株式会社フージャースホールディングス(3284)

日 時:2017年7月30日(土)11:00〜11:50

場 所:ホテルオークラ札幌(札幌市中央区)

説明者:管理本部 グループ戦略室 室長 北川 智哉 氏

 

1. 会社概要

・当社の設立は2013年ですが、これはホールディングスにした年であり、会社の創業は1994年で、すでに24期を迎えました。

・フージャースという名前は米国中部インディアナ州の州民の愛称に由来します。都市部の住民のように年収は高くないのですが、広くて豊かな住環境で充実した生活を送っています。

・当社も「日本の住まいを豊かにしたい」という思いで、お客さまが心豊かな生活を送ることができるマンションを供給しています。コーポレートスローガンは「欲しかった暮らしを、しよう」。住んだ方に喜んでいただくことをコーポレートスローガンにしました。それに伴い、さまざまな約束ごと、コーポレートプロミスを定めました。

・事業の1つ目は不動産開発事業です。札幌市でも数棟のマンションを開発しました。当社自体は持ち株会社で、各事業は子会社が担当しています。不動産開発事業はフージャースコーポレーションが担っています。

・2つ目はCCRC※事業です。つい最近まではシニア事業と呼んでいました。元気な高齢者をターゲットとし、フージャースケアデザインが担当しています。

※CCRC=Continuing Care Retirement Community

・3つ目は戸建・アパート事業で、フージャースアベニューの担当です。

・4つ目は不動産投資事業です。最近では地方のホテルを買収し、賃貸を行っています。担当はフージャースアセットマネジメントです。

・5つ目の不動産関連サービス事業はグループとして非常に力を入れています。そのひとつがマンション管理事業で、お客さまにとって役に立つもの、喜んでいただけるものは何かと考え、取り組んできました。もうひとつがスポーツクラブ運営事業で、住んだ方が健康のために通えるスポーツクラブを全国に設立、29店舗を保有しています。

・6つ目は海外事業です。2017年5月、カンボジアとベトナムに20数億円の投資を行い、Hoosiers Asia Pacific Pte. Ltd.をシンガポールに設立しました。オーストラリア、タイ、米国での投資機会も伺っています。

・7つ目は行政と組んで行うPFI事業です。

・1994年、現在も社長を務める廣岡哲也が当社を設立しました。その後、マンションブームに乗り、2000年には1,000戸、リーマンショックの頃(2008年)には約1万戸と増やし、現在では2万戸を供給しています。

・従来、首都圏郊外のファミリーマンションしか扱っておらず、利益の約9割を占めていました。2008年、リーマンショックで大打撃を受け、約100億円の損失を計上、会社の存続も危ぶまれる状況に追い込まれました。

・それ以降、「地方」と「シニア」、賃貸も含めたアセットマネジメントなどの安定的な収益である「AMフィー」という3つのテーマを掲げ、企業の改革に取り組んできました。

 

2. 中期経営計画と戦略の3つの柱

・中期経営計画では2021年3月期の売上高1,000億円、経常利益100億円を目標に掲げました。2017年3月期は売上高527億円、経常利益53億円の実績で、2018年3月期は売上高600億円、経常利益60億円を目標とし、順調に推移しています。

・目標達成のキーワードは「地方」「シニア」「富裕層」の3つです。

・北海道では札幌市、帯広市、釧路市、函館市などで事業を行い、東北、西日本、沖縄なども力を入れています。

・戦略の3つの柱として、エリア拡大、ターゲット拡大、事業範囲拡大を掲げました。

・エリア拡大は地方創生です。リーマンショック前、首都圏郊外のファミリーマンションが約9割を占めていましたが、今は2割を切り、地方が8割以上を占めるようになりました。ドラスティックといっていいほどの大きな転換を果たしました。

・ターゲット拡大は元気なシニア層に照準をしぼりました。これからはシニアがマンションを買う時代です。特に金融資産1億円以上の富裕層に多く買っていただいております。

・事業範囲拡大は暮らし関連サービスとしてスポーツクラブ、健康増進複合施設「Tomorrow PLAZA」などを展開しています。

 

3. 地方とシニアに対する戦略

・当社はリーマンショックで苦しい思いをしましたが、ファイナンスなどには頼らず、自助努力で業績を回復させました。「地方都市で勝負する」と明言し、他社に先駆けて全国の主要都市に支店を開設しました。

・2012年4月、東北支店を開設、既に29件の仕入れを終えました。2014年4月に開設した北海道支店も10件の仕入れを終え、地方だけで合計70件程度の事業が進行中です。今後も地方に、より力を入れていきます。

・当社が狙う地方とは県庁所在地もしくは、それに準ずる人口20万人以上の中心都市です。国が掲げているコンパクトシティー化構想の中での事業展開と考えています。

・具体的な案件として、北海道では「函館MARKS THE TOWER」「デュオヒルズ円山ファースト」「デュオヒルズ札幌Mid」などを開発、いずれも完売しました。今後も札幌市を中心に、その他エリアでも順次展開を考えています。

・事業の特色は1棟50〜100戸の物件が主流であることです。特に東北や北海道では、かなりの数を仕入れました。今後は西日本でも頑張っていきたいと考えています。

・当社は47都道府県の全てで事業をすることを公言、34都道府県まで進出を果たしました。残りの13県へも2021年までに進出する計画を立てています。

・人口20万人以上の都市は全国に130都市あり、このうち52都市で事業を行っています。まだ2倍以上の都市が残っており、当社の成長ファクターはたくさんあると考えています。

・人口20万人程度の都市での再開発には、50〜100戸のマンションが適正な規模となります。当社は首都圏郊外で50〜100戸のマンションを開発してきましたから、サイズ的にも合っています。

・大手財閥系業者は50万人以上の都市で200戸以上の大型マンションを手掛けており、50〜100戸のマンションには興味を示しません。また、10〜20戸を扱う地元業者にはサイズが大きすぎます。

・2009年度は首都圏がほぼ100%でしたが、2014年度は首都圏73%:地方27%、2017年度は首都圏25%:地方75%と、わずか3年で収益構造が一変しました。

・2014年まで首都圏が多かった理由はリーマンショック前に仕入れた首都圏の土地がたくさんあったからで、2017年3月期決算が良かった理由はリーマンショック以降に仕入れた地方の土地にマンションが完成したからです。

・2018年3月期は地方が83%まで増える見込みです。今後も8割程度は地方都市で展開していくことを考えています。

・「首都圏郊外のファミリーマンションの契約率が悪い」という情報が出ると、当社の株が売られますが、それは大きな間違いです。当社は首都圏郊外の指標には影響を受けません。

・当社のような業者が、これまでなかったところに新たなマンションを建て始めており、マンション戸数は増える傾向にあります。首都圏郊外が減っているだけで、地方では活況を呈しています。

・シニア向け分譲マンション事業をCCRC事業と呼んでいます。CCRCとはContinuing Care Retirement Communityの略で、米国、スウェーデン、ノルウェーなどでは、よく使われています。健常なときにマンションを購入し、コミュニティーを形成。病気をしたり、体調を崩したりしても、そのまま、そのマンションで暮らします。

・当社は51歳以上しか買うことができないマンションを造っています。共用部分に力を入れ、天然温泉、ラウンジ(サロン)、レストランというサービスが付いています。共用部分を充実させることで、皆さんに生活を楽しんでいただいています。

・51歳以上に特化することで、リバースモーゲージが使えることが一番の強みです。リバースモーゲージとは持ち家を担保としたローンの一種で、毎月の元金返済がなく、所有者が亡くなった際、貸し手が持ち家を売却などして回収します。現在、5行の銀行が取り組んでいます。5〜10年後には各行が必ずリバースモーゲージを手がけます。当社は銀行と連携し、日本でいち早くリバースモーゲージを取り入れました。

・マンションでは共用部分で必ずもめごとが起こります。ファミリーマンションではキッズルームが欲しいといわれますが、シニアには必要ありません。当社は51歳以上に特化することで、もめごとの種を減らしました。

 

4. 今後の成長戦略と配当計画

・新聞紙上やアナリストレポートなどで、「今後、マンションが売れない時代が来る」という表現を見ることがありますが、これは間違いです。日本では核家族化が進み、借家の割合が増えています。1世帯当たりの人数が減り、借家世帯が増えているわけです。

・首都圏供給戸数は2014年の4万4,913戸から2016年の3万5,772戸に減少しました。今後3万戸まで減少すると考えていますが、ゼロになることはありません。借家世帯、核家族世帯が増え、そうした世帯がマンションを購入するからです。

・当社は「今後、マンションブームが来る」と明言しています。シニアがマンションを買う時代が来るからです。「マンション=ファミリー」という時代は古い、これからは「マンション=ファミリー+シニア」です。

・実際、団塊世代(60〜70歳代)が当社のマンションを購入しています。地方都市のマンションの約6割近くを50〜70歳代の方が買っています。しかも、本当にマンションが売れるのはこれからだと考えます。現在、40歳代の団塊世代ジュニア、いわゆるバブル世代が定年を迎えるからです。この世代こそ最大のターゲットです。

・この世代は高校以上の進学率が約9割。高校卒業後、大学・専門学校に通い、一人暮らしの経験をしたことがある人が多く、アパートやマンションに抵抗がありません。

・しかも出生地への愛着が希薄です。父母や祖父母は先祖代々の家に住んでいました。バブル世代は分譲住宅やニュータウンなど駅から離れた住宅を買いました。その子どもが家を出て60歳を過ぎてリタイヤしたら、土地を売って街中の便利なマンションに住もうと考えます。多くは大学を出ていますから合理的で、利便性を重視します。

・マンションニーズは拡大します。ファミリー市場は今の70%になるかもしれませんが、シニアがいます。首都圏の郊外型マンションが売れない時代が来ても、地方都市に注目すれば今後20年間、マンションブームが続きます。どこでマンションを造り、誰をターゲットにするか、この点がしっかりしていればマンションは必ず売れます。

・今後の戦略として、ヘルスケア・リートにも力を入れます。ヘルスケア・リートは約3年前に3社が上場しましたが、価格は低迷しています。いずれもサポート付き高齢者住宅を入れており、保険などの影響を直接被るからです。

・当社が目指すヘルスケア・リートは健常なシニアをターゲットとしています。中核はスポーツクラブで、すでに29施設をオペレーションしています。

・地方都市の再開発では2〜3階部分を商業施設にしてほしいと要望されますが、企業の誘致はなかなか難しいので、どうせならマンション購入者にとって有意義なものをと、スポーツクラブ、病院・クリニックなどの設置を企画しました。それらをリートに組み込み、従来のヘルスケア・リートとは全く違うものにして勝負していこうと考えています。

・基幹となる「Tomorrow PLAZA」が2017年7月28日に東京都日野市にオープン、マスメディアでも取り上げられました。スポーツクラブ、デイサービス、医療モール、地域のコミュニティー施設が一緒になっています。こうした複合施設は海外ではよくありますが、日本では珍しい存在です。

・こうした施設を年に1つ程度造っていきます。その一方、スポーツクラブの全国展開をさらに加速し、ヘルスケア・リートの充実を図りたいと考えています。

・スポーツクラブとしては14都道府県にあるスポーツアカデミーのほか、北海道にテニススクールの宮の森スポーツ、千葉県にクリスタルスポーツクラブを保有しています。

・現在、全国で約4万人のスポーツクラブ会員がおり、当社のマンションのお客さま候補と考えることもできます。

・配当計画については中期経営計画の中で、利益の20%を配当にすると約束しました。2017年3月期は29円配当の予想です。

・今期から自社株買いに力を入れていくことを取締役会で決議、まずは3億円の自社株買いを発表しました。

・配当を出すとともに自社株買いを行いながら、企業価値を高めます。成長しつつ、株主還元にも積極的な企業であり続けたいと考えています。

 

5. 質疑応答

Q1.シニア事業の売上高が大きく伸びていますが、今後の見通しを教えてください。

A1.シニア事業には経営資源を集中して投下してきました。今期の売上高は100億円程度を見込んでいます。2021年には2倍の200億円を超えるところまで持っていきたい。土地の仕入れも順調で、必ず達成しなければいけない数字と捉えています。

 

Q2.ヘルスケア・リートの上場は具体的にいつ頃とお考えですか。

A2.2020年3月期での上場を目標にしています。今後、さまざまな病院・クリニックとの提携、スポーツクラブの新設立・買収などがあると考えていただいて結構です。

 

Q3.株価が2017年4月から急上昇し、現在は高値圏にあります。この理由と今後の見通しを教えてください。

A3.従来、個人投資家だけでなく、機関投資家にもIRをほとんど行っておりませんでした。2017年3月期の決算発表以降、IRを積極的に行ったことが株価上昇につながったと認識しています。もともと当社の発行済み株式約3,100万株のうちアクティブファンドは2万数千株しかありませんでした。三井住友アセットマネジメントが5%超を買ってくださり、ようやく機関投資家が入ってきました。つまり、今回の株価上昇は安値で放置されていたものが、より正当に評価されるようになったからといえます。野村證券がレポートを出すなど、証券会社の注目も集まってきました。

時価総額は360億円程度です。ターゲットにしているタカラレーベンは時価総額が約600億円。タカラレーベンは2016年にインフラファンドを上場させたことで、時価総額が一時1,000億円を超えました。当社もヘルスケア・リートの上場を計画していますので、むしろ今のバリュエーションは非常に安いと考え、自社株買いも積極的に行っています。

 

Q4.今後の北海道での取り組みについて教えてください。

A4.北海道では分譲マンション、イノベーション事業、太陽光発電、収益物件の保有など、多岐にわたる事業を行っています。本業の分譲マンションと再開発事業では2017年3月、函館駅前に上階が分譲マンション、下階が商業・行政施設というビルがオープンしました。次は釧路市です。今、釧路市は長期滞在者が多く、そうした層もターゲットにしながら、大小の分譲マンションと、併設のサービス付き高齢者住宅を90室程度予定しています。ほかにも帯広市、旭川市など道内各都市で積極的に投資します。

 

Q5.今後の海外投資について教えてください。

A5.海外は今、種をまいている状態です。2021年3月期までの中期経営計画は地方・シニアに照準をあてており、その次の中期経営計画で海外を考えています。ベトナムは人口7,000万人超、近いうちに1億人になり、平均年齢が28歳、年収も上昇傾向にあります。日本の1960年代後半から1970年代のマンション全盛時代と似ています。当社が狙っているのは管理事業ですが、現在のベトナムには管理事業はほとんどありません。今、ベトナムでは建てることに一生懸命で、管理まで手が回っていない。すぐ収益につながらないかもしれませんが、数万戸を確保できるチャンスです。5〜10年後には非常に魅力ある商品になると考えます。カンボジアは電気代が高く、しかも非常に脆弱なので、メガソーラーなどのエネルギー分野での進出を模索しています。海外事業も不動産で参入しますが、必ず付随するストック事業を見据えています。

 

以上

 

 

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