サムティ株式会社(3244)
開催日:2017年9月2日
場 所:シティプラザ大阪2階「旬の間」(大阪市中央区)
説明者:代表取締役社長 江口 和志 氏

 

1. グループの概要
・ 企業の永続性を図るためには、理念がしっかりしていないと、と考えています。当社グループの経営理念は「倫理、情熱、挑戦 そして夢の実現」です。事業会社なので情熱をもって挑戦するのは当然ですが、当社は倫理を第一にあげ、倫理観を持って事業に取り組んでいます。不動産業は参入障壁が低く、いろいろな方が参入される事業ですが、利益だけを追求してコンプライアンスをおろそかにすると、会社の永続性は図れません。当社は倫理観を持って事業に臨み、優れた住環境を演出するなかで、すべての人々の夢の実現を目指している会社です。
・ 会長・森山茂と社長・江口和志の2人が代表権を持っています。1982年に設立し、本社は大阪市淀川区西中島にあります。当社は創業の地も新大阪で、その後も新大阪周辺で本社を移転し、現在に至っています。また、2011年の東京支店開設を皮切りに、5年間かけて福岡、札幌、名古屋に支店を開設しました。
資本金は77億4,700万円、総資産は1,399億9,500万円(2017年5月末現在)です。決算期は11月末です。事業内容は不動産事業、不動産賃貸事業、ホテル事業を含むその他の事業の3つです。2015年10月、東京証券取引所市場第一部に市場変更しました。従業員数は、昨日現在グループ全体で約180名です。
・ 当社の沿革は、1982年設立、2007年7月に大阪証券取引所「ヘラクレス」(現東証JASDAQ)に上場しました。2015年6月、当社がスポンサーを務めるサムティ・レジデンシャル投資法人(3459)が、東証J-REIT市場に上場、同年、当社サムティ株式会社も東証一部指定となりました。
その間、2006年にはビジネスホテルを運営するサン・トーアをM&Aで取得しました。サン・トーアは、創業125年、明治の実業家・渋沢栄一氏が設立した会社で、東京・茅場町と大阪・淀屋橋に2つのビジネスホテルを運営しています。
2011年12月、総合不動産会社を目指すなかで、リーシングや管理を行うサムティ管理株式会社(現在のサムティプロパティマネジメント株式会社)を設立しました。2012年11月には、J-REIT市場進出を見込み、サムティアセットマネジメント株式会社を100%子会社化しました。
支店展開として、2011年に東京支店、2012年に福岡支店、2015年に札幌支店、2016年に名古屋支店を設けました。
・ グループ構成は、サムティが本体となり、サムティアセットマネジメント、サムティプロパティマネジメント、サン・トーアでグループを形成しています。
サン・トーアはホテルの運営会社ですが、ビジネスホテルなので、安定収入が期待できます。当社がホテルを開発し、サン・トーアが運営したり、サムティ・レジデンシャル投資法人(3459)へ供給するといったことも可能です。
J-REIT上場企業のサムティ・レジデンシャル投資法人(3459)は、当社と資本関係はありませんが、当社がスポンサーを務めています。当社の新築物件や築年数の浅い中古物件をバリューアップし、リートに売却し、リートの成長を図る。このような形で、グループの総力をあげて利益を高めていきたいと考えています。

 

2.ビジネスモデル
・ ビジネスモデルのポイントは創業時から重きを置いている不動産賃貸事業です。それは安定的な収益が必要だと考えているからです。事業を長年継続していると、不況もあります。私も当社もバブル経済やリーマンショックを経験し、その時に、足元の業績がしっかりしていない会社は倒産していくのを見ています。
銀行系や電鉄系の不動産会社は、不況を乗り越えていくことができたのですが、独立系の会社は、現金を継続的に得る事業がないと、生き残れません。というのは、会社は赤字でも倒産しませんが、資金繰りが行き詰まると黒字でも倒産します。したがって現金と資金繰りとても重要なのです。
よく言われる「日銭の入る商売は強い」ということです。不動産事業においてそれに近いものは賃料収入です。1日、1日の積み重ねが30日になり1ヶ月分になります。店子、入居者のかたは家賃をきちんと払うので、景気の良し悪しに関わらず家賃収入はそれほど変化がありません。特に賃貸マンションはリーマンショックの時もほとんど変わりませんでした。これがビルの場合、リーマンショック時には、東京本社の会社が大阪支店を畳むようなこともあり、家賃が下がる要因になります。
私も学生時代、アパートで一人暮らしをしていましたが、仕送りが届くと、まず最初に大家さんに家賃を払いました。家賃を払わないと放り出されると思っていました。そのような考えが多少なりとも根本的にありますので、賃貸マンションの賃料収入は不況の時でも安定した収益となり、当社の事業の下支えになります。これがストックビジネスです。
不動産事業は不況の時だけでなく、もちろん好況の時もあります。その時は、土地を購入、賃貸マンションを開発、売却し、大きな利益を得ることができます。このフロービジネスとストックビジネスのバランスを常に注視していかないと、会社の永続性が図れないと考えています。
当社は現在、不動産事業が活況で業績も好調です。ワンルームをメインとした収益性のある物件を開発し、保有もしくは売却しています。このような物件は富裕層の方々が相続税対策として購入されています。また外国企業も購入しています。
これらのフロービジネスと賃料収入のストックビジネスとのシナジー効果で、会社を成長させていこうと考えています。
・ 当社の売上高推移を見てください。2008年にリーマンショックが起こりました。当社上場の翌年で、今までに経験したことがないような衝撃がありました。時間は掛かったものの何とか乗り越えることができた理由は、50億円前後の安定した家賃収入(不動産賃貸事業)があったのと、保有する資産を売却していくこともできたからです。
2013年以降は不動産事業が大きく伸びました。当社の不動産事業は、土地を購入し、賃貸マンションを開発し、売却して利益をあげます。またあるいは中古市場の建物を安く買い、バリューアップし、売却して利益をあげます。売却先の中心は富裕層や外国企業となるこの2つが不動産事業の柱です。そのために、当社には独自のPM(プロパティマネジメント:賃貸担当)がおり、設計部署も持っています。
現在は、マイナス金利によるアベノミクスの影響で、不動産業界も景気が良くなっています。不動産会社は借入れを伴う事業なので、マイナス金利は非常に有利になります。また当社の物件を購入するお客様も、低金利で融資を受けることができます。銀行も不動産融資に積極的に参入しているので、35年の長期融資が可能です。毎月の返済額+利息を家賃収入が上回り、お金が余るような状態になっており、不動産事業は今活況を呈しているといえます。
そのような状況下、当社は、不動産事業と不動産賃貸事業がバランスよく行われており、当社の成長を加速させています。
・ 当社の保有資産分布において、地域的なシェアは、順に、本社のある関西地区(約39%)、福岡支店がある九州・四国地区(21.8%)です。他は札幌、名古屋、東京などに資産を保有しています。首都圏は利回りが低いため、11.2%と他地区よりも少なくなっています。
当社の考え方は、利回りが一定基準を超えていないと、将来的に金利が上がった時や不況時に支払が難しくなるため、全国一定の利回り基準を設けています。
今、利回りが高騰している東京では、いくつか保有資産はありますが、増やしてはいません。一方、東京では土地を購入して建物を建てて売却する事業が大きく伸びています。よく「東京で土地を買うのは難しいのでは」という質問を受けますが、当社はワンルームマンション向けの100坪程度の土地が中心です。ファミリーマンションが中心の大手は100坪程度の土地には手を出しません。よって大手と競合しないので、当社はスムーズに購入できています。ライバル企業は多くなく、今期も予定通りに購入できています。また東京は、横浜から千葉・埼玉を含む広いエリアでビジネスができ、関西よりも商圏が広いことが、用地の選定を容易なものにしています。したがって首都圏では保有資産は少ないのですが、不動産事業は伸びています。
九州では地方銀行の競争が盛んで、金利が安く、不動産融資にも積極的です。そのために多くの保有物件があります。北海道も札幌を中心に保有物件があります。
「地方は大丈夫ですか」ということをよく言われます。しかし、当社がスポンサーとなっているJ-REITのサムティ・レジデンシャル投資法人(3459)も地方物件が中心で、東京は2割程度です。地方の田舎は過疎化が進んでいますが、中核都市には、人口の流入があります。そこには官庁も会社も病院もあります。そこに物件を持つと稼働が良いのです。大阪で持つよりも地方のほうが、稼働が良いのではないかと思うほどです。また地方では医学部のある大学の近くに多くの賃貸マンションを保有しています。こういった物件は、家賃も高く延滞がほとんどありません。卒業により次の人が入居するようになるので、100%近い稼働が期待できます。したがって地方が全部ダメなのではなくて、地方の中心部や特徴のあるところなら、家賃収入も安定し、稼働率もいい。当社はそういうところを集中的に保有し、収益を増やしています。

 

3.事業内容の紹介
・ 不動産賃貸事業の構成は、売上高の約半分くらいが賃貸マンションですが、一部オフィスも保有しています。また商業施設や倉庫にも取り組んでいます。賃貸事業はほぼ100%の稼働ですので、安定収入が期待できます。将来的には、賃貸マンションで50%、オフィスで25%、商業施設等で25%という資産構成を目指しています。
不動産は市況が良い時に売却しないと、希望する高い値段では売れません。下がり始めると希望する値段での売却はほとんど不可能になります。今は特にビルの値段が上がっているので、一部売却して、新しいビルへの買い替えを進めています。
家賃収入の推移は、前期は71億円で、今期は72億円を目標にしています。
・ 賃貸マンションの稼働率を見ると、2017年第2四半期末で90%です。同じタイミングで空の物件を3つ購入しているので、全体の稼働率で見ると少し下がっていますが、これまでずっと95〜97%で推移しています。
・ 不動産事業において、「開発流動化」というのは土地を買って新築物件を作る事業です。「再生流動化」は中古物件を買って転売するものです。「投資分譲」は投資販売会社に物件を卸している形です。特に今期は、再生流動化物件が多く伸びています。中間期の売上高では、前年80億円だったものが、今期は200億円に増加しています。バリューアップによる転売という流れが非常にうまくいっていると言えるでしょう。

 

4.中長期経営計画「Challenge40」
・ 2016年11月期に5年間の新たな中長期経営計画「Challenge 40」を設定しました。東京オリンピック・パラリンピックの年、2020年11月期に完結する計画です。
売上では1,000億円水準、経常利益は100億円水準、EPS(1株当たり利益)が300円以上、ROE 15%以上、ROA 7%以上、自己資本比率30%以上を目指しています。
ここ数年の当社の状況は、本社以外に4つの拠点の開設、東京証券取引所市場第一部に指定、J-REIT市場への進出と変化がありました。事業環境面でも、日本銀行によるマイナス金利、インバウンド需要と変化しました。そこで2013年に発表した10年計画の中長期経営計画を短縮して、昨年、この新たな中長期経営計画「Challenge 40」を設定しました。
・ 今、不動産業は非常にいい時期を迎えています。そこで売上をどんどん伸ばすという選択肢もありますが、中長期経営計画では財務体質を強化し、本当にいい会社にしていきたいと考えています。目標数値はROE 15%以上、ROA 7%以上、自己資本比率30%以上。配当性向も30%を目指します。そのために倍々ゲームで増やすのではなく、資金も貯めながら、会社の内容を強くする。ある程度、借入れも返済していきたいと考えています。
不動産業は借入れしながら事業を進めているので、総資産と利益のバランスで、ROA(=営業利益÷総資産)7%を大きな目標としています。
・ 中長期経営計画の5年間で3,000億円の資金を投じ、北海道から九州まで支店ごとに計画を持ち、目標達成を目指します。収益不動産は賃貸マンション等により家賃収入をあげていく事業です。再生不動産は中古物件を買いバリューアップして販売する事業です。「S-RESIDENCE」は当社が得意とする大型のワンルームマンションで、このブランド名で大阪市内にも何ヶ所かあります。これらは保有もしくは売却により大きな利益を得ていきます。投資家向けのワンルームマンションは投資会社に1棟で卸す物件です。
また、当社ブランドの「S-PERIAホテル」でビジネスホテルを開発・運営していきます。来年3月に博多駅前で287室ある第1号物件がオープンします。その他にも用地を取得しているので、ホテル事業を今後伸ばしていきたいと考えています。インバウンド需要も考えていますが、駅から近く、視認性があり、ホテルの需要のあるところを選んで進出したいと思います。例えば大阪でも、御堂筋から1〜2本入るような立地もありますが、視認性の点から考えると、大通りに面していないと、ホテルとして長期の稼働は見込めないのではないかと考えています。今、考えているのは京都です。京都はホテルが少なく、体格のよい外国人観光客も多い。そういう方の需要に応える広めで、かつラグジュアリーホテルほど高額ではないホテルを、京都駅や四条烏丸近く開発・運営したいと思っています。

 

5.株主還元・株価推移
・ 2017年11月期の中間期は業績の伸びが良く、業績予想を上方修正しました。2016年11月期の配当金は1株当たり33円でした。2017年11月期の期初は3円増配の36円を目標にしていました。中間期の上方修正によりさらに6円増え、配当は42円を予定しており、期初から9円の増配になります。
・ 一番に目指すのは、業績の向上による株価の上昇です。と同時に、配当でも還元していきたいと考えています。
・ 当社が東京と大阪で、ここ2年間、開発・販売を計画している新築ワンルームマンションは、43棟、3,082戸になります。
・ 何度も言っておりますが、不動産事業の現況は、当社のような家賃収入をあげる事業は非常に好調です。借り入れ金利が安く、利回りは高く、イールドギャップが取れるので、富裕層の方々や外国企業が多く購入しています。北米やヨーロッパの企業は、安い金利でファンドを組んで、ワンルーム物件を購入することから堅調に売れています。
しかしこの時期がいつまで続くのか。平成のバブル崩壊やリーマンショックを教訓として、おそらくある程度の規制はあるかも知れませんが、市場が大きく崩れるほどの規制は行われないと思います。また、2020年のオリンピックまでは価格が上がり、その後、多少のシュリンクはあると思いますが、今度は名古屋や東北での開発が進むと思います。そのため大きく下がることはなく、一定の高値のまま推移する。大きく相場が壊れるようなことはないのではないかと思います。

 

6.質疑応答
Q1 中長期経営計画の新たな数値目標設定を行ったとのことですが、見直し前との違いを教えてください。実現には何が最も重要だとお考えですか。
A1 中長期経営計画は、2020年までの5年計画を再度策定しました。売上高1,000億円以上、経常利益100億円等が最終目標です。利益を元に会社の成長や株主の皆様への配当も可能となるので、利益重視で考えています。これが達成できるのは、現状が続いた場合で、ドンッと不況が来るようなことは想定していません。しかし日本の事情で経済が悪くなることは考えられません。地政学リスクが大きいのではないかと思います。この目標値はそういうことがないことを前提に計画されています。

Q2 今後5〜10年を考えると新築物件は厳しくなるのではないかと思います。再生流動化が主流になるのでしょうか。競合が多い中で強みは何でしょうか。
A2 新築物件はその後中古物件になるので、それをバリューアップして転売していく事業が伸びていくと思います。しかし新築も需要があるので、そちらも伸びていくと思います。中古物件で言えば、今後、どんどん中古物件は増えていくので、どれだけ改修していくのかが、今後の大きなカギになると思います。
当社はそれらに関して、物件の取得から、設計、工事、賃貸付けやアセットマネジメントまで、グループ内の一気通貫ですべて対応可能です。それが他社と比べた時の当社の強みです。他社では、分譲のみや管理のみ、中古専門などがありますが、当社は不動産においていろいろな対応が可能です。

Q3 順調であればあるほど、人材の確保と教育が大事だと思います。御社の採用と教育について教えてください。
A3 採用については新卒採用も中途採用も行っています。また「柴犬まる」が登場するCMを、「カンブリア宮殿」で流すなど、知名度の向上に努めています。社員教育は総務部が中心になって行っており、各部署を短期間で経験し、適性を見極めた配属をしています。若手社員は一度、東京支店でも働き、東京のビジネスを知ってもらうことも必要ではないかと考えています。

 

以上

 

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