株式会社ティア(2485)
開催日:2017年9月6日
場 所:江陽グランドホテル(仙台市青葉区)
説明者:代表取締役社長 冨安 徳久 氏

 

1. 会社概要
・ 私は資産家の息子でも葬儀屋の息子でもありません。小さい頃から祖母と両親に「人のために生きなさい。人のために役立つ仕事に就いたら幸せだ」といわれてきました。大学生になった18歳のとき、葬儀屋でアルバイトをしました。今考えると運命的な出会いがありました。
・ 葬儀を執り行ったご遺族から「冨安さんは若いのに、うちの親のために、こんなに一生懸命やってくれてありがとう」と感謝されたのです。仕事の報酬はお金だけではありません。「ありがとう」という言葉も大切な報酬だということを、この仕事が教えてくれました。
・ 誰もが通る道である死を忌み嫌う人もいます。別れは悲しいものですが、死も人生の一部だと、きちんと受け止めている人もいます。
・ 突然亡くなる人、理不尽な事件・事故に巻き込まれた人などのご遺族にも真摯(しんし)に向き合ってきました。いろいろな形はありますが、過去の命から今の命、そして未来の命につながっていくことを知りました。どんなに葬儀が簡素化されても、死を受け止めないような送り方をしてはいけないと思います。
・ 最初に勤めた会社では「亡くなった人がいることをもってビジネスをさせていただいているのだから、絶対に分け隔てをしてはいけない」と教えられました。
・ 2番目に勤めた会社では流れ作業のように葬儀に取り組んでいました。30歳でマネージャーとして何店舗かを率いているとき、「生活保護者や行き倒れの人などお金を持ってない人の葬儀はやるな。お金を持っている人だけを相手にすればいい」という方針が打ち出されました。発表されたのが会議の席だったので、机をたたいて「それだけはしてはいけない」と訴えました。それが独立創業のきっかけになりました。
・ 「ご遺族のために大切な人を適正な価格で送れるようにしよう」と思い立ったのが30歳のときです。自宅に「余命10年」と張りました。40歳までの命だと思い、その下に「独立創業に向かう」と書きました。だからこそ、私は37歳で独立できたと思います。
・ 従来とは違うシステムで戦うので、「ゾウにアリが立ち向かうようなものだ」といわれました。業界の在り方自体に疑問を持っていたので、独立開業は既存業界への挑戦の開始でした。案の定、最初は業界の圧力が大変でした。
・ ひたすらご遺族のために取り組んできた結果、新興市場とはいえ創業8年11カ月で東海地区で上場、16年目で東京証券取引所一部上場を果たしました。葬儀業界では2社目、葬儀しか扱っていない会社で東証一部上場を果たした企業は当社だけです。
・ 死を扱う者として一番大事な部分を失わず、命のつながりの尊さをどこまでも尊重しながら、統一ブランド・価格で全国に展開したいと考えています。
・ IR情報のメール配信サービスを開始しました。適時開示情報やプレスリリースなどに加え、会館のオープン告知、イベント、キャンペーンなどのPR情報を配信しています。
・ 当社は「最期のありがとう。葬儀会館TEAR」というコミュニケーションスローガンを掲げました。3つの「ありがとう」を集めています。
・ 1つは故人様の「ありがとう」です。最期の場面でご遺族に送られていくなか、話すことができないはずの故人様の「ありがとう」の声が聞こえます。
・ 2つはご遺族からの「ありがとう」です。
・ 3つは、われわれが一生懸命、故人様・ご遺族のために尽くしたことで参列者の皆さまからいっていただく「ありがとう」です。
・ 社名のティアは英語で涙を意味します。名前だけでは葬儀屋とわかりません。今でも99.99%が一族経営である旧態依然とした業界とは一線を画すという意味も込め、社名にしました。
・ 愛知県名古屋市に本社を構え、資本金は11億5,900万円、従業員数は375名です。
・ 愛知県を中心に直営・フランチャイズで葬儀会館を運営、葬儀施行全般や各種法要などを請け負っています。出店エリア内であれば、寺院・集会場・自宅などでも行っています。
・ 2014年に東京証券取引所と名古屋証券取引所の第一部へ上場、2015年には売上高100億円を達成しました。2016年には新たな出店モデルとなる「葬儀相談サロン」を開設、東京都内への進出を果たしました。
・ 会館は1都1府7県に92店、うち直営は51店、フランチャイズは41店です。
・ フランチャイズ事業のモデルとしては異業種企業に葬儀業界への参入ノウハウを提供し、総合的な人財育成、スーパーバイザーによる支援、葬儀付帯品の販売などを行っています。
・ 創業時から一貫して明瞭な価格体系を維持、「ティアの会」の会員を中心に一般葬儀を請け負っています。
・ 東海地区では「プレミアムティア」というかたちで、社葬にも本格的に進出しようとしています。もともと年に数回は行ってきたのでノウハウはあり、組織的に社葬・合同葬に取り組むことにしました。
・ 当社の強みは第1に徹底した人財教育を通じて、生涯スローガンである「目指せ! 日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」を全社員に浸透させている点です。
・ 第2に、サービス(おもてなし)、価格、利便性で業界に先駆けた優位性を築きました。
・ 第3に、直営・フランチャイズの会館を一定の地域に集中して展開するドミナント出店により、商圏内での知名度向上を図り、新たに開設した会館の早期収益化を実現しています。
・ 第4に、急成長している葬儀社としてメディアからの注目も高く、新聞・雑誌・テレビなどで紹介される機会が多いことです。映画『おくりびと』のヒットで、『カンブリア宮殿』という番組で取り上げられました。同番組で紹介された葬儀社は当社だけです。

 

2. 戦略の基本方針
・ ドミナント出店による利便性の向上、徹底した人財教育によるサービスの向上、明瞭な価格体系による葬儀費用の明確化の3つを戦略の基本方針とし、直営・フランチャイズ出店による徹底した差別化戦略を展開しています。
・ 1つ目の戦略は利便性です。充実した設備を有する葬儀会館を直営・フランチャイズで多店舗展開。一定の地域に集中して出店することで相互補完性を高め、約70%の稼働率を実現、商圏内で高いシェアを獲得しています。
・ 2つ目の戦略は価格です。入会金1回のみで葬儀に関するさまざまな特典が受けられる独自の会員システム「ティアの会」を設け、会員数は30万人を超えました。ティアの会と同等のサービスが受けられる提携団体の拡充も進めています。企業の福利厚生の一部として組み込んでいただければ、3親等まで特典が受けられます。葬儀売上高の約9割がティアの会と提携団体によるものです。
・ 3つ目の戦略はサービス(おもてなし)です。当社は人財教育機関として社内にティアアカデミーを設け、技術教育だけではなく、徳育、命の教育も行っています。社員の経験やスキルに応じて、等級別に社内検定試験も実施。独自の人財教育システムにより社会人としての成長を促し、強い組織集団を実現しました。
・ 葬儀における差別化戦略として当社が積極的に執り行っているのが感動葬儀です。感動がないとリピーターは生まれません。次の葬儀まで10年、20年たっても忘れない葬儀にすることが重要で、「おじいちゃんと同じように、やってもらいたい」といわれることを目指しています。人がすべての業界、人が最大の差別化になる業界です。資本力にものをいわせて多数の会館を造っても、うまくいくとは思えません。
・ 当社では「ティアイムズ」と呼んでいますが、出勤から退勤するまで徹底的に故人様とご遺族のために尽くします。故人様それぞれに応じたオンリーワンの葬儀を提供できる瞬発的な対応力が感動を生み、何年経っても忘れられず、リピーターとなります。
・ 人は人に感動して、その企業のとりこになります。お客さまは社員に感動して、その企業の永久顧客になっていきます。これが今後のビジネスの神髄でなければいけないと心から思っています。

 

3. 業績動向と今後の見通し
・ 売上高・利益ともに順調に推移しており、2016年9月期は売上高105億9,400万円、経常利益10億7,200万円、当期純利益は7億1,200万円でした。
・ 2017年9月期第四半期決算では売上高は上場以来11期連続の増収、営業利益・経常利益・四半期純利益は4期連続の増益となりました。
・ 総資産は111億7,900万円、負債合計は51億1,900万円、純資産合計は60億6,000万円で、自己資本比率は54.2%となりました。
・ 2017年9月期は売上高が前年同期比7.8%増の114億2,000万円、営業利益が7.3%増の117億5,000万円、経常利益は7.2%増の 11億5,000万円、当期純利益は7.4%増の7億6,500万円と予想しています。
・ 売上高は既存店の増収見通しに加え、新店稼働やフランチャイズ事業の増収効果を見込み、8億2,500万円の増収を予想しています。
・ 経常利益は積極的な販売促進や中長期を見据えた人財確保などにより経費の増加が見込まれるものの、売上高の増収効果で7,700万円の増益を予想しています。
・ 業績予想に近づけるためには出店を予定どおりに行う必要があります。2017年9月期は滞りなく出店しましたから、業績予想を、ほぼ達成しました。
・ さらに、20周年キャンペーンを積極的に展開したことで、会員数が大幅に増えました。会員は未来の顧客になります。
・ 団体契約も増えました。会社の福利厚生の一環として、多くの特典がつく丁重な葬儀で大切な人を送ることができます。

 

4. 取り巻く環境と業界動向
・ 葬儀に関する需要は人口動態を背景に増加傾向で推移し、ピークの2040年には現在の1.3倍の水準にまで拡大すると予想されています。さらにピーク以降、死亡人口は減少傾向となりますが、それでも現在の約1.2倍の水準で推移すると予想されています。
・ 直近の葬儀件数は1.9%増、葬儀単価は 1.7%減でした。
・ 事業所数も減少、全国で 8,550事業所となりました。資本金1億円以上の事業所は 5.5%にとどまっています。
・ 全体の約94%が個人葬儀社です。大半が同族経営で、自前の会館は用意できず、対応力が弱いことから、どんどん自主廃業もしくは倒産しています。
・ 業界形成がスタートした頃、葬儀社の役割は葬儀道具の賃貸が一般的でした。都市部への人口集中や居住環境の変化などで専用会館での葬儀が一般化し、最近では少子高齢化を背景に葬儀スタイルが多様化し、家族葬ニーズが高まっています。
・ 業界の新たな潮流として、終活関連情報ビジネスへの参画やライフエンディング・サービスへの転換などが求められています。さらに、高齢化社会を背景に葬儀の小規模化や直葬・福祉葬が増加すると予想されます。
・ 葬儀前・後のことに関してもトータルにサポートすることが求められています。
・ 当社が全国1,000名の男女を対象に行った葬儀に対する意識と実態調査の結果から、葬儀は大切な人を送る儀式であるとともに、家族や友人など残された人の気持ちに区切りをつける貴重な機会であることがわかりました。
・ 家族内での葬儀についての話し合いも十分とはいえません。今後も会館イベントや講演を通じた啓蒙活動を積極的に行う必要があると判断しています。
・ 大切な友人の葬儀に呼ばれなかった方が3割近くいました。例えば、妻が夫の友人を知らず、家族葬ならば安くできるということで実施することがあります。
・ 私は83歳の父親を5年半前に亡くしました。父は大学ノートに、いろいろなことを書き残していました。旧制中学の同窓生名簿が張ってあり、「自分にもしものことがあったら、このメンバーには必ず連絡してほしい」と書かれてありました。通夜の席では同級生たちから父の世話になったことを感謝され、父の生きざまを教えられました。連絡できなければ、彼らは最期のお別れができなかったことを後悔したと思います。
・ 遺言で家族のみと書いてあれば故人の意志を尊重すべきですが、そうでなければ、最期のお別れがしたい人に集まっていただき、命のつながりを大事にしていただきたいと願っています。

 

5.  中期経営計画
・ 「オンリーワンブランド ティア」のスローガンのもと、ローリング方式による中期経営計画を策定しています。
・ 計画最終年度となる2019年9月期で売上高128億円、経常利益13億2,000万円、当期純利益8億8,000万円の数値目標を掲げました。
・ 出店は直営4店、フランチャイズ5店、合計年9店を予定、計画最終年度には直営59店、フランチャイズ54店、合計113店の体制が整います。
・ 中部地区では愛知県・岐阜県・三重県で69店を出店、ドミナントを形成しています。名古屋市内の火葬上の占有率(シェア)は22.4%を獲得。高い知名度を背景に、新規会館の早期収益化を実現しました。今後も中部地区を経営の核として、直営・フランチャイズ合わせて年4〜6店の出店を計画しています。
・ 多様化する葬儀ニーズに対応するべく、年2〜3店の既存会館改修を計画。葬儀が小規模化していくなか、式場兼親族控室の増設、式場の間仕切りの変更などを実施します。
・ 関東地区では埼玉県に2012年9月、ティア越谷、翌年、ティア鳩ケ谷を開設しました。2015年末より神奈川県・茨城県にフランチャイズ店をオープン、さらには東京都内向けの新たな出店モデルとして「葬儀相談サロン ティア日暮里」を2016年8月にオープンさせました。
・ 今後も関東地区では積極的な多店舗展開を図り、早期に直営・フランチャイズ・葬儀相談サロンあわせて20店体制を目指します。
・ 都内は地代・家賃は高いものの、葬儀単価は全国平均を下回る水準であるため、会館を出店しても収益化まで時間を要します。都内の火葬場は葬儀式場を併設、寺院などの貸し式場も充実していますから、貸しホールを利用して葬儀を請け負うことが可能です。さらに当社が独自に行ったアンケート調査によると、関東で葬儀社を決定した理由は「インターネットから」が多く、「家から近い」は下位でした。
・ 都内の葬儀事情を勘案し、営業拠点として葬儀相談サロンを多店舗展開し、事前に囲い込んでいくことが有効であると判断。2017年、2号店のティア町屋をオープンさせました。
・ 中部地区では高い知名度を有し、新規会館の早期収益化を実現。関東・関西地区への進出も果たし、収益化のメドも立ちつつあります。今後も中部地区では積極的な出店攻勢をかけて経営基盤を強化し、関東・関西地区での収益化と出店加速の体制を整備します。
・ 直営・フランチャイズによる中長期の出店方針に加え、環境変化への対応と戦略の基本方針のブラッシュアップを推進することで、中長期目標である会館数200店体制も視野に入ってきました。売上高165億円の早期実現も可能と判断しています。
・ 関西は名古屋市の3〜4倍、関東は名古屋市の5〜7倍のマーケットがあります。毎年、130万人以上が亡くなっており、当社は2017年、約1万3,000件の葬儀を担当します。ほぼ日本一葬儀を扱っている会社になりました。関東では6店舗、関西では17店舗目がオープンしたばかりですが、すでに日本一なのです。他の業者は地場産業が多く、全国的なシェアを争う競合ではありません。
・ あるアナリストによると、名古屋市で20%のシェアがあれば、全国でも20%のシェアを確保できるそうです。2兆円産業だとしたら、4,000億円の売上規模になります。やってやれないことはないと思っています。
・ この業界には確立したブランドがないので、ティアというオンリーワンの統一ブランドを真っ先につくり上げていく考えです。

 

6. 株主還元
・ とにかく安定配当を基本方針とし、業績向上時には利益還元を積極的に行う方針です。
・ 2016年9月期の配当金は1株につき6円、2017年9月期の中間配当を含む年間の配当は8円を予定しています。20周年ということもあり、2円増配する予定です。
・ 株主優待制度は毎年9月30日現在の株主へ、保有株式数に応じて、選りすぐりのお米を3kg、5kg、10kg贈呈しています。
・ 個人葬儀社は減り続けている一方、全国展開を考えている競合はおりません。2040年に死亡人口がピークになるので、当社はさらに成長していけると考えています。
・ 「ティアに頼めば間違いない。経済的に困窮している人たちにも対応してくれる」といわれるように、「たった1人のご遺族しかいなくても、仏様しかいなくても、自分がご遺族だと思って送ってあげるように」と社員を指導しています。分け隔てなくお送りする思いを全国に広げていきます。
・ 死も人生の一部です。死があるからこそ限られた命になり、今ある時間を大事にするようになります。学校でも家庭でも教えてくれなかった、この死生観を葬儀社として今後も発信し続けていきたいと考えています。

 

7. 質疑応答
Q1. 関東・中部・関西エリア以外の展開は計画されていますか。
A1. ひとつはフランチャイズ、もうひとつはM&Aという手法も使い、できるだけ早く主要都市に展開したい。ただ、順番としては関西・関東で基盤を固め、次に岡山市、広島市、仙台市、札幌市などに進出することを考えています。

Q2. 福祉葬について教えてください。
A2. 生活保護者が亡くなったとき、行政の保護係や民生委員から連絡がきます。基本的には、どの葬儀社も受けなければいけませんが、儲からないから受けないところもあります。当社は積極的に受けています。名古屋市の場合、行政から20万円前後頂けますから、その範囲内で最大限のことをするようにしています。市町村によっては10万円しか出ないなど生活保護者に対する葬祭扶助の内容は異なります。どんな内容であっても全面的に対応していくのが福祉葬です。

                                                   以上
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