ダイトロン株式会社(7609)

開催日:2017年9月2日

場 所:大和コンファレンスホール(東京都千代田区)

説明者:代表取締役社長 前 績行 氏

 

1.会社概要

・当社は1952年に大阪市北区の天満で創業し、2017年で65年を迎えました。東京通信工業株式会社(現ソニー株式会社)の代理店として、テープレコーダーの販売から事業をスタートし、現在も新大阪駅の近くに本社を構えています。

・エレクトロニクス商社として出発した当社は、1970〜80年代に製造部門を設立し、製造から販売まで製販一体路線を推し進めることで大きく成長しました。特に半導体関連にフォーカスし、オリジナル商品の開発などの事業を行っています。2000年以降は、製版一体体制のグローバル展開を積極的に行っています。

・創業時の社名は大都商事株式会社です。その後、1998年には翌年の上場を見据えてダイトエレクトロン株式会社に商号を変更しました。

・2017年1月1日にグループ統合を行いました。ダイトエレクトロンと、製造関連を担っていた国内子会社のダイトデンソー株式会社およびダイトロンテクノロジー株式会社の3社が合併、社名をダイトロン株式会社としてスタートしています。

・「Daitron」は50年ほど前に商標登録し、以来使用し続けている当社オリジナル製品のブランド名です。メーカー部門を持ちオリジナル製品を育てたいという創業者の思いにより、ブランド名を商標登録しました。グループの統合を機会に社名とブランド名が一緒になることで、社員が愛着を持って仕事に取り組む体制が整ったと考えています。

・当社の企業理念(創業の精神)は、「きびしい仕事 ゆたかな生活」です。5つの行動規範「積極開拓」「創意工夫」「良識遵法」「精励勤勉」「友愛団結」とともに、創業当時から掲げています。また、上場を目指すにあたって制定した経営理念は、社員の自己実現を筆頭に、株主様、顧客、仕入先、社会に対する貢献を目指していこうというものです。

・そのため当社は、滋賀県に障害者の自立支援を行う公益財団法人ダイトロン福祉財団を設立し、16年間活動を支援しています。

・グループ統合により、2017年からカンパニー制で運営しています。製造機能を担うD&Pカンパニーには装置事業部門と部品事業部門があり、それぞれ開発と製造を行っています。商社機能を担うM&Sカンパニーでは、マーケティングや営業活動を行います。この2つのカンパニーが国内を中心に、海外子会社もサポートしながら事業展開しています。

・当社の従業員数は、連結で996名(2016年12月末現在)です。D&Pカンパニーに400名以上、M&Sカンパニーに約500名が従事しています。

・当社の国内販売拠点は、北は茨城から南は熊本までの15拠点、海外はアメリカ、アジアを中心に11拠点です。近年はアジアに集中して投資を行っています。製造拠点は国内に7工場、アメリカのネブラスカに1工場があります。

・当社の強みは、@製販融合路線のグループ編成、A先見力とマーケティング力、B業界トップクラスの物流サービス機能、C優良な顧客資産と口座数の多さです。

・@製版融合路線のグループ編成であることで、メーカー機能と商社機能が融合され当社のサービスに高付加価値を創出しています。

・商社として65年間活動してきた実績とノウハウの蓄積が、A先見力とマーケティング力となって当社の販売ネットワークと物流サービスに活かされています。

・当社は、自社開発の物流施設を新大阪本社と東京都国立市、海外は香港に構え、B業界トップクラスの物流サービス機能を持っています。

・C優良な顧客資産も当社の強みです。現在の顧客数は海外も含めて約5,000社で、うち主要取引先600社とは口座を持って取引をしています。

・また、パートナーであるメーカー等の調達先(仕入れ先)が多く、お客様のご要望に幅広く応えることができるのも、当社の特長です。現在、海外も含めて約1,800社(うち主要取引先は約200社)と連携し、幅広く事業を展開しています。

・当社の事業構成は、大きく分けて電子機器・部品分野と製造装置分野の2つです。安定経営と営業の効率化の観点から、売上高構成比の目標はおおむね電子機器・部品が75%、製造装置が25%としています。2017年12月期第2四半期の構成比は、電子機器・部品が約80%、製造装置が約20%でした。

・2017年12月期第2四半期の全体の総利益率は、22.3%です。また、商品セグメント別に総利益率を比べると、当社オリジナル商品の取り扱いが多い電子部品&アセンブリ部品、電源機器、情報システム、電子部品製造装置が比較的高くなっています。通常、商社の総利益率は8〜12%と言われますが、当社の総利益率が比較的高いのは、利益率の高い自社製品を取り扱っているためです。

・2017年12月期第2四半期のオリジナル製品の売上高比率は24.1%でした。また、海外売上高比率は、アジア地域での売上が貢献し17.9%でした。

 

2.取扱商品紹介

・当社の電子機器・部品分野は、「電子部品&アセンブリ商品」「半導体」「エンベデッドシステム」「電源機器」「画像関連機器・部品」「情報システム」の6つの製品群に分類しています。

・電子部品&アセンブリ商品は、売上高全体の構成比約30%を占める最大のセグメントです。様々な配線に使われるコネクタやハーネス、機器組立配線など、非常に需要の高い製品で、車両ハーネスはニューヨークの地下鉄にも採用されています。また、海洋開発や潜水調査船に使用する耐水圧コネクタといった特殊な製品も開発しています。

・半導体は、プリンタやプロジェクタ等に使われる画像ICなど特殊な半導体を中心に製造販売しています。

・エンベデッドシステムとは、各種電気機器の組み込み用ボードコンピュータシステムのことです。ネットワークと機器がつながるIoTの普及にともない、徐々に需要が高まりつつあります。

・電源機器では、特にデータセンターのUPS(無停電電源装置)に注力しています。また、ノイズの極めて少ない電源設備を自社開発し、電子顕微鏡や医療機器用として販売しています。

・画像関連機器・部品は、当社の売上高構成比の約23%を占める2番目に大きな商品セグメントです。当社は、マシンビジョン・システム(人の目の代わりに画像を認識し、位置決めや種別、計測、検査を行うシステム)を集中的に展開しています。マシンビジョンはロボットや自動機器、食品の検査機器に不可欠の電子機器です。近年は中国からの引き合いも多くなり、今後の成長が期待されています。

・情報システムは、Suicaなどの非接触ICカードの読み取りシステムやビデオ会議システムを扱っています。非接触ICカードシステムはソニー株式会社と連携して取り組んでおり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた需要の高まりに期待されています。

・製造装置分野は、各製造装置の製造物によって「フラットパネルディスプレイ(FPD)」「LSI」「電子材料」「光デバイス(OPT)」「エネルギーデバイス」の5つのカテゴリーに分類されます。

・フラットパネルディスプレイ製造装置関係では、近年注目度が高くなっている有機ELパネルの製造装置をはじめ、ELバックライト照明など、各種液晶パネルの製造装置や検査装置を扱っています。

・LSI製造装置では、半導体チップの選別や各種洗浄、ウェーハの移載梱包に使われる装置を扱っています。

・電子材料製造装置では、電子部品の素材となるシリコンウェーハやシリコンカーバイド、サファイア、ガラスなどを加工・製造する装置を扱います。当社の事業の中では、比較的売上高構成比の大きな事業です。

・光デバイス製造装置は、光通信ネットワークの普及やレイザーダイオード(LD)の照明器具への活用が進んできたことから、需要が高くなっています。当社ではLDを活用したヘッドライトに搭載されるデバイス向けの検査装置をオリジナル開発し、国内およびアメリカ、中国、台湾に販売しています。

・エネルギーデバイス製造装置として、太陽光発電に活用するソーラーパネルやシミュレーターの製造装置も一部進めています。

 

3.第9次中期経営計画(9M)

・当社は、ダイトロン株式会社として新たにスタートするにあたり、第9次中期経営計画(9M)を策定しています。当社の中期経営計画はこれまで3ヵ年ごとに立ててきましたが、長期的視野から今回は四年を計画期間とし、2020年12月期を最終年度に設定しています。

・長期ビジョンを考えるなか、まずはグループ・ステートメントを従来の“Coordinator for the NEXT”から “Creator for the NEXT”に変更しました。社内や仕入先様のリソースをコーディネートしてお客様に提供していたところから、今後は新しい価値を当社でクリエイトし市場に提供していくことを目指してまいります。

・当社の目指す姿は、まず「製販が融合した他に類を見ないユニークな企業」になることです。業界が将来的にどういった方向へ進むか誰しも簡単には予測できない現在において、生き残りをかけ成長するためにはユニークな企業であることは不可欠です。そして「業界にとってなくてはならない特徴ある技術・製品を有する企業」として、当社でしかできない技術・製品の有無が重要であると考えています。

・また、企業にとっての財産は社員です。「社員にとって働き甲斐があり、誇りに思える企業」であること、そして困難な状況でも団結して動くことができる「一致団結の強さと同時に自律能動的に動く組織」の構築を目指します。

・第9次中期経営計画中ではありませんが、将来的には連結売上高1,000億円を達成することが目標です。これまで取り組んできた事業構造の変革をベースに、今後はその売上・利益の成長を本格化させ、さらに先の成長を目指します。目標とする経営指標は、自己資本比率50%、ROA(総資本利益率)4%以上、ROE(株主資本利益率)8%以上と設定しています。

・第9次中期経営計画では、5つの事業戦略を展開します。

・@成長性重視の事業の再構築を推進します。当社の事業はこれまで半導体設備関連に集中しており、ピーク時には50%近い構成比に達していました。今後は成長が有望視される自動車、医療、インフラ、ロボット関連技術、航空・宇宙関連にフォーカスして事業ポートフォリオを再構築します。半導体設備関連への依存度は30%程度に抑えることが目標です。

・Aオリジナル製品開発の強化により、収益力をさらに高めます。そのため、現在の7つの事業ユニットを3つほど増やし、各ユニットを10〜20億円規模へ拡大したいと考えています。また、仕入先との連携によりオリジナル製品のラインナップ強化を図ります。2020年までには、売上高ベースでオリジナル製品の比率30%を目指します。

・B海外ビジネス展開の強化を図ります。ローカル企業との取引拡大と電子部品ビジネスの拡大に取り組みます。また、海外ネットワークを充実させ、アウト-アウトビジネス(海外子会社間取引)を増やしたいと考えています。地域に密着したビジネスを展開し、2020年までに海外売上高比率30%とすることが目標です。

・Cマーケティング力と営業力の向上にも取り組みます。商社としてスタートした当社は国内外に強力な販売ネットワーク網をもっています。今後は国内では東北エリア、海外ではベトナム、インド、インドネシア等に拠点を確保し、ネットワークを拡充していきます。また、年間100件以上開催している展示会展開も国内外ともに継続します。当社の展示会はお客様の施設で行わせていただく特徴的なものです。こうした取り組みを通して、市場での存在感につなげたいと考えております。

・D生産部門の統合強化を推進します。愛知県一宮市に5,000坪の土地を確保し、当社の基幹工場となる中部工場が2016年11月に竣工しました(第1工場)。現在、電子機器・部品関連製品の生産工場として順調に稼働しています。中部・東海地方には、自動車や航空・宇宙関連の会社が集積しており、ここをさらに充実させていくつもりです。工事第2期として装置関連の生産が行えるような大規模工場の建設を予定しており、2018年には稼働を開始できるよう計画中です。

・当社はこれまで対外的にも「技術商社」や「エレクトロニクスの専門商社」と発信してきました。これからは第9次中期経営計画を進めていくなかで、商社機能と製造機能を融合した“エレクトロニクス業界の技術立社”として独自の進化を図り、高成長・高収益の実現を目指してまいります。

 

4.2017年12月期業績見通し及び株式情報

・2017年12月期の連結業績は、売上高500億円、営業利益22億7,000万円、経常利益23億円、当期純利益16億2,000万円、1株当たりの純利益は146.75円を見込んでいます。予定通りに進めば、4年連続の増収増益です。

・商品セグメント別の売上高では、電子機器・部品関連が388億1,400万円で前年比14.3%増加、製造装置関連が111億8,500万円で前年比微増を見込んでいます。製造装置関連の売上高は比較的高い水準ですが、もっとコンスタントな成長が実現できるよう、取り扱い分野の拡大を考えています。現在は医薬品関係の装置にもチャレンジしています。

・2017年12月期第2四半期の受注高は282億1,700万円、受注残高は159億9000万円で下半期へと引き継がれました。いずれも当社にとっては高い水準での折り返しです。

・業績達成に影響を与えるリスクとしては、当社の場合3つ考えられます。1つは、中国をはじめ世界各地で産業機器の製造が行われているなか、調達が難しくなっている部材があることです。受注して、予定通りに欲しい部材が確保できるか否かがポイントになります。もう1つが、納品後の検収にかかる時間によっては売上時期がずれる可能性があることです。機械設備は、納品後お客様に動作や仕様等の不具合がないことを確認していただき初めて売上になります。最後は、グローバルな取引を行っているため、為替の影響は免れないことです。当社はこうしたリスクを踏まえつつ柔軟に対応していき、2017年12月期通期業績の達成に取り組みます。

・当社では安定した配当をポリシーに株主還元を行っており、今期(2017年12月期)からは中間配当も実施しています。2017年12月期の中間配当は1株当たり15円です。期末配当は当初1株当たり15円の予定でしたが、年間の増益予想を勘案し1株当たり20円に上方修正いたしました。そのため、年間配当金は合わせて1株当たり35円(配当性向23.85%)を予定しています。

 

5.質疑応答

Q1.今年1月に3社が編入し貴社が誕生し、8ヶ月ほど経過しました。期待されたシナジー効果の具体的な成果は出ていますか。

A1.統合して1つの会社になったことで、情報の流れが非常に良くなったと感じます。そのため各部門の意思判断も迅速になりました。期待するシナジー効果は、商社部門の保有する顧客ニーズの把握力とメーカー部門の技術力がスムーズに融合することなので、今後は人事的な交流を促進し、お客様のニーズを当社のものづくりに反映する仕組みを構築していきます。

 

Q2.既存製品と比べて、貴社のオリジナル製品はどのような点が違うのでしょうか。また、収益性は良いのでしょうか。

A2.電子機器・部品も製造装置も、顧客企業それぞれの製品や製造ラインに合わせたものが求められます。まずは仕入先の製品を紹介しますが、既存製品にはない特徴やスペックが求められる場合は当社の技術で開発を行っています。当社の製品には他社にはない、当社しか作らないようなニッチな製品が多いのはそのためです。また、複数の既存製品や当社の製品を組み合わせたシステムを提案することもあります。当社で製品づくりを補える商品セグメントは高い利益率になっており、電子部品製造装置は35.4%とメーカー並みの利益率です。現在は全体の24.1%であるオリジナル製品の売上高構成比を高めることで、さらに収益性を高められる可能性があると考えています。

 

Q3.株主優待制度の導入を考えていますか。

A3.当社としては、基本のポリシーとして安定した配当によって株主様に還元を行っていきたいと考えています。ご理解いただければ幸いです。

 

Q4.愛知県に新たに基幹工場を新設されましたが、稼働状況などは順調でしょうか。

A4.敷地5,000坪のかなり大きな工場で、できた当初はフロアが埋まるのかと心配もしましたが、おかげさまで国内の列車関係や電源関係の大プロジェクトの受注に恵まれ、順調に稼働しています。業務量としては忙しくなってきており、現在の課題は人材の確保で、優秀な人材を集めるために努力しているところです。

 

Q5.将来的にどのような会社でありたいと思われますか。社長のお考えをお聞かせください。

A5.当社の長期ビジョンとして、目指す姿を4項目掲げています。「製販が融合した他に類を見ないユニークな企業」、「業界にとってなくてはならない特徴ある技術・製品を有する企業」、「社員にとって働き甲斐があり、誇りに思える企業」、「一致団結の強さと同時に自律能動的に動く組織」です。また、日本社会へ貢献できる企業でありたいという想いもあります。日本のエレクトロニクス産業は、1990年以降いろいろな課題により勢いが衰えています。そうしたなかで、海外との競争に勝つためには、強みの部分を伸ばしていく必要があります。日本は世界に先行して少子高齢化社会に足を踏み入れた分、高齢化社会での技術活用ノウハウは他国に比べ先んじています。また、エネルギー分野や素材分野に関しては未だトップクラスにあると思われるので、まだまだ日本の影響力は世界に拡げていくことができると考えています。当社は、その1つの助けになる会社でありたいと思っています。

 

以上

 

 

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