式を3年以上継続して100株以上お持ちいただいた場合には、年1回、2月20日を基準日として、優待金額を通常の優待制度分に上乗せすることとしています。なお、長期保有優遇制度は2020年2月20日の基準日からの実施であり、それまでは通常の優待制度のみの実施となります。

・従来、株主様には、優待金額相当の紙製の金券を贈呈していましたが、2017年8月20日基準の贈呈分から、優待金額を入金したプリペイドカード形式の「株主ご優待カード」を贈呈することとしました。紙製の金券の場合、券面金額未満のお買い上げの際にお釣りをお渡しできませんでしたが、プリペイドカード形式なら入金された優待金額を無駄なくご利用いただくことができます。「株主ご優待カード」の有効期間は、中間配当または期末配当の支払い開始日から6ヶ月間となっています。

・当社株式にご投資いただく際のリターンの目安として、1年間の予想配当金と優待金額から還元利回りを計算いたしますと、例えば、7月19日の終値1,172円で100株ご購入された場合、1年間の予想配当金が2,100円、優待金額が2,000円となりますので、還元利回りは 3.50%となります。

・こちらは過去5年間の当社の株価推移です。直近1年間は下げ基調となっているものの底堅く推移しております。また、5年という長期間で見た場合にも、上げ下げを繰り返しながらも堅調に推移しております。

 

  1. 質疑応答

Q1. 今後の少子化を見据えた戦略を教えてください。

A1. 2兆円という市場規模の中で、まだまだ視野を拡大していくという余地はあると考えています。ベビー・子供業界は他業体ほど競争は激しくないものの、ショッピング政策、ドミナント戦略で出店していくことでその地域を活性化していくこと、また、他社と差別化した本当に消費者に納得していただける商品を開発することで、競争に勝っていきたいと考えています。少子化と言われる中で事業に取り組み、22期連続増収を達成してきましたが、今後も限られた条件の中で当社の持ち味を生かしてシェアを拡大していきたいと考えています。

 

Q2. 貴社にとっての競合他社はどこになりますか。

A2. 株式会社セブン&アイホールディングスの傘下に入っている「アカチャンホンポ」の株式会社赤ちゃん本舗、ベビー用品「Birthday」を展開している株式会社しまむら(ファッションセンターしまむら)の2社が強敵です。最近は、株式会社ファーストリテイリングの「ユニクロ」、株式会社ジーユーの「GU」などが子供服を低価格で販売しているので、こちらも競合社かと思います。

 

Q3. 為替の変動は御社の業績にどのような影響を与えるか。教えてください。

A3. 当社商品の約3割は直接輸入しているので、その仕入れコストはダイレクトに影響します。円高であれば仕入れコストが削減でき、円安に振れればその逆となります。また、商社などベンダーから仕入れて輸入している商品については、少し遅れて仕入れコストの上下に影響します。極端な円安になると対応が難しいですが、3ヶ月、半年と徐々に円安の影響が出てくる場合は、適切に対応していきます。

 

Q4. 将来的に海外への出店は視野に入れてますでしょうか。また、出店するならどこの国に出店されますか。

A4. 数年前に一度、試験的に韓国に2店舗を出店したのですが、準備不足で1年足らずで撤退してしまいました。現状では国内の勢いを活性化することに注力していき、それからまた海外進出を考えたいと思います。実は今、ある商社と協業して、プライベートブランドの商品が中国でどこまで通用するか、実験的にインターネットで販売をしています。日本での出店形態のように多店舗展開するイメージはまだありませんが、このような形で海外での商品の販売を考えています。

 

Q5. プライベートブランドの最近のヒット商品は何でしょうか。

A5. 数年前から当社に技術者が入ってプライベートブランド商品を売り出し、その中で売れ筋商品が出てきました。2,999円で発売したバギーが当社のPB商品第1号で、15万台以上売れるヒット商品になっています。また、床のフローリングに敷く組み合わせマットは、累計で500万セット売れるほどの勢いです。最近では、赤ちゃんの落下防止を考えて肩ベルトを付けた抱っこひもや、グラスファイバー製の傘などがよく売れています。

 

Q6. 今期の業績予想では、売上高の増収率4.9%増に対して営業利益の増収率が10.7%増と高いですが、その理由を教えてください。

A6. まず、プライベートブランド商品の利益率は仕入れ商品に比べて非常に高くなります。PB商品売上高全体に占める比率は年々増加し、2017年2月期は 7.3%にまで上がってきています。2018年2月期は、その構成比をさらに上げていくことを目指しています。もう1つは、最近在庫コントロールが進み、季節性のある商品の値下げロスを減らすことができるようになったので、粗利率が改善できると見込んでいます。また、販管費の削減については、1人につき10分、15分の労働時間を削減するだけで、900店舗全体では非常に効果があると考えています。

 

以上

 

 

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